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白い部屋で月の歌を
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白い部屋で月の歌をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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表題作もいいですが、「鉄柱」がよかった。 全身をチューブにつながれて、 苦しみながら死んでいった義父を見ながら 自分の老後について考えてしまった。 こんなことになるのなら・・・・ 複雑な思いで「鉄柱」を読みました。 「鉄柱」を使う者の心情は理解できる部分があるものの、 どこかに「自分勝手」なエゴむき出しの醜さもあるような 気がしました。 結論を急がず、自分の頭のフックにかけておき、 時々思い出しては考ることになる作品だと思います。 | ||||
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表題作「白い部屋で月の歌を」と「鉄柱」の2編からなるこの本ですが、 何とも言えない余韻が残りました。 ホラーという分類ですが、そんな簡単に説明できる作品ではないです。 もの悲しさと、不気味さ、おどろおどろしさ、 いろいろな要素が入っていて、この作品の世界にどっぷり浸かってしまいました。 朱川さんの作品はすべて読んでいますが、 これが一番好きかも。 | ||||
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表題作もホラーとしては、良くできたストーリーでした。けれども、もう一つの短編「鉄柱」は、なんとなく、悲しくて、でも、その「鉄柱」を使いたくなる人間の悲しさややるせなさがにじみ出ていて、とても良かった。 | ||||
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「白い部屋で…」は、赤バラのコサージュをした自殺者の霊が怖い。首の形とかが詳しく描かれていて、夢に出てきそう。主人公ジュンの従順さがもの悲しい。 「鉄柱」は、ホラーというよりはシュールな作品。ありふれた田舎町に、一つだけシュールな柱が立っている。こちらは怖くはないが、あきらめにも似た倦怠感が物語をおおっている。目標に向かって前を向いていくのではなく、つい陰に目をやってしまうような生き方が描かれている。 いずれも、丁寧に書かれた作品。 | ||||
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表題作『白い部屋で月の歌を』は、除霊における憑坐(よりまし)役をするジュンの視点から、霊の世界が描かれています。またジュンの正体自体も1つの謎ともなっています。この本には、表題作のほか、『鉄柱(クロガネノミハシラ)』が入っています。私にとっては『鉄柱』の方が面白かった。「ミハシラ」なる柱を持つ、とある町の不思議な風習が、人間の生とは何か、幸福とは何か、を主人公に問いかけます。 | ||||
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「花まんま」の直木賞受賞で、ついにその実力が世間に知れ渡るときがきましたね。デビュー以来のファンなのでうれしい限りです。 この本も朱川さんの世界がぞんぶんに堪能できる、せつないホラー中篇2本が収録されています。 タイトルの「白い・・」は何処かで聞いたことのあるようなストーリーを朱川流の優しいタッチで描いている秀作です。 しかし、心にぐさりと来るのは二つ目の「鉄柱」。人間の人生の本質を問われるような、とても重いテーマなんですが、そこは朱川さん独特の優しい語り口、せつない空気などで、見事に世界観を確立。彼の作品の中では間違いなく、トップレベルの作品だと思います。 こんなところに埋もれているにはもったいない小説です。受賞が呼び水になって、この傑作が一人でも多くの人に読まれる事を期待します!! | ||||
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どちらの作品もぬめぬめとした気持ち悪さがつきまといます。 それが目的ならとっても成功してると言えます。 怖いと言うよりも後味が気色悪いです。 | ||||
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“白い部屋で月の歌を”と“鉄柱”という短編2作が収録されている。“白い部屋で・・・”の評価は星3つ、“ヨリシマ”が自らに招き入れた霊に恋をしてしまう話。“鉄柱”の評価は星5つ、主人公達が左遷された先の村社会の“鉄柱”についての異常な風習を媒体として、人生とは?というか、“死ぬ”ということについて、なんとなく考えてしまう作品。 不思議な読後感を味わえる。 | ||||
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表題作は、結末の意外性に新味がなく短編小説としてのキレはいまひとつだったけれども、語り口が滑らかで、作品の外面に漂う淫猥でどこかいかがわしい雰囲気と無垢で清純な内面世界とが品よくブレンドされていて、好感がもてた。併録された「鉄柱(クロガネノミハシラ)」は、丁寧に書きこまれた文章がしだいに薄ら寒い世界を紡ぎだしていく筆の運びに非凡なものを感じた。ただ、描かれている出来事や舞台設定はありふれていて凡庸。著者は、斬新なアイデアや読者を唸らせるトリックで勝負するより、語り口で読者を惹きつけ物語の迷宮に誘いこんでいくタイプなのだと思う。ホラー小説のジャンルに新境地をひらく、いや、ジャンルをつきぬけて読者の心を揺さぶる長編小説の書き手になりそうな予感。 | ||||
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2つの話があります。両方、暗くて、美しくて、透明感が高く、悲しくて、怖い物語です。一つは、「日本ホラー小説大賞短編賞」をとった表題作。 除霊の憑坐(よりしま)~一度霊を、自分の中に引き入れる~を行う主人公が、自分の中に引き入れた女性の霊に恋をしたことから始まる悲劇を描きます。もう一つは、田舎へ引っ越した若夫婦が巻き込まれる、田舎の因習の恐怖を描いたものです。どちちらも、短編といいながら、120ページ以上はあり、また、話の展開の面白さ、アイディア、描写の新鮮さ、文章のキレ、完成度という面で、読み応えのあるものでした。ひたすら怖い!というホラーでなく、透明感の高い恐怖、何か、別の世界の恐怖を、綺麗なガラス越しに見ているような恐怖を覚えました。寝る前に読んだら、似たような夢を見ました。(怖かった~) そのぐらい印象に残る話であると思います。もしかしたら、文章で、好き/嫌いがでる話かも、です。 | ||||
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第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作『白い部屋で月の歌を』と『鉄柱(クロガネノミハシラ)』と言う二編の短編が収録されている。『白い部屋で月の歌を』は、除霊のアシスタントの一人称で書かれているが、不思議な雰囲気の作品である。意外な事実が明らかになった後、切なく哀しい結末になる。『鉄柱』は、東京から地方に転勤してきた電器メーカーの社員が主人公である。転勤先での生活は順調だったのだが、ある奇妙な風習の存在に気づく、その風習とは…。どちらもそこそこ良くできた短編だと思う。しかし、過去の受賞作、『玩具修理者』『D‐ブリッジ・テープ 』『ぼっけえ、きょうてえ』などに比べると、作品から受けるインパクトは今一つ物足りない | ||||
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冒頭の除霊の場面のシュールな描写から読ませる。 ホラーの常道をしっかり守りながら、伏線をはりめぐらした 異様な世界が展開。主人公に感情移入したらすでに結末の 驚愕が約束されている。 末尾の荒俣宏の講評はネタばらしな箇所もあるので本編を 読まれてから読むことをすすめる。 | ||||
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白い部屋に巨大な「かんし」(手術用のはさみ型器具)がにゅうっ と入って来て女の頭をつかむという、シュールな導入。最後まで 読もうという気にさせる。 繊細であやういムードがずっと漂うと感じているうちに・・・。 不思議な境遇の主人公にはすんなりと感情移入できるが、ラストで 唖然。こういう美しく恐ろしい小説は久しぶりだ。なお、末尾の荒俣宏の講評はネタばらしの部分もあるので本編を読み終わるまで 読まない方がいい。 | ||||
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