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天地明察
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天地明察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全338件 281~300 15/17ページ
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現代では何気なく使っている暦が江戸時代においても、政治、神事など幅広く影響を持っていた事を前提とした小説であり、細かな設定に難があるにしても、その舞台設定・着想は面白いと思う。この様な現代の科学社会の中で当然と思われているものを、歴史的に再構成しエンターテイメントな小説にした本書の様な本がこれから出てくる事を期待している。 | ||||
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韓国ドラマ「善徳女王」を見て、随分昔から暦というのは重要な、今以上に神の力的な存在だったと知りました。 江戸時代、外来品ではない本物の日本の暦を作ったという小説です。 江戸前期の賢い人達が自分達の身分の中で協調し協力し素晴らしい暦を数十年もかかって出来た感動的な小説でした。 | ||||
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ただ今読了しました。名作!!この名に相応しい、久々の日本文学です。小説の醍醐味、読むこの楽しさを久々に感じました。著者の力強い構成力もグワッと感じます。どの点をとっても素晴らしいものです。 確かにこれはこのまま映像になります。この本を読むだけで天界の星々が見えますね、晴れた犬吠埼の夜空は確かに現在でも見事の一字に尽きます。それも思い出させてくれました。 今、これほどの筆力と全体感、構成力のある書き手はそういません。 翻訳物ばかり読んでいて、日本に良い書き手がいなくなったと思っていたのですが、この度これを「拝読」して改めて、日本の小説もまだまだいける、と思い直しました。 主人公春海に集中して弛むところがなく、周囲の人物も必要不可欠な数とし(それでも結構登場はしますが)、その代わり、登場させたからには必ず重要な任務が与えられております。小説なのに、登場人物に入念な配慮がなされています。 関孝和と初めて対面するときの、関の激怒は良いですね、あれは思いっきり叱ることで春海を救っているんです。 そして、この小説は人間の死を扱っている小説でもあります。人間の限りある生とその死を明確に伝えることによって星辰の長さとの対比を扱っている類稀な小説です。 いずれに致しましても、この充実感、この幸せは素直に著者にありがとう、と言えるものです。 ありがとうございました。 | ||||
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「天地明察」非常に面白く読みました。 碁打ち、算数、天文、歴史、好きには答えられない小説。 作者は非常に良く調べているが、専門家のチェックも必要だったのではと思う。 大切な春海の第1の出題はあまりにも誤りが明白過ぎるし、比に単位が入っているのもおかしい。 小円の径を7寸、大円の径を30寸にすればと思うが、これは解がある。 第2の出題もこれだけでは不定で幾らでも解がある。 各星の周の関係に対する何らかの規制(規則を持った数列として)が必要。 最後の章は「天地明察」で良いが、主人公の性格からして、 結と表題は「天地未明」の方が良いようにも思う。 | ||||
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ご存知’10年、「第7回本屋大賞」、「第31回吉川英治文学新人賞」受賞作。これまで一部のファンの間では熱烈な支持を得ていた冲方丁(うぶかたとう)だが、初めて時代小説にトライした本書でブレイク、一躍全国区の作家になった。本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』’11年1月号で発表された、読書好き4652人のアンケートによる「ブック・オブ・ザ・イヤー2010」総合第2位(ちなみにTOPは村上春樹の『1Q84』BOOK3)、ミステリー・エンターテインメント第4位に選ばれた。 「今日が何月何日であるか。その決定権を持つとは、・・・宗教、政治、文化、経済―全てにおいて君臨するということなのである。」暦とはこれほど重みのあるものなのか。まず、それに驚いた。江戸時代、4代将軍徳川家綱の時代、そんな日本独自の暦を作ることに生涯をかけた男がいた。渋川春海(しぶかわはるみ)は、碁の名家の生まれで、幕府の公務として将軍の前で碁を打つ身分だったが、一方でそれにも増して算術に身をのめりこませるほど興味を持っていた。