■スポンサードリンク
図書館の神様
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
図書館の神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 41~60 3/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
プロスポーツ選手か何かのように威張りくさっている運動部員に比べて文芸部ってカースト低い ですよね。私自身も文芸部出身ですが「何やってんの」と言われないように毎日一冊をノルマに 自主トレしていた、斉藤孝先生もびっくりの武闘派文芸部員でした。 そんなことやっても誰も「すごいね」とは言ってくれませんでしたけど…垣内君も誰もほめてくれ ないことをすることで自分を育てていて、かっこいいなと思いました。 垣内君にはそこに至る過去の体験があったわけだけど、主人公の「私」からは推測するしかない、 という描き方なのも、いい効果だしてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の後の作品でも共通している事だが、著者独特の爽快感のある文体を楽しめる。 爽やかで透明で、作品としての不思議なまとまりも面白い。 「図書館の神様」では、主人公清の心境の変化が、多くの人との出会いと共に、克明に描かれている。 スポーツと文芸に対して、不倫相手に対して、教師という職業に対して。 その内容の明快さ故に、次々とページをめくってしまう。 この作品は傑作だ。 「雲行き」も面白い作品だ。 母独自の天気予報を元に、二番目の父親と100万円の賭けをするという筋書き。 その賭けを通して、色々な発見があったし、結末も大変面白い。 ところで、両作品とも、頭痛に関して色々と語られるが、著者は頭痛持ちなのだろうか? いずれにせよ、両作品ともに、頭痛とは対局にある爽快感に浸る事が出来る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
始まりは少し悲しい・・・。 主人公の人生を近くで見ていた気持ちになる。 そして彼女の気持ち、とても理解できた。 何といっても、文芸部の彼はとってもいいキャラクターだ。 会ってみたくなる♪ この作品、心を癒されま〜す! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ふとしたことで大事なものを失ってしまい、流されるままにどうしたら良いか分からないまま高校の講師となった主人公。望んでもいない文芸部の顧問となり、たった一人の部員との出会いから、傷ついた心を取り返していく。 「大丈夫ですって。三年後、先生きっとよかったって思いますよ」 「三年後って何それ?」 「三ヶ年予報です」 「は?」 「ほら、天気予報でも三ヶ月の予報立てるでしょう。それと一緒です。一年先のことなんてよくわかんないけど、三年くらいの単位で考えると、わりとイメージしやすいでしょ」 実は自身も喪失感を抱えているはずの部員・垣内くんが、顧問と部員という関係にあってつかずはなれず穏やかな関係を築きながら、穏やかにそして流れるように1年間を過ごしていく。 海からの風が図書室に流れ込むように、さわやかで素敵なストーリーでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学校の先生も不倫して、授業が好きじゃない人もいるだろう。当たり前である。それをいまだに「聖職」だと思うからおかしな人が多いように思えるのかもしれない。不倫して、仕事が嫌いなビジネスパーソンがいるように。作者は、主人公の善悪を評価せず淡々と描いている。いままでではあるようでなかったキャラではないか? また、学生の描き方が相変わらずうまい。ちょっと青春しすぎているところもあるか?とも思うが、これが今時の知的学生の姿なのだろう(たぶん)。 作品自体は重すぎず軽すぎず、調度良いところでまとまっている。瀬尾氏の得意のパターンである。読後感も良い。読んで損はないと思う。 # 学生時代に図書室を使い倒してきた人間としては、舞台になんとも言えず郷愁を覚えてしまう。学校図書室には思わぬ掘り出し物がある(私の通っていた高校の図書館にも明治・大正出版の本等がかなりあり、地元の公立図書館にないような貴重な本もあった)。懐かしい。 ## 上記と明らかに矛盾することを書いて申し訳ないが、やっぱり「先生」と肩書きがつく職業の人はどうも感覚がずれている人の割合が多いように思う。最近、教師や医者等との付き合いが多いためか、なお強く感じられる (川柳「先生と言われるほどの馬鹿じゃなし」) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雑草は、強いと言いますが、どうしてでしょう。 文芸部の垣内君が活躍する物語である。といっても主役は女教師なのだが僕が文芸部だったこともあり僕としてのメインは彼だったww垣内君は学内唯一の文芸部員であり、発想もみんなとちょっと違い意外なことに気付かせ、急に大人じみた部分を見せる。しかしそれがただの変な奴、気障なやつとして読者にうつらないところに彼の魅力が凝縮しているように思われる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瀬尾まいこあたりが、そろそろ中学入試に出題されるのではないか、 そうすればタイトルからして、「図書館の神様」だろうと目をつけて、 購入した。 