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(短編集)
海を見る人
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海を見る人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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七篇から成る連作短編ハードSFである。恥ずかしい話だが、前半の三篇は理解が及ばず、読みづらかった。四篇目「キャッシュ」から面白くなる。 恒星間飛行にかかる長い時間をやり過ごすため、冬眠中の乗員は仮想空間で過ごす。しかしある日バーチャルが破綻して・・・ウルトラマンAでバキシムが空をガラスのように割って顔を出すシーンを思い出した。たぶん作者もあの作品から発想したのだろう。 「母と子と渦を旋る冒険」宇宙探索を少年の冒険になぞらえる。 表題作、本書の白眉である。山の村に住む少年は、祭りのときに会った浜の村の少女が忘れられない。 だが、山と浜では重力ばかりが時の流れも異なる。山の一年は浜の数日なのだ。過酷な初恋の行方には、何が待つのか。時空に隔てられた異世界の恋はSFによく登場するテーマだが、本作が最も論理的で容赦ない。抒情性も優れている。 「門」ゲートを守る百人ほどのコロニーに、太陽系からの使者が訪れた。少年は美少女艦長に一目ぼれする。これぞSFという感じの宇宙&時間SFの逸品だ。イチゴミルフィーユ。 本作と表題作ゆえに高評価とする。 | ||||
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面白かったです | ||||
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量子力学だのブラックホールだの、ガッツリ文系の私からすると目にした途端に眠ってしまいそうな専門用語が本作にはこれでもかというほど出てきます。このまったく理解できない宇宙語を見ているような感覚、ああSF小説を読んでいるなぁという気分になるのですが、理解できないなりに面白いSF小説というものを書く筆頭がこの作家だったりします。 本作は短編集。しかしどの話も濃厚なSF要素を取り入れながらSFファン以外にも楽しめるという、少しだけ大衆向けなSF小説となっています。 この作家にしては珍しく、ほぼすべての短編が淡く切ない恋愛描写で纏められています。表題作を始め、最後に『門』で締めるこの読後感。きゅっと胸が締め付けられます。いい意味で。 ホラー作家としても有名な著者ですが、本作はホラー要素はほとんど含まれていないためそういった描写が苦手な人にもおすすめ。ただその代わりのようにグロい表現は各編ちょこちょこ挟まれます。肉体的に痛い描写がダメな方は注意。 全体的にさほど厚みはないのにSF長編映画を何本も立て続けに観たような満足感を味わえます。面白く読みやすいSF小説を書く作家といえば?と聞かれたら貴志祐介とこの作家を間髪入れず挙げます。ハードなSFファンからSFに馴染みのない人にまで幅広くお勧めできる一冊。 | ||||
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表題作は不思議な作品だ。 全作品に言えるが この世界感、宇宙感は素晴らしい。 | ||||
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結構面白いです。 同著者の短編集「天体の回転について」よりも グロテスクな描写は少なく誰もが読みやすいと思います。 どの編も面白かったですが、特に「キャッシュ」「独裁者の掟」が面白かったです。 また、「門」という話はハードSFらしく技術的説明が密でとても良い。 | ||||
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いわゆるハードSFと呼ばれる小説は初めて読んだのだが、世界観を理解するのにかなり苦労した。 全ての作品にいえることだが、地球の理とはだいぶ離れた世界の話であり、風俗や習慣だけでなく、いわゆる物理法則自体が違う。 特に最初の話にいたっては、読みながら情景の浮かばない個所が多かった。 こんなことは初めてである。 作者は相当な科学の知識を有し、それをうまく文学と融合できていると思う。 その反面、理系脳ならではというべきか、登場人物の行動がやけにステレオタイプに過ぎ、個性に欠けているような気がする。 時には不条理で意味のない行動をすることに人間の味わいがあるのだが、行動動機や思考が総じて安直。 その点だけ残念だったが、読み応えのある名作であることは確かである。 | ||||
