■スポンサードリンク
人質の朗読会
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
人質の朗読会の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 21~40 2/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ゲリラに図らずしも殺されてしまった日本人人質の一人一人の忘れえぬ思い出を語った朗読会。現場からテープが発見されて、その朗読会の内容が明らかになる。小川さんらしい、温かいまなざしの一人一人の小さな思い出をほっこり書いた短編集。この思い出ののち、皆前向きに生きたこと、それなりの人生を刻んだことも最後の一行、経歴で分かる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
数秒間テレビの画面に映っていた背表紙のタイトルに惹かれて買いました。 初めて小川洋子さんの本を読みました。 不思議でそれでいて身近でもあり、どの話もとても良くて一気に読んでしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ゲリラの人質たちが語る自分語り. 日常のストーリーとして語られる生と死の物語. 人質という異常な状態の設定であるが, あまりそれを感じさせない淡々とした語り口である. 語られる物語には,印象的なイベントもあれば,取るに足らない出来事もあるが, 多くの物語が「死」を感じさせるストーリーになっている. 極限状態の中で,破滅的な結末を迎える人質たちが, 穏やかに,それぞれの向き合い方で「死」について語り合うという, 悲壮感を感じさせつつも,不思議と幻想的な雰囲気も感じられる. 大きなどんでん返しも,明確なメッセージもないが, こういう小川洋子氏ならでは味わいが好きな方にはお薦め. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「もっとも個人的なことは、もっとも一般的なことである」。 いつか、誰かがそんなことを言った。本書を読んで、その言葉を思い出した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
バイオリズムというのかなんなのか、 自分の心理的コンディションと小説の内容がバチッとはまってしまうような事があって、 これがまさにそうでした。 南米のどこかで現地ゲリラに捉えられた日本人の人質8人が 一夜にひとりずつ、自分の物語を語る。(それを盗聴したテープが発見される) という形式で綴られる短編集。 それは、およそそういった状況でなければ語られるはずのない 極めて個人的で、ささやかで、しかし本人に取っては大切な物語。 そこにはテーマも教訓もドラマチックな展開もないのだけど、 聞き手(読者も含む)はその中の登場人物を尊重し、そこにある尊厳をたたえ、 話の後には慈しみに満ちた静かな拍手を送ることになります。 各話語り部が変わりながらも、語り口はしっかりと心地よい小川洋子さんの文章で、 不思議と言えば不思議なんだけど、 そこはファンタジーとリアリティーを自在に行き来する小川洋子マジックで 違和感なく読み進められます。 最後に事件当時盗聴役だった兵士が人質達に感化されて自分の物語を語るのだけど、 彼の存在が時間的にも空間的にも切り離された人質達と 読者の間をつなぐ役割を担っていて、 爽やかな読後感を与えてくれます。 果たして自分がこの中にいたら、 なにを語るだろう。 と、多くの人が自分自身の物語の事を思うのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
職場の人に読書用に薦められた本なのですが、殺される前の悲壮感はなく、一人ひとりが短編で語る日常のありふれた生活の場面が繊細な心理描写で描かれています。とてもありふれた出来事や印象が、日常会話の中で語られることは実は思っているほどに多くはなく、人質として拘束されているという状況の中で、人は普段感じているが、言葉にする機会がないありふれた出来事を語るのかなあと思いました。 とても些細な事ではあるのですが、普段言葉にすることのない小さな動作に細やかな心理描写がなされていることに、おもしろさがありました。 一人の人間の平凡な日常って、実はどんなドラマよりも尊くて貴重なものなのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
設定上はゲリラに捕らえれた人質がそれぞれの物語を語っていくという筋書き。 ただし一冊を通じて各章に共通点はなく、独立している分空き時間に読むのにはいいと思います。 逆に言うと一気に読むと印象が薄いかも。 朗読会という設定で色々な人がそれぞれ違う体験をしている、という月並みな言い方をすれば「十人十色」がこの作品の特徴なのかなと思います。 各章ごとに内容のテイストがまったく違うので、短編集と思わずゆっくり読んでみるのがいいのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あらすじを読んで、面白そうだと思って購入しました。 読んでみると、なんてことはない短編が詰まった作品でした。 他の方のレビューにもありましたが、これを人質が語った設定にした意味が最後まで分かりませんでした。 特に関連性もないし、ただの短編集です。素人が口頭で語ったという設定には無理があると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何度も読み返している大好きな本です。音読しています。電子版も購入しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みたい時に届く感じですね 早く届いたのでいっきに読ませてもらいました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
