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天地明察
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天地明察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全338件 221~240 12/17ページ
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囲碁の名家に生まれながら算術に傾倒し、そろばんと算盤を持ち歩く渋川春海。人づてに聞いて澁谷の金王八幡へ出向くと そこで絵馬板に算術の問題、出題者の名や属する塾の名が記されているものを見つけた。それらの問題の横には 違う筆跡で術や解答が別のものの名とともに記され「明察」の二文字が記されていたりする。 サムライでもないのになぜか二刀をさづけられ、籠に乗るにもまず二刀が邪魔し、八幡の鳥居にぶつけと、この人物 いまでいうおっちょこちょいのようである。しかしやがて、暦のずれを正すべく編成された北極出地の一員に選ばれる・・・ 中3の孫にとっても面白く2回読んだらしい。 | ||||
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時は4代将軍徳川家綱の時代。正確さを失いつつあった「宣明暦」に代わる暦が求められていた。 改暦を任されたのは、渋川春海という碁打ちの名門に生まれた男だった。「天」を相手に、春海の 長く壮絶な戦いが始まった・・・。 天文学や数学がまだそれほど発達していなかった時代に暦をつくるのは、かなり大変なことだと 思う。気の遠くなるような地道な努力が延々と続く。また、改暦を快く思っていない者もいる。 彼らをどう説得していくべきか、そのことにも心を砕かなければならない。さまざまな人たちが、 本当にさまざまな人たちが、同じこころざしを持ち困難に立ち向かった。一歩ずつ目的に向って 歩み続ける春海たち。数々の紆余曲折を経て、ついにその日は来た!ラストは、本当に感動した。 「やったー!」と思った。あまりの感激に、涙が出そうだった。春海や、春海を支えてくれる人たちの たゆまぬ努力があればこそ、成し遂げられたことなのだ。現代・・・。天文学、数学、物理学など ずいぶんと発達したけれど、宇宙の神秘的な謎のすべてが解明されるレベルには至っていない。 「天」を相手の戦いは、これからもずっと続いていくことだろう。 長編だけれど長さをまったく感じさせない、さわやかな感動が味わえる面白い作品だった。 オススメです! | ||||
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江戸徳川家が戦国から太平の世に時代を変えていく中で、社会の根本とも言える暦を碁役を務める安井算哲こと渋川春海が暦法や算術を極めて変えていく姿は、従来にそれ程無かった素材を扱い、保科正之、水戸光圀、酒井忠清など名だたる幕閣の要人が軽妙なタッチで登場することもあって、とても楽しく心地よく読めます。暦の知識が無い方にとっては、宣明暦、授時暦、大和暦などの成り立ちや違いなども理解でき、更に江戸時代の有名な算術家関孝和との算術勝負などのプロットも折り交ざり、宮崎あおいなら映画で好演するだろうなと想像される荒木孫十郎の娘、えんへの想い等、興味が尽きない時代小説となっています。 冲方丁の小説は今回初めて読みましたが、今までになかった様な時代小説に於ける新しい感性を感じ、これから追いかけたくなる様な作家の登場を、本当に嬉しく、とても愉快に感じます。読み易さも抜群で、忙しい時間を過ごしている読者も、さらっと読めてしまうだろうと思います。但し、上巻のテンポの流れから考えると、下巻の流れは早く、もう少し丁寧に下巻も書き込んだら、更に良い読後感になったかも知れません。 でも、冲方丁の才能を感じ、新しいタッチで時代小説を描く若い作家の登場を、本当に嬉しく、楽しく思います。 | ||||
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一つ気になったのが、幕閣の登場人物の表記方法が、例えば、酒井“雅楽頭“忠清、松平“伊豆守“信綱というように、官職についてほぼ例外なく“ ”を付けていることである。武家官職であることを強調したいのか、なぜ、官職をハイライトしているのか、著者の意図が知りたいところである。 | ||||
