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(短編集)
黒猫の遊歩あるいは美学講義
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黒猫の遊歩あるいは美学講義の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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あの若さで教授とか現実味がない。 まったくもって駄作としか言いようがありません。 そして内容も良く分からない。 やたら美学を強調してはいるけれど、は?って感じ。 読んでいていらいらしました。 理詰めの解説すら、無駄話のようにしか思えない。 これが受賞作とは驚きです。 素人が書いたネット小説みたい。 そのうえ登場人物たちに何ひとつ魅力を感じませんでした。 そして文学についての薀蓄も 何かの焼きなおしのようにしか思えなかった。 文章も非常に読みにくい。稚拙です。 久しぶりにこのページを見たら 星5つの絶賛レビューが3つ消えていることに気づきました。 これってどういうことなのでしょう。 同一人物の投稿だったため、削除されたのでしょうか。 そうとしか考えられないのですが。 | ||||
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ひさしぶりに当たりを引いた感じ。 とてもきれいな短編集。こういった作品を賞に選定する辺りは、選ぶ側にセンスがあったということだろう。ただ、今の時代にどこまで受け入れられるかは未知数。読んでわかる人には非常に気に入るだろうし、合わない人には多分徹底的に合わない。自分が合う人間で良かったと思う。 | ||||
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赤と黒が鮮烈な印象の表紙と、クリスティー賞受賞作、 ということでジャケ買い。 帯をとったところも含めて、全部きれいな本。 内容はエドガー・アラン・ポーの作品を題材にした、 6つの短篇が収録された、連作短編集のミステリでした。 「黒猫」というあだ名の若い大学教授と、 その「付き人」をする大学院生(研究対象はポー、ちょっとドジ) という同級生コンビが主人公です。 大人の恋、幼いころの恋、叶わない恋、歪んだ恋などなど、 ポオ作品と、ミステリと、恋愛要素が絡んで、 軽やかな文章のなかに読み応えがある印象。 いくつかのレビューにあったネタバレに関しては、特に気になりませんでした。 作品解説のところにちゃんと言及もされていましたし、 ルールは守っているのではないでしょうか? むしろポーの作品に深く触れているからこそ、 こういうミステリが書けるんだと思います。 | ||||
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ヴァン・ダインのファイロ・ヴァンス物(現代の長編ミステリの骨格を創ったという点で歴史的意義がある)の中で、悪評高い"ペダンティズム"の部分だけを掬い取った様な空虚な短編集。作中の「黒猫」がヴァンスに相当し(性格設定も酷似している)、一人称の語り手「付き人」がヴァン・ダインに相当する(ただし、客観的描写ではない)という工夫の無さは救い難い。ヴァン・ダインの本業であった美術評論家から本作の「美学」的推理という発想を得たなら更に酷い。 安楽椅子探偵物の趣きもあるのだが、その種の作品に付き物の探偵の超人的推理がもたらす不自然さや嫌味を消そうとする工夫も全く感じられない。単に、作者が自負する美的(??)感覚を読者に押し付けているだけ。また、各編で扱われる事件そのものが推理(解決)に値しない些細な物である点が本作の求心力を著しく殺いでいる。作者だけが自己満足し、読者に楽しみを与えるというプロの作家としての責任を放棄している一番困った類いの作品に映った。 また、各編はポーの諸作品をモチーフにしているのだが、その各々の中で、程度の差こそあるものの、"ネタ割り"をしている。こんな事が許されるのであろうか ? つくづく作者の身勝手で凝り固まった作品だと思った。 | ||||
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ファイロ・ヴァンスという名探偵をご存じでしょうか?S・S・ヴァン=ダインという作家が生涯に書いた12作の長編推理小説(ベンスン殺人事件、グリーン家殺人事件、僧正殺人事件、カナリ殺人事件…)のすべてに、この名探偵が登場します。ヴァン=ダインは1920年代末から登場した古い作家ですが、第二次大戦後、欧米の翻訳<探偵>小説全盛期に高校〜大学生だった変愚院は夜遅くまで読みふけったものです。 ファイロ・ヴァンスが断片的な証拠から犯人を見つける推理は明晰ですが、その過程で様々なウンチクが散りばめられていて、煙に巻かれながらも楽しみでした。今でいえば、TVドラマ「相棒」の杉下右京を、もっとスペシャリストにしたような感じです。 