心深く染み込んでいく物語。 いつもの不思議な世界ではなくリアルな現実。 だけど、何故かメルヘン的な感じもします。 地味ですがDVDも出ています。 原作のイメージをよく伝えていますから、ぜひご覧になってください。 お勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人質になった日本人8名が、拘束されている間に 自分達の「とっておきの過去」「自分を語る上で欠かせない話」について ひとりひとり語っていくという設定で物語は進んで行きます。 一章一章が独立しているため余計な伏線もなく、 人質同士の会話もありません。 どのお話も、現実に存在していそうで、まるで誰かの大切な過去を預かったような感覚になります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ひとつひとつのお話は、日常に寄り添うような良い意味で普通のお話だと思います。 (もちろん短編小説としてきちんと面白い。 )それが、全体の設定、どんな状況で語られたのか、でまた色を変える。 それを知らずに読んだら、自分はどう感じただろうか。 そんなことも考えさせられる本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一つ一つの話に引き込まれました。それぞれが、ささやかだけどその人を支え励ましてくれた1つの物語なのだと分かります。そのはなしを聞いている人質達は話し手の人生を暖かく受けとめながら聞いていたのです。「未来がどうであろうと決して損なわれない過去」を慈しみあう時間が流れていたのでしょう。それは、彼らの遺体が「ひったり体を寄せ合っていた」事からも伺えます。 1つの物語を読み終わると暖かい思いに満たされました。でも、文末にある( でこの人がその後どのような人生を送り最後にはハイジャック犯に殺されてしまったことが確認され、とても切ない気持ちになりました。でも不思議なことですが、その物語がこの人をきっと支えていたんだなと思うことで、読み手側が慰められた感じもしました。 良い物語を書いて下さった小川洋子さんに感謝です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おおよそ他の低評価の方の意見に賛成です。 個々のエピソードだけ見れば秀逸かもしれません。 違和感は文庫版p12より。 「とにかく最初はトランプやしりとりと同じく、退屈な時間を紛らわすための手段であった。」で始まる段落が決定的におかしい。 人質として捕らえられている時間が「退屈な時間」? 希望を絶やさないためとか、正気を保つためならまだしも。 いくら緊張が解けてきたとはいえ、人質が自由に言葉を書いたり話したりするのを犯行グループが許すか? しかも文字は針で書かれたとある。人質に針をもたせるか? 「きちんと書き言葉にした方が正確に伝わる」なんて発想になるか?思考があまりにも高貴すぎる。 遭難した山小屋での出来事ならまだわかりますが、異国のゲリラ組織のアジトですよ。 この時点で、現代社会に対して思慮が浅いと見事に墓穴を掘ってるようにみえます。 あるいは、私は平和ボケ社会の人間です、と。 そうなると、各エピソードを語りたいがために、人質という設定を作ったとしか思えなくなります。 「未来ではなく過去に目を向ける」と言われると、かっこよくて何か説得力感じてしまうけど、 それもよくよく考えると、都合が良くなるように考えられた設定の一部にすぎない。 いずれにしても知らないから書ける小説。 未熟すぎて、読んで恥ずかしく(情けなく)なった。 この種の小説は、現実を超えてこそ意味があるでしょう。現実にすら届かないこれはただのファンタジーです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「完璧」な「病室」、「薬指」と「標本」、そして「人質」と「朗読会」。小川洋子さんの作品は、タイトルから不穏で、静謐で、寂しくて、惹きつけられてしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
8+1=9人の体験談。興味深いがそう大した物語でもない。ところがどのエピソードも痛切に胸に響く。小川洋子はあるプロジェクトに触発されてそんな小説をものにした。見事な腕前である。 そのプロジェクトとは私の大好きな米作家ポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」。ラジオ番組を持たされてネタに困ったオースターが妻シリの助言を受けて、リスナーから本当にあった面白い話を募ったところ、予想外の膨大な投書が寄せられたところから始まった企画で、もちろん本になり邦訳もされ新潮文庫に収められている。 市井の名も無き人々が語ったのは、奇跡的な再会や驚くべき偶然、笑えるヘマ、思わぬ死との接近遭遇等々、まさしく「事実は小説より奇なり」を絵に描いた様な体験談であった。 これを小川洋子はある地球の裏側の国で起こった誘拐事件に巻き込まれたツアー客七人とツアーガイドが、拘束された生活の中で自らの体験談を語る朗読会という形に置き換え、それを盗聴していた政府軍兵士のインタビューを加えた九つの物語で構成される実験的小説に転化してみせた。 どの体験談もセンス・オブ・ワンダーに満ちているし、もちろん素人の投書とは段違いの質の高い文章である。特に「B談話室」「冬眠中のヤマネ」「コンソメスープの名人」などは単独でも優れた掌の小説と思える。「死んだおばあさん」に関する政府軍兵士の一言もスパイスが効いている。 しかし「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」に優劣など無かったように、この小説のどのエピソードにも優劣など無い。朗読会が行われた環境と彼らの運命という通奏低音がそれぞれの語り口に実に深い陰影を与えているからだ。 政府軍兵士の「(ハキリアリが)自分が背負うべき供物を、定められた一点へと運ぶ。そのようにして人質は、自分たちの物語を朗読した」という最後の一文が痛切に胸を打つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本に限らないが小川洋子の小説は主人公の視点が狭い。 悪い意味ではない。 主人公と登場人物の関係や組織のどの立場にいるのかなどあえてぼかしている。 その代り、主人公はものの見方、考え方が独特でそこに焦点を当て、話しを展開させている。 子供の視点に似ていると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一つ一つのエピソードは心打たれた。私の人生に入ってくる感じがした。人が生きることは人にとって最重要だけれども、宇宙のような規模から見ればあまりにどうでも良いことである。どちらも知って知ってしまった現代の我々は、どちらにもうまく折り合いをつけていたりいなかったりでいきている。それは明確に結論が出るけれど納得のできない事実であり、そんな場面はどこにでもある。ハキリアリが切り取った様に。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小川の作品はあんまり読まないけど、これは心に響くの一冊です。特にB談話室が気に入ります。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!