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天地明察の著者の着眼点、内容はともかく、映画も素晴らしい作品に出来上がっているよです。 江戸時代、途方も無い国家プロジェクトを任された若者の、長きに渡る明察(=Q.E.D.)までの道のりを分かりやすく描いています。 そのため、本文は読みやすく、難解な言い回し、表現などはほとんど見られませんでした。 現代のように、目先の事ばかりにとらわれ悩む私たち(特に私w)に、壮大な生き方を提示してくれる本書は、 そんな悩みさえ吹き飛ばしてしまう力があると思いました。 | ||||
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まず科学で大切なこと。実験や観察による証明。次に学問で大切なこと。人の役にたつこと。星空の美しさだけに留まらず生活を支える暦を作る天文学。そして飽くなき真理の追求。誰が言ったか、ではなく何が正しいか?数学が苦手だったガリレオがピサの斜塔からふたつの玉を落として落体の法則を発見したのは26才のことだった。そのガリレオはのちにローマ法王の権威に屈することなく「それでも地球は動く」と言ってのけた。近代科学の父と言われたガリレオそのままに朝廷に立ち向かう若き渋川晴海。知らないことはこれから知る楽しみ。解らないことは解ったときの喜び。そして若いときほどその楽しみと喜びは大きい。少年よ、大志を抱いて、突っ走れ! | ||||
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2冊完結ということで、あっという間に読み切ってしまった。登場人物が妙に現代っぽさを感じたのはえんさんのセリフによるものかなと思いつつ、春海と一緒にえんに何か言われるのを期待している自分がいた。宮崎あおいさんが映画では、えんさん役をやっているが、イメージがぴたりと合う適役だなぁと読んでいて思った。というか、もう自分の中でえんさんイメージは宮崎あおいだった。 数学という大人になると理系以外には一般的にはなじみが薄くなっていく学問を物語にしたことで、何かアカデミックな魅力をそそられ知的意欲が湧いてくる。勉強すれば、世界がいつか変わってみえるようになり、自分が広がるんだろうなぁという思いを抱き、また仕事と研究へのエネルギーを湧かせてくれた。読後感がとても良かったです。こういう小説を通勤で読みたい。 | ||||
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私は数学・暦の技術的な部分は全然理解してませんが、知らなくても全然問題無し。 登場人物がみんな個性的で魅力的。かといってえらそうな素振りは まったくなく淡々と描かれてます。ただ淡々と描かれてはいるものの描写能力はぴか一で その場の雰囲気が想像できるくらいです。 あまりの面白さに感動しました。まさにpageturnerの良書です。 最後まですがすがしい感動をもらいました。電車で涙ためながら呼んでました。 この作者一押し!! | ||||
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題名は少し古めかしていて難しそうな印象を受けるが、読むとたちまちのうちに良い意味で裏切られる。 確かに扱っている題材は天文学や算術などとっつき難そうなものであり、時代も泰平の世となって久しい江戸時代であるが、それをあまり感じさせずに登場人物の人間ドラマを魅力的に引き出すことに成功している。 しかも登場人物それぞれが魅力的である。特に主人公である渋川春海が良い。 処世に疎く、背伸びをしない無欲な面と、ある特定の面に無限の情熱を持つという二面性を上手く同居させた人物として読み手の感情移入を呼ばずにおかない。 また、ヒロイン役として登場する村瀬えんも時代物に出てくる女性としては気持ちが良いほどさっぱりした性格で、それが主人公との淡い関係をじめっとさせず、からっとした爽快さを感じさせて気持ちが良い。 最後まで一気に読ませる物語の運び方の妙と読後の爽快感は、作者は違うが「のぼうの城」で感じたものに似ているなと感じた。 爽やかに気分で涙したい人に勧めたい。 | ||||
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ミーハーな私は、映画の宣伝を見てこの本を手にしました。 面白い。グイグイ引き込まれていく。序盤から中盤までは、主人公の葛藤や昂揚感がビッシビシと伝わって、共に涙しそうになるくらいです。 だが、ラストがイマイチ盛り上がりに欠けたように感じました。素晴らしいストーリーなだけに残念です。 | ||||
