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第五番



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第五番

第五番の評価: 4.36/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
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No.2:
(5pt)

今迄になかったミステリー

第五番目の疫病である「新型カポジ肉腫」が突如発生し騒然とする中、どこかしら覚えのある人物や事件が現れてくる。
「新型カポジ肉腫」のウィルスは誰かの陰謀によって作られたものであることが分かり、ウイーンと日本を舞台に、無関係と思えた人物が絶妙に絡む信じられない展開に引き込まれていく。ウィルスとの戦いに勝てるのか、陰謀者は誰なのか。それを暴いていくキーマンを窮地に立たせその後一気に謎解きが始まる。今迄になかったミステリーで最後まで緊張感を持って誘導された。
フィクションであると分かっていても、丁寧な描写に肉腫が立体感を伴い実在すると思えてくる。やんわり否定されている過分な治療やサプリメントも必要ないかも知れないと思えたりする。
覚えのある登場人物は「無痛」の登場人物のその後であることに読み終わってから気付いた。「続無痛」とせずにさりげなく続編を書くテクニックにこれからも目が離せない。
第五番Amazon書評・レビュー:第五番より
4344021274
No.1:
(5pt)

異能・久坂部羊

久坂部氏の著作はダークな筆致ながらも鼻白むほどの虚飾は漂っていない。
それどころか扇情的な筆の走りを極力排した無機質さすら感じるシンプルな文体なのだが、
そこになぜこれほどの、言うなれば暗渠の底の濁りを垣間見たような黒面が発生するのだろうか。

それは恐らく、テーマとする医療が孕んだ根源的な疚しさを正確に、淡々と切り取るからだろう。

医療をテーマとしたとき、文学であれドラマであり、はたまたドキュメンタリーであれ、
虚飾から逃れられない。その虚飾を剥ぎ取ったとき、吹き出す業・人間そのものの獣性
の臭みに我慢できなくなるからだ。

著者が淡々と切り取る医療の一断面・人間の歯茎の臭さ、
誰もが目を瞑りたいと思うシーンは実は日常の中に潜んでいる。
そのことを気づかせてくれる異能の作家が久坂部羊だ。
第五番Amazon書評・レビュー:第五番より
4344021274

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