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魂萌え!
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魂萌え!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 21~40 2/5ページ
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これまでにはなかった「ひとりの女性の成長物語」だ。なぜなかったかと言うと、主人公が59歳の女性だからだ。「成長物語」が描かれるのは通常、主人公が子供〜青年期にある場合である。しかし、この作品を読んで思ったのは、壮年〜老年にかかっても人間は成長するのだと言うことである。 主人公は59歳になって夫が急死するまで、「何も知らない」「何も出来ない」「自分の意見もはっきり言えない」、いわば「箱入りおばさん」だった。それが夫の死と共に、これまで世間から自分を隔絶してきてくれた「壁」が良くも悪くもなくなり、世間と直接、対峙しなければならなくなる。 子供たちが遺産目当てで喧嘩したり、母親の取り分にケチをつけたりする。「こんな子供たちだったのか?」と悲しくなる。あるいはまじめ一筋と信じていた夫には、実は長年にわたる愛人がいた。それが、葬式後に発覚する。「自分が信じていた夫は、一体何だったのだろう?」と思う。人間不振になりそうになる。 その一方で、今まで「壁」があって接することがなかった世間の人々、たとえば夫の友人その他の人々と直接、知り合うことになる。そして、そこからさまざまな行動の輪が広がっていく。 夫の友人その他の50〜60代の男性たちと知り合い、そこには恋の鞘当があったり不倫があったり、青年や中年と変わらない楽しくあるいはドロドロとした男女関係があったりする。そこで、主人公は自分というものを改めて知り、そして「妻」として「母」としてでなく「ひとりの人間」として行動し発言していくことを学ぶようになる。 夫がいなければ何も出来ない頼りない女だった主人公が、自分の頭で考え判断して発言・行動できる人となっていく。女59歳の成長物語だ。彼女の成長がすがすがしく気持ちよく、新しいジャンル(老齢)の青春物語として非常に楽しめた。今、力をなくしそうになっている中年・壮年のみなさんに是非読んでいただきたい作品だ。 | ||||
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桐野さんにしては、穏やかです・・ 本当に、隣にありそうな話しです。 自分に起きそうな話です。 だから「引き込まれる」のでしょう・・・ いつもの大事件はないのですが、人間に一生の中では 大きなことが起きているのです。 普通の人の大事件が・・・ | ||||
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1回読んだ時はまだ少し若かった事もあって、ここまで考えさせられると思っていなかった作品でしたが 読み返してみて、これほど面白い作品だったかと驚きました。 現在30代子持ちの専業主婦をしていますが、 主人公の敏子(59歳)とは歳が離れているので、入り込んで読めるかな?と思ったけれど そんな心配どこ吹く風! 夫を亡くし気弱だった主人公が強くなっていく様が、めちゃくちゃ気持ちが良い! 自分の人生を考えるきっかけをもらった気がします。 今の私には求めていた作品でした。 子供を持っている主婦方々にぜひ読んで頂きたい作品になっています。 | ||||
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葬式の後には、いろいろなドラマが生まれる。それも突然に。心の準備もないままに、過去の人生で蓋をしてきたものが、飛び出し、暴かれる。経験してみないと、そういうジェットコースターに知らないうちに乗せられたような気持ちは分からないものだが、ある日、暴風に巻き込まれ、傷つき、そして成長する初老?の女性の心理を、やさしく、時に毒を盛りつつ、描き出している。作者の力量に感服。主人公のこういう気持ちは若い人には分からないだろうな(恐らく)。 | ||||
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59歳の敏子さんが夫を突然失い、生前の夫の秘密を知り、子どもとの距離感を設定し直し、自身の人生を生き始めるストーリー。 「生前の伴侶に愛人がいた。」十代の携帯小説なら、この裏切りへの葛藤に終始してしまうでしょうが、傷つき迷いながらも日常を続け、理解し許し、爽やかに新たな覚悟を持つに至るのは、「守られていた」とは言えさすが59歳、歳を重ね成熟していくことへの賛歌に感じられました。 偶然ケーブルテレビで観た映画の、吹雪ジュンさん三田佳子さんの説得力のある演技に打たれて本も読んでみたのですが、映画にも「OUT」にも負けていません。 「思わぬ出来事に大きなショックを受け、左脳の思考過程が麻痺し、右脳で考え始めることがある。一歩身を引いて人生を見つめ、本当に大事なのは何なのか、と人生で最も重要な質問を自分に投げかける。」 長年家族に尽くしてきた母が、父に去られた時の孤独と覚悟を、20年後に読んだこの小説で実感として理解出来ました。 優秀な小説の中では、ひとの人生も体験出来る。母への理解が深まりました。 | ||||
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夫を亡くした還暦目前の専業主婦が世間という荒波にもまれながら成長していく物語。夫の死による家族との遺産相続問題、夫の浮気問題、そして蕎麦食べ歩きの会での情事など、話がきれいにまとまっていてとても読みやすかった。息子、娘ともにいまだに半人前で、特に息子はお金をせびることしか頭にない最低で冷たい男だったが、息子に臆することなく立ち向かっていく敏子を応援したくなった。 | ||||
