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(短編集)
町長選挙
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町長選挙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全190件 101~120 6/10ページ
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3作の中では、業界の事情をたんねんに取材し、著者の中で本人の心情描写までできるくらいに噛み砕けている点で、一番の「力作」だと思います。前2作はエンタテインメントとして楽しめましたが、今回はルポとしても楽しめました。「町長選挙」も人物ではないが、実在の島がモデルになっている点で他と共通。 | ||||
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「インザプール」、「空中ブランコ」に続く第三弾なんだけど、今回は「ナベツネ」、「ホリエモン」、「黒木瞳」に似た登場人物のお話+題名になっている町長選挙が伊豆諸島の小島で行われる様子が描かれています。 相変わらず悩むのがアホらしくなる要素満載で癒された。 特にナベツネ、ホリエモン、黒木瞳は本当に本人たちに取材したんじゃないかと思える程、愉快な話です。 ■読んで欲しい人 ・使命感に押し潰されそうな人 ・やらなきゃいけないと思っている人 ・悩みがある人 | ||||
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「空中ブランコ」、「イン・ザ・プール」の順番で読んで来て、評価が微妙な今作も「ま、読んでみるか!」と手に取った。 一番手の「オーナー」は、大笑い! 笑いの要素だけではなく、パニック障害の原因&症状の描写に嘘臭さがなく、しっかり読ませる。 前2作のように、破天荒な伊良部に振り回されているうちに、いつしか患者が自ら立ち直る…というパターンではなく、モデルのナベツネさんのキャラを立たせて笑わせ、伊良部は割と医者らしくまともにフォローして行く…という筋書き。 「アンポンマン」は、セリフからしてホリエモンそのもの。 ホリエモンの言動を、文字にしてみたら…まあ面白いけど、肝心の病態が「パソコンのやりすぎで、脳内ローマ字変換」って発想が、奥田英朗にしては冴えない。 「カリスマ稼業」。 これ、お話としてオチがない、と思うのは私だけだろうか? 「町長選挙」。 レビュー読んで、実際に島内シーソーゲームのような選挙が行われてる(行われてた?)島があると知り、絶句。 だって凄すぎますよ、この選挙。 面白いという方もいるけれど、伊良部がただのアホになっちゃってる今作は、相当がっかり。 「オーナー」読んで、「こんなに面白いのに、この評価は低いよね」と不思議だったが、今は納得。 最初が一番面白く、段々面白くなくなっていくのだ。 終わり良ければ…の逆パターンだから、評価が低めになってしまうのだろう。 そして、伊良部の伊良部たる所以が、今作では完全に失われてしまった…。 3冊目で、もう彼にやらせることがなくなったのだろうか? 私としては、もう一度伊良部に会いたいのだが。 | ||||
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表題作の「町長選挙」は、伊良部医師が離島にまで飛び出す奇想天外の展開で 「主人公」の相変わらずのオロオロぶり(我々しがない○○○○○○はまったく こうだと思ってしまう)とともに、十分に楽しめた。 しかし、他の作品には正直なところ著者のパワーダウンを感じる。 特に冒頭の二作は現実のモデルがあまりにまるわかりで、筋を考えるのが面倒 だったのか!?とビックリした。まぁ、この展開に現実への鋭い風刺をこめたの かも知れないが、いつもの伊良部病院シリーズと趣が違いすぎ、番外編として 編集するべきだったと感じる。 ところで著者と筒井康隆を比較して論じる人もあるが、病気などの人の弱みを 嘲笑的に「描きっぱなし」「書き散らしっぱなし」にしかできず、物語を ユーモア(ヒューモア)の域まで持っていくことができない筆力の持ち主との 比較は、この作者に失礼ではないだろうか。 | ||||
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一作目、『イン・ザ・プール』は、設定の面白さに惹かれ、 二作目、『空中ブランコ』で、ちょっと飽きた私でしたが、 三作目の『町長選挙』は、私の中では一番の秀作でした。 現実に生きている人を、ここまで堂々とモチーフにするところがすごいです。 それにより、本人を想像させ、よりリアルさを感じさせます。 それが面白かったのかもしれません。 | ||||
