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白い部屋で月の歌を
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白い部屋で月の歌をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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タイトル作は、霊魂を体内に入れ除霊のアシスタントをするジュンの物語。「白い部屋」に霊魂を閉じ込め鉗子で除去するイメージが面白い。男に刺され魂が抜けた女子に恋してしまったジュン。ジュンの庇護者であり金儲け主義の霊媒師は、これを許さない。霊媒師は、ジュンから恋する女子への想いを取り除こうとする…、と続く。おっ!となる意外で残酷なラストが良い。 「鉄柱」は、人生最良の日に自死=満足死を選択できる町の物語。不倫がバレて左遷された男。優しさに溢れる町に違和感を感じる男とその妻は、やがてミハシラと呼ばれる鉄柱での縊死を寿ぐ習慣に気づく。抵抗感に苛まれる男に対し、原因不明の疾患に悩む妻は、徐々に町に馴染んでいって…という展開。哀しいラストを迎えるが、死と生について考えさせられる作品である。 | ||||
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第十回ホラー小説大賞短編賞受賞の「白い部屋で月の歌を」と「鉄柱、クロガネノミハシラ」の2編が収められています。前者は116ページ、後者は171ページもあるので短編というよりは中編でしょうか。最後に、大賞の選考委員、荒俣宏、高橋克彦、林真理子3氏の選評もついています。 「白い部屋で月の歌を」霊能者の女性シシー、霊を引き出してとりあえず乗り移らせるヨリマシの能力があるジュン、そして雑用や運転をこなすシシーの弟の3人組は、賃貸物件に取りついた霊を祓う仕事をしたりしています。 3人の会話から少しずつ明らかになってくるのは、イカサマではないけれど、ある程度はぼったくりも入っていて、彼らが決して清廉潔白ではないことです。世間知らずで純粋なジュンを2人が世間から隔てて何も知らせないようにしているらしいこと、彼らの住む家が近所の子供たちからは「魔女の家」と呼ばれていることなどもわかってきます。また、ジュンが特殊な外見であることが暗示され、よほど醜いのか、それとも障害があるのか?そんなことを考えながら読者は手探りで読み進むことになります。 欲望にまみれた霊能者姉弟とジュンの妖しい交流はどこか短編集「赤々煉恋」の作品群に出てくるいびつなものを思い出させます。昭和レトロほのぼの系好みの朱川氏ファンは拒否反応を示すかもしれません。ラストは意外な真相が待っていました。 「鉄柱」の方がパワフルでスリリングで、個人的にはこちらの方が気に入りました。 地方の営業所に飛ばされた主人公。心配だった田舎生活でしたが、ご近所は本当に世話好きな親切な人ばかりで、持病があって人見知りする妻も「引っ越してきて本当によかった」と元気になっていきます。 町の高台にはL字を逆にしたような意味不明の鉄の柱があり、引越初日に出会った老女がそこで首をつって自殺した場に居合わせてしまった主人公はショックを受けます。しかも村人によると”彼女は幸せで人生に満足していたから、その頂点で望んで自殺した”ので、”おめでたいこと”なんだと言われ、陽気なお葬式に強烈な違和感を感じます。いったいこの町はなんなのか・・? まず思い出したのは最近見たカルト映画「ミッドサマー」でした。また、どこが境目かわからないままに異様な地域社会に取り込まれる不気味さは、関西を舞台にしたホラー怪談を書く朱雀門出氏の初期短編と共通したものがあります。 話が進むに従って、村人たちの人生観、価値観にも一理あるような気がしてくるのは、その毒が回ってくるのでしょうか(汗)。 2編とも、なんともいえない気味悪さとおぞましさ、それなのにどこかなつかしく切ない、まさに朱川氏の個性が横溢した作品です。。不気味系の朱川氏作品が好きな方は気に入ると思います。「白い部屋で・・」は星3つ、「鉄柱」は星5つ。 | ||||
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内容を話すとネタバレになってしまうので避けますが、角川さんは本当はずれが無いというか、全ての作品が本当に面白いです! 普段本を読まない方でも、2作入っているのでササっと読めるしお勧めです。 | ||||
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中編が二つの構成ですが、 二つ目の「黒柱」は必見です。 もし子供が本を読めるくらいに大きくなったら、是非、読んでもらいたいと思います。 | ||||
