明日香さんの霊異記
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『日本霊異記』、正確には『日本国現報善悪霊異記』は、薬師寺の僧・景戒によって822年頃成立した仏教説話集である。上中下巻合わせて116話からなる。その説話のいくつかを換骨奪胎して「現代の霊異物語」へと再構成したのが本書であると言えるだろう。推理要素が多分に含まれるが、それは決して合理的ではなく、だからといってホラー要素が強いわけでもない。見方によってはファンタジーにも捉えられる。それら要素の匙加減が小気味よいのは、作者自身が上記のどの分野からも距離を置く、どちらかと言えば純文学畑の作家だからなのだろう。それゆえ物語においては死者が平気で主人公と会話し(しかもそれは物語の結末で初めてそれと知れる)、解決してもその詳細は明らかにはならない。要するに語りが抑制されている。多くを語らないからこそあれこれと想像する余地が開けてくる。とはいえ、その想像に対する答え合わせがされないのはどうにももどかしいとは思うのだった。 | ||||
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日本霊異記を読んだ事がなくても、1200年以上の昔に心を寄せることが出来た。6篇それぞれ、読後感が違うのも面白い。 | ||||
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「奇しき岡本」、「飛鳥寺の鬼」、「率川神社の易者」、「八色の復讐」、「夢をほどく法師」及び「西大寺の言霊」の6つの短編から構成される「日本霊異記」をモチーフとした連作短編ミステリ集(単行本時の「少女霊異記」から改題)。作者は純文学作家なので、「日本霊異記」(平安初期の仏教説話集で編纂者は景戒)自体に興味があったのだろうとの予想下で読み始めた。なお、ヒロインの明日香は「薬師寺」の新米非正規職員で、「日本霊異記」が愛読書で古地名に詳しいという設定。 そして、予想通り、ミステリ色は薄く、「霊異」の物語なのである。明日香に"霊"の姿・声を見聞きする能力が備わっているとまでは思っていなかったが、「日本霊異記」中の逸話と現代の事件とを巧みに照応している点には感心した。また、読者の「日本霊異記」に対する知悉度を考慮して、陰惨・深刻な事件をワザとユーモア・タッチで描いて読者を楽しませている点も作者の工夫。特に、明日香が飼っている(?)カラスの名前が"ケイカイ"で、その"ケイカイ"があたかも霊的能力を持っていて、事件解決に導く辺りに作者の筆力を感じた。更に、チョットした呟きで明日香にヒントを与える畳屋の"繁さん"の造形も味わい深い。また、「日本霊異記」中の逸話は作中で作者が要約して紹介してくれるので、本作が「日本霊異記」のある種のガイドブックとなっているという特典もある。 しかし、明日香が恋愛に陥る「率川神社の易者」以降の短編は事件性が希薄で、単なる「日本霊異記」・地名の紹介と化してしまって、(明日香が恋愛に浮かれているため)ユーモアが上滑りしている点は残念な気がした(冒頭の2編レベルで全体を纏めて欲しかった)。とは言え、「日本霊異記」中の逸話を現代の事件へと巧みに照応させる意匠及びユーモア・タッチで読者を楽しませる作者の筆力が光る秀作だと思った。 | ||||
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著者の実力・実績からしてかなりの新規性に富む話しを期待したが、中途半端。アイデアはよいが、消化不良かな? | ||||
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