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マルドゥック・ヴェロシティ
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【この小説が収録されている参考書籍】
マルドゥック・ヴェロシティの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 1~20 1/3ページ
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独特の文体なんかよりも、無理やりなミステリ展開のほうがわたしはキツかったです。普段極上のミステリばかり読んでいるせいで比較してしまっているのかもしれませんが…。 なんでもかんでもシザース、意味のない犯罪、登場人物。3巻かけて読んだわりに、読み応えのない本で残念。 | ||||
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多くの方が指摘するのはエルロイからの影響だが、それだけでなくブライアン・デ・パルマ監督の影響を強く感じた。 そもそもデパルマはブラックダリアを映画化しているのだが、ヴェロシティにはデパルマの他作品からの影響も多く思われる。 まず異能力者たちの猟奇的なアクションは、山田風太郎の影響もあるが、それよりキャリーやフューリーのショッキングな演出に近く感じる。 また歪んだ欲望による事件とサスペンスはミッドナイトクロスのようだし(殺人ポルノのカメラマンもオマージュだろう)、マフィアたちが怪物的なマッチョイズムと共に哀愁を感じさせるのはスカーフェイスとカリートの道のよう。(なにかダークナイトを思わせる部分もあるが、本作の方が先。デパルマは時計仕掛けのオレンジに影響を受けた作家でもあり、ブルーマンハッタンなんかは影響が色濃い) ヒッチコックのようなセクシャルなサスペンス部分とファムファタール的なキャラは、殺しのドレスやだボディ・ダブルに、そのまんまファムファタールだし、身体の欠損によって内面も怪物のようになった怪物たちはファントムオブパラダイス。 特殊な遊撃チームによってマフィアを追い詰めていくのは正にアンタッチャブル。 名家一族の歪な家族関係はブラックダリア。 ベトナム戦争をモデルにした戦争での非人道的行為はカジュアリティーズ、特殊能力を使って諜報任務はミッションインポッシブル。 労組の狂騒的描写はブルーマンハッタンだろうか。(ブラックダリア冒頭でも暴動が描かれていたが) | ||||
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そこまでやるかと言う徹底的な猟奇的暴力シーンが圧倒的など迫力。単語をぶつ切りにするスタイルは乾いたハードボイルドタッチでグロテスクさを緩和するが、まともに想像するのすらはばかられる悪趣味な残虐さが際立っている。が、この偏執狂的暴力シーンの連続は、ボイルドが人間性を喪失してウフコックを濫用するに至る様を真摯に追及した結果と読めた。凄惨な拷問と処刑を繰り返すカトル・カールに対抗して生き残るため、人間性を捨て虚無へと突っ走るボイルドだが、死を目前にしておぞましい姿のナタリアに向けた最後の人間らしい愛情を示すのが、より一層空しさを増幅した。何しろ彼女の亡骸を文字通りの生物兵器として敵を葬るのだから。最終的に敵も味方も皆殺しにするボイルドが、何のために戦うのか、と言う哲学的問いに答えられずに終わるラストは、この上なく苦く救いのないものだったが、この途方もない物語を自身に変調を来しながら描き切った作者の闘魂に拍手を送りたい。 | ||||
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登場人物が多い上に人間関係が複雑。ハードボイルドタッチな読み心地を狙ったのであろう単語をぶつ切りにしたような独特の描写も読み易いとは言えず、正直ストーリーを追うのに難渋し、中盤で呼ばし読みをしてしまった。又、人体を改造するサイバーパンクSFとしてグロテスクなリョナ描写が強烈で、読み手を選ぶのは間違いない。にも関わらず、スリリングなストーリーで読んでいてとても面白くい。本巻のヒロインと言えるナタリアは、渋澤龍彦が紹介したような文字通りの「毒婦」で、セックスした男を猛毒で葬る人間兵器。が、多くの男を殺害し普通の人生を送ることを諦めているような彼女に毒体質の治癒を持ち掛け、ボイルドの精子を提供して懐妊させるのは驚きの展開。ネズミ型最終兵器ウフコックとのコンビで互いの「有用性」を確立しつつあるボイルドが、彼女の存在でどう変わっていくのか。そしてウフコックとのコンビがなぜ解消されたのか、次巻に向けて興味は尽きない。 | ||||