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前2作(イン・ザ・プール 空中ブランコ)に比べて、新鮮味に欠ける。どこかで聞いたようなニュースをデフォルメして、伊良部に掛け合わせているが、如何せん、結末が予想できる点が前作に及ばない理由。特に、一部の短編のモデルたちのその後は、誰でも知っており、前作より盛り上がりに欠けた読後感が残る。でも、奥田ファンの私としては、楽しめる伊良部シリーズのイメージが先行し、作品への期待が膨らみすぎたことも自戒して、評価を4ポイントに留めたい。 | ||||
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伊良部シリーズの3冊目。4つの話が収められた短編集です。 表題作の「町長選挙」は、約半分の頁数を占めます。伊良部が初めて出張する話であり、主要なクライアント以外の大勢に影響を与える話でもあり、シリーズ中で異彩を放っています。 「町長選挙」以外の話には、実在の有名人をモデルにしたであろうクライアントが登場します。また伊良部が本当にただの「あほう」で終わっている感じの話もあります。シリーズのファンは、これらの要素に拒絶反応を示すかもしれません。 しかしアクの強いクライアントの登場と矛盾するようですが、それぞれの話の密度が濃く、私はシリーズ最高の出来であると感じました。特に「町長選挙」はキャラ小説では無く、1つの短編小説として非常に楽しめました。 気楽に読めるところは変わっていないので、誰にでもお勧め出来ます。 | ||||
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伊良部シリーズ、第3作目。 本作の特徴は、 登場する患者が著名人をモデルにしているところ。 ここ、愛読者の中で賛否が別れそうです。 この伊良部シリーズは、 患者が自分を投影できる弱さやもろさを感じさせてくれるところに、 面白さがあったように思えるのです。 そこに本作。 これは完全にフィクションの世界。 完成度も高いし面白い。 ただ前作までの手触りとは若干違うのです。 そういう中でタイトル作「町長選挙」は、 既存路線に、 島という外部を取り込んだ新しいテイストになっていて、 お勧めです。 伊良部だけでなくマユミも動き出していて、 物語の変容が予感されているような、 そんな1冊です。 | ||||
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腹がよじれるまで笑わせてもらった前2作からすると若干パワーダウンの感は否めない。 それというのも登場人物がナベツネやホリエモン、黒木瞳をモデルにしたとはっきりわかってしまい、こちらの想像力を若干削いでしまうほうに作用してしまったからだ。書名タイトルのメイン作品も東京の八丈島を舞台に鹿児島県の徳之島(安岡興治派と徳田虎雄派の抗争で有名)を移植したような話で、確かに面白いのだが今一弾けさせて貰えなかった。 | ||||
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シリーズ3作目で、主人公を特定できる方向での話の展開。 このやり方には、読者の想像力を奪うという点で賛否両論があろうし、 作品自体も出来不出来が激しい。 「カリスマ稼業」は相当の駄作であるが、 「オーナー」は伊良部シリーズきっての名作である。 私自身、パニック障害と付き合ってもう15年以上。 パニック発作が起こるきっかけはまさに本作品に書かれているとおりで、 他人にとってはまったく普通のことが、 パニック障害の人には発作のきっかけになる (私自身の場合、電車のドアが閉まる音がきっかけになることが多い)。 ひょっとして、奥田自身パニック障害をわずらっているのかと思うぐらい よくかけている。 そして、パニック発作中の自分を他人が見たら、 おそらく相当の奇行に見えるだろうなということ自分はしているのだが、 それをうまーく描いている (私の場合、電車内で発作がでたときは、そこにじっとしていられないので車内を歩き回る、季節関係なしに窓を開けたくなる、だから窓が開かなくておまけに次の駅までの乗車時間が長い新幹線は死ぬより苦行)。 この作品だけで見ると、あぁ、ついに筒井康隆を超えたかと思う。 ただ、ページが進むにつれ、その思いは消えていくのだが。 おすすめするとしたら 伊良部シリーズのファンはもちろんのこと パニック障害に苦しむ人たちだ。 「オーナー」を読んで、笑えるようなら パニック障害とうまく付き合えているということだし、 笑えない人は途中でやめてもかまわない。 いつか大声で笑えるようになる日が来るから。 | ||||
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伊良部シリーズはかかさず読んでます。 いつも笑えるのでお気に入りです。 今回の前半の3つは実在の人物をもとに書いているのが一目瞭然。 それが面白くある反面、オリジナリティとしてはちょっと物足りなさも感じました。 町長選挙は病院を出た伊良部が引き起こすドタバタストーリー。 | ||||
