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狩りの風よ吹け



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【この小説が収録されている参考書籍】
狩りの風よ吹け (ハヤカワ・ミステリ文庫)

狩りの風よ吹けの評価: 3.75/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

人の本当の姿を知るというのは辛いものだ。

今回は巨漢の相棒は怪我でお休み。しかし、情報機器を駆使して安楽椅子探偵よろしく主人公を支援する。
 代わって一緒に行動するのは、マイナーリーグ時代の相棒である元ピッチャーの不動産業者。この人間的魅力にあふれた旧友の本当の姿が一つの謎になっている。二人で、30年前の恋人探しに奔走するハメになるのだが、今回も次々起こる事件の犯人がわからず、謎解きの展開になっている。二人が探し当てるかつての恋人の姿がこれまた魅力的。
 相棒が変わったことで新鮮さがあり、「同じパターンの拡大再生産じゃないぞ」という作者の意気込みを感じた。セリフ回しもさらに軽妙。今回、ツボにはまったやり取り。「俺にも女房がいた。結婚はどんなものか知ってるよ」「よし、お前の知っている通りのものだ」
 犯人探しのひねりも健在だがで、人の本当の姿を知ってしまう驚き、悲しみに満ちた内容となっている。その結果、結末は暗澹としているが、いつもどおり楽しめる作品になっている。 
アレックス・マクナイトのシリーズは本国では8冊上梓されているようだが、邦訳は今のところ、この3作目で止まっている。ぜひ続きが読みたいものだ。
狩りの風よ吹け (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの風よ吹け (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.1:
(4pt)

ストライク・ゾーン!

アメリカの人たちは野球が大好きなのだ。大リーガーにものすごい敬意を払う。そういう「超人」たちに古き良きアメリカの持つ、道徳心や男らしさや強い意志を具現してもらいたいーゆえに作家達はこぞって「元」大リーガーたちを主人公にした小説を書く。スティーヴ・ハミルトン描くアレックス・マクナイトも元マイナー・リーグのキャッチャーあがりの私立探偵だ。そこへおよそ30年ぶりで昔の相棒ーサウスポーの投手が突然現れる。彼はずっとアレックスとコンビを組んでいたのだが、1試合だけメジャーに昇格した試合で滅多打ちに会い、その後は音沙汰がなかった。その彼の依頼とは、昔の恋人を探して欲しいーと来ればストーリーの半分はできたも同然。いやそれは言い過ぎかもしれないが、元大リーガーの思いを馳せる読者に「友情と勇気と信頼の物語」だーと印象付けるのにはじゅうぶんだろう。加えてこのシリーズは3作目ー主要人物の設定もこなれてきている。序盤の2人の珍道中だけでも読んでいてわくわくする。そこまでは快調で、ストーリーも意外な展開を見せるのだが、いかんせん彼らの設定に比べると多少の陳腐さは否めない。地元を離れているので、シリーズものの強みもじゅうぶんには生かしきれていない。それでも彼らの一筋縄ではいかない結びつきが不自然さを打ち消して余りある。スポーツ系の話を書かせるとアメリカの作家はほんとうにうまい。とても楽しめた。
狩りの風よ吹け (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの風よ吹け (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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