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「マルドゥックスクランブル」では敵役だったボイルドが最強のネズミ型生物兵器ウフコックのパートナーであった頃の話。覚醒剤中毒で味方を誤爆し、肉体改造を施されて超人的戦闘マシーンとして生まれ変わったボイルドと、やはり生まれ立てのウフコックとの初々しいコンビが、自らの存在意義を求めて苦闘するストーリー。恐らくハードボイルドを意識した趣向だろうが、ぶつ切りの単語を並べる特異な文体が読みにくい。途中から使用頻度も減り気にならなくなったが、あまり有効な手法とは思えなかった。又「マルドゥック・スクランブル」にも通じるが、悪役の猟奇的な犯罪シーンの描写が強烈で誰にでも勧められる内容ではないと思った。 が、日本発のサイバーパンクSFとして魅力は十分。良きパートナーとしてスタートを切ったかに思えるボイルドとウフコックがなぜ決別するに至ったのか、後編への興味は尽きない。 | ||||
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人間の汚さと愚かさをぶちまけるような、作者の血肉を削って書き上げた作品。なぜそうまでしなければならないか私には理解できない。 ボイルドの虚無は、読み手にこそ救われ理解されると思う。私はこの作品を読んで、二度と観る事は無いであろうダンサーインザダークを思い出した。 | ||||
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ボイルドはバロットと対になっていて救いがなくとてもとても可哀そうな存在だと思った | ||||
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マルドック・スクランブル(コミック)を読み購入、やはりおもしろい!素晴らしい想像力、リアルな都市描写、スピード感ある文体、どんどん読み進めてしまいました!でも表紙がダサいので☆マイナス1 | ||||
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第3巻に至って物語の様相はかなり変化した印象。「09チーム」v.s.「カルト・カール」を基軸にしつつ,中盤からはボイルドが虚無と破滅へと落ちていくストーリーがクローズアップされている。 ボイルドがウフコックと別れなければならない理由は,あまりに切ない。表面上は暴力的で過激な描写が多いが,心理的には実にやるせなくて悲しい物語だ。謎が明らかにされる度に「なぜ・・・?」と思い,立ち向かって解決するにはあまりに巨大な「何か」を感じる度に「そんな・・・・」とあえぐ。もがき苦しみながらも虚無へと失墜せざるを得ないボイルドの姿は,あまりにも哀れだ。 読み終えた後,なんとも表現しがたい無力感に苛まれた。 | ||||
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前作「1」に比べてストーリーが複雑になってきている印象。 ひと癖もふた癖もあるキャラクターがこれでもかと登場するが,どの人物も裏がありすぎるので話が複雑に絡み合い,大ボスが一体誰なのかまったく予想がつかない状態だ。中盤までは「チーム09」対「カルト・カール」の抗争が見どころか。ボイルドが家族的な環境を手に入れたことに驚きつつ読み進めると,終盤は一気にシリアスなサスペンス・アクション路線へ。まるでハリウッドの一流クライム・サスペンス映画でも見ているような感じだ。 怒涛の勢いを維持したまま「3」へと続く。 | ||||
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名作「マルドゥック・スクランブル」以前の物語。「スクランブル」のバロット&ウフコックというペアも非常に魅力的だったが,本作でのボイルド&ウフコックも素晴らしい。 「スクランブル」では無慈悲な殺人兵器以外の何物でもなかったボイルドが,本作では悲しい過去を背負った人間味あふれるキャラクターとして描かれている。ウフコックもまだどこか自信なさげだ。 脇を固めるメンバーも個性的な人物ばかり。「スクランブル」とは異なり,大所帯のチームとして活動するのも新鮮に映る。 | ||||
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新装版とありますが、それ以前の(改定前の)作品は読んでいません。 マルドゥックシリーズに関しては マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) の3部作を読了済みです。 ネタバレしない程度に、端的に言って引き込まれる、そんな文体だと感じました。 サイバーパンク的なSF要素を根底として、魅力的な登場人物と主人公達のその成長の過程が良く表現されている作品だとも感じました。 日本のSFも捨てたモノじゃないですね。 続編に期待です。 | ||||
