■スポンサードリンク
魂萌え!
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
魂萌え!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 41~60 3/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は関口敏子59歳。 夫の突然死から物語は始まります。 彼女はサラリーマンの夫隆之の妻として、「恙無く」暮らしてきました。その定年退職した夫の突然の死が彼女の「恙無い」人生を大きく揺さぶります。音信不通だった長男が帰国し同居を求め、遺産相続の問題にぶち当たります。おまけに、夫の愛人の登場となります。この突然の出来事に、彼女はパニックを起こしてしまいます。本作は、ここからの一年弱の間の、彼女が精神的安定を得るまでの出来事を描いています。 夫婦生活を20年、30年と過ごしてくると、表面的には問題がない(ないように努力している)夫婦でも、どこか齟齬を感じることも少なくありません。彼女の場合は、こうしたもやもやが夫の死によって、一挙に表面化してきます。今まで夫に守られて生きてきて、世の中のことをよく知らなかった彼女が、右往左往しながらも、「自分の人生を生きる」という将来への確実な一歩を踏み出してゆきます。 この小説は女性が主人公の小説ですが、その周りに登場する男たちの生き方、考え方が同性として良く解ります。定年退職後、男はそのアイデンティティを失ってしまいます。それをどう立て直すのか、それは大きな問題です。いろいろの男性が登場し、いろんな考え方を示してくれますが、いつか私もなんらかの結論を出さなくてはいけない時がきます。男性の側からも考えさせられる作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
突然の夫の死後、愛人の存在の発覚や、遺産相続、息子の家庭のゴタゴタ、いかにも調子よさ気な男との不倫・・・など、想像もしなかった日々を送る59歳の敏子。自他ともに認めるおとなしい平凡な主婦だった彼女が、しばしば感情の激しいほとばしりを経験するようになり、自分でも驚く。愛人との直接対決までやってのけ、後になって深く傷つくほど、激情を爆発させてしまったりする。 外的環境の変化が敏子を変えたのか、もともと内側にあったものが表に出るようになったのかわからないが、戸惑いつつも彼女はそれらを認め始める。新しい知己を得、旧友のこれまでとは違う面を知ったことも、敏子の器を広げることに貢献したであろう。「今まで思ってもみなかった感情や思いを育ててみよう。違う生活が待っているのだから、違う自分になる方がいい」 気負わずにそう考えるようになる。 終盤、友人たちとの会食の場で、敏子は夫婦関係について、自分自身について、考えていることを明快な言葉で語る。それまでの総括と言っていいような内容である。上巻では「道を道とも気付かず、ぼんやり生きてきた」と振り返っていた敏子が、自分自身や夫、その関係を対象化したことの意味は大きいと思う。ぼんやりとではなく、認識し、分析する人間になったことを伺わせるからだ。愛人対決のような派手さはないが、この点が、変化といえば一番の変化なのではなかろうか。新しい人生を歩む下地が整ったのだ、そんなふうに思えた。 帯には「剥き出しの女が荒ぶる」とある。この刺激的な一文より、もっと静かで確かな成長の軌跡の物語だとわたしは読んだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
伴侶の死や老いの不安をこんなふうに書く小説があったのか、と思った。 夫を突然亡くした主婦、敏子59歳の物語。悲しみにくれる暇もないまま、亡夫の10年来の愛人の出現、息子・娘との遺産相続に関する揉め事、友人関係の変化、将来の不安など、次々とやりきれない現実に直面させられる。自分自身でも仲間からも「自己主張のない人」と目されてきた敏子。そんな彼女が途方に暮れながらも、荒波の中を小舟ひとつで何とか渡って行こうとする様が描かれる上巻である。 桐野氏の小説はいつも、生きることはサバイバルであると思い出させてくれる。本作は桐野作品全体から見たら地味な部類に属するだろう。敏子にとっては大事件でも、桐野作品の中では事件ともいえないような出来事だ。でも老いの不安を生きることがサバイバルでなくて何であろう。やはりこれは桐野氏の小説だ、そう思いながら読んだ。 