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黄金の鍵
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【この小説が収録されている参考書籍】
黄金の鍵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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高木彬光の読者であれば一読ただちに膝をうつくらい見え見えですが、墨野本人は謎の人物を気取りたいようなので、あえてその点は伏せておきます。高木彬光の作品は真犯人もトリックも明白なのに面白いのが特徴ですが、このシリーズは特にその傾向が強い。 ただ、他のシリーズとは異なり、昭和44年を舞台にしていることと、主人公が村田和子女史に変わったことで残念な面もあります。他作品のレビューでも度々指摘されているのですが、高木彬光の女性キャラクターは総じてステレオタイプの紋切り型で人間的魅力に乏しい。特にヒロインほどそうで、このシリーズの語り手である村田女史も失礼ながら「一度会って話してみたい」というようなタイプではありません。あえていえば、敬愛すべき松下研三君と同じくかなりの酒呑みである点は特長といえるかもしれませんが……。 そして、鼻につくくらい「女だてらに」「女のくせに」をくり返します。小説、それも昭和の作品に野暮をいうつもりはありませんが、「酒飲みで好奇心が強く、勇敢で冒険を怖がらない」という村田女史のキャラクターに言い訳をし過ぎで、せっかくの良さを殺しているように思います。かの松下君がどれほど欠陥に満ちあふれていて、同じだけ魅力に満ちていたかを考えると、村田女史には「かよわいヒロインテンプレートから外れていてすみません」などといちいち泣き言をいわず、開き直ってほしかったところです。 亡夫については冷淡といっていいくらいシニカルなのに。 要するに、昭和44年の自由奔放な女性を主人公にすえながら、昭和初期のヒロインテンプレートからも脱しきれていない、というのがモヤモヤするポイントではないかと思います。 こうした欠点はありますが、さすがに本筋はしっかりしています。 特に本作品はパズラーとしてもなかなかのもので、深く考えずに読んでいるとあっと驚けるかもしれません。 | ||||
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