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公開された映画を見たあと、原作が気になって読んでみました。 映画では深くは語られなかった箇所の補完も含めて、とても味わい深いお話でした。 みなさんおっしゃっていますが主人公が魅力的ですね。 時代考証もしっかりされているように見え(少なくとも自分程度にはそう見えました) ライトノベルなどでは味わえないずっしりした読み応えも感じられます。 とはいえは文章自体はけっこう軽く読みやすいので若い人にもお勧めです。 | ||||
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爽やかな読後感でした。 物語は、渋川春海が中心となって行われた「改暦」という大事業を描いています。 著者は、非常に豊富な情報を上手く料理して、この事業の性格を描写し、人物像を作り上げました。 あくまで明るくポジティブに。 改暦とは、その名のごとく暦を改める事業です。 現代感覚からすればカレンダーや手帳に記載されたもので、正しさを疑いすらしません。が、江戸時代の初期に暦が2日ずれるという異常事態が発生します。 それだけでもミステリーのようです。 それならば正しくすれば良さそうなものですが、国家システムというのはそういう率直さを備えていません。 学問の徒は、どの時代にあっても真理を求め愛する存在です。 この大事業に江戸幕府の英知は武士による武断から文治への転換として位置づけ遂行します。 なぜなら暦は、朝廷の所管であってまさに世を治める基盤にあたります。 それを武家が改めるなど恐れを知らぬ振る舞い。 渋川春海は碁打ちです。布石を行い、時代の算学者達の思いを背に乗せこの難事業に向かいます。 一番心に残るのは、算術に集う人たちの、「設問」と「明察」といったやりとりです。 本来勉強って楽しいものだったんでしょうね。 | ||||
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読んで良かったと思える本。ただ春海の二人の妻が男から見て都合のいい女に描かれていて、出来過ぎの感がある。 | ||||
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江戸時代に暦のずれを正すために日本独自の暦を作った安井算哲という男の話です.和算学者として関孝和が有名ですが,この小説では関は脇役です.算哲という人はこれまで知りませんでしたが,関孝和と肩を並べるような人が他にもいたんですね. たかが暦,されど暦.暦を変えるということは,市民の生活のみならず,経済・政治・宗教など多方面に影響を与えてしまうということを再認識しました.特に,江戸時代では,朝廷との調整が大変だったようです. この小説では,算学絵馬や算木,天体観測の装置などが出てきますが,丁度映画が公開されていますので,これらのビジュアルを確認しておくと小説がいっそう面白くなると思います.是非どうぞ. | ||||
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楽しく読ませていただきました。 文庫本でいくと、上巻のテンポが良かったのですが、下巻では時間の流れに比較してテンポが早く、説明のようになってしまったのが惜しいと思いました。もう少しじっくり長く書くと、より良かったと思います。字数の制約があったのでしょうか。 | ||||
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上巻は、江戸時代の算術家達の様子がポジティブに描かれます。 数学嫌いの方は多いでしょう。 数学ができないから文系に進んだ、という方は大勢いらっしゃると思います。 4代将軍家綱の治世。この頃は、数学がまだ学問というよりも芸に近い存在であったそうです。 主人公渋川春海は安井算哲の名を持つ碁打ちです。 彼は算術に魅せられています。とても深く。 当時の人達にとって数学を学ぶということがどういうことであったのかを誠に上手に伝えています。 注目はやはり関孝和。一瞥即解の天才として象徴的に描かれています。 世の天才たちは皆宇宙空間に目を向けていました。 ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン。ホーキング博士。 日本の江戸時代のアカデミズムの徒は、手に手をとり夜空の星を見つめています。 その顔は笑顔で輝いています。 | ||||
