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パレード
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パレードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 141~160 8/10ページ
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誰もが送っている日常の生活を同じ部屋で同居している一人ひとりの 観点でそれぞれ書かれている面白い作品。最後の展開は予想できな かった。 その同居(毎日生活は共にしているが、互いに境界線を意識して生活 をしている)をチャットしているようなもの、と書かれていた点は 面白かった。 | ||||
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読み終わって、とにかく「すごいな…」と一言。 日常の異常、人間関係の距離感。こうもリアルに描くことができるのか と。 話す言葉や態度やふるまいなど、目に見えるものは、ほんの一部分なのだと、分かっているが認めたくないことを、見せつけられた気分である。 痛みと共に、納得と安堵に気づき、軽いショックを感じもしている。 それぞれ読んだ人が、必ず何かを感じる作品であることは間違いないだろう。 | ||||
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相変わらず、吉田作品は群像を描くのが上手いなあ、というのが第一の感想です。それから、五人の奇妙な人物が淡々と生活する話。・・・だと思ってました。最後の章で、今まで描かれていた共同生活の成り立つ理由だとか、五章もある理由だとか、作中ぼやーっとしていた様々なことが途端に理解できました。帯の「少しコミカルで、かなり深刻な男女五人の共同生活」 はこういう意味なんだと感心。最終章は本当に異質です。本当、驚かされました。バトンリレーのように次々と視点が変わり、飽きることなく読むことができると思います。 気になった方は是非、手にとって読んでみてください。 | ||||
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私はこの作品はアイデンティティーという観点から解釈しました。 登場人物五人のうち、四人がそれぞれ自分に対する定義(自己同一性)をうちやぶり、新しい世界に踏み出していく中で、それができない人が一人いる。その人はそれができないゆえに悩み、苦しんでいます。 結局作者が書きたかったのはそういうことなんだろう。 山本周五郎賞を受賞するだけあって、なかなか奥の深い作品です。 | ||||
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私はこの作品はアイデンティティーという観点から解釈しました。 登場人物五人のうち、四人がそれぞれ自分に対する定義(自己同一性)をうちやぶり、新しい世界に踏み出していく中で、それができない人が一人いる。その人はそれができないゆえに悩み、苦しんでいます。 結局作者が書きたかったのはそういうことなんだろう。 山本周五郎賞を受賞するだけあって、なかなか奥の深い作品です。 | ||||
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5人それぞれ癖があって考え方も違うのに、共同生活の居心地良さだけは崩さない。お互いに関心を示さないからこそ成り立っているように思える。一緒に生活している仲間が、全くの他人に思える瞬間が一番怖いのかもしれない。誰もが持っているくらい部分が淡々と描かれていたので、読み終わってどっぷり暗い気分を味わいました。 | ||||
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みなさんの感想は「怖い」というのが多かったのですが、自分的にはすごくおもしろかったと思います。笑いありで、合わなさそうで意外と同居を続けている5人の人物の話で、吉田さんの作品はあまり好みではないという人もぜひ読んでみてください!!しかし、やはり吉田さん。最終章では笑いの雰囲気が一変します。雨の中で繰り広げられ、ドラマ感覚でした。 | ||||