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多くのことを考えさせられる本でした。 読み手が男性か女性かで、感想が大きく違ってくることと思います。 この本は、夫を突然亡くした主婦の立場から書かれていますので、女性の心理が本当によく表現されています。 敏子を取り巻く人間の感情がストレートに描写されていて、最後まで興味深く読み進めていくことができます。 とくに敏子と愛人の昭子との対決は、双方の立場や言い分、感情・・・それぞれにものすごい説得力と迫力があります。 敏子の夫は、突然に逝ってしまったけれど、ある意味とても幸せなヒトだったかもしれませんね。 | ||||
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とても爽やかな、これまでの桐野作品とは全く大きく違います。 夫に先立たれた敏子さん。世間を知らずに、いいたいことも言わずに、というか言えずに日々を送る様は、イラっとします。自分勝手な息子は少々自分に照らして、恥ずかしくもなるが、考えていることは結構等身大です。サザエさんの頃とは変わってしまったんだと、こういうところでも実感しました。 夫の不倫相手の登場に、アルツハイマー疑惑、子供の結婚やら、自分のボーイフレンドなどなど、意外と還暦前後は忙しいようです。その中で、60歳を目前にしても、たくましくも価値観やスタイルを修正しつつ、あらたなフェイズに入ってゆける女性が描かれていることが何より心地よいです。 夫の不倫相手とのやりとり、そしてそのしこりの発展はすばらしいです。ラストがいまいちだった桐野作品も大きく進化しました。 | ||||
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自分の気持ちに、素直になる。 それは、ときとしてとても勇気の要ること。 I'm sure. I can do it. そんな風に感じました。。。 | ||||
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現代は高齢化社会への過渡期なのだと思いました。晩年、母が「子供にお金を残すなんて馬鹿らしく思うようになってきた」と言っていたのを思い出します。親にたかるばかりの子供であったし、今にして思う「おふくろ」の「こころ」への悔悟がわいてきます。 | ||||
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読みやすい、おもしろい話だと思う。失うものがあれば必ず得るものもある。失うものが大きければ大きいほど、もっと貪欲に得ようとしなければならないのだろうか。これからは、今でしたことのない経験を沢山しょう。(←文中より)今の年齢でも思うの…もっと若い時にいろんな経験を積んでおけばよかったかなって。何かをはじめるのに遅いもなにもないんだなぁって感じた。例え失ったとしても得られるものがあるこれからも恥をかいていろんな経験をつみたい。怖いなんて考えてる時間がもったいないそう思える小説です。 | ||||
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一気に読んでしまいます。結局結婚した主婦にとって家族はストッパーの役目を持っていることを認識させられます。結局、敏子も主が死んで子供が遠くに離れて初めて開放されたんでは?もし主が死なずにずっと裏切られ続けていたら・・もし自分に置き換えて考えると 毎日家族のために調整?している自分の無報酬の労働(育児、家事など)がバカらしく思えてきますね。敏子は10年裏切られていたわけですがこれから誰も自分を止めることもなく この世の春、第二の青春を謳歌するのかな?そんな感じで幕が閉じるので、是非続篇も期待してしまいます。ただ人の良い敏子なので変な人々に騙されそうで怖いですが・・・ それに第二の青春を楽しむには体の健康、お金の余裕にも関係してきますよね。 色々まだ先のことですが考えさせられました。これも日本人が世界1の長寿国のせいなの かもしれませんね。 | ||||
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上巻だけ読んだ時点ですが主人公の敏子さんが夫に急に先立たれ、これからどうしようか?と ゆっくり考える暇がないくらいに色々なことに直面していくわけですが、お人好しなために 面倒なことに巻き込まれていくのが読んでいてハラハラでした。でも実際に夫に裏切られていたことが分かったら・・なんか殻を破って普段の自分じゃないことをしてしまおう!って気持ちは共感できました。本当に文章が読みやすくグングン引き込まれるように読みました。 映画化になるのも分かる!私は敏子さんより15歳下ですけど将来のこととか老いていく親や 自分のこと、女友達ってなんだろう?とか考えさせられました。 上巻では栄子のエピソードで笑えるところもあり・・・ゴールデンシャワーという言葉は 面白かったです。これから下巻でどうなっていくのか楽しみです。 | ||||
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夫の死後に裏切りを知った敏子。還暦を目前に、孤独の恐怖と出会う。しかし、人は生きていかなければいけないし、生きていける。頑張れ敏子! 敏子と同年代のものとして、心の中でついそう叫んでいた。やはり中年で夫の裏切りに出会い、絶望を経て再生へと向かう女性を描いた、イギリスの小説『最良の復讐』を思い出した。敏子さん、一緒により豊かな人生へとスタートしましょう! | ||||