物語は、碁を通して幕閣の重鎮とも親しく接する“特権”があった春海が、能力を見出され、彼らの推挙と命によって、数多くの知遇と協力者を得て暦作りに奮闘する20年余りの歳月が描かれる。 この春海のキャラクター造形が秀逸である。さまざまな出会いや出来事に対してやたら大げさな、「蹌踉」「瞠目」「慙愧」「凝然」「卒然」それこそ時代がかった表現で反応するのだが、すこしも重々しさは感じない。むしろ情熱的で爽やかな青春成長小説の趣がある。 また、ふだんあまり気に留めない、碁や算術、暦といったものの成り立ちについて、読者の知的好奇心を充たし、一方で戦乱の世から泰平の世になり、幕府と朝廷との関係、為政者の方針が武断から法治・文治へと移りゆく様などがよくわかる歴史書としての一面も併せ持っている。 まさに、本書はエンターテインメント時代小説と呼んでしまうのが惜しいような『士気凛然、勇気百倍』の力作である。 | ||||
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物語に引き込む力が素晴らしい。 難しい導入部から見事になされています。 エンターテイメントとして楽しく読むことができます。 他レビューで指摘されている問題点も、物語の流れとしては気になりません。 その辺りは読者の個性も関係してくると思いますが。 自分が娯楽小説を読みたいと思うのであれば、面白いこと請け合いでしょう。 | ||||
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ここ数年 ビジネス書ばかり読んでいたのですが、 久々に読んだフィクションがこの本で良かったです。 小説って楽しい、また色々読んでみようかな〜、 と思うきっかけになりました。 主人公が全力で天職に打ち込んでいく姿を描いたもので、 爽やかな恋愛もキレイな感じで織り交ぜられていて、 小学生が読んでもOKなピュアなファンタジーという感想です。 舞台となる江戸時代の時代考証などが浅いというコメントもありましたが、 あまり詳しくない自分は全く気になりませんでした。 さらっと楽しく読めました。 | ||||
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碁打ちの主人公が幕府の大きな事業を支えてくれる人と共に成し遂げていくもので いろいろな苦難が主人公を待ち受けています。 通勤中に読んでいましたが気になりすぎて業務中にも読んだりしていました。 読んだあとの爽快感もよく、エンターテイメントとしてのこの作品のレベルの高さに作家さんの力、能力を感じました。 フィクションなので史実とは若干のずれなどはあるかもしれませんが良いものです。 一度は読んでみて欲しい作品です。 | ||||
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初めて読んだ時代小説で、初めて読んだ冲方丁小説。 厚さに勝る熱さが含まれている、良書。 歴史的背景を知らずとも、これのみで面白く読める。囲碁を知っていると、更に面白く読める。 天と、地と、人とが結び付くダイナミズムが、大きなうねりとなって蠢動するストーリーに感服。 | ||||
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算数は得意だけれども、 数学は苦手なわたくし。 しかも、碁のルールも知らない。 序盤は、 「なんでこの本が本屋大賞の1位になったのか」 まったくわからないほど、読み進めるのに苦労をしたのですが、 気がつくと、主人公の生き様にグイグイと引き込まれ、通勤途中の、 電車内で、降車駅を乗り過ごしそうになってしまうほど、夢中になっている自分がいました。 人生論あり 恋愛論あり 友情論あり この1冊に人の一生のすべてが綴られております。 読了後には「やっぱり1位はスゴイね!」と 感動に眼を潤ませながら笑顔で本を閉じました。 いやぁ、いい本をありがとうございました^0^ | ||||
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読んでいると、どんどん物語に引き込まれていくような感じで、気付くと夢中で読んでました。最近読んだ本の中ではピカイチでした。ハッキリ言って、専門的な内容や時代背景はあまり分からないですが、そんな難しい事考えながら読む本ではありません。粗探しみたいな読み方をせずに、素直に一つの読物として見れば、良い作品だと思います。 | ||||