昨年、早川書房がイギリスのアガサ・クリスティー社の公認を得て「アガサ・クリスティー賞」を創設して、新人の発掘を試みました。アガサ・クリスティーはE・ポワロやミス・マープルもので知られる「ミステリの女王」と呼ばれた作家ですが、候補作107編から選ばれて「第1回アガサ・クリスティー賞」を受賞したのが、この本です。(副賞100万円、漫才大賞に比べるともっとあげて欲しい) 最初にファイロ・ヴァンスの事を書いたのは、この本の探偵役「黒猫」が、ファイロ・ヴァンスに負けず劣らずのペダンティックな言葉をまき散らすからなのです。なにしろ「黒猫」は弱冠24才の「美学」を駆使する大学教授。普段の付き人(これが同世代の女性でポーの研究者)との会話でも「僕がここで言うカタルシスはプラトン的なものではなくてアリストテレス的なもので、アリストテレスは負の感情を浄化する点で悲劇にこの効用があるといっている」くらいは当たり前。焼き鳥屋にいっても「焼き鳥というのも死のアレゴリーになったりはしないのかしら?」「んん、普遍性がまだ足りないね」といったやり取りになるんです。ついていけんなあ。 この本は六つの短編からできていますが、すべて彼と彼女の身の回りのちょっとした謎ばかりです。たとえば「川に振り掛けられた香水」「でたらめな地図」などで、大きな事件は起こりません。しかし、すべてE・A・ポーの作品、これまた懐かしい「モルグ街の殺人事件」「盗まれた手紙」「黄金虫」…をモチーフにしているという趣向です。 その謎をイケメンで、頭が良くて、ぶっきら棒なようで時にふとした優しさを見せる「黒猫」が解いていく。こんな男には敵いません。もちろん「話し手」でもある私はメロメロ。最後には、どうも黒猫もまんざらではない様子で、これはプラトニックな恋愛小説でもあります。ウンチクもそれ程嫌味もなく、難しいところはザット読み飛ばすと爽やかな読後感が残りました。 ただ、この本で惜しいと思ったのは、何か所かにポー作品の「ネタばらし」があることです。 S・S・ヴァン=ダインはアガサ・クリスティの処女作『アクロイド殺人事件』を酷評しました。理由は彼が推理小説を書く上での鉄則を記した「ヴァン・ダインの二十則」に、クリスティが違反している、つまり「読者に対してフェアでない」という点にあります。 いかにポーの作品はすでに古典に属するとはいえ、推理小説のネタをばらすことは、最大のルール違反ではないでしょうか? | ||||
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無知なワタシは、推理小説に対してこんな哲学的な分析や学術的な研究があるんだな…と驚きました。 それが読みやすい文章で書いてあるので、そういう意味では新鮮な本でした。 推理小説としては、うーん、もったいない感じ。 今後が楽しみな作家さんです。 | ||||
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若くして大学教授になった「黒猫」と、年相応に大学院生で、エドガー・アラン・ポオの研究をしている「付き人」が、 日常の中で出会った謎をといていく連作短編集。 館があって、密室があって、連続殺人があって、 重厚感がある「どーん」っていうミステリが好きな人には物足りないのかもしれないけど、 かろやかな文章と美学の知識、そして謎解きが絡まって、新しい感覚のミステリとして心地よい読後感。 なにより天才肌でかっこいいけど天の邪鬼な「黒猫」と、不器用だけど素直にがんばる「付き人」の関係性がよくて、 ふたりの今後が知りたくなります。 | ||||
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<アガサ風推理小説>を期待して読むと???となる作品ですね。 アガサクリスティ賞というのがどういうものかわかりませんが、私が考えているものとは違ったんですね。 ライトノベルにしては理屈をこねくり回していて面倒くさかったです。 好きか嫌いかという好みで評価が分かれるのではないかと思います。 | ||||
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院生の主人公をとりまく日常の出来事(多くは事件、というほどではない)や謎を もと同級生で教授の「黒猫」がひもといていくというもの。 どれもエドガー・アラン・ポオの作品中のキーワードとからめているのが 新しく、どこかインテリで高尚な印象でまとまっている。面白かった。 キャラ設定やふたりの関係性はなんとなく最初から予想がついてしまうが キレ者なのにソフトで、つかみどころのないミステリアスな黒猫の人物像が 章を追うごとにわかってきて、主人公との距離が縮まっていく様子がじわじわ甘い。 東京の西側のどこか?が舞台でどこかのどかで居心地もいい。 本筋からそれるが、 学生時代は何一つ誇れるような勉強をしなかったからか この本を読んでまず「今からでもいいからなにか自分の学問を究めたい、 なんでもいいから何か研究したい!」と感じてしまった。 年をとればとるほど、「学生」という存在が輝いて見える気がする。 | ||||