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トンデモ精神科医伊良部シリーズ第三弾。四編中三編までがある種のモデル(パロディ)小説で、表題作のみがオリジナル。このバランスの悪さはなんだろう。 加えてこれまでと異なる点に、 ★伊良部の存在感が希薄化 ★看護師マユミのキャラに異変あり があげられよう。ファンから不満の声が出たのも無理はあるまい。 しかしながら、「つまらない」とバッサリ書けないのが厄介なところで。三編のモデルは明らかにナベツネ氏、ホリエモン氏、黒木瞳さんなのだが、笑ってしまったし、思わず唸らされてしまう場面もあった。 思うに、三編が伊良部シリーズ本編に組み入れられているから違和感を醸すのでは。伊良部の存在感はかすむし、表題作は浮くし、ネタが尽きたか?と憶測を生むし・・・いいことがないではないか。スピンオフ的位置づけであれば割り切って楽しめたのではと思う。 シリーズを読んできた者としては・・・多弁なマユミには関心が持てない。あきれるほどぶっ飛んだ伊良部が見たい。誰かの顔が浮かぶ話より、区民プールの忍び込みに失敗する無名の会社員の話が読みたい。 そうして思い切り笑いたいのだ。 少し厳しいけど、星3つかなあ。 | ||||
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「伊良部シリーズ」第三作。各話のモデルがハッキリしていて、少し創造性が失われた気がする。話もハチャメチャぶりが影を潜め、本当に精神分析の本のよう。 「オーナー」では、某新聞社の"あの人"をモデルにしたプロ野球オーナーのナベマンが、死と孤独を背景にしたパニック障害で伊良部を訪れる。モデルからして、スケールの大きな笑いを期待したら肩透かし。作者はプロ野球に詳しいようだが(巨人ファンかも知れない)、ナベマンの心情に深入りし過ぎて、読む側が爽快感を得られない。ところでマユミさん、バンド(ギター担当)を始めたんだ。「アンポンマン」では、今度は"あの人"をモデルにしたIT起業家アンポンマンが脳内合理化による若年性アルツハイマー(?)で伊良部を訪れる。プロ球団の買収問題で前作のナベマンも言及されるサービス付き。しかし、モデルの事件が収束した今となっては、物語の内容も想定内で虚しい。前作と合わせ、患者の心理分析に比重が置かれているのも変調気味。読む方は「伊良部が空中ブランコを飛ぶ」と言うような、翔んでもないバカバカしさを期待しているのだ。「カリスマ稼業」の患者は44才の美容ノイローゼの女優カオル。モデル候補多数。悩みが自然過ぎるのと、解決が「やっぱり、本当の若さはイイ」では物足りない。題名作「町長選挙」では、伊良部が千寿と言う離島に派遣される。千寿島では島を二分する激しい町長選挙が行なわれていた。これも昔、九州の南の島にあったような設定だなぁ。選挙のキャスティング・ボートを握る羽目になった伊良部の反応は笑えるが、全体として平板な出来。 無垢な伊良部と魅力的なマユミさんの言動に癒される本シリーズの中では低調な出来。次作に期待したい。 | ||||
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やっと 文庫になってくれました。 4つの話全てが面白かったです。 個人的には カリスマ女優の話が好きかな。 ぜひ、みんなに読んでもらいたい本です。 続編を待っています。 | ||||
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変な精神科医と変な患者の伊良部シリーズも第3弾。今回は短編4作収録。 表題作以外、明らかに特定有名人をネタにしています。まったくいじる気が見られないので、よく取るなら風刺的な色を帯びているといったところ。今までとのこの違いには戸惑うかもしれませんが、流れ自体はいつも通りです。3タイトル目のサッと引く幕切れは「あれ?」と思いつつ、振り返ると味わいが。 そしてラストの表題作が、明らかに今までとパターンが違いまた分量もあるのですが、非常に笑えて一気にラストまで。伊良部の意外な一面が見え、より人間くさいキャラクターに育ったなという感です。 先日文庫が出たのは不思議な偶然ですね。 | ||||
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伊良部シリーズ第三弾。 はじめの3話はナベツネ、ホリエモン、黒木瞳と思われる人物が登場し、 それを伊良部がいじるので、なかなかおもしろい。 個人的には1話目のナベツネが最高におもしろかった。 4話目の町長選挙はややこれまでとは異質な作品。 伊良部節はあまりなく、別テーマの話といった感じ。 シリーズ3作目ともなるとさすがにマンネリ化してきたかな、 とも感じないわけではないですが、 安心して楽しめる作品には仕上がっています。 | ||||
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伊良部先生、相変わらずいい味出してます。 面白かったのですが、モデルが分かる分、先の予測がついてしまって損をしてると思います。 個人的には「イン・ザ・プール」や「空中ブランコ」の方が面白かった! この本の中では、オリジナリティのある「町長選挙」が一番気に入りました。 老人達が伊良部先生に寄せる気持ちが、読者のそれに近いかも。 ただ、途中先生に疲れが見えるところは残念。伊良部先生にはいつも傍迷惑な程 ハイテンションでいてほしいです(笑)。 | ||||