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当時最新の数学と観測技術を基に日本のカレンダーを作った渋川春海. 予報が外れて何度も苦しい思いをしても,絶対に諦めない姿勢を学んだ. 科学者は昔も現代も,自分の仕事をひたすら信じ続けることが大事なのだ. 終盤では,最終的に自分のカレンダーが採用されるために,まるで碁を打つように (実際に碁打ちなのだが)外堀を埋めていく作戦をとる.プロジェクトを成功させ るためにはそういった才覚も必要なのだろう. しかし主人公があんなにも草食系男子なのは,現代の小説だからなのだろうか. それとも本当にそうだったのかな? 知る由もないが,一風変わった時代小説としても楽しめる. | ||||
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冲方丁の本。話題の本。2010年本屋大賞受賞の本。 内容紹介のなどから、この本がいわゆる時代小説とよばれる種類の本だとあったので、あまり読む気はしなかった。ただ、本人のブログなどを見て、色々と思い入れもあるようだし、何より冲方丁の作品であるので十分に信頼出来るので、(話題になっていたり、賞を取った本を読むというのは、少々癪だった。というか、そもそもこういう賞があること自体、今回初めて認識したし、面白い本が受賞するわけでもなく、まあ、宣伝の一種程度としか思っていなかったが、折角なので)読んでみた。 結論。面白い。冲方丁というブランドであるので、面白いというのは初めからわかっているつもりだったが、それでも面白いと思った。ただ、それでも、同時に物足りなさも感じた。『ばいばい、アース』や『マルドゥック・スクランブル』と比べたとき、単純に物量の差か、それとも、完全なフィクションと元となる史実があることによるものか、あるいは、雑誌に連載していたことによるのか、判然としないが、なんとなく物足りなく感じた。 これまでの『ばいばい、ー』や『マルドゥックー』では、ある場面の描写は、これでもかというほど、濃密に描かれているが、今作では、むしろその反対に、数年、十数年という長い時間を、圧縮して描いている。その辺りの書き方の違いが、物足りなさ、もっともっと濃い作品が書けるはずだと感じてしまう要因かもしれない。 そういった部分での欲求不満は残るし、個人的な好みとしてはやはり、『ばいばい、ー』や『マルドッゥクー』の方が好きだが、本書も勿論、非常に楽しめた。あるいは、暦や、和算についての解説本のようなものも別にあると面白いかもしれない。 | ||||
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熱い物語だった。国産の暦の誕生にこんなドラマがあったとは、 と大変勉強になりました。 いまの日本人ではここまで純粋に打ち込めない。 あの時代に生まれてここまで人生を捧げられた渋川春海が羨ましい。(1639-1715) 映画化した際には、主演には本村弁護士を薦めたい。 | ||||
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『マルドゥック・スクランブル』とかで有名なSF作家の冲方丁の初の時代小説。直木賞候補にまでなった。 その評価に違わず、とっても面白い、時代小説だった。しかもよくある戦国武将の話や江戸の庶民の暮らしの話とかではなく、改暦という歴史上の出来事と日本における算術、天文学の発展とをひとりの碁の棋士を主人公に描いている。 主人公である渋川春海という男の成長物語とも読めるし、それを中心に描かれていて、そこに面白さもあるんだけど、私としては、改暦という大プロジェクト自体が、春海というプロジェクトリーダの元、いろいろな失敗を重ねながら、関孝和を始めとする支援者の協力も得て、実現していくというところに興味を持った。自分自身がプロジェクトに携わることも多いので、こういったプロジェクトモノ好きなんだよね。著者の達者な表現力で泣けるプロジェクト小説になっていると思う。時代小説ということよりもそちらに感心した。 後半の駆け足の展開にはちょっと不マッもあるけど、もう、とにかく改暦というテーマに目をつけた時点で勝ちだろう。冲方丁のファンもそうでない人も楽しめる物語だ。 | ||||
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江戸時代、4代将軍家綱の治世。 碁の名門、安井家に生まれた算哲は 数学を学ぶうちに暦学の存在を知り、その研究にひきこまれていきます。 それは、彼の生涯を懸けた改暦事業の幕開けでした。 天文学者、渋川春海(安井算哲)の物語です。 関孝和、本因坊道悦、山崎闇斎、そして徳川光圀など、 随所に実在した人物が登場し、かなりリアリティがあります。 「囲碁侍」算哲が天才数学者関の存在を知り、挑み、挫折したこと。 全国各地を測量して回り、その結果授時暦への改暦を願い出たこと。 そして授時暦に代わる、研究の集大成たる「大和暦」を作り上げたこと。 これらの事実が、彼の清々しい言動を通し、明確に伝わってきます。 一貫して描かれているのは、一途かつ頑固な改暦への情熱です。 そしてその情熱を支える妻、えんの賢さ・温かさもいい味を出しています。 フィクションの部分も多いようですが、時代小説はこういうものかもしれません。 時代小説が好きな方におすすめします。 | ||||