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本屋さんで新刊平積みだったのを手に取りました。 正直にいえば『賞を取った作品』のジャケ買いでした(苦笑)。 誰かが殺され、血が流れ、悲鳴がこだまする様な内容ではなく 日常のちょっとした謎解きです。(それだって日常的にあるものではないと思うけど) 誰かの『恋物語』(『恋愛』という単語よりもこちらが合うよ思う)を縦糸にミステリーが絡み、 それを黒猫と助手の二人が紐解いていく、短編の連作です。 どちらかというと、キャラ2人の性格もあり、淡々とお話は進みます。 そこに横糸として、主人公2人のじれったさが絡むのですが、 私はこういう淡々としたお話と、2人のキャラが好きなので文句無く★は5つ。 | ||||
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この小説は推理小説ではなく、持論をこねくり回して屁理屈を突きつけて読者を煙に巻こうとする著者の言葉遊びにしか見えません。 最近の推理小説は事件解決に必要な情報を読者に開示せずに、探偵役が「あと出しジャンケン」みたいに情報を追加して事件を解決するのが主流なんでしょうか? まぁ、「オリエント急行」とか「そして誰もいなくなった」なんて詐欺みたいな小説を書いたクリスティをリスペクトしたアガサ・クリスティ賞受賞作ですからねぇ。仕方ないか・・・w これを推理小説として受賞作に推した早川書房もいい面の皮だな、としか・・・。 そういえば、前に読んだ「謎解きはディナーのあとで」も同じような感じの小説でした。 双方とも、大した事件でもないのに情報を読者から隠す事であたかも謎があるように見せかけて、それを解決したかのように思わせているだけのようにしか見えないんですよね・・・orz その手の小説は西尾維新だけで沢山です(^^;) | ||||
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エドガー・アラン・ポオの作品が使われてるとのことで、 難しいかなと思っていましたが、いい意味で意外性のある作品でした。 ポオの作品に関する解釈と、いろいろな芸術学の知識が、 若くして大学教授になった「黒猫」の講義を通じて、 謎の解明につながっていきます。 「黒猫」は「助手」であるポオの研究者(の卵?)に向けて、 謎の解釈を丁寧におこなうので、ミステリに詳しくなくても大丈夫でした。 あと、6つの短編で描かれるいろいろな形の恋愛が、 ひとつひとつのお話を読んだ後に余韻をもたせてくれます。 ミステリと恋愛小説的なたのしみ方、 どちらで読んでも楽しかったです。 | ||||
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この作品は第1回アガサ・クリスティ賞受賞作です。天才美学教授とエドガー・アラン・ポーを研究する大学院生が探偵役の、6本の連作短編となっています。 各章の冒頭にご親切にもポーの作品のあらすじが書かれています。このそれぞれの作品がモチーフになって、見立て殺人とかが起きるのかな。。。と思ったら、そんなワクワクするような血なまぐさいことは一切起こりません(それは、例えば、平石貴樹『だれもがポオを愛していた』でやられています)。 「日常の謎」派の作品でした。ワトソン役のポー研究者の院生の女性が一人称で語ります。「黒猫」とあだ名される、弱冠24歳で教授に登りつめた天才美学者が探偵役で、美学に関するペダンティックな会話を通じて、事件の真相に迫ります。基本は、安楽椅子探偵もので、「美しくない真相は真相じゃない」と、逆説的な美学理論で謎を解いていきます。 ただ、事件そのものは実に大したことのない話。別に解かなくても誰も困らなさそう。また、ポー研究で博士号を取るつもりの主人公ではなく、「黒猫」の方が毎回ポー作品の解釈を示すってのはどういうことなんでしょうね? わたしは主人公と「黒猫」との丁々発止の美術談義を期待していましたが、そういうことはありません。 主人公は「黒猫」に密かに恋心を抱いています。「黒猫」も安からず思っているようです。でも、お互いはっきりとは口にしない。ねらってのことなのですが、ちょっともどかしいかな? 二人とも大人ですし。 つまり、事件にせよ、恋にせよ、どうもいま一つ盛り上がりに欠けます。ドキッとするところがない。全体に小粒な話が淡々と続いている感じです。 文章はとても上手いです。さすがです。ぜひお手本にしたいほど、きれいな文章です。 でも、どうも読んだ後、事件や謎やトリックや物語が心に残らない。薄味のミステリでした。また、6本の短編は、主人公が同じというだけで、最後に全部がつながって衝撃の結論が! みたいなこともなかったです。 やはり、アガサ賞を冠するなら、最後にとんでもないどんでん返しがある長編を期待しますよね。残念です。 | ||||
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