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後巷説百物語
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後巷説百物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 41~52 3/3ページ
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大人になってから、はじめて本を読んで泣きました。 私は京極夏彦さんの他の本をすべて読んでからこの本を読みましたが、そのおかげで泣けたと思います。 他の本を読まなくても充分に楽しめる内容と感じますが、感動するために少なくても【巷説百物語】【続巷説百物語】を読んでから、この本を手にとることをオススメします。他の本を全部読む必要はありません。 あと、私が泣いたのは、「かわいそう・・」とか、「むごい・・」とかそういった理由ではありません。 人と人が信頼しあえるってすごいなぁ、ってそういう理由からです。 ちなみに、泣けたのはこの本ですが、内容的には【続巷説百物語】の方が面白かったです。(あくまで私個人の感想です) | ||||
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■京極夏彦作品には、昭和30年前後の怪事件を妖怪探偵たちが解明して行く「京極堂」物の他、江戸時代を舞台にした「御行の又市」が登場する「巷説百物語」シリーズがある。■本書はその第3弾。語り部の山岡百介老人が数十年前に遭遇した怪事件を回想する形式だ。巧みな構成に引き込まれ、謎と怪奇が解明される快感を堪能できる。必殺シリーズの味わいもある。本作で京極は直木賞を受賞した。 | ||||
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京極さんの本というのは、装丁や文字組、挿絵(たいていは妖怪絵)にいたる意匠までを含めて、「作品」なんだなあ、と実感。たとえば、この本なんかは、カバーがリバーシブル仕様になっていて、カバーをとってくるりと覆せば、「東京日々新聞」とか「大阪日々新聞」とか、明治初期の「絵入り新聞」に記載された「怪異」がそのまま再録されている。浮世絵の流れをくんだ当時の画風もそれだけで目の保養といものだが、カバー表の妖怪絵のコラージュとの関係までを考えると、本書の二重構造を示唆していることに思い当たる。 この「巷説」シリーズ、既刊分三冊の内容は、刊毎に微妙に異なる。 「仕掛け人たち」の背景にまでは深く言及されず、「仕掛け」の巧みさを強調した最初の「巷説」。 その最初の「巷説」の各挿話と前後しながら、「巷説」では記号化されたキャラクター然としていた各々の仕掛け人の来歴が徐々に明かされ、血肉を持った存在として描かれる趣向の「続」。 そしてこの、隠居した百介が「一白老」と名乗りながら、新時代の若者たちと新旧の「怪異」と戯れる本書、「後」。 一白老が語る旧時代の「怪異」と、新時代の若者たちが一白老に持ち込む新時代の「怪異」との二重構造に目がいきがちだが、「一白老=百介」という軸を通してみると、「あちら側」に憧憬を抱きつつ「こちら側」にとどまり続けた「選択」の重みが、ひしひしと感じられるようになっている。「連作」である以上、終始一貫した枠組みは共通しているわけだが、そうした「縛り」をわきまえつつ、常に新しい面白さを提示する創意工夫ぶりは流石の一言。例えば、本書収録の「赤えいの魚」ひとつとって、なんの予備知識ももたない人に読ませてもスイフト風のディストピア小説として十分に堪能できることでしょう。 これくらいのクオリティであれば、直木賞受賞もむしろ当然かと。 | ||||
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面白いと思います。直木賞・芥川賞受賞作の中でやはり群を抜いているのではないでしょうか。(しかし、シリーズ物で直木賞って取れるんですねぇ。)京極道シリーズは、怪を語らず怪が表出していたのに対し、巷説シリーズは怪を語って俗(現世)が暴き出されるようなそんなお話です。。。同じ人間がこれだけの作品を書き分けられるものかと不思議に思います。(安直ではありますが素直な感想です)尚、本作を読まれる前に「哂う伊衛門」も是非読んで頂きたいと思います。生身の又一に会えますよ。 | ||||
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久しぶりに何か読もうと思ってたまたま買ったのですが、純粋に面白かったです。私は文学作品をすごく読んでいる方ではないのですが、私のような人たちが楽しんで読め、なおかつ人の業の深さや世の中の真実について深く考えさせられました。好き嫌いはあるかもしれませんがエンターテイメント性が高く活字離れの人たちを呼び戻せる作品だと思います。 | ||||
