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リライト
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リライトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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”難解”というより”めんどくさい”タイムリープもの。 読み進めていくにつれてどんどん謎が深まっていく構成や、青春ものかと思いきやわりと黒い展開になっていくのは面白かった。 ただオチがちょっと雑。続き物とはいえもう少しうまくまとめて欲しかったところ。 結果的に、読んでいる間は楽しめても読後感があまりよくない作品になってしまっている。内容よりも構成&文章のせいで。 着眼点は悪くないだけにもったいない。 タイムリープ関連の設定は、都合が良過ぎる部分とそうでない部分が混在しているので、SFとして期待すると微妙に感じるかもしれない。 | ||||
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かなりわかりにくい話なんだけれど、レビューでそれは覚悟していたので、最後まで読めた。最後まで読めるほどにはおもしろい。でもやはり、力任せに書いた話という印象は拭えない。タイムパラドックスものということで、連想したのが藤子・F・不二雄の短編、あいつのタイムマシンと、ドラえもんのあやうし!ライオン仮面。そもそも叙述ミステリーであるということを差し引いても、わかりやすく読者に伝えるテクニックという点で、F先生には遠く及ばない。まぁでも面白かったので3点。 | ||||
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ストーリー自体は悪くない、と思う。 けど、筆者の力不足で登場人物の個性の描き分けきれていないため、文体は軽いがストーリーを理解するのに苦労する。 着眼点は悪くないだけに残念。 | ||||
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「イヤミス」って知っていますでしょうか? 一時期、ちょっと話題になったバズワードで「読んだ後にイヤな気分になるミステリ」のこと。 映画化もされた湊かなえさんの「告白」なんかが有名ですが、個人的にはイヤミスと聞くと、米沢穂信さんの「ボトルネック」の読後感は最悪だったなぁと思い出します。 今回、レビューしたい作品はイヤミスではなく、イヤSF(なんか良い呼び方が思いつかなかった……)な作品。 先日、観劇に神戸に行った折、ジュンク堂書店でウィンドウショッピングをしていると、この作品が目にふっと入ってきて、裏表紙でタイムトラベル物なうえ「SF史上最悪のパラドックスを描く」との煽りにやられた次第。 物語は2002年の夏。10年前からやってくる過去の”私”がとった行動をサポートするため、美雪は携帯電話を用意するのですが、その時刻になっても、10年前の自分はやってこないというタイムパラドックスから物語ははじまります。 なぜ、過去に確定しているはずの現在が異なってくるのか? そして、物語は1992年の夏に起こった出来事と、2002年の現在の美雪を交互に描くのですが……美雪の記憶と物語で語られる1992年の夏の”私”が異なってきます。過去が”リライト”されている? 読者はその疑問を持ちながら、1992年と2002年の物語を一気に読みふけることになります。 ……いやぁ、荒っぽい小説です。いわゆるライトノベルにあたる作品で、2311年からやって来た未来人・園田保彦(仮名)と、”私”のラブストーリーを軸にしたタイムトラベル物のSF作品の体を取って、発生したタイムパラドックスに迫るミステリ作品のように見せかけて、実はホラーを書きたいんじゃないかと思わせる作品。 過去がリライトされているのかも? と思わせる仕組みにワクワクしてグイグイと読み進めていくのですが、終盤に一気に物語の流れが予想もしない方向にねじ曲げられて、ラストでじわーっと「イヤな気持ち」にさせて閉じられてしまいます うわぁ、これはキツいわ……と思いながらも、読み終えたあとに続編、続々編があることを知って、翌日には続編の「リビジョン」、続々編の「リアクト」を購入しました。 正直な所、設定の稚拙さや文体の幼さなどに加えて、イヤなラストもあってなかなか人に薦めるのは難しいのですが、個人的には心の隙間にトゲを突き刺されたような「気になる作品」になりました。 | ||||