ディテールに惹かれる。敏子は自分にとって特に共感できる人物でもないが、細部のうまさに磁力のように引き付けられ、「最後まで見届けなくては」という気にさせられた。文章や語彙も、敏子に合わせて選ばれているように思う。敏子の小舟は揺れに揺れる。感情がくるくる変わり、決めたことがすぐ揺らぐ。頼りない。あぶなっかしい。しかし、もともとの気質に加え、突然夫を喪うという経験をすればそれも当然かもしれない。その心の動きを丁寧に追っていて、飽きさせない。 終盤、「道を道とも気付かず、ぼんやり生きてきた自分を捨て去りたい。道があったのなら、大きく踏み外してみたい」と思うまでになる敏子。下巻ではどんな変貌を見せるのか期待したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説の影の主役は心臓麻痺でポックリと亡くなった夫、隆之である。この男が死んだことによって、アメリカに行ったきりだった長男は帰ってくるし、愛人の存在は明らかになるし、その復讐心から妻は生涯初の浮気をする。 死んだら、その人の存在が無くなるわけではなく、死ぬことによってはじめて存在感が生まれることもあるのだ。人は他者の中にこそ生きている存在なのである。 もちろん、本来の主役は、いきなり定年過ぎの夫に死なれ、ひとり残された妻、敏子である。最初は敏子に同情的に読み進むが、徐々に敏子の世間知らずぶり、お人好し加減、主体性のなさに、苛立ちを覚える。敏子は「日本」という国にも似ている。「アメリカ」という夫の支えを無くした時の「日本」をまるで擬人化したような思考回路、行動を敏子は取る。この小説にある種の救いが持てるのは、60歳目前に初めて世間に放り出された敏子が、キレたり、凹んだり、試行錯誤を繰り返ししながらも、独りだからこそ得ることの出来る自由を、自らの手でしっかり掴み取っていく点だ。相続問題、愛人問題など次々に押し寄せてくる困難の数々、その合間の貴重なインターミッションとなっているのが、気の置けない友達との会話である。さまざまな環境、思考を持つ友と話すことで、客観的に物事を捉えなおしたり、勇気付けられたりする。独り生きていくためにこそ、友達、仲間の存在が貴重であることを、この小説は教えてくれる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
NHKのドラマを見て知り、この本を読みました。 主人公の役を高畑淳子さんがするには、彼女はキレイすぎたのではないか・・・と思います(笑) たくさんの人の人間模様が巧みに書かれていて、うまい!と思いました。 若くも老いてもいない年齢の女性の生き方を、リアルに描写しています。 一日で一気に読んでしまうぐらい面白かったです。 最後のラストは少し微妙(桐野夏生さんの残念なところ)ですが、やっぱり面白いです。 ドラマとは違う部分もたくさんあったので、楽しく読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
59歳の敏子は63歳の夫が突然心臓麻痺で急死してしまう。それから始まるもろもろの出来事の話である。夫がなくなった妻の生活を非常にリアルに書いてある。自分の年齢に近いし、環境も近いので、とても惹きつけられる内容である。夫が死んだ後、茫然自失なんてやっていられないのかもしれぬ。すぐに自分自身がどう生きていくかに直面するのだ。 敏子の子どもは、われわれの子どもの年齢に近い。配偶者が死んだ時、子供は親の頼りにはならないものらしい。敏子さんの子供は、葬式直後に母親と同居したいと言った。そして、ほんの少ししかない財産(家)とか、生命保険まであてにし、それを受け継ぐ権利があるといって要求した。それは親のためでなく、自分の生活のためだった。そんなことを言わざるをえない、子ども世代の未来が定まらない不安定な生活の哀しさがよく現れている。 夫の死後10年も続いていた愛人がいたということがわかる。この本の中心課題はこれだろう。全く妻として耐え難いことである。愕然、悔恨、嫉妬、敗北、脱力感、無力感、様々な気持ちに揺れ動く。愛人(昭子)と正妻(敏子)の対決の場面は背筋が寒くなる。二人は全存在をかけて対決する。最後は敏子さんが花瓶を投げつけるという行為で怒りをあらわして終わりになる。愛人問題でおっとり奥様が変わっていき、妻でもない母でもない自分のアイデンテテイを求めて、独りで歩き出すことがこの本の主題と思える。 この本にも4人の同級生が出てくる。