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いやはや。このヒトは本当にスゴイ。このヒトの所謂「妖怪モノ」‥巻が進むにつれ、タテ・ヨコ・ナナメと張り巡らされた複線の緻密さには唖然とさせられる。そもそも複線はその物語の中で張られるのが常套なのだが、彼の場合は違う作品・シリーズにまでそれが及ぶ。当然、それが及んでいる本は読まずにはいられなくなってしまう。まして発表順をも超越しているのだから、新規・継続の読者を問わずハマってしまうというわけ。最近の「京極堂モノ」は何だかノウガキが多くテンポも悪いので、むしろ僕はこの「巷説シリーズ」(必殺シリーズみたい)くらいのほうが好きだ。 | ||||
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このような小説でも直木賞を授章できるとは・・・。 いやはや、京極夏彦の小説の魔力には感服せざるをえない。 著者の筆力、構想力、知識、いずれをとっても他の作家とは一線を画するものがある。 「巷説百物語」、「続巷説百物語」、「後巷説百物語」と続く一連のシリーズはこれからも続けるつもりだと記者会見でも述べていた。これらの小説は読んだ者にしか価値が分からない。 読めば即、直木賞にふさわしい作品だ、と思うようになっている事だろう。 | ||||
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その名の通り、「巷説百物語」「続巷説百物語」の「のちの」話。しかし既に時代は江戸から明治へと移り変わっており、世に溢れていた怪異は近代化の名の元にだんだんと駆逐されていく... 。そんな中、諸国を巡り様々な怪異に遭遇しながら、また一方で又市らの仕掛ける大きな仕掛けの一部となりながらも、あてなく過ごしてきた百介も、一白翁として九十九庵を結び、既に隠居している。そんな中、剣之進、正馬、惣兵衛、与次郎の4人は世の中で起きた不思議な話を、あれやこれやと話しながらも、最後には物知りの一白翁に話し、そして相談しに来るのだ。老人は過去を懐かしみながらも、かつて遭遇した不思議な話を語り始める... 。「世に不思議なし、世凡て不思議なり」と。現代(ここでは明治)の怪異の解き明かしを、昔の不思議な話をヒントに行っていく。そして最後に、語られなかった昔の不思議な話、つまり又市らの仕掛けたカラクリが明らかにされる、といった作りの短編集で、最後の一編を除いて、雑誌連載のもの。時代の移り変わりと、百介による語りという形でこれまでの2作とは一味違う。鮮やかさはないが、味わい深い作品だと思う。「赤えいの魚」などは「陰摩羅鬼の瑕」で語られた奇妙な世界に非常に近い印象を受けた。尚、本作最後の2篇は「陰摩羅鬼の瑕」とも非常に密接な関係がある他、随所にこれまでの作品との関連も見られる。じっくり、何度も読みたい作品だと思います。 | ||||
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怖い。 京極氏の全作品の中で、私は「赤えいの魚」が一番怖い。本書の冒頭を飾る作品だ。 「風の神」の幕引きは見事だと思うし「狂骨の夢」や「陰摩羅鬼の瑕」への流れを感じるような「五位の光」も面白いが「怖い」と思ったのは本章だけだ。「笑い」というものは「恐怖」が去った安著の表情から派生したものだという。その「笑い」だけ切りとり固定したものが、本章の恐怖の根本にある。残酷に殺されて行く人々の描写よりも、既に形骸化した「掟」を忠実に守ることを当然の理であるとする者よりも、私は彼等の「笑い」が怖い。 「愉快」だからでも「絶望」からでもなく「掟」故に笑う。「嘲笑」でも「哄笑」でもない、最後の顔の形状として笑う。 この「恐怖」は普通ではない。 | ||||
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小夜は誰の子?そんなところで妖怪シリーズと繋がってるの?百介の最後にする行動とは? 京極ワールドがさらに広がる作品。 | ||||
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はじめは「あの話の裏側が!」とか「あの作品とリンクしてるのか!」と興味津々で読み進んでいったのですが、、、最終的にはなんだかじーんとさみしいながらもあったかい気持ちに。仕掛けた仕掛けは最後まで、ね。 | ||||
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怪談をテーマに、世の中の恨み辛みを落ち着く場所に落としていくシリーズ の第3弾(長編を入れれば第5弾か)。舞台を明治に移し、過去を懐かしむ 老人が、かつての不思議とその裏に潜む『仕掛け』について語っていくとい う体裁をとり、これまでの本シリーズの短編集とは、ひと味ちがう世界を作る事に成功しているが、シリーズ独特のどのように仕掛けるのかといった臨 場感にはやや欠けるかもしれない。しかし、作品の質がおちるわけではなく、 ドラマ化された作品の原作や、著者の他シリーズにつながる伏線などもあっ て、ファンならずとも読み逃せない作品だ。 | ||||
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