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マルセル
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マルセルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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読み出したらやめられない本でした。最後は人間肯定によめました。 | ||||
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〇 とても面白い。実際に起きたマルセル盗難事件の真相はこんなものだったかもしれないと思わせる迫真性がある。快適なストーリー展開でこんな長編にもかかわらず時を忘れてページを繰り一気に読み終えた。 〇 文章は軽くて少し軽薄だ。そしてその軽薄さは内容にふさわしい。読者が期待するようなハッピーエンドに終わらせるところが、いかにもエンターテインメント小説で、高樹のぶ子さんにしてはずいぶんと読者の意を迎えてサービスしたものだと思う。でも、人間の真実を追求する合間に、こういう小説があっても良いではないか。楽しんだ。愉快、ゆかい。 | ||||
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今回は再読です。本は行方不明なので、古書を購入。前回読んだ時は、結末がよくわからなかった。今回はよくわかった。盗まれた絵が出生の秘密と関わりがあることが納得できた。 | ||||
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ストーリーはとても面白かった。 京都の街の描かれ方が旅行者目線でなかなか良い。 北白川の疎水沿いの洋館建築群は、かなり創作意欲が掻き立てられる風景だと思う。 しかしながら、主人公がセックスをした後に相手にそもその点数を告げるところが、めちゃくちゃ下品でひきました。 相手は京都のぼんちでジャガーに乗ってるような洒落者なのにそんな言動をするガサツな女記者を好きになるわけないでしょ。 大体、この主人公も男勝りだけと実は繊細という設定なのにそんな発言するわけないでしょ。 あと、なんで相手の女にコンドームの装着したのを気づかせないことが、いい男の条件として描かれてるのかマジ意味不明。それって誰得なの? | ||||
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1968年(昭和43年)12月27日、京都国立近代美術館で開催されていたロートレック展で掲げられていた名画「マルセル」が盗難にあったことはうっすらと覚えています。1975年の時効後の絵画の返却のほうが記憶に新しいのですが、それからも40年ほど経過したわけです。 その事件を題材にして、新聞記者の主人公・千晶と同じく新聞記者だった父の取材ノートが謎解きの切っ掛けになります。 先日、元毎日新聞の記者やデスクだった浅見溪さんの同じマルセルの盗難事件を扱ったフィクションを読んだことにより本書に到達しました。出版年は逆でしたが。 同書の中で、中心人物の新聞記者が、芥川賞作家に取材メモを提供する話があります。それが本書の『マルセル』の結実に向かったようです。当然本書は、途中から事件の経過とは切り話しながら、舞台もパリへと移されるわけで、別モノの味わいとなっていました。 2011年1月1日から12月31日まで毎日新聞に連載されていたようです。そのせいでしょうか、随所にミステリアスな雰囲気が登場し、謎が謎を呼ぶという展開が、かえって繁雑で統一感にかけるように受け取りました。 謎解きは示しませんが、読後感としてはラストに向かうエネルギー欠乏という感じでしょうか。新聞小説という形式の連載と書き下ろしの差かもしれません。実際の事件の顛末がミステリアスなだけに、それを別の趣で小説にする難しさもあるのでしょう。 様々な人物や場所の描写は丁寧で、リアリティに富んでいます。主人公への心情移入は難しいですが、高樹のぶ子さんは元々筆力のある作家ですので、空中分解しそうな風呂敷を少しずつ畳むようにしてラストに集結させました。ある程度の展開の予想はたちますので、意外感はないです。あるテーマに収束させていくしかないのは無理もないですが、違う展開を期待した読者もいるのです。 小説の読後感をそこなってもいけませんので、この辺りで終えます。 | ||||
