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花嫁のさけび
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花嫁のさけびの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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河出文庫版 初版303ページ 6行目 奥さんはつましい →奥さんはつつましい | ||||
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本作品は、1980年に刊行されたミステリ小説。 既に40年近く経過しているが、作者の代表作のひとつとされています。 作者の作品は、以前から多くの著書を読んでいたのですが、本作品は、なぜか未読で、嬉しいことに、Kindle本として復刊されていたので、読んでみることにしました。 物語は、質素な生活をしていた伊津子という女性が、有名な映画俳優の北岡早馬と結婚することとなり、フランスの教会で簡素な挙式を行うところから始まる。 帰国後、早馬の住む豪邸で暮らし始めた伊津子だったが、北岡家の関係者たちは、謎の死を遂げた先妻、貴緒への強い思いが残っていて、ことあるごとに先妻のことが話題に上る。 後妻として入った伊津子にとっては、居心地の悪さを感じざるを得ないような独特の雰囲気であった。 そんな中、邸内で殺人事件が発生し…。 映画好きの方なら、この設定に、ヒッチコック監督の「レベッカ」を思い起こすことでしょう。 実際、この作品は、「レベッカ」を強く意識して書かれた小説のようです。 ただ、この「レベッカ」のことを全く知らなくても、作品は楽しむことができます。 前半は、この北岡家の人々が醸し出す、先妻、貴緒への思慕が、ある種の不気味さを感じさせ、伊津子がどんな風に対応していくのか、興味深く読むことができることでしょう。 そして、殺人事件が起きてからは、犯人探しの興味が加わるとともに、先妻の死の謎も加わって、ミステリらしい展開に惹き込まれることと思います。 この作品には、ある緻密な仕掛けが施されています。 これは、人によっては、読み終えても気づかないかもしれません。 しかし、読後の方限定の巻末解説を読めば、納得してもらえると思います。 解説は、売れっ子作家である恩田陸。彼女もミステリを書いていますが、そのミステリのプロも絶賛の本作品。 さすが巨匠と思わせるような、魅力的な謎、巧妙な伏線、意外な結末、とミステリの面白さがぎっしりと詰まった本作品は、古さを全く感じさせない、傑作です。 | ||||
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泡坂氏の初期の傑作として名高い花嫁のさけびの河出文庫からの復刻版。 河出文庫からのこの復刻推理小説シリーズは他にも出ているが、他の作品が昔の作品過ぎて実際読んでみると今からするとさほど・・・という微妙なものが多いのだが、さすがに80年刊行の比較的新しい作品で、著者が著名なだけあり、この復刻シリーズとしては最高傑作と言える出来だ。 レベッカをモチーフにして泡坂氏流に更に一ひねりした趣向が見事で、まさに読者を騙す一級品だ。 読む前に絶対に読んではいけないが、恩田陸氏の解説も本書の傑作たる所以を的確に解説してくれている。 | ||||
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伏線とフェアプレイにこだわる作者の神経が、語りの一字一句にまで行きわたり、綱渡りのような緊張感を生んでいる。その緊張感が、『レベッカ』を彷彿とさせるストーリーのうえに、繊細な楽器の弦のように張りめぐらされ、登場人物の息づかいと一体となり、華麗さと不吉さの二重奏をかなでる、スリリングで美しいミステリとなっている。 | ||||
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本書は、俳優と結婚した若い新妻を主人公にしたロマンティックな心理小説風に展開する。事件は物語後半になるまで発生しない。 しかし物語全体に泡坂妻夫らしい大仕掛けが施されている。 犯人の見当は付きやすいが、犯行に用いられたトリックを見破ることはほぼ不可能だと思われる。 泡坂妻夫初期の傑作の一つと言える。 | ||||