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ハードSF的ロジックに基づいて構築された異世界のなかで、 ファンタジックかつリリカルな物語を描き出したSF短編集。 各短編の主人公たちは、物語のなかで、舞台となる異世界の構造(の一部) を知ることができますが、それと引き換えのように、自分にとって大切な何か を永遠に失ってしまう――というほろ苦い喪失感が、せつなさをかきたてます。 ※収録されている各短編の内容については「コメント」をご参照ください。 | ||||
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小林泰三はデビューの頃からのファンです。 私はホラーと言うと幽霊や怪物がでてきて 驚かしたりする映画の事だと思っていました。 ホラー小説もその類いのストーリーだと思って 読め始めてみるとまったく違う事がわかりました。 多くの作家の書くホラー小説は直接的な恐怖よりも 人間的でじわじわと骨に来る恐怖を書きます。 それまでホラーというジャンルを子供を驚かせたり 恋人とみてワーキャー叫ぶような物だと思っていた 事を反省し、そして新たな世界が広がるわくわく感を 感じそれから多くの作家のホラー小説を読み進めていた その時に小林泰三の作品に出会ったのです。 小林先生の書くホラーは他の作家とはまた違い 幻想的な風景とリアルな描写が実に絶妙な混ざり具合を 見せていました。そんな先生がホラーやミステリ以外の SF短編集と言う事で本書を購入しました。 小林先生の持ち味である 幻想的な描写がこの短編集ではうまく働いていました。 やや小難しいような回りくどいような描写であるのに 頭の中にはふわふわと光景が浮かび上がってきます。 先生は文章で芸術を表現しているかのようです。 それでも小林先生の多くの作品の中では特別光っている 話はこの本には少なくそれが4つ星である理由です。 | ||||
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SF の短編集、ということで短い話がいくつか収録されています。 SF では世界の設定を最初に提示することが多いと思いますが、本書では最初に世界観を示さず、読者に 「どんな世界なんだろう?」 と思わせておいて話の最後にそれを明かす、という構成をしているものが多くあります。 その点である種のミステリ的な要素も持ち合わせていると言えるでしょう。 また、世界の設定は確かに SF なのですが、「時計の中のレンズ」、「海を見る人」 など、SF としての世界の設定なしでもファンタジー作品として楽しめる作品も収録されています。 そういった点で 「SF はちょっと苦手」 という方でも楽しめる本だと思います。 もちろん世界の設定はかっちりとしてるので、SF が好きな方はもちろん楽しめるでしょう。 魅せる本、という印象が強いです。 | ||||
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小林泰三のホラー作品しか知らない人ははぁ?な感じのSF作品群。ホラー以上にかなり読む人を限定してしまう。 といってても、表題作の海を見る人、あるいは、キャッシュ、門などはSFに興味がまったくない人でもきちんと楽しめるので。まぁ、ファンは試しに買ってみるのもいいだろう。 | ||||
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この世界とは時間の流れが違う、重力が違う、星すら全然違ういろんな世界が舞台です。 でも想像世界とは思えないくらい文章が現実的で話しの中に惹きこまれます。 短編小説集なので飽きることなく次の世界観を楽しめます。 小林泰三は何冊か読んだことがあってグロテクスな表現ばっか重視する 作家だと思ってたけどこの本はそんなこと全然なくて、 少しロマンティックな淡い恋の話しが多かった気がします。 今まで読んだ本の中でも上位に入るくらい大好きな本です。 | ||||
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タイトルに書いてある通り、この物語の中で起こっている全ての現象を真面目に解こうとすると訳が分からなくなり、読む気がなくなってしまいます。 理解できない物は理解できないと割り切って読みましょう。あとがきでも著者本人がそう言っています。物語自体はとても楽しめます。小林氏が書いたホラーやミステリー以外の作品を読むのは初めてなのですが、全くといって良いほど違和感がありません。 ホラーのときのような狂気じみた感じこそしないものの、小林氏らしい論理的でどこと無く冷たい感じがハードSFにぴったりです。小林氏のホラーがグロくて駄目な方は是非こちらの本を読んでみて下さい。SF好きにも、そうでない人にも絶対お薦めです。 | ||||