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現代版「時をかける少女」というにはいろいろ複雑すぎてもはや別物。文体はとても簡潔。でも読んでいく内に次々と矛盾が起こり、物語の理解に苦しむ。疲れるけど、矛盾がどこで解かれるのかとドキドキしながらページをめくる。そして結末に愕然。ー時空間の操作によってrewriteされた、歪んだ方程式。不定の解は、無限の夢を孕んでいる。 | ||||
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高校を舞台にしたタイムトラベルというか、ループ物かと思わせといて、どんどん変化球になっていきます。 かなり引き込まれて、考えさせられます。 ラストは時間SFというより、ホラー小説のテイストでした。 過去は変えられない、んじゃなかったのか??? | ||||
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ラノベとしてはよく出来ています。 が、ハヤカワから出ているからといって、S.F.としての出来を期待してはいけない。 物語としての出来も。 「リビジョン」で穴が埋まるのかと思ったら、そんなこともなく、やっぱり「ラノベ」レベルでした。 腰巻きの惹句のせいで期待しすぎたのかもしれないけれど。 リーダビリティは高いです。文章は巧いと思います。 ポカーンとしたい人にはおすすめしますww | ||||
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ネタバレになりますが、物語の後半あたりで「あなたを訴えたら勝てるかしら」というセリフが出てきますが、これは作者が自分自身に言った自虐的な言葉かなと思ってしまいました。 「時かけ」のオマージュ的な・・・・と言うより、「時かけ」をリライトしたような(^^; ただ、これをSFだと思って読むとガッカリするかも。 あくまで「物語」であり、SFとは違います。 最後のたたみかけるような謎解きも、SFが好きな人にはまったく力不足でしょう。ほとんどの成り行きは半分くらい読んだところで推測できる内容であり、それ以上のものはありません。 それでもそれなりに楽しめるストーリー展開なのですが、ラストはちょっと消化不良気味で終わっちゃうんですよね。 | ||||
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純粋に時間SF小説として期待すると、後悔する可能性があります。 通常、時間SF小説の場合、誰もが知っている常識的な事柄・ルールがあります。 例えば、 ・過去を変えれば現在も変わる。 ・過去を変えても修正力が働き、結局は殆ど同じ未来。 ・過去の自分に会う事は出来ない。 ・過去の自分、もしくは自分の先祖は殺せない。 ・過去を変えた場合、通常の人間は改変前の歴史を忘れるが、時間移動能力を持つ者は改変前の歴史の記憶がある。 等々です。 大抵はそれらの中から矛盾しない設定を取り出し、場合によっては独自の設定を加えると思います。 そしてこれらはあくまで基本ルールの存在が前提であり、その中でストーリーや設定を構築し、オチをつけるのが通常の時間モノだと考えます。 しかしこの小説は違うように感じました。 ラノベのセカイ系(及び、その傍流)の小説の中には、極端に言えば作者が絶対的な神となり、どんなルールもOKとなる場合も多いと思います。酷い時は後からどんどんルールが追加され、整合性がとれなくなる場合すら見受けられます。 そういう意味では、この小説は「時間を扱ったセカイ系の傍流」の小説であり、SF小説の時間モノとは違う印象を持ちました。 「実はこういう事が行われていた」というオチの部分ですが、これは理屈では可能でも、実際に実行するのは未来の道具を使っても常識的には不可能だと思いました。正に机上の空論です。 そして幾つかのアクシデントにより混迷を極めるのですが、その過程や結果において明らかな矛盾が複数発生します。しかし著者はそれらを単に「パラドックス」という言葉を用い、問答無用で「あり」な事にしてしまいます。ここら辺が真っ当な時間SF小説とは異なる所です。 更に言えば、伏線は色々と出てくるのですが、それが唐突と言うか、未整理な印象をうけます。とっちらかしたような、と言えば良いのでしょうか。ここら辺は著者の構成力不足という印象があります。 この小説には随所に「時をかける少女」に類似した部分が出てきます。しかしオマージュやリスペクトというよりも、安易に使った感が否めません。ガンダム(モビルスーツ)が流行った途端、劇中での「ロボット」という呼び名をやめ、独自の名前をつけたロボットアニメが氾濫したようなイメージでしょうか。 また主人公は一応いるのですが、描写上の視点が結構切り替わり、ただでさえわかりづらい人間関係や構成を更に難解な物にしています。複雑な構成にするのは構いませんが、それをするには、それに見合った筆力が必要です。著者にはそれが不足しているようにも思えます。 それからこの手の話の場合、ショートショートならばともかく、長い話ならキャラクター達に魅力をつけなくてはならないと考えます。キャラクターの魅力とは、単に「こういう容姿で、こういう性格」という事を書く事ではありません。そういった意味ではこの小説のキャラクター達には魅力がないし、比較的多人数の割に書き分けも乏しいように考えます。 まぁ、前述したように「新世代の時間SF小説」というよりも「時間を扱ったセカイ系傍流のラノベ」として読んだほうが、皆にとって幸せだと感じました。 | ||||