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江戸時代の囲碁侍にして算術家、天文学者でもある渋川晴海(安川算哲)の一代記です。 正しい暦に基づいて政治を行うことの重要性(裏を返せば支配者にとって暦を支配することの重要性)に鑑み、4代将軍・家綱の治世、徳川幕府中枢にいる慧眼の士たち(酒井忠勝、保科正之、徳川光圀等々)によって改暦の大事業が企てられる。 完了までに要する時間の長さを考えるとき、事業のトップは若い人でなければならず、30歳そこそこの晴海がその総指揮を命じられ、経験も知識も豊富な多士済々の顔ぶれが彼のもとに結集する。降ってわいた大任におろおろする春海は、私利私欲なくただ真理追究に邁進するさわやかな理科系男子……という設定で進んで行く江戸時代のプロジェクトXが本書です。 紆余曲折の過程で登場する多くの人物が、そろいもそろっていい人ばかり。 算術が重要な物語のエンジンのひとつですから、関孝和ももちろん登場しますが、かなりいい奴です。和算のパズルみたいな問題が出てくるのも数学本ファンにはうれしいところ。ストーリーでなく説明で話が進んでいく部分が多すぎる点は少し気になりますが、初めて知る話がてんこもりで飽きません。読後感もさわやか。映画化されたら観てみたい。 それにしても江戸時代に算術や天文の知識がここまで進んでいたことに驚きました。地動説を日本人の誰もが当然のことと理解していたという事実が意外でしたし、日蝕・月蝕をピンポイントで言い当てられる知識があったこと(帝から改暦の詔勅をいただくため、改暦推進派は800年の歴史を持つ宣明暦に対し、「大和暦」を引っさげて蝕の予想合戦に挑みます)、惑星の楕円軌道、ピタゴラスの定理、未知数 (記号はxではないけど)を置いて問題を解く代数の考え方など、江戸時代の日本がそこまで進んでいたのかと、知らなかった私は驚きました。 | ||||
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映画の宣伝もかねた大きな広告を見て面白そうだったし、いくつも賞を取っているしと読んだのだがもうひとつだった。 魅力的な登場人物も揃っているし、碁打ちで算術好き他にも色々得意なことのある主人公で、話が面白くなる材料満載なのに、何か深みがない。 絵馬が並び吊るされている神社とか、北極星のきらめく夜空とか、情景が目に浮かばないので主人公に共鳴しにくいのだろうか。 読んでいる途中で用事が入ったら、簡単に読むのを中断できる本というか。 下巻で本格的に暦作りにとりかかるはずではあるが、買って読もうかどうか迷っている。☆3.5 | ||||
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映画化で話題になっているので、久しぶりに読んでみました。 やっぱり面白い。 何度読んでも飽きません。 内容の奥深さ、渋川晴海という人の生涯・人柄にとても好感が持てます。 幅が広い作品の為、何度読んでも飽きません。 読み直す度に新たな発見ができるのも一興のところ。 内容は少し難しいところがありますが、大筋が理解できていれば問題はないかと。 なにより、この作品の魅力は人間ドラマにあると思います。 渋川晴海のという主人公を筆頭に、登場人物全員がとても魅力なのです。 暦などの内容が理解しにくくても、まずは人間ドラマとしてサラッと読んでみることをお勧めします。 (私はそうしました。(笑)) ちなみに漫画版も出ていますが、こちらも一級品。 原作を忠実に再現しつつ、漫画としての良さもある良品です。 こちらを導入篇として読んでみるのでも良いと思います。 漫画版の晴海はとても可愛いんですよ。 | ||||
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冒頭の算額絵馬から始まって市井に生きる江戸庶民たちの闊達な学問への欲求をこれでもか!と描き尽くした一作。算術の問答集の自費出版や写本などすべて知らぬことばかりで、そんな江戸風俗学問編がめちゃくちゃ面白かったです。 関孝和は辛うじて知っていたものの、恥ずかしながら渋川春海なる人物を知らずググッては「やばい!ネタバレだ!!」と目を覆ったりしながら、読みました。作中の気になる人物気になる書籍すべて実在しているというところがわくわく感を更に煽ります。 老人たちから受け取った熱い思いとバトンを背負って未来につなぐ。お人よしでどちらかというと引きこもりニートの共感を煽るようなメンタリティの渋川春海という人物も面白く、一緒になってわくわくしながら読み進められる幸福な本でした。 | ||||
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