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新装版とありますが、それ以前の(改定前の)作品は読んでいません。 マルドゥックシリーズに関してはマルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)の3部作を読了済みです。 ネタバレしない程度に、端的に言って引き込まれる、そんな文体だと感じました。 サイバーパンク的なSF要素を根底として、魅力的な登場人物と主人公達のその成長の過程が良く表現されている作品だとも感じました。 日本のSFも捨てたモノじゃないですね。 続編に期待です。 | ||||
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ディムを虚無へと誘ったそのすべての答えがこの最終章に詰っています。 理不尽と人の業が生み出した大罪の陰謀の狭間で、ディムの絶望と虚無への道程は想像を絶するものだったことでしょう。 | ||||
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傑作マルドゥック・スクランブルの前日譚であり、 その傑作と対になる物語でもあるのが本書である。 ヴェロシティでは誰も救われない。 ただ虚無=死に至るだけだ。 “ハードでなければ生きていけない。紳士でなければ生きるに値しない” タフガイであるボイルドが紳士さを無くしたとき、物語は終わる。 希望=“スクランブル/変調/バロット” 絶望=“ヴェロシティ/速度/ボイルド” 二つの望みは円をなし、読者を挑発し、未来を幻視する。 そして小説がもつ有用性を証明する小説の誕生を促すだろう。 さて、マルドゥック・アノニマスを楽しみに待つことにしようか。 | ||||
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塚本青史氏の『白起』での白起と謎の女官との関係にガッカリした私でしたが、この『ヴェロシティ』での某展開に溜飲が下がりました(笑)。失敬! | ||||
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一部の登場人物の年齢設定に違和感があるのは、続編への伏線なのでしょうか? 特に、あのデブのオバチャン。整形して実年齢より若く見えると解釈しなければ、つじつまが合わない気がするが、そう考えても「だったら、あの体型も何とか出来るっしょ?」という矛盾もある。 ただ、この辺の疑問は続編でも謎のままかもしれませんね…。 | ||||
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スクランブルもヴェロシティも素晴らしい作品だと思いました。 ヴェロシティを読んだあともう一度スクランブルを読み、 そしてヴェロシティを読み、3回ほど涙が零れました。 スクランブルの方でも単純な"敵"としての描写はなかったボイルド。 ただ、何らかの目的の為に動いているということだけは誰もが分かった筈です。 スクランブルでバロットと初めて対峙した際に彼は 「お前を再び俺の手に握ることを楽しみにしている、ウフコック」と言いました。 それはなぜ? 何のために? 武器が欲しいというわけではないし、 ウフコックの能力が欲しいわけでもない。 それらに近い言葉を発したことはあっても、明らかに違う目的があるような書き方。 彼がどうしてこうなったのか、何をするつもりで動いているのか、 それらが濃密に書かれています。 | ||||
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文章に大幅な改定が加えられており、既読でも新鮮に読めました。 始まりの1ページ目から違和感を感じ、旧版マルドゥックベロシティと 較べ読みをしてみると文章が変わっている。 まだ、途中ですが、読み進めるとより深く人物を掘り下げていたり、 なぜアノニマスが発表されて何年も出ないか、納得出来る内容でした。 しかし、タイトルは新装版。 スクランブルのように完全版ではないのには何か冲方さんの意図があるの ではないでしょうか? マルドゥックシリーズの今後により大きな期待してしまいます。 未読の方はもちろん、既読の方も買って損は無い内容だと感じました。 | ||||
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新装版が出たのを期に再読する。 やっぱり面白い。 ドキドキしながら読み進めてしまう。 変わったのは表紙だけかと思っていたら、文章にも手が加えられていた。 J・エルロイに影響を多いに受けた文体かもしれないが、そのスタイルは物語を加速させこそはすれど、決して気迫を削ぐ方向へは作用しない。 読みにくいという人もいるかもしれないが、それも含めての物語なのだ。 読み、見て、想像して、味わうのが小説ではないか。 言葉も文章も日々進化していくのだね。 この出版はいよいよ第3部へ向けての布石なのだろうな。 本当に、本当に待ち望んでいるよ。 | ||||
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