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毎日新聞でもずっと連載を読んでたので買いました。しかし最初の期待が大きかったのもありますが、期待外れでした。私は絵画鑑賞が大好きで、一応自分でも絵は描きますし、ロートレックはお気に入りの画家。この小説の舞台の京都の小倉町や別当町(小説では別当、と書かれてましたが、地元の人間は、ちゃんと「別当町」といいいます)のすぐ近所に子供時代住んでいたので、それはとても懐かしかったです。この事実を小説として書いたのは、美術ファンにとっては、着眼点が二重丸!と思いますが、文章が軽薄で苦手~。オリオという男も、軽薄です。大体、オリオなんて名前からして軽薄で嫌いです。最初に千晶のマンションに馴れ馴れしく来るところからキライ。キャリアウーマンに年下男という組合せも今の時代ありふれてて、私が嫌いな組合せ。恋のライバルが黒木メイサに似ているという表現にもびっくりしました、いくら現代だからって、もう少しマシな表現が出来ないのかな。。ミステリーは、松本清張さんが大好きなんですが、やっぱりあの重厚な文章やしっかりした骨組みの小説を読みなれていると、高樹さんのは、女の子の小説みたい。。。選んだ題材が大きい割に、料理し切れなくて、結局最後は色々と謎も疑問も残ったまま、尻切れトンボに終わってしまい、非常に消化不良で残念でした。→ と思っていたら、先日『マルセル嬢誘拐』という本を発見!なんと、当時マルセル事件を追っていた、実際の新聞記者さんがフィクション仕立てで、自分の取材等をもとにかかれたという本で、早速買い求め読み始めました。数ページですぐに、高樹さんには申し訳ないですが、完全にこちらの方がまさっているなあ~!と思っています。単に自分が当時の記者だからという訳でなく、文章も重厚ですし、もしかして、この記者さん、高樹さんの取材に応じた人なのかしら、後で高樹さんのを読んであまりに稚拙だから自分が書こうと思われたのかなあと想像してしまいました。「マルセル」でがっかりした方には、是非こちらのをおススメします。 | ||||
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読みたいと思って価格をみると高く、古本でと探したら、新品で格安。文庫本なみでした。 面白かった。 | ||||
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1968年(昭和43年)12月27日に発生した京都国立近代美術館「ロートレック展」からの「マルセル」(時価3500万円相当)盗難事件に材を得たお話。視点人物は父に対する拘りから同じ新聞記者の道に進んだ娘で、作者初期作の新人雑誌編集者を髣髴とさせる性格の持ち主。前半の緩い恋の部分も楽しいが、後半はまるでその部分が嘘のように、かつての三好徹の小説の如き国際犯罪展開となる。 | ||||
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この小説が毎日新聞に連載されていた時プライベートで大きな不幸に襲われて読み続けられなくなり、現在も抱える心の不幸を静めるかのように再び手に取った本です。京都は学生時代を過ごした町で1960年代のボナール展に続くロートレック展にも行った記憶があります。小説の舞台になる北白川界隈の描写には懐かしさ以上の感情を揺り起こされました。当時私は浄土時真如町に住んでいましたから。 高樹のぶ子氏の小説は初めてですが主人公のとても繊細な心の動き、理想的な恋人ともいえるオリオさんや魅力的な葉子さんミシェルなどにいざなわれて小説の世界にはまりこんでしまいました。オリオさんが素敵すぎるのも不幸な読者には癒しになり、主人公千晶が次第に危険な世界に足を踏み入れていく過程もストレスなしに心穏やかに読み進みました。恋愛小説やサスペンスなどのジャンルを気にせずに千晶の父親さがし(母親さがし)の旅に付きあえました。 何人かの女性作家を愛読していますがキャリアウーマンになっても少女のままのようなクリアな千晶と彼女を囲む世界もうす汚れた不幸なものがないのも心が重くならずにいい。(現実的ではないが) これを読んだ少し前にTVで偶然に「ロートレック」(正確な題名は忘れましたが)を観たことや、たまたまドキュメンタリー「偽りの来歴」を」読んだことも良かったかなと思います。 千晶の母はマルセルだった。謎めいていながら豊かな母性すら感じさせるようなマルセルの表紙を何度も見直しながら読んだことでした。 最後に随所を彩るあざやかな色々、なつみかんの橙色、疏水に手向けられた深紅のバラ、コーヒーの濃い茶色などが心に残りました。 | ||||