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角川ホラー小説大賞の短編部門受賞作。朱川さんの作品にしてはほんの少し長いものx2編で、どちらも出来がいいと思いました。 「白い部屋で・・」の方は、主人公が人間でなく、○○なのが最後にわかってショッキング。セッティングも凝ってます。 「鉄柱」の方は異様な町に来てしまった主人公の懊悩を描いたもの。個人的にはこちらがちょっと好き。でもどちらもそれぞれに味わいがあります。 | ||||
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ホラーとも違う気がしますが ホラーなんでしょうね、困惑しています。 読後感もあまりよくないですし、 描写が細かくて読んでいて とても怖かったです。 「花まんま」などを書いた、 同作者とは思えないくらいでした。 残虐なホラーが好きな人は いいと思います。 いや、でもホラーとは、違うかな…。 | ||||
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表題作は「日本ホラー小説大賞」受賞作。 文体はこの頃から美しく、特に「月が啼く」というのは 朱川ワールドが垣間見えるのだが、内容は凡庸。 もう1編の「鉄柱」のほうが面白い。 「鉄柱」のある村、陸の孤島のような村であるからこそ、通じる風習。 でもやはり、受け入れられない主人公が悲しく切なくやり切れない。 ともすればこちらもどこかでありそうな......で終わりそうな物語を、 巧みな筆致で読者を惹きこむ。 人生観、死生観、幸福観。 それらを考えさせられる。 随所にみられる美しいフレーズは、今後の朱川作品の大元となっている。 | ||||
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表題作の「白い部屋で月の歌を」は凡庸なオチ。 切なさも残るが、エンタメ的ともいえる。 ホラーらしさもあるが、「鉄柱」のほうが良い出来。 「満足死」という言い方もできるが、結局わからないものに恐怖しているだけとも言える。 | ||||
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後半の「鉄柱」は、読み終わった後に何とも言えない切なさがこみ上げてくる作品です。幸せとは何か、何のために生きるのか、死とは何か、家族とは、などなど様々考えさせられます。中学生の娘にも、何か届くものがあったようで、世代を越えて感じさせる力があるようです。ラストで主人公が信号待ちした車の窓からふと「鉄柱」を垣間見るシーンは、その状況映像が自然に浮かび上がる素晴らしい描写となっています。「鉄柱」は、朱川さんの構成力、表現力のレベルの高さが証明される、間違い無く最高傑作の一つと考えます。 | ||||
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ホラー短編二作が収録されています。 師匠と共に霊を祓う仕事をしている主人公の「白い部屋で月の歌を」と引っ越し先の田舎町で特異な風習に困惑する主人公の「鉄柱」。ホラー大賞短編部門を受賞したのは表題作である前者ですが個人的には後者の作品の方が読みごたえがあり楽しめました。 世にも奇妙な物語のようなちょっと不気味な雰囲気が好きな方にはより楽しめるかと思います。文章に癖がないのも好印象。ですが二編ともストーリー上の意外性には乏しく、読んでいてハラハラゾクゾクするような恐怖感も皆無。設定や展開を練って長編一本で読みたかったかも。 過去のホラー大賞受賞作で言うなら「夜市」と同じカテゴリに入ると思います。あの空気感が好きな方は是非。 | ||||
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わくらばシリーズが大好きで、同じ作家の この本を買ってみました。 まぁまぁ 面白かったです。 | ||||
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大好きな作家さんで、他の作品も必見ですと、申しておりました。 | ||||
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生理的に受け付けない。他の朱川さんの作品に惹かれて読んではだめです。 | ||||
