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長恨歌
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長恨歌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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「不夜城」でカモられ、「鎮魂歌」でカモり、「長恨歌」でフィクサーに。 3段階で健一の成長が見てきた気がする。作者の作品を他にも読んだが、他の人も言っているが一番 不夜城シリーズが面白いと思う。 今回は、新宿歌舞伎町から足を広げて、錦糸町、小岩、東陽町、青梅、 吉祥寺、横浜と舞台が変わっていく。 リアルに存在する店や建物が出てくるので、「ああ、あそこらへんか」と 想像つくのも馳星周作品の面白さだ。この作品のカギを握る小文。 最後に殺し合いで彼女の執念が書ききれてなく、読者に流されている気がする。 女は相手と同化したい、あなたになりたいという気持ちが誰しもあるものだ。 そこをもっと強くもっと狂った状態の動機として書いて欲しかった。 | ||||
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新宿歌舞伎町の中国人たちの闘争を描く「不夜城」最終話になる。 当初の予想では、歌舞伎町を手に入れた劉健一と、それに復讐を誓う楊偉民の戦いが軸になるのでは、と思っていたが、まったく違う話になった。主人公の武基裕は、中国人だが、残留日本人孤児の戸籍を手に入れて日本にわたった。日本国籍を持つが日本では排斥されてしまい、歌舞伎町で中国人と日本人の橋渡しをしている。昔の劉健一のように、日本人として契約を結んだりできることがメリットになっているのだ。基裕は、やむにやまれぬ事情で劉健一に出会う。そして彼を利用しようとするが、健一は基裕の秘密を簡単に知ってしまった。 そして基裕は幼馴染の小文に出会うが、小文は敵のボス、徐鋭の女になっていた・・・健一の掌で踊る基裕。 スタートから楊偉民と徐鋭のからみがあり、そして唐突に基裕の話になる。失望した、という感想がアマゾンでは多かった。私はそうでもない。 ただ、健一が楊偉民の立場になり、基裕が不夜城における健一の立場になった、ということだ。 しかし健一はなぜ歌舞伎町に残っているのか。 そしてどうして小文はああなったのか、があまりはっきりしないうらみは残っている。 裏切りの連続なのは「不夜城」以来の伝統だろう。最後は正直言って、かなりあっけない。もっと長いストーリー、おおくの絡みができたはずだ。 だが、作者がこの話を終わらせたかったのもたぶん事実だろう。 そして、しっかりとした結末がついた。 おそらく、皆が予想した形で。 むろん、意外な部分もあるが・・・ 今回、不夜城で健一に感情移入した程度には基裕に感情移入できなかった。 基裕の「強さ」があまり感じられなかったからかもしれない。ともあれ、完結にはすなおに拍手を贈りたい。 | ||||
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誰もが知りたがった健一のその後の話。 群雄割拠、暗黒時代の歌舞伎町を舞台にした不夜城と比べ、スリルに欠けるのは仕方のないところであり、これを1つの小説と考えるなら完成度は高く、購入して損のないものと考えます。 情景描写も上手で、まるで舞台の台本のような文体で、わかりにくい所もなく一気に楽しめます。 最近の、例えば福井晴敏等の小説にもよくある『誰かを命かけて守り抜く』というテーマも含んでおり、映画版「不夜城」が面白かった人には特におすすめです。 | ||||
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他の方のレビューがいまいち(?)ということでしたが、不夜城ファンとしてはと意を決して大晦日に買い、その日120p程、元日は翌3時くらいまで残りの330p程読めましたので、「聖誕祭」同様ラストがちょっとという感ありますがそれなりではないでしょうか。 確かに、前2作と比べると憎悪の深みがないような気もしますが、不夜城の完結は残念でもあります。 (以下ルール違反)健一のラスト残念ですし、前述のとおりラストもいまいちかという気持ちにもなりますが、それが健一と夏美と武と小文の違いなのでしょう。 | ||||
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物語は横浜に逃げ延びた揚偉民から始まる。この冒頭数ページで意識は「鎮魂歌」の最後に巻き戻され、一気に不夜城の世界に引きずり込まれてしまった。 著者作品のいつものスタイルで物語は進んでいく。一人の男が追い詰められていく様子。本作はお決まりのバイオレンス描写が抑えられシンプルになった印象だ。 不夜城といえば劉健一だが「鎮魂歌」と同じく彼は表全面には出てこない、裏で不気味に全てを操る存在として登場している。主人公というか主に物語を進める人物は別の男だ。著者作品で主人公となった人物は蟻地獄に落ちたようなもの、とにかく足掻くが全てが落ちていく道に続いている。そしてその男が追い詰められ全てを失っていく様子、救いの無い物語の終焉に読者は不思議と快感を得るのだと思う。まあ最近ではすっかりマンネリ化してしまって衝撃も受けなくなりましたが・・・。不夜城は「鎮魂歌」で劉健一が復讐を成し遂げるが個人的にはここで終ったままでもよかったと思う。かと言ってこの「長恨歌」が気に入らなかったとか面白くなかったわけではないが、このような形で完結させたことは、やはり著者にとって「死」をもって完結とすることが基本となっているということかもしれない。第1作、第2作からもだいぶ時間も経っているし、シリーズといっても短いので単純に「終ったか。」と淡々とし た気持ちで読み終わった。 | ||||
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日本のヤクザ、台湾人、出身地別の中国人で分裂し、群雄割拠の歌舞伎町、そして彼らは、歌舞伎町だけでなく、日本の都市へ広がっていく。主人公は、秘密を抱えた中国人。自分の親分がヤクザと一緒に殺される場面に出くわした主人公は、ヤクザに脅され、親分の復讐を誓い犯人を追いかける。中国人組織間の対立、日本のヤクザとの対立、そして主人公の秘密を握る麻薬取締役官。その危うい均衡の中で、主人公は犯人を探し出せるのか。そして、犯人の狙いは。それに重なる主人公の過去。主人公は、「救い」を得ることができるのか?主人公は、犯人探しの途中で、劉健一と出会います。劉健一が、こうなったのかぁ(その怪物ぶり)というのが読みどころの一つです。筆者の昔の作品に比べ、主人公等の感情が前面にでるのではなく、ストーリー性が前面に出ているような気がします。テンポもよいし、謎も、主人公の運面も気になります。そして次々と発覚する裏切り。・・・途中で読むのをやめるのが、難しい本でした。 | ||||
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圧倒的なラストだった。 劉健一が何を考え、どうしたかったのか。 それがラストのシーンで全て分かる。「不夜城」「鎮魂歌」と続いた本作は完結編。 本人は続編を書くことに乗り気ではなかったらしい。 しかし、全ては私達読者のために書かれた本作。 何よりも、プロ作家としての「馳星周」の力量、根性に圧倒され、気付いたら読み終わっていた。 あまり、癖は強くないが、完結編にふさわしいラストだった。 「今」の馳星周を堪能するにはもってこいの作品。 次回の「弥勒世」が待ちどうしくなってきた。。。 | ||||
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