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ミステリー作家でない小説家の推理小説を2冊続けて読みました。 1冊目は伊集院静さんの「星月夜」、2冊目が本書です。 本書の方が断然優れています。 推理小説としての骨格がしっかりしています。 謎が少し解けると次の謎が現れ、 ある事件の謎解きに挑むうちに、事件が主人公の出生の秘密に深く関わることが分かってきて、 主人公が真相に近づくことで様々な波紋や悲劇が起こります。 舞台も京都、東京、パリと大きく展開し、 それにつれて事件の背景がより大きなものであったことが明らかになっていきます。 饒舌さを感じるほどの細部の書き込みが決して煩わしくなく、 むしろ作品に彩りと厚みを与えています。先へ先へと誘う力は最後まで衰えません。 エンディングも情感に溢れ、余韻をもたらします。 濃厚なフランス料理のフルコースを頂いたような味わいです。 欠点に感じられたのは、主人公の女性記者とパートナーの男性のどちらにも 共感や親近感を持つことができず感情移入ができなかったことと、 この二人の性に関わる記述が不必要に多いのではないかと思われたことです。 特に、男性の方は悪く言えば「女たらしの成金で、趣味を仕事にしているお幸せな輩」にしか思えず、 女性はこういう男が好きなのか…と失望すら覚えました。 まあ、これは個人的な受け止め方の問題で、作品の大きな傷というわけではないでしょう。 芳醇な時間を与えてくれる、優れた推理小説です。 | ||||
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1968年に京都の美術館で開催されたロートレック展で、絵画マルセルが忽然と消えたのは記憶にないが、その7年後に損傷のない形で戻ってきたときは、私は二十歳だったので覚えている。 絵画を預かっていた人、預けた人がはっきりしているのに何で犯人が挙がらないの? 不思議でならなかった。預けた人物の口がとびきり堅かったらしいのだが、取り調べの厳しさは今よりもずっと暴力的だったと想像できるので、ずいぶんと根性のある人である。 作者はこの実際に起こった盗難事件を題材に、初めてのミステリに挑んだ。取材で、この事件を時効後もずっと追い続けた新聞記者のノートを見せてもらったらしい。そこから多くの創作のヒントを得たのだろう。 私は読みながら、これは世間一般で知られていること、これはおそらく公表されていないけれど事実と思われること、ここからは作家の創作。三つの境界線を自分なりに引いて、楽しんだ。 事件は絵画にほれ込んだ人間の仕業、と世間では理解されていたが、物語が描く真相はそうではない。絵画の値段が上がり、投機の対象となり、大金が動くところには当然のように不穏な輩が組織的に関わるようになってくる。事件の闇は国を超えて広がり、奥深く、関わった人間は人生を丸ごと持っていかれる…。 物語のヒロインは、この事件を執拗に追った全国紙の新聞記者を父に持つ娘(父と同じ職業を選んだ)である。彼女は父の事件に関する遺品を手掛かりに、恋人の力を借りながら、少しずつ事件の真相に近づいていく。それは自分の出生の秘密を探る旅でもあった。 30代半ばの、都会で一人働く女性の生活、恋…作者はヒロインにめげるな、がんばれとエールを送っている。3人称で書かれながら、神の視点で物語っているわけではなく、文章がヒロインに寄り添っている。その暖かさ。 プロットの組み立てや謎ときに、文章や登場人物が奴隷になって従属しているエンターテイメントが多いが、本作はもちろん違う。ミステリ好きが読むと納得のいかないところ、確かにあるだろうが、(たとえば傷害事件を偽装するのに首を傷つけるというのはちょっと。数センチ間違うとほんとに殺してしまう。しかも凶器は鈍器なんだから)私は楽しんで500枚を一気に読んでしまった。 ラストですべての謎が解消しているわけではない。謎のまま残っている部分、新たに立ち上がってくる疑惑―こうしたエンディングも効いている。 | ||||