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歴史的な事実関係は知らずに読みました。 主人公を一般人の(?)読者と等身大に設定し、大業を成し遂げる 様は痛快です。なんとなく勇気が沸いてきますね。 | ||||
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科学的事実や歴史的事実には詳しくないので他の評者が仰るような感じは 持ちませんでした。所々、これ本当?と思う箇所は勿論ありましたが。 ストーリー展開も平凡、主人公の個性も強く現れない。それでも、前半は 他人の布石に動かされる中ではSWOT分析等のマーケティング手法を用いたり、 水戸光圀や関孝和に陰に陽に応援され、粛々と自分の課題に取り組み、 最後には自らの布石の下、目的の為には手段を選ばず(面子にも拘らず) 淡々と過ぎてゆく展開。 青春小説として読めば、何度も泣く場面がありました。 | ||||
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徳川四代将軍の時代。御城碁の打ち手であり数学の才に長けた青年・渋川春海が、運命にいざなわれるように日本独自の暦編纂に取り組んだ生涯を描く物語。 時代小説はあまり読みませんが、テンポのよい文章にぐいぐい引っ張られるように読み通しました。 「行こう。己は試されねばならない。試されてこその研鑽だった。」(232頁) 一筋縄ではいかない暦編纂事業、妻こととの出会いと別れ、そして再び出会った女性えんとのほほえましい関係など、あの時代の青年・春海の健闘の日々を描くエンターテインメント小説として大いに楽みました。 しかし、一つだけ拭えない疑問が残りました。 中国伝来の暦が決して正確無比なものではなく、さらに精度の高い暦を必要とした事情についてこの物語は、飢饉の回避を一番に挙げています。その中国の暦は800年でわずか2日のずれというものであるにも関わらず、 「かくては農耕や収穫の開始の時節が失われ農事に不都合が生じて凶作となるばかりか、月の大小という万民の生活の尺度、日の吉凶というあらゆる宗教的根源が、全て無に帰してしまう」(350頁)というのです。 これはかなり大仰ではないでしょうか。 杓子定規に暦を守って、農耕収穫の日取りをピンポイントで細かく決めて農業が行なわれていたとも思いませんし、その2日のずれで「飢苦餓亡」が発生するというのであれば、長年の職業的勘を働かせて暦を無視して農耕日程を調整するだけの柔軟性くらい農民にもあったでしょう。 高島俊男著「お言葉ですが…〈別巻3〉」にもこんな風に書かれています。 「農作業も暦にあわせておくらせてよい、というわけにはいかない。農作業は、暦ではなくお天道さまのごきげんにあわせてやるしかありません。」(85頁) であれば、暦を変更するのは飢饉の回避ではなく、もっと別の深い政治的理由が働いたのではないでしょうか。 そんな風に思えてなりませんでした。 | ||||
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本書で、「息吹」と云う言葉にずいぶん久しぶりに出遭った。なんて良い言葉なんだろうと、あらためて思う。 この本の、そこかしこに息吹を感じる。読後の爽快感は、類い稀である。 思えば、暦とは、一つの国の、一つの時代のあらゆる方面の文化が集積されたものだ。主人公はそれを改めようと企てている。まさに大事業である。学問ができれば成し遂げられるというものではない。実務の能力があれば良いというものでもない。一国の文化の総体を観る眼も、政治的な手練手管も必要とされる。 様々な挫折があった。そこから立ち上がる、意志の力は並大抵のものではない。だが、和算の世界にも、測量の世界にも政治の世界にも、新しい時代を作ろうとする人々の息吹があった。それなくして、一大事業は成らなかったはずである。 関孝和に算術の問題を出題するところ、新しい暦の理論的な予見が的中するや否やのなりゆき。自ら問題を設定したことがある人、未知の問題に挑んだ自覚がある人にとっては、身につまされると同時に、大いに愉しめる場面だろう。あるいはまた、状況に右往左往する人々も、大局を見つめる為政者の姿も描かれる。江戸時代の囲碁の世界がどのようであったかも理解できるだろう。 主人公の恋愛も含めて、この作品の世界は立体感があり、厚みを感じさせる。爽やかな物語を愉しみたいすべての人に薦めたい。 | ||||
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