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高度なテクノロジーによる文明や未来世界ではなく、我々の 世界とは形・時空の異なる世界で展開される不思議な物語です。 極端に重力が弱い、世界が逆さに見える、山を降りると時間の 流れが違う、等など、想像すること自体に楽しみを覚えること ができます。 ホラー作家としての地位を既に確立している小林泰三氏ですが、長編SF「AΩ」に続く今作で、SF作家としての基盤をも確立 したと思います。(私の中ではすでに確立していましたが) それぞれの話のオチは多少弱い気もしますが、全体的に読みやす く、話の世界に没入することができます。 表題作「海を見る人」が一番のお薦めです。 | ||||
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ハードSFというジャンルながら、とても読みやすかったです。もちろん難しい理論の話も随所に出てきますが、いちいち理解できなくても、結果さえ知ることが出来れば、十分話にはついてけますし、最悪さっぱり理解できなくても、雰囲気だけでも楽しめるはずです。世界設定だけで楽しませるような作品と違って、なにより本筋の話が面白いのです。 | ||||
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重力や時間などが、われわれの世界と異なる世界で展開される7つの物語です。いろいろな世界、そこは不安定で、その世界でしか成立しないような、話です。物悲しさなどの情緒あふれる作品が多いです。ストーリー自体も面白いものでしたが、描かれてる世界が、「よく考えれたなぁ」と思わせる興味深いものばかりでした。描写から、どんな世界なんだ?と、考えて読むとかなり想像力が鍛えられた気がしました。「クラインの壷」みたいな、へんてこな位相空間を、沢山考えることができます。 | ||||
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科学的な知識の裏付けが、しっかりめのSFを、 ハードSFと、呼ぶそうです。 この辺り、ミステリーの本格ものと、似た感じですね。この作品には、日本のSFには、珍しく、ハードなSFが収められており、 それだけでも、希少価値があるのに、ストーリー的にも、それなりに、 よくできていて、科学的な蘊蓄部分が、ストーリーに、よくマッチしているのが、嬉しいです。好み的には、星四つという気分なのですが、たまには、こういう、 ハードSFものも、読みたいので、こういう作品が、 増えることを期待し、評価は、星五つとさせて頂きます。 | ||||
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a"¨è'...2¢§è2-aä"é ä" 111 ̄¶o3¨-a¨'£§3a '£§3''"§ ̄aa'£§3¨-è¨'¡"¨èè¨-aè¨1"aèaè¨\...¨èa¶o3'£§3èaè' ¬§¨-......é...a' ̄'£äè' ¶ää"¨a£ä-è' 'aäoaäo'¡'3èa¿-£é2ä"o"¨a" 'ä"䨣èa"¨èaä"ä¨\è¡ä"!!!1é-"é¨- é°2°-' - | ||||
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牧野修氏もそうですが、小林氏もホラーがメインの仕事であっても、熱いSFマインドが見え隠れします。『人獣細工』『食肉屋敷』の短編や、長編『A-Ω』がそうでした。牧野・小林の両氏とは、同じSF的設定のホラーを書かれている鈴木光司氏や瀬名秀明氏とはSFマインドの発揮の仕方が違う(ハインラインとA.C.クラークぐらい違う)、という印象を持っています。さて、本書はこれまでに『SFマガジン』その他で発表された短編集です。サラリーマン技術者と作家の二足の草鞋を履く小林泰三氏ですから、長編や連作短編を多く期待するのは酷かもしれません。表題作「海を見る人」は"場所ごとに時間進行が異なる世界での恋"がモチーフです。これと酷似したモチーフの作品があったように思いますが、残念ながら正確なタイトルが思い出せず(『逆転世界』が近いかなぁ)、比較することができません。...歳ですね。 | ||||
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