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この小説は、同じマンションに同居する5人の若者をそれぞれの視点でオムニバス形式で5つの章に分けて描いた作品です。 1番目は都内の大学に通う男子学生、2番目は若手人気俳優と付き合う23歳の女性、3番目は雑貨屋店長の24歳の女性、4番目は18歳の男娼、5番目はインディペンデントの映画配給会社に勤める28歳の社会人が各章の主人公となり、物語を展開していきます。物語と言っても、この作品はドキュメンタリーのようです。大仰な仕掛けが用意されているわけでもなく、5人が織り成す平凡な日常を淡々と描いています。実際に、東京のどこかで5人は住んでいるかもしれないと錯覚させます。 にもかかわらず、それを読み物として成立させてしまうのは作者の巧さなのだと思います。本当に平凡な一日を切り取っただけなのに、楽しめるなんてすごいと思います。 きっと、その平凡な一日の中でも、今の時代を取り巻く空気感がきっちりと表現されていて、そこに共感できるから私はすばらしいと感じるのでしょう。この作品が発表されたのは2002年ですが、2002年をバッチリ切り取れています。 20歳前半から30歳前半までの人なら、きっとこの空気感に覚えがあると思います。 オススメです! | ||||
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解説での「怖い」という言葉にとらわれすぎてるレビューが多い気がするので、書いてみる。 ひとつのマンションを舞台に、男女5人の視点から描かれる日常。それは、まさしく生活感が漂う、まさしく私たちの生きてる世界だ。小説なのに、現実よりも読み取れるそのリアルさ。そんな、変な違和感がこのストーリーにある。 これで感じる「怖さ」ってのは、ホラー的それとは、全く別のものだし、解説でもそのように捉えていると思うのだけど。 | ||||
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都会の2LDKマンションで共同生活をしている若者たちのおはなし。 女2人、男三人。特に密接なつながりがあってのこういう暮らしではない。吉田修一さんの小説の、「密やかに繊細な心模様」みたいな、 一見サラッとした中に隠されてる重さとか深さみたいなものが 好きなんですが、この作品はどうだろう・・・? 「怖い」という感想が多いようだけれど、私は「気分悪い」という感じでした。 4章までは好きでした。 もちろんその中に5章に至る伏線は張られているわけですが、 5章を読んで「何もそういう風にしなくても」と、思ってしまいました。 救いがないというか・・・ それによって結局全員まとめて好きにはなれない感じでした。 好みの問題だとは思いますが。 | ||||
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怖い、と思った。 都内の2LDKで訳もなく共同生活をする4人。そこに1人の少年が加わり、それまで隠れていたものが、少しずつにじみ出ていって…。 5人のそれぞれのモノローグで物語が進んでいく。その最後が、怖い。 冒頭、登場人物の一人がマンションの窓の下を走る国道の車の列を眺めている。そこでは車はぶつかることなく、いつも等間隔を保ってゆったりと流れている。それぞれが一つの流れを作りながら、それぞれが全く無関係かのように。 「パレード」、そのタイトルは示唆的だ。 | ||||
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~何の前知識もなく、この本を読んだ。 まず、目次を見て、何のことだかわからず、次に2人目の心理描写に移った時点で、やっと目次の意味、本書の構成を理解した。 それからは、ただ、おもしろかった。レビューに『こわいこわい』とあったけど、私はまったくこわいともなんとも思わなかった。 私は、人が人に干渉しないことが危険、こわいことだとは、~~思わない。 本書を読んでこわいと思う人のほうが、こわい。ただ、人は、同じところにはずっといられないのだ。~ | ||||
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数人の男女が東京の2LDKで同居生活を行う。それぞれはマクロな人生の目標なんて持っておらず、毎日をそれなりに過ごしている。ルームメイトとの関係もとてもソフト。小粋な会話と笑いに包まれて、面白おかしく暮らしている。しかし……! 各々が他者に感じている微妙な違和感と敵意、疎外感。各々が自分に感じている「これでいいのか」の気持ち。この小説を読んで「痛いとこ突かれた!」と思った若者は多いのでは。 | ||||
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吉田修一氏の作品はこれが初めてでしたが、文体は読みやすく、サクサクページをめくることができます。身近にいそうなんだけれど、どこか「壊れた」5人の若者。読みながら5人の登場人物が身近に感じられ、壊れたところがない人間なんているのだろうか?という気がしてきます。頻繁に住人が増減するこの共同生活は、琴美の言うところのインターネットのチャットルームのようなもの。「嫌なら出て行くしかない、いるなら笑っているしかない」。そこにいるための自分の仮面を作り上げ、お互いの本質には干渉せず、笑って過ごす。それを心地よいと感じてしまう。5人のうち重大な過ちを犯す人物が出てきますが、その人物が愛しくて仕方ありません。仮面を取ろうともがいた末に直面した事実はあまりにも怖い。琴美の荷物の横にあった記入済みの宅急便の出荷票、という記述が忘れられません。イヤになったらいつでも出ていけるという気楽さ、人間関係の希薄さに寒気が走りました。 | ||||