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時をかける少女を思い出しました。 こちらは、過去での行動と未来での結果に因果関係があったという設定。 物語の中で?な箇所が幾つかあり伏線に期待しながら楽しく読み進めました。 | ||||
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話の内容が飛び飛びで追っかけるのを途中、途中で諦めてしまった。 最後の終わりも尻切れになってしまってい、後味の悪さだけが残った。。 | ||||
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ツッコミどころもあるけれど、全般に楽しく読めました。 未来からやってきたと自称する少年と主人公の少女との甘く切ない恋物語……っぽい話を「時をかける少女 (角川文庫)」と対比するのは当然だけれど、時かけを「タイムトラベルを隠し味にした青春学園物」とするならば、こちらは「青春学園生活を隠し味にしたライトなタイムトラベルSF」くらいの違いがあります。 自分はこちらをバッドエンドとは思っていません。時かけのハッピーエンドはSFマニア視点からはあまりにご都合主義に思えたので、むしろこのくらいがトゥルーエンドだと思います。タイムトラベルを繰り返し、歴史を改竄してもほとんど痛い思いをしなかった「時かけ」の方が異常だと思います。 本作には推理物的な性質もありますが、もしこれを推理小説とするならば不完全と言えるでしょう。「探偵役」による種明かしにいたる前に、犯人やトリックを推定するのに十分な情報が提示されてないからです。むしろホラーの類。 登場人物の名前を覚えるのがチト大変。名字で呼ばれることもあれば名前で呼ばれる事もあるし、「はてこの人物は誰だったっけ?」となること多数。性格や交友関係もリライトに伴って若干変化してるのかな?それもあってかなお混乱します。 一番ひっかかったのは、パラドックスやリライトが起きたせいで「十年前の自分が来れなくなった」としても、それでなぜ「記憶は修正されなかったか」ですね。時間軸が書き換わったのなら自分の記憶も修正されるでしょうし、記憶が残っているなら時間軸は書き換わってないでしょう。母の記憶だけ修正されてるのに、自分の記憶は修正されないというのも、時間物としては違和感有り。 主な登場人物はざっと以下の通り。ネタバレになりそうな重要なプロフィールは省略していますが、それでも名前を出しすぎるとネタバレになる部分もあるかもな所が悩みどころですね。 園田 保彦(そのだ やすひこ):300年後の未来からやってきたという謎の少年。 大槻 美雪(おおつき みゆき):結婚後の姓は石田。1992年に経験した不思議な事件を元にした小説「時を翔る少女」を執筆した。 高峰 文子(たかみね あやこ):美雪のペンネーム。 石田 章介(いしだ しょうすけ):美雪の夫。海外赴任中。 佐野:高峰の担当 桜井 唯(さくらい ゆい):委員長。クラス一の秀才。 坂井 茂(さかい しげる):副委員長。同窓会の幹事。保彦の一番親しい友人 林 鈴子(はやし すずこ):同窓会の幹事。 室井 大介(むろい だいすけ):野球部所属の純朴な野球少年。 長谷川 敦子(はせがわ あつこ):クラス一の美少女。短気な性格。 増田 亜由美(ますだ あゆみ):夏祭りで保彦とイジメに関して口論する。 雨宮 友恵(あまみや ともえ):本の虫。家には古い本を所蔵した蔵がある。 佐々木 晴子(ささき はるこ):ちょっと男勝りの少女 細田先生:担任。 その他、ほとんど名前だけの登場人物。 川渕、赤城、高瀬、伊能、祥子、由美、長瀬、川津、田岡、宇佐美、高尾、荒木 時間SFとしては永遠の終りや未来からのホットラインなど多数存在しますが、特に「永遠の終わり」については、本作と対比して読んでみると色々と面白いかもしれませんね。ある意味で、彼が犯罪に手を染めた動機は○○と一緒なんだよなあ…。 | ||||