しかし、これは、中学入試には出せない。 不倫が主人公に深く投影されているから。 出すなら、同時収録されている「雲行き」のほう。 中学入試の話しはこれぐらいにして、 作品自体の話し。 垣内君と文学はほかの方のレビューに譲るとして、 不倫に焦点を当てたい。 この作品、男の身勝手さを見事に著している。 不倫というか、不倫している男の身勝手さは あの電話の一言に収斂される。 不倫願望のある女性は、ぜひ読むべし。 所詮不倫って「不」なことなんです。 久々に小説らしい小説を読んだ気がする。 私には、なぜか昭和のにおいがする小説だった。 変わって、雲行きは平成のにおいがする小説でこちらもいい作品。 大学生以上におすすめ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
余分なものがなく、今まで出会ったことがないような、とにかく爽やかな小説です。 主人公は、高校時代に打ち込んでいたバレー・ボールで、自分の一言から自殺者を出し、そこから離れる道を選んだが、何がしたいか解らないまま高校の講師になった清が主人公です。 そんな清が高校で出会ったのは、いやいや顧問をやるはめになった文芸部の垣内君です。 この二人のつかず離れずの絶妙の関係が素晴らしく、読んでいる者の心まで清々しい気持ちにしてくれます。 当然、傷ついていた清の心も洗われてゆき、やがて本格的に先生への道に進むことになります。 実はこの垣内君も中学の時のサッカー部の時代に、同様の傷を負って文芸部に来たのですが、二人の会話はそうした具体的な互いの「傷」の話にはゆきません。 それでも、川端康成や山本周五郎などの文学を読んだり、詩を作ったり、走ったり、サイダーを飲んだりといった、とりとめのない行為のなかから、二人のいいなあと思える関係は生まれてきます。 この二人の感情に流されず互いに思いやるそっけない言葉。 これが実に素晴らしい。 この感覚が、この本の読後感を素晴らしいものにしているのでしょう。 同時に収録されている「雲行き」も、なかなか楽しい短編です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ぐずぐずした心の時に読むと、いい処方箋になると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
誰だって人生につまづく事はある。 そんな挫折から抜け出せないままに、海辺の高校に勤め始めた清(きよ)。 そして、たった一人の部員の文芸部の顧問になってしまう。 じぶんが何をしたいのか分からないままに、 部員の垣内君と会話したり、質問することによって、だんだんと何かが変わり始めるのだ。 ありきたりの実らぬ恋。 風変わりな部員。 やさしい弟。 いつのまにか教師になってゆく。 教師って熱血でなくてもいいんだ。 聖職なんておこがましい。 生徒と知り合い、対等にコミュニケーションし、短いある期間を時間を共有する事で素晴らしい人生にするために存在する。 それが教師だ。 ポケットに入れて、旅行や散策の合間に読んで欲しい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
バレー部の顧問になりたいというだけで 高校の国語の講師になったのに、 任された部活はまさかの文芸部…!!(しかも部員は1人) はじまりからしておもしろい! 本を読むのが大好きな人も、文学の何がおもしろいの?という人にも 是非読んでもらいたい一冊。 見た目は明らかに体育会系、唯一の文芸部員垣内君と これまでバレー命!できたのでなかなか文芸部が理解できない清。 二人の会話がすごくいい。 さばさばとした、時に素っ頓狂な清の発言に対して 実に的確で淡々としているのに優しさのある垣内君の返し。 本当にすごくいい。 山本幸久さんの解説にも、とても共感。 私も垣内君の意見に激しく賛同します。 文学はすごくおもしろい。 これからも文学を勝手にたのしくやっていきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「明日から朝練しようよ」 心に傷を持つ体育会系講師、清が文芸部の顧問となり、ただひとりの部員・垣内君との部活動を通じ、過去を克服していくお話。 まっすぐに、公明正大に、生きることが、唯一の正解なのか。そんな生き方を否定されたときに、逃げるのではなく、新しい世界に触れ、受け入れることで見えてくるものがある。そんなことに気づかせてくれる。 また、文系学生がぬぐい去り難く持っている、体育会系学生に対する言いようのない劣等感を払拭してくれる点もポイントが高い。 「文芸部は何一つ同じことをしていない。僕は毎日違う言葉をはぐくんでいる」。 なんとかっこいいセリフでしょう!スポーツだけが青春じゃないですよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本との出会いは五年前、高校の図書室で…幼い頃から読書好きな私が部活動やら勉強やらで教科書や楽譜以外には目もくれなかった、そんな時に新しく赴任された司書さんに勧められて読みました。読み終わった後の清々しさは何年たっても変わりません☆ 本をきっかけに司書さんと仲良くなり大幅な図書室改革を手伝ったり貴重な体験もでき、思い出深い一冊!