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文庫の解説に「怖い」という言葉を見ていたけれど、数行読んだだけで本編を読み始めたので、これのどこが怖いんだろう?と、この近ずきすぎない登場人物達の距離感が好きだなぁ~と、結構、のほほんと読んでいったのですが・・・・ 確かに怖い!次第に、吐き気をもよおすくらいの描写あり、そして、最後は、怖い!怖すぎる! ・・・結末が、怖いというよりも(怖いけど)、この結末が、現実の日常にあっても何の違和感も感じないだろうなと感じてしまった事が一番怖かった。絶対、こういうこと、あると思った。 だけど、なぜか嫌いじゃない。ぎょっとして、ぞっとするんだけど、そう感じたことは残るけれど、残り過ぎないとでもいうのか?また読み直そうって、なぜかすぐ思ってしまった。 | ||||
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ということをもう一度確かめたくて、読み終えたあと、すぐにまた読み返してしまった。 最初から軽い文体で入りやすく、特に1章2章では時々くすっと笑ってしまうようなところさえある。読み進めていくうちに次第に笑えなくなるが。最初に読んだパークライフで著者にはやや失望したが、何か引っかかるものがあったのでパレードも読んでみたところ、こちらの方がはるかに読み応えがあった。読後に深い余韻が残る。 東京という舞台を上手く使った作品だ。このストーリーは東京が舞台でないとありえない気がする。東京は知らぬうちに人を追い込んで孤独にさせる何かがあるような気がする。それに気づかず、追い込まれた人間の日常を描いている。良平が「卒業したら地元に戻る」とさらりと言い切った台詞が妙に心に残る。 | ||||
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「パークライフ」、「日曜日たち」に続いてこの作品を読みました。3冊の中ではこれが一番よくできていると思います。共同生活をしているそれぞれの人物の本音とたてまえを順番に描いているので、主観者は次々と替わっていくのに、物語がまったく途切れずに進んでいくところがすごいと思いました。吉田さんの作品にはどれも乾いた寂しさのようなものを感じます。 | ||||
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こわい話です。自分の身近にも起きそうな、そんな、さりげなく身にしみる怖さ。それぞれの登場人物の視点から語られる物語には、随所に小さなしかけがあり、飽きずに読み進められました。ラストにはびっくり。読み応えのある作品だと思います。 | ||||
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こわい本だという事を全く知らずに、若者の共同生活の物語だと思い込んで読み進めていたのですが、サトルが出てきたあたりからハラハラし始め、第5章ではゾっとして、本当に怖かったです。 希薄な人間関係の中で、100%ありえない話ではないな、と思うと本当にゾッとします。 最近読んだ中で、一番ビックリした本でした。個人的にはすごく好きです。 | ||||
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作者と同じ長崎の出身です。 地方出身者にとって東京とはあまりにも大きくザワついた街で、あたりのノイズを振り払うかのように何らかのコミュニティ(仲間)にすがりつき、そうやっていつのまにかノイズは遠のいていき、自分がその一部に吸収されてしまったことすら分からなくなってしまいます。(あるいは気付きたくないだけなのかもしれません。)この作品の初めに語られる“良介”の章で、彼の両親への思い、都会への思い、故郷に残してきた友人への思い、そして新しい仲間への思いに、なんだかすべてを見透かされているような気持ちにさせられました。特に両親への感謝の念。作者は「最後の息子」でも同じような描き方をしています。そのエピソードのひとつひとつがまるで自分のことのように胸に突き刺さりました。そして、そういう人間にとっていちばんの憧れである“直樹”という存在。彼の言葉で語られる最終章にもグッとくるところが多かった。自分とは正反対の人間の実直な告白なんですから。きっと東京という街は、そういうエピソードの集積地点なのでしょう。ここへ寄り集まってきたすべての人間の中に、それぞれのアナザー・ストーリーが存在するのだと思います。作者はその一例を提示してくれた。そう考えた時に「パレード」というタイトルがよりリアリティを帯びてくると思うのです。 | ||||
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