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2006年4月15日リリース。初出はオール讀物の平成17年1月号から平成18年1月号。伊良部+マユミシリーズの第3弾。 今回の作品は限りなく具体的に現実にいる人3人(ちなみに誰が読んでも、渡邉恒雄・堀江貴文・黒木瞳だ)と伊良部+マユミを対峙させるというかなり実験的な試み(そんなにたいそうな物でもないのかもしれないが・・・・)と、別空間へ伊良部+マユミを送り込んだらどうなるか、といった試みに意図的に取り組んだ感じだ。その辺が小説手法にさまざまなアプローチを試みている奥田氏ならではのモノになっている。 本作を読了して感じたのは、人間というのは自分のイメージを創作し、そのイメージに沿って生きようとするモノなのだなということだった。そういう行為というのは人間のような頭脳を持ったものしかしないだろう。それが他の動物には決して生じないようなストレスを産んでいるのだろう。だから伊良部のように自分のイメージを創造しないタイプの人間は疲労しない。だから伊良部は子供のようなのだろう。 見ず知らずでなく、マスコミに多々露出している人たちは『イメージ』の世界の人たちだ。言ってみればそれは彼等が外の世界に向けて発している『偶像』に過ぎない。吉田拓郎の『イメージの詩』の歌詞が頭を過ぎった。 | ||||
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『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』に続く、伊良部シリーズ第3弾ですが、前二作と明らかに違うのは、他の方も書かれている通り、患者の人物像が明らかに実在の人物を思わせるところですね。 ただ今回は、伊良部先生の存在感がイマイチなのが気になりました。 それよりも患者やその周囲のキャラクターの強さが勝ってしまっています。 実在の人物をモデルにしたような内容は、描き方次第で「ブラック・ユーモア」にも仕上がりますから、私は嫌いではありません。 でもこの作品の場合、もっと破天荒ながらも伊良部先生ならではの存在感をアピールできたなら、「伊良部先生が実際いたらなぁ」と読者に思わせ、もっと評価が上がったのかもしれません。 また、実在の人物を思わせる患者であるなら、もっと徹底的に実在の人物の心理状態を想像し作品内で展開して欲しかったです。 ここでは私達がTVでその人物を見て想像する範囲でしか描かれていなかったのがちょっと残念でした。 と言いながらもなぜ星3つなのかと言えば、そんな中でも「カリスマ稼業」における看護師マユミの言動に、白木カオルとほぼ同世代の私はグサリと来ながらも的を得ていると感じたからです。 | ||||
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伊良部一郎医師の人気シリーズ第3弾。残念ながらまだ文庫化されていないが、人気ぶりからして時間の問題であろう。本書は従来のテイストに加え、話題性と社会性を盛り込んでおり、伊良部医師もいよいよ表舞台にご登場かという印象を強く与えてくれた。某新聞社の会長兼球団オーナーの威厳ぶりや時代の風雲児と呼ばれた某社社長の人生哲学などを描いた「オーナー」や「アンポンマン」といった作品は、懐かしい感慨めいた雰囲気に満ちている。「カリスマ稼業」もおそらく同様であろう。 話題性を優先する大衆メディアは報道内容が偏重し、十分な論議や総括をすることなく、次なる話題に飛びつき読者の関心を巧みに誘導する効能を有している。むろんメディアのみの責任ではないが、メディアの作用は実に大きい。かつての某IT企業による球団獲得・その後のラジオ放送社買収騒動事件は多くの人にとってすでに「過去のもの」として記憶されているだろう。「時価総額世界一」と豪語された人生哲学も今では嘲笑の対象とみなされているのかもしれない。本書はいずれもそうした主題を「過去の話題」としてではなく、そこに潜む人間の深層心理とともにヘビーな作風というよりは新鮮な趣をもった内容として再生されてくれているような気がした。 とはいえ、そうした話題性・社会性が注目される反面、伊良部の活躍というか存在感が薄くなっているような印象も拭えない。伊良部による患者の症状の治療に対する突拍子もないが核心を突いた発言とともに、奇抜な言動ぶりは相変わらず健在ではあるが、私にはそう映った。伊良部総合病院を離れての初の仕事ぶりを、その離島の「町長選挙」(本書の第4作品)と絡めて描いた作品も、やや腰砕け的なもののように思えた。とくにエンディングは物足りない感じであった。少なくとも『空中ブランコ』所収の作品群を超える出来ではない。次回作への強い期待を込めて今回は「星4つ」としたい。 | ||||
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