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中年女性の心の葛藤を描いてここまでリアルだった作品は 最近なかなかお目にかかれなかったような気がします。 相当数の取材を糧にして描ききった力作ですね。 成長した子どもと老いた母親の心のすれ違いや距離の書き方には 舌を巻きました。 親ってこんな風に子どもをとらえてしまうようになるのか、と その残酷なリアルさに新しい桐野夏生を感じました。 老いた女性が感情をむき出しにして語るさまは 介護の場面などでもよく目撃するのですが、まさにこの本の様子にぴたりと重なります。 本当にたいした力作です。 | ||||
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ストーリーがテンポよく進むのでとても読みやすかった。 多くの人が10代〜20代のころに自分探し、生き方探し、というターニングポイントを迎えるが、この本を読んでいると、50代、60代に再びターニングポイントを迎えるのだなあと思った。専業主婦であれ、会社員であれ、若いころに一度決め、歩んできた自分の道、というのを退職なり配偶者の死などによっていったんおろされてしまうからだ。「第二の人生」などという言葉はよく聞いていたが、この本を読んで様々な第二の人生というものを伺い知れた。主人公と同世代の方々が読まれてももちろん楽しめるだろうが、私のように主人公の子供くらいの年齢のものが読んでもいろいろ考えさせられ面白かった。 | ||||
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夫に先立たれた 59歳の女性と共通するものをあまり多くもっていないと思っていた私ですが、著者の女性の心理描写、演出の細部がとてもリアルで、世代が離れた人の話と思えませんでした。 今、自分や自分の周りの人間に真剣に耳を傾けていないと、魂萌えの主人公のように 60歳近くになって、自分で考えたことがなかった、とか、膜で覆われたように世間を見ていた、とか言ってしまうんだろうか、とあせりが産まれました。 浮気相手の女性が敵のように当然描かれていますが、主人公にとって夫よりも誰よりも一番彼女の人生に影響を与え、勇気を与えたのは浮気相手のこの女性だったんだなあと、すべてを読み終えて感じました。 だって、あの人相手に出した感情はすべて本物だし、あれ以上本気でぶつかっていった相手は主人公にいませんでしたもんね。 ある意味、出会いたくない相手ですが、もし、自分の人生にああいう人が登場するとしたら、自分も心の奥の奥の本当の自分をその相手になら、すべて出してしまうかもしれないなあ、とある種、そういう人に出会えた主人公は幸せなのかも、とちょっと感じました。 映画化された浮気相手役のキャストも大物女優の三田佳子さん。 やっぱり彼女にはものすごくすごみがあるし、風吹じゅんさんが人生のハンドルを取り戻すきっかけになる浮気相手の女性として、三田佳子以上の人はやっぱりいないのではと思いました。 | ||||
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多くのことを考えさせられる本でした。 読み手が男性か女性かで、感想が大きく違ってくることと思います。 この本は、夫を突然亡くした主婦の立場から書かれていますので、女性の心理が本当によく表現されています。 敏子を取り巻く人間の感情がストレートに描写されていて、最後まで興味深く読み進めていくことができます。 とくに敏子と愛人の昭子との対決は、双方の立場や言い分、感情・・・それぞれにものすごい説得力と迫力があります。 敏子の夫は、突然に逝ってしまったけれど、ある意味とても幸せなヒトだったかもしれませんね。 | ||||
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自分とは年齢が離れたお年寄りたちが主人公の話ということで、 あまり期待せずに読んだが、予想以上に面白かった。 夫に先立たれて初めて「老後」や「家族」、「世間」といった現実を 直視せざるを得なくなった主人公。 最初はひ弱でナイーブだったが、たくましく成長していく。 特に下巻のラストを読み終わった時の、さわやかな読後感は素晴らしい。 まるで青春小説のようなみずみずしさだ。 最近のダークな桐野作品とは一味違った味わいがあるので、彼女の作風を敬遠していた方にもお勧めです。 | ||||
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多くのことを色々と考えさせられる本でした。 読み手が、男性か女性かで感想が大きく違ってくると思います。この本は、夫を突然亡くした主婦の立場から書かれていますので、女性の心理が本当によく表現されていると感心するばかりでした。敏子を取り巻く人間の感情が、ストレートに描写されています。とくに、敏子と愛人の昭子との対決は、妻の立場と愛人の立場 双方の言い分や感情、それぞれにものすごい説得力と迫力がありました。 第8章の中で、「独りでいるということは・・・人に期待せず、従って煩わされず、自分の気持ちだけに向き合って過ぎていく日常。そういう日々を暮らすのは、思いの外、快適かもしれない。」という一文があります。 また、第10章では、「隆之に恋をしたことは一度もない。適当な相手だと思って結婚し、ときめきも失望もなく、結婚生活とはこんなものだと思って暮らしていた。」とあります。 これらは、私が日ごろ感じていることが、見事に集約されていてあっぱれ!というカンジがしました。 | ||||
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