この作品はこの年齢の中高年の女性の類型を4人で表したのだろうと思う。平凡で控えめで、夫に護られていた典型的主婦の敏子さん。金持ち派手でわがまま栄子未亡人、堅実でしっかり者の働き者の美奈子さん。年下の夫がいるブテック経営のやり手の和世さん。自分の周囲を見渡すと、この分類で納まるような気がする。さて、私はどれの類型なのだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ありふれた家庭の専業主婦が夫の死後直面した、さまざまな試練。59歳にして社会に投げ出された主婦が、傷つきながらも強く孤独に立ち向かっていくさまには、思わずエールを送ってしまいます。 お線香をあげに来たときには赤いペティキュアが印象的だった愛人が、夫の死後、訪ねたときには「ビニール製のサンダルを突っかけ、小さくかさつき、足指がぎゅっと内側に丸まっている」とか、些細な部分の描写が絶妙です。 本書を読んだあとには現在70代の両親があちこち出かける姿を、優しさをもって見守れるようになりました。 桐野氏は「柔らかな頬」しか読んでいませんが、本書のほうが「読ませる」力のある作品です。500ページ近くを2日で読み終えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いわゆる「たそがれ団塊世代」の男性物語は、全共闘との関わりで多々あるが、女性物語は数少ない。 女の「荒ぶる魂」は桐野文学の常に基調にあるテーマだが、それを、これまでのように奈落−解放へのエナジーではなく、ある意味一見誰にでもありうるような物語のなかで昇華させたことに、この小説の新機軸があるのかもしれない。「家の箪笥」にすぎない状態からの人間性の回復を、そして女性誰もがもっている魂の「荒ぶり」をやさしく後押ししていくという作業は、近代家族崩壊必至の状況のなかで新たな文学的可能性を紡ぎ出すかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ドラマの予告をみて読みました。文体はむずかしくなく、一気に読めます団塊の世代の主婦のめざめでしょうか。女同士の腹のさぐりあい、旦那の秘密。フィクションだからと片付けられないみじかな問題が提示されてます。自分の将来を考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
60歳ってこんなものかと思います。でも、若者ぶりはあまり好きではないなと読みました。恋愛も大いに結構ですが、年寄だから、寂しいからと恋愛に走るのもあまり好きではないです。いくつになっても素敵な知性を持った人はたくさんいるし、無理に趣味を持たなくても、やりたい事なんていくらでもあるのではないかと思います。あっ、でもカプセルホテルのおばあさんはいい味を出していました、本当に。桐野さんには、やはり「OUT」や「グロテスク」みたいな小説をフアンとしては書いていただきたい!!私はまだまだ敏子さんの年まで行かないですが、こんな惑っている60歳の人をたくさん知っているし、面倒くさいとか思うときもあるし、ああはなりたくないなと思っていてもなるのかなと警戒しています。だから、もっと自分の好きな事を見つけて、魂萌えて行こうよ!というのが桐野さんのメッセージなのか?? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
急死した夫に愛人がいた。 主人公の敏子がその女性の家に出向き、言い争う場面がある。 そして帰ろうとした敏子の背に、愛人はあるものを投げつけた。 それは夫が使用していた使い古しの歯ブラシだった。 妻の背中にモノを投げつける。それも歯ブラシを。 なんと生々しいのだろう。 人間とは、いくつになってもこのようにドロドロしているものなのだろうか。 自分でも持て余してしまう醜い感情。 嫉妬、憎しみ、劣等感。 自分の心を乱すそれらの感情は、年を取ればだんだん少なくなっていくものだと思っていた。 年を取るのは嫌だけれど、それだけは嬉しいと思っていた。 それなのに。 しかも、敏子はその歯ブラシを自宅へ持って帰り、 毛の曲がり具合などを家の歯ブラシと見比べている。 「同じ向きにブラシが曲がっていたから、間違いなく夫が使っていたものなのだろう」 ああ、人間は永遠にこんなにも生々しいのだろうか。 