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二篇の小説が収録。 そのうちのひとつが「鉄柱」。自殺を肯定的にとらえる文化を持つ地方(田舎?)都市が舞台。 私はこの作品を自ら(かなり意志的に、自発的に)積極的に自死を選んだ哲学者の『自死という生き方』 という本で知りました。 自殺者が出ると「めでたいこと」が起きた、と喜ばなくてはいけない文化がある街。 でも街の風習だからといって素直に親族の死を喜べない人がたくさん登場します。 自殺を肯定する文化と、現実の自殺を認められない人々。その苦悩は一読の価値あり。 | ||||
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朱川湊人の出世作。「姉飼」と同じ年に大賞をほぼ「同点」で争ったらしい。はっきり言ってこっちの方が良かった。(作風の好みは「姉飼」の方なんだけど出来が……) 出だしのシーンで「月が啼く」っていうのがとてもいい雰囲気を醸し出している。Coccoの「あなたへの月」にそういうフレーズがあったなあ…などと思いながら読んでいると、いきなりファンタジックでありながらエグいシーンが出てきてどきりとさせる。やや中だるみはするし、ラストのオチは選者も言うとおり「平板」なのだが、全体としてはなかなか良くできた話だと思う。やや荒削りだけど。著者の他の本も読んでみたい。 もう一つの「鉄柱」も、表題作以上に力作で異常な世界。 | ||||
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「白い部屋で月の歌を」 「白い部屋」「月の歌」のしめすメタファーを考えながら読むと、更に面白いかも。 「鉄柱」 将来に対して漠然とした不安を感じ自殺することを、「満足死」と別の角度で見せるやり方はおもしろい。 重くなりがちなこのテーマを娯楽性を維持し上手く短編としてまとめている。 | ||||
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巻末についてるホラー大賞の講評は、絶対先に読んではいけません。 アラマタがしれっとネタバレをかましてくれます。 上述のミスをしたせいで表題作はインパクト不足になってしまいましたが、鉄柱は真綿で首を絞められるような胃袋にちょっとずつ砂鉄を詰められるかのような息苦しさを堪能できます。ホラー大賞作家の作品としてはこの本と夜市が個人的に2トップです。 | ||||
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2つの短編(中篇)小説が収められている。表題作「白い部屋で月の歌を」は霊とかでてくるが違和感なく読み進められる。ジュンはいったいどんな人物?なんだろうと思っていた私は最後にしてやられた。 2つ目「鉄柱」こっちの方が断然好きな話だ。こんな街があったらちょと怖い。内容は読んでみてからのお楽しみ。 朱川湊人、いいねー。 | ||||
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「白い部屋で月の歌を」、「鉄柱(クロガネノミハシラ)」の二作の中篇を収めた文学的香気の高いホラー作品。作者は"月の光"を強調しているようだ。 「白い部屋で月の歌を」は霊の存在を前提に書かれている。主人公の"先生"は成仏できない霊の"剥がし屋"を生業にしている。主人公は"憑坐"と言う霊の一時的保管場所の役割を果たす。これを(観念的に)具象化したものが"白い部屋"である。主な登場人物はこの他、先生の弟と主人公が白い部屋で一目惚れしてしまった若い女性。物語は主人公の一人称で語られ、主人公の知的レベルを示すようにたどたどしい。これが、物語の不気味さと純粋さを高めている。当たり前のように霊が徘徊する異形の世界と主人公の女性に対するメルヘンチックな恋物語の融合が見せ所。儚くも切ない物語。だが、オチは凡庸で、別の形にした方がより良質な作品になったと思う。「鉄柱」はガラッと作風を変えて、普通のサラリーマンである主人公が、左遷された先の町の秘密に次第に直面して行く手法で恐怖を醸し出す。町の丘に建てられた鉄柱。町の人々の死生観と鉄柱の役割とは ? 西行の歌、 「願わくは花の下にて春死なむ、そのきさらぎの望月のころ」 が重要な意味を持つ(本歌はミステリで良く採り上げられるようだ)。人間にとって幸福とは、欲望とは、そして生きる意味とは何かを考えさせる哲学的作品。 単なるホラーの域を越えて、幻想味、哲学的考察を加えて巧みな構成で描いた文学的香気溢れる作品。 | ||||
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ただ白い部屋で、は途中でなんとなく結末がわかってしまいました。 ですが、白い部屋に悪霊が入ろうとする描写は圧巻でした。 | ||||
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