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著者の最新作は初めてのミステリー挑戦です。1968年、ロートレックの絵画「マルセル」が展示中の京都近代国立美術館から盗まれ、時効成立後に発見された事件に着想を得て500ページのミステリーとなりました。 新聞記者である千晶は、同じく記者であった亡父の残した取材ノートを見てこの事件の真相を探ろうと動きます。千晶は事件の陰に母の姿を見出し、自らの出生の秘密を知るためにも事件の解明に深入りしていくのです。それを見守る画家である彼女の恋人・オリオ。つまり、絵画盗難事件の真相究明、出生の秘密の探求、30代女性の恋愛と3つの話が交錯しながら物語は進んでいきます。 ミステリーとしては完成度が高くないと思いました。犯行の動機やプロットに無理があります。(ネタバレですが)20歳でプロもあざむく贋作が描けるのか、という根本的な問題。母親が子供を捨てパリで犯罪組織に残る必然性。関係者の謎の多い行動。これらを最後の20ページであわただしく説明されても疑問は溶けないからです。加えて、主人公に共感して読み進めることが最後までできませんでした。長編の場合はこれが大事だと私は思います。 京都の白川疏水のあたりの風情が書き込まれていて懐かしさを覚えました。パリの街の季節感のある描写もいいです。主人公の心理描写にもさすが芥川賞作家と思わせる表現力があります。こうした数々の美点から高樹のぶ子さんの次作に期待しましよう。 | ||||
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京都の地図を思い浮かべながら読みました それから・・・それで・・・話に入り込んでしまう文章です 読み進めていくうちに本当の話かもと思ってしまいます オリオさんの京都弁が耳に焼き付いています とても楽しめた小説でした | ||||
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実在の未解決事件(絵画盗難事件)を題材にしたミステリー。 実在の事件は、時効成立後に盗難された絵画が発見されているのだが、このミステリーには、絵画は何故盗難され、なぜ時効成立後に戻ってきたのか、に非常に納得感の高いリアリティがある。 加えて、団子坂、京都、フランスという空間的な広がり、40年前の事件という時点間の広がりというミステリーの王道をおさえつつもセンスの良さを感じるし、OL進化論にも似た30代独身女性OLの生活観、恋愛観は、共感を得やすい。 絵画に関する描写、解説は難しすぎないながらも、飽きさせない。非常に完成度の高いミステリーだ。 | ||||
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新聞記者である千晶が、やはり新聞記者だった亡き父から遺されたノートから始まる物語。 この作者にしては珍しいミステリーの形をとったこの本は、久々に、のめりこむようにして 読むあの感じを堪能させてくれた。 最初のページから、いっきにその世界へいざなわれ、最後のページまで、少しも緊張をとくことなく 読むことができた。 ロートレックのマルセル盗難事件。 40年以上前におこった事件を追っていた父。 父のたどった道を追いながら、実は、父の、そして千晶自身を 追うことになる。 東京、京都、パリをめぐりながら。 ミステリーだけでない、読み応えのある内容だった。 ミステリー好きはもちろん、ミステリーはあまり好きではないという人も、じっくりと味わえる良質な本だ。 | ||||
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実在の未解決事件を違った視線でとらえ、究極ののミステリーに仕上げています。 主人公の女性が新聞記者で亡くなった父親のメッセージを解明する形で事件の真相へ、いや深層へ。 ラブロマンスも並行し、新聞連載小説ならではの昨年の震災後の日本の状況がところどころちりばめながら、 やがてパリへ。そこで意外な結末へ、、、 ロートレックの絵のようなタッチで物語が進み引き込まれます。 今年のミステリー大賞の候補になるでしょう。 | ||||
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