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ツッコミどころもあるけれど、全般に楽しく読めました。 未来からやってきたと自称する少年と主人公の少女との甘く切ない恋物語……っぽい話を「時をかける少女 (角川文庫)」と対比するのは当然だけれど、時かけを「タイムトラベルを隠し味にした青春学園物」とするならば、こちらは「青春学園生活を隠し味にしたライトなタイムトラベルSF」くらいの違いがあります。 自分はこちらをバッドエンドとは思っていません。時かけのハッピーエンドはSFマニア視点からはあまりにご都合主義に思えたので、むしろこのくらいがトゥルーエンドだと思います。タイムトラベルを繰り返し、歴史を改竄してもほとんど痛い思いをしなかった「時かけ」の方が異常だと思います。 本作には推理物的な性質もありますが、もしこれを推理小説とするならば不完全と言えるでしょう。「探偵役」による種明かしにいたる前に、犯人やトリックを推定するのに十分な情報が提示されてないからです。むしろホラーの類。 登場人物の名前を覚えるのがチト大変。名字で呼ばれることもあれば名前で呼ばれる事もあるし、「はてこの人物は誰だったっけ?」となること多数。性格や交友関係もリライトに伴って若干変化してるのかな?それもあってかなお混乱します。 一番ひっかかったのは、パラドックスやリライトが起きたせいで「十年前の自分が来れなくなった」としても、それでなぜ「記憶は修正されなかったか」ですね。時間軸が書き換わったのなら自分の記憶も修正されるでしょうし、記憶が残っているなら時間軸は書き換わってないでしょう。母の記憶だけ修正されてるのに、自分の記憶は修正されないというのも、時間物としては違和感有り。 主な登場人物はざっと以下の通り。ネタバレになりそうな重要なプロフィールは省略していますが、それでも名前を出しすぎるとネタバレになる部分もあるかもな所が悩みどころですね。 園田 保彦(そのだ やすひこ):300年後の未来からやってきたという謎の少年。 大槻 美雪(おおつき みゆき):結婚後の姓は石田。1992年に経験した不思議な事件を元にした小説「時を翔る少女」を執筆した。 高峰 文子(たかみね あやこ):美雪のペンネーム。 石田 章介(いしだ しょうすけ):美雪の夫。海外赴任中。 佐野:高峰の担当 桜井 唯(さくらい ゆい):委員長。クラス一の秀才。 坂井 茂(さかい しげる):副委員長。同窓会の幹事。保彦の一番親しい友人 林 鈴子(はやし すずこ):同窓会の幹事。 室井 大介(むろい だいすけ):野球部所属の純朴な野球少年。 長谷川 敦子(はせがわ あつこ):クラス一の美少女。短気な性格。 増田 亜由美(ますだ あゆみ):夏祭りで保彦とイジメに関して口論する。 雨宮 友恵(あまみや ともえ):本の虫。家には古い本を所蔵した蔵がある。 佐々木 晴子(ささき はるこ):ちょっと男勝りの少女 細田先生:担任。 その他、ほとんど名前だけの登場人物。 川渕、赤城、高瀬、伊能、祥子、由美、長瀬、川津、田岡、宇佐美、高尾、荒木 時間SFとしては永遠の終りや未来からのホットラインなど多数存在しますが、特に「永遠の終わり」については、本作と対比して読んでみると色々と面白いかもしれませんね。ある意味で、彼が犯罪に手を染めた動機は○○と一緒なんだよなあ…。 | ||||
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ライトノベルが一般に市民権を得て、どれくらい経つだろう? キャラクター小説、ということならば、SFやミステリーなどは昔から「個性的」な登場人物の出てくる作品というのはあって、ライトノベルにも分類される作品だと、ハヤカワJA文庫なら「星界の紋章」シリーズは1996年の登場だ。「銀河英雄伝説」は82年。 ただ、表紙がアニメ絵のイラストに違和感がなくなってくるのは、この5年くらい、2000年代後半くらいからだろうか。「デスノート」のマンガ家が太宰の「人間失格」の表紙を描いて、若い層にウケたのは2007年だ。 で、本作だが、表紙はイラスト調だがライトノベルではない。むしろ、没個性的な登場人物たちのドラマがメタフィクショナルに展開される。時間SFというカテゴリーがあるということだが、自分としてはミステリー色の強い作品だと思った。そこに物語の牽引力がある。 悲劇も転ずれば喜劇になる。ホラー系の新人賞出身ということだが、むしろコミカルな面白さというのも出ている。ミステリーの「新本格」で語るなら、森博嗣や京極夏彦らキャラクター小説より前、綾辻行人くらいのころの、ちょっと懐かしい味付けの作品になっている。 | ||||
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最初から最後まで止まらない!! 一言も読み逃せません。 そして、所々で自分が登場人物になったかのような錯覚を味わうことが出来ます。 久しぶりに良い作品に出会いました。 ラストなんてもう!! 最悪だけど完璧なラスト なんて言うか...美しいです。 登場人物に同感して、そうかと思うと、イライラしてきたり... 1冊で凄く楽しめました 皆さんも、この本で最悪だけど美しく儚い、一夏の「物語」を体験してみては?? | ||||