生きていくことがちょっとしんどくなる場面である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4歳上の夫を心臓発作で突然亡くした59歳の専業主婦。 長い人生を夫に寄り添い、倹約に励み、 自分よりも他人を真っ先に考えて 生きてきた1人の主婦に次々と降りかかるトラブル。 夫の死亡直後から浮上する、 白髪の愛人の存在(若くないところがミソだと思う)。 遺産目当てにアメリカから舞い戻る強引な長男。 未亡人になりたての主人公に集まってくる老年期の男たち。 高校時代からの女友達同士の葛藤。 まるで、彼女は、突然異界に放り込まれた 「千と千尋の神隠し」の千尋のようだ。 今まで味わったことのない体験をし、 味わったことのない感情を掘り起こされ 孤独に直面し、手強い相手と直接対決し…。 そして、とうとう、自らの気づきを糧にして たくましさとしなやかさを身に付け、 未来に向かって歩いていく。 特別な事件など起きないのに、 日常生活に起こりうる様々な感情の交わりだけで これだけ一気に読ませる筆力には感服。 ストーリーテリングも見事だが、 やはり、ひとりひとりの登場人物の 掘り下げ方が骨太で、通底する人間観に厚みがあり それがこの作品を魅力あるものに仕上げているのだと思う。 (実は…桐野夏生作品を読んだのは、これが初めてです。) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
桐野の作品は、人間の底知れぬ凄みと悪をとことんまで描き出す事が多い。 だがこの作品を読んで、筆者は新たな領域へと踏み出したように感じた。 本作品では、これまでの作風では決して主人公足り得なかった主婦、敏子59歳が登場している。 正直、これまでルックスにも性的魅力にも恵まれ人間的迫力に満ちた女性の主人公を描いてきた筆者が、こうした人物を取り上げるとは。そして本作品でも描かれる日常は、夫の突然死という事件がありながらも、遺産相続、不倫、老いなど決してドラマティックなものではない。だがこんなありきたりとも思わせる主婦の日常を、これだけの厚さで、スピード感で描き出し読ませる作家はそうそういないだろう。桐野が常に描こうとする「生への渇望」があまるところなく展開されている。 評者は30代だが、60近くになっても人間は変われるのか、、、親世代への視線がちょっと変わった気がしました。一日で読了。 ただ読み手を制限する気がして、星一つ減点。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
街角で見かける、60歳前後の「おばちゃん」集団。 失礼ながら、おばちゃんには「おばちゃん感覚」なるものがあり、 20代の私とは物事を違うように感じる心を持っているのだと漠然と思っていた。 しかし、まさかそんなはずはない。 一日一日を、新たに切り開いていく人生と言う行為は、慣れるものではないだろう。 本書の主人公・敏子は、夫を心臓発作で亡くした59歳。 「奥さん」であることから開放されたからだろうか。 そんなつもりはなくとも、その陰に隠れることのできた「夫」という防御壁をなくしたからだろうか。 息子に娘、友人や新たに出会う人々に、一人間として生身でぶつかる日々が始まる。 そうして開かれていく「一寸先は闇」的日々の驚き、呆れの連続は、20歳でも80歳でも変わらないのでしょうね。 敏子の周りの人々が実に個性的。 しかし、彼らに当てはまる人物が身近に想像できて、そのリアルさがまた楽しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夫が死んで、59歳の妻の時間は浮いてしまった。 子供からは同居だの家を売れだの言われ、夫の愛人も発覚。これから、どうしたらいいのだろう・・・。 誰にしも訪れる伴侶との死別。その時自分ならどうするのか!? 専業主婦1本だった敏子が、徐々に自分に目覚め強くなっていくあたりは応援したくなる! 敏子の気持ちが手に取るように伝わり、悩みや怒りも伝わってくる。 最後には自分で決断していくさまは、読んでる側にも共感でき、爽快感さえ醸し出す。 読み手を選ぶだろうが、ノンフィクション的なストーリーは、読者を一気に "夫を亡くした敏子の今後"の内容に引き込まれること間違いなし! 特に女性は共感強い一冊だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平凡な主婦敏子が突然未亡人となり、遭遇する激動の日々。 大人しめの可愛い主婦?