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1980年初刊。『レベッカ』を思わせるエレガントなロマンティックスリラー的な物語設定の中に華麗な騙しの仕掛けが潜む。著者の心理ミステリ系統の作品を代表する初期の傑作。 なお著者は同じ年に『迷蝶の島』、短編集『煙の殺意』といういずれもオールタイム・ベスト級の作品を上梓している。改めて感嘆の他はなく、リアルタイムで続けて読んだ興奮は今も鮮やかに甦る。 | ||||
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本作は、著者の長編のなかでは、あまり評価されていない作品である。 デュ・モーリア「レベッカ」を彷彿とさせるストーリーのせいだと思うが、しかしこれがアマチュア・マジシャンであった著者の得意な“赤にしん”であったことは、読んだひとには分かる。 アンフェアと指摘するひともいるが、れっきとした本格ミステリである。 伏線はちゃんとしてるし、著者はキチンとフェアプレーしている。 「レベッカ」の小説版は無理でも、ローレンス・オリヴィエとジョーン・フォンテーン主演でヒッチコックが映画化しているから、そちらを見てからでも良い。 「レベッカ」を知っていて本作を読む、というのが本作のサプライズを楽しむのには、絶対条件なのである。 かつて「土曜ワイド劇場」でドラマ化されたことがある。 予告を見たとき躍り上がり、どうやってドラマ化するのかと絶句したものである。 できた作品は島田陽子主演で、突っ込みどころは満載だったが、それらしい雰囲気の作品に仕上がっていた。 ただ、本作を愛するものにとっては、見ないほうが良かったという出来のものだった。 違う役者と違う演出だったら、と思わないでもない。 同じ土曜ワイドでリメイクもされたが、こちらはまったくの駄作だった。 見る価値はない。 往年の角川映画のキャッチコピーではないが、「読んでから見るか、見てから読むか」である。 「レベッカ」を知っているのと知らないのとでは、本作に対するイメージがまったく異なる。 島田陽子版ドラマ作品でも、「レベッカ」を知っていると、けっこうなサプライズだと思う。 もちろん、原作である本書のほうが、ずっとサプライズだ。 私は、あの真相にあっといったものだった。 そう、そのサプライズを誘うように、感情移入しやすいように、さりげなく、巧みに、著者の筆のマジックで誘導されているのだ。 | ||||
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映画スター・北岡早馬と結婚した伊津子は、それまでの 平凡な生活を脱し、早馬の宏大な邸で暮らすことになる。 しかし、そこで伊津子が直面したのは、一年ほど前に 謎の事故死を遂げた、早馬の前妻・貴緒の幻影だった。 生前の貴緒を知る誰もが、口を揃えて貴緒のことを誉めそやすのだ。 やがて、早馬が殺人鬼役で出演する新作映画〈花嫁の叫び〉がクランク アップし、早馬の結婚祝いも兼ねた打ち上げが北岡邸で行われたのだが、 その最中に奇妙な毒殺事件が起こり……。 を下敷きにした正統派のサスペンスのなかに、さりげない伏線を張り 巡らしつつ、読者の感情移入を誘う巧妙なミスディレクションによって、真相―― “○○○○=犯人”――を見事に隠蔽した技巧的なプロット型本格ミステリの傑作。 | ||||
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一見すると題名通りまさに2時間ドラマ,女性心理サスペンスの王道のようなストーリー展開なんですが,そこはそれこの作者のこと一筋縄ではいきません。いかにもこの作者らしいちょっとひねくれた仕掛けをしてくれています。飄々としたおかしみと怖さのある作品だと思います。題名に引いてしまう方もいるかもしれませんが,でもわざとこの題なのですよ。読めば判ります。 | ||||
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本作は技巧的という印象があります。様々な手がかりやミスリードが張り巡らされていて解決の際には感心してしまいます。 しかし、それより印象に残るのが主人公を取り巻く環境です。 人気映画俳優と結婚した主人公、普通ならば単なる憧れで終わってしまうものを射止めたわけです。そかしそれが必ずしも幸福になるとは限りません、客観的に見てですが・・・ 周りの人間は、夫の前妻をしきりと褒め称えます。まさに『人気俳優の妻に相応しい美貌と才能の持ち主』といった具合です。主人公はそういったものに遭うたびに気落ちしますが、そのうえに事件が起こるわけです。まさに追い討ちといったところで、幸せなはずの結婚生活は大変なことです。 そういった事を経て至るラストはこの話の終局に相応しいものといえます。 | ||||
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