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いわゆるタイムとラベルもの。 10年前,私は確かに10年後へ跳んだ。それなのに10年後,いつまでたっても10年前の私は現れない。いったいなぜ・・・という切り口から物語りは展開する。 そしてストーリーは予想もしない方向へと突き進む。 途中から「私」が入れ替わる。複数の人物が「私」として語り始めるので,読み手は若干混乱する。でもそのことがむしろ物語のパラドックスをうまく表現しているとも言える。 最後の最後である人物が大演説をぶって真相を説明するが,ここは賛否が分かれるかもしれない。ラストは円満解決とは程遠いが,その方がある意味現時的だ。 2013年度版「SFが読みたい!」に載っていたので何となく読んだ本だが,十分楽しかった。 | ||||
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物語の語り手である『私』が次々にクラスメイトの別の人物に入れ替わります。しかも『私』たちは皆同じ体験をしているように感じます。さらにその『私』は次章では死亡している・・・ 超技巧派タイムパラドックスですが、たとえその部分が理解できなくとも作者の読者に「不安」を抱かせる意図は十分読み取れるはずです。正直私もこの作品のオチを十全に理解できたわけではありませんが十分楽しめました。アンチ青春小説としての『私』の歪みっぷりも見所。 | ||||
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1992年夏、中学2年生の美雪の前に保彦という少年が現れる。彼は300年後の世界からやってきた未来人だという。二人で旧校舎にいる最中、突然建物が崩壊し、保彦は生き埋めになる。美雪は保彦に渡された薬を飲んで10年後の世界へ飛び、持ち帰った携帯電話を使って保彦を救い出す。 そして10年後、美雪は過去から中学生の自分がやってくるのを待ち受けて携帯電話を用意するのだが、いつまでたっても自分は現れない。一体何が起こったのか?過去は書き換えられてしまったのではないのか…? 筒井康隆の名著『時をかける少女』をモチーフにして、タイムパラドクスを描くSF作品です。私も『時をかける少女』を手にしたのは10代の頃。日本の多くの10代があの物語に同じように切ない思いを抱いたはずです。 しかしこの『リライト』はそんな淡い恋心を思い切り打ち壊すような衝撃的結末を用意しています。中学生と、その10年後の大人の不気味で残酷な心の闇をつきつけられて、読者は怖気を震うことでしょう。 そしてねじれにねじれたタイムパラドクスを最後には、少々長広舌にすぎる、ある少年の解説で白日のもとにさらしてくれるのですが、その流れも見事です。 タイム・リープSFにはまだまだ可能性がある。 そんな思いを与えてくれる作品です。 | ||||
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タイムパラドックス自体を見事なテクニックで描いた作品、 といえるのではないか。 登場人物がいつの間にかどんどん入れ替わり、幻惑される。 それとともに謎がどんどん深まり、目が離せなくなる。 クライマックスでのパラドックスの渦に巻き込まれながらの謎解きは、 圧巻を通り越して笑いを誘う。 バカSFというのがあるのかどうか知らないが、ミステリでいえばバカミスに当たるのではないかと感じた。 もちろん、バカミスはいまや立派なカテゴリーであり、褒め言葉である。 ただし読後感は、こういうのもあっていいかな、と思う程度。 | ||||
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作者の作品はホラーとミステリーをそれぞれ設定と仕掛けに組み合わせてきたが、 本作では趣を変えてSFミステリーに挑戦している。例えて言うならば筒井康孝の「時をかける少女」をかなりダークな味わいのパロディーに上書きした印象の作品と言えようか。 三百年先の未来から来た少年と出会った少女は、彼を救うために十年先の未来へ五秒だけタイムスリップする。そして十年後、彼女は過去からやってくる自分自身を待つのだが・・・。 過去と現在をカット-バックで描きつつ、その間に生じた矛盾の原因を解明していくのだが、真相の込み入り具合と衝撃度の記述が非常に巧く、関心してしまった! | ||||
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