贔屓目に☆5つです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初エッセイ『見えない誰かと』の中で、 “今作のモデルはこのときの高校生”との一文に興味をそそられ手にしました。 エッセイで、 モデルとなった高校生の話を知っていたため、 より一層、作品の世界に浸ることができました。 実体験に基づいているからでしょう。 登場人物も魅力的な息吹が吹き込まれて、とても自然。 瀬尾さん、お得意の ノーマルな文章を続けていたと思ったら、 音楽の転調みたいに、突然ニュアンスを変える。 そこでドキッとしたり、クスッと笑ったり、眼が離せなくなってしまう。 「雑草の詩」 「一人の大きな愛もいいけど、たくさんのささいな気持ちも悪くない」 これまで読んだ 『幸福な食卓』『天国にはまだ遠く』同様に 最後は爽やかなハッピーエンドで終わる展開も大好き。 今作は、迂闊にも電車内で眼を潤ませてしまいました。 今作だけでも十分、世界を味わえますが、 できることならエッセイ『見えない誰かと』をお読みに なってから、通読されることを、お奨めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
たった一人しかいない文芸部だが、清と垣内のやりとりはコミカルでおもしろかった。文芸部では運動部と違って同じことをしている日は1日もないと言い切ることや、朝練で図書室の本を整理したりと文芸部を盛り上げるための発想もよかった。また、曲がったことが大嫌いな清に対して柔軟な発想をもつ垣内くんとのやり取りが印象的だった。特に頭痛もちの理由として自分の正しさを相手に押し付ける図々しさの話はもっともだと思った。作品中に実際の本もいくつか紹介されておりタメになる話も多く、山本周五郎の「さぶ」は機会があったら読んでみようと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瀬尾さんの作品の登場人物は多才で羨ましいと思う。 非凡な才能の中にある楽しみかた、その世界を巧妙にでも読みやすく描いていると思います。 だから親近感も湧くし、素直にいいなと思わされるんだろうな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瀬尾さんの言葉遣いは、とっても好きです。 あんまり大きな声ではなく、ていねいに話している口調で、柔らかくしみいる感じがします。 「図書館の神様」は、主人公のキヨが気の乗らないまま文芸部の顧問を引き受けて、 たった一人の垣内くんという部員と向き合う1年が書かれています。 瀬尾さんが教師をしているという話を別の本で読んだ後だったので、 「教えている生徒によって自分も癒されて、また成長させてもらえる」 っていう経験がおありなのかなと思いました。 この話の中では一言も書かれていないけれど、きっと垣内くんはキヨ先生が好きだったんだろうな。 キヨの弟が、あんまり言葉を交わしていなくても姉のことをとても理解してくれていて、それが 「姉ちゃん、悪くないのに」 という一言によく現れていると思いました。 また、自分の一言が原因で自殺してしまった同級生のご両親様からキヨに宛てられた手紙が とっても印象的。 相手を責めて生きたくなるものなのに、キヨの心遣いに感謝しながらも、彼女をそっと未来に押し出すようで、 温かさがいっぱい詰まった手紙でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瀬尾まいこの作品は「卵の緒」に続いて2作品目です。 少々センチメンタルな内容ですが、でも大人の心をキュッとつかみます。 高校時代にバレーボールのチームメイトの自殺の原因を作ってしまった主人公の女性。 その心のとげを抱えたまま大人になり、非常勤の教師になります。 恋人、生徒、弟とのちょっと不器用な人間関係がちょっと切なくてやさしい物語です。 本当ならどろどろになりそうな不倫の恋もなんとなくほんのり悲しいやさしい恋です。 そんなのある訳無いじゃんといわないように。小説だから。 身内に教師を持つ身としては「おいおい、そんないいかげんな気持ちで教師になるな」といいたくなりますが、まあ、それは人それぞれだし、小説だしね。 読後感もさわやかでお勧めの一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
他のものがどうでもよくなるものがあるということは、幸せなことだ。 水清ければ魚棲まず きっぱりさっぱりさせるのは楽じゃん。そうしていれば正しいって思えるし。実際間違いを起こさない。 だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね。 『黙るべきときを知る人は、同時に言うべきときを知っている』 なるほどなあ〜〜と思った作品中の文章です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一度心に深手を負った主人公が弟である拓実、文学クラブの生徒である垣内君との心の交流を通して、まわりの人の気持ちをしっかりと受け止め、かつ自分自身の夢を持ちそれに向けて努力できる人間に再生していく物語。心が洗われます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!