だったはずが、夫亡き後突然アメリカから帰国する息子に家を取られそうになったり、プチ家出、はては亡き夫の十年来の愛人の存在を知り対決したり、とたくましく乗り越えていく。 若い人間にはない誠実さや生真面目さ律儀さにいつのまにか敏子に引きつけられている。 年を取ることは誰も逃れることはできない。私は老いが怖くなるときがある。 敏子の一生懸命さにプチ勇気を感じる。亀の甲より年の功とはよく言ったものだと思う。 どんなに若くて優秀な人間でも老いを活き活きと今現在生きている人の勇気には敵わないなと思えた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夫に先立たれ、いきなり世間の荒波に立ち向かって行かざるを得なくなった平凡な中年主婦の「魂」が「萌え」はじめるまでのお話。 どちらかというとありがちなテーマも、桐野夏生の手にかかるとぐいぐい読者を引きつける魅力的な小説へと変貌する。 この作者の観察眼はすさまじいものがある、とあらためて感服した。 私にも確実に「老い」は忍び寄る。もう、その気配は正直感じることがある。 でもいくつになっても、心は「萌え」ていたい。 感動する心、恋する心、生きていく力。なくさず歩んでいきたい、と勇気づけられる一冊だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こういう話は初めて読みました(当たり前か)。主人公の歳だと、人生も残り何年みたいに考えてしまいそうですが、いやいやいろいろあるものなのだとやけにリアルに感じました。そういえば、身近な人が突然死んじゃっても、知らぬままだったー!なんてこと、あったら怖いなあ。逆もそうだし。今の時代、うっかり「久しぶりだけど元気ー?」なんてメール送っちゃいそう。自分にはまだまだ先のことと思いつつも、10年20年なんてすぐ過ぎてしまいそうだし、なんとなく日々漫然と生きている自分を少々戒めようかと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
OUTはもちろん超怖かったけれど、内容的には自分の人生にはたぶんないって思って読みました。 魂萌え これはのほほんと生きてる自分にもありえそうで怖い。 夫が突然死んでしまう。自分の知らなかった夫の姿・秘密が見えてくる。 知らぬが仏って言うけれど、わかってしまった以上はきちんと真実を知りたくなるのが人間。 浮気がばれていないそこの貴方、 明日突然倒れ、お通夜のときに愛人からのメールや電話を奥さんが取るかもしれませんよ。 色々なところで裏切りや嘘が次々ばれて正体が丸見えになるかもしれませんよ。 今の生活に安心しきっている貴女、 夫が突然倒れた時待ったなしで生きて行く大変さがのしかかってくるかもしれません。 夫の見えなかった部分が見えたり、子供といえいやになちゃったり、友人との会話も微妙になったり、 はっきり言ってわずらわしいことがいっぱいなんだなあって思いました。 ただその煩わしい事柄に振り回されつつ逆に支えられて強くなっていく主人公を見ていて気持ちがいいです。 カプセルホテルのおばあさんがいい味だしています。おばあさんの話にお金だした主人公の気持ち少しわかります。 辛い時にはおばあさんの話の部分読み返そうと思っています。 一気読みしたし、考えちゃったし、好きな作家なので★5こにしたいけれど、桐野さんに求めてしまう刺激がたりないかなあって思い4こです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
親の保護を離れて、初めて社会と対面する若者のような、50代敏子の 感受性が伝わってきます。 人の善い敏子の事を、心配しながら読んでました。でも、大胆に変化してゆく敏子。どんな、あっと驚く結末が 待っているのか、期待したのですが・・・。途中で、唐突に終わってしまった感があります。 他の登場人物たちの、動向も気になります。特に、カプセルホテルの 野田は、ずっと気になってます。敏子ともっと絡んでほしかったのに、通りすがりの人になってしまった・・・。しかし、それがリアル、なのかも。 人物描写は巧みで、生々しく想像できてしまいます。 氏の他の著書でも思いますが、短いセリフ一言で、人物の匂いや その場の空気(とくに、きなくさい空気)を、一瞬にして感じさせられる技は、スゴイ! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!