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隣の家の少女
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隣の家の少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 1~20 1/7ページ
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流れる川に隣接する田舎の景色は美しく、そこで語られる少年たちの青春劇は、映画「スタンド・バイ・ミー」を匂わせる叙情豊かな文章で語られていきますが、希望があるのは「表のスタンド・バイ・ミー」のみ。 本著を絶賛しているスティーブン・キングもあとがきで語っているように、今作は、絶望の未来が約束された「闇のスタンド・バイ・ミー」です。 大人になった主人公デイヴィッドが回想する、12歳の頃にあった、2歳年上の少女メグとの出逢い……それは、甘くほろ苦くも切ないひとときでしたが、青春の輝きは、メグ姉妹を引き取った継母によって無惨に引き裂かれていきます。 継母のルースも最初は、女手ひとつで三人の男子を育て、隣家の少年たちをこころよく迎えていた、よきシングルマザーとして描かれていました。 しかし、事態は新たな家族の登場。 メグと妹のスーザン姉妹を引き取ったことで、彼女の人格にどんな化学反応が起きたのか? もとより善良な姿として映っていた、シングルマザーは、初めから狂人だったのか? 「虚な目」をはじめ、ところどころ描写される、精神病の症状のような継母のふさぎこむ姿は、まるで彼女がやっている悪行の報いのようでもあります。 ルースの子供達の顛末を読むと、「血の呪縛」のような、精神病やら犯罪やらを起こす要因が、血によって起きる遺伝病のようにも見え、さらにそこに「強烈な体験」というトラウマが加わって、元からあった病気的な因子が表に出てしまう……そして猟奇的な犯罪を生む……ところまで考えさせられるラストでした(似たようなお話は、映画の「ザ・セル」にも出てきます)。 被害者であるメグも、悪に立ち向かうヒロインとして、美しく描かれているのですが……かえって、その善性がルースの邪悪さに火をつけてしまったのではないか……これは善と悪の戦いなのか?……なにか、彼女がこの事態から逃れるすべはなかったのか、と考えてしまいます。 作者のジャック・ケッチャムというペンネームは、処刑人から取られた造語ですが、その名に偽らざる情け容赦のなさで、少年と少女の間に芽生えた愛情らしきものをことごとく粉砕していきます(すべてはミスリードによって起こされる、最悪の結末ともいえます)。 本著を通じて、ケッチャムが最も描きたかったのは、「普通の人間にひそむ邪悪さ」であり、それは事件の中心的人物であったシングルマザーのルースが抱える暗闇だけでなく、ごく善良なデイヴィッド少年を通じて、我々読者は、他者への無関心と無力さ、自己保身によって最悪の事態をまねく、ガン細胞のようなわたしたち自身の暗闇を見せつけられます。 最後に、「読了後の虚脱感がハンパなかった」と書きましたが、どんな感じかというと、「第一次世界大戦で、日本兵が中国の民間人を虐殺して、その首を並べたまえで笑顔で撮影している」写真をみたときと似たような虚脱感でした(笑顔の奥底にひそむ底抜けの闇です)。 彼岸を超えた彼らにとっては、人の姿をしても、敵は人ではなく、それゆえにどんな残酷な行いでも容認できる、サイコパスな意思決定が行われているのでしょう。 願わくば、人間の善性を信じて、本著をただ「気持ちの悪い、胸糞がするスリラー」以上の教訓として心に留めておきたいと感じました。 | ||||
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カエルを熱湯に入れると逃げ出すが、水から徐々に温度を上げていくと逃げずに茹で上がってしまう。窯の中で空気を主人公と一緒に茹でられるような体験でした。最初は「折檻」の範疇なのですが、次第にエスカレートしていくが、何もできない主人公。読者目線で見ると腹立たしい感じですが、等身大の子供なんてこんなものだとも思いました。文章力が高く、光景を鮮明に想像できてしまいます。凶悪な犯罪が世界各地で起こっているので、このような事態は決してフィクションなどではないのです。 | ||||
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後味の悪い小説、と検索すればほぼ上位にランクインする小説だったので、意を決して読んでみた。 第一印象は読みやすい、だった。 スタンドバイミーのようなアメリカの悪ガキどもが活躍する、毒がありながらもカラッとした明るさがある感じ。 半分の200ページくらいまではそれの延長で、あれまだ来ないのか? ってなった、けど そこから胸くそ悪い描写が来ました。 ただ思った程ではないな‥ そんな気持ちのまま、まぁ文章は読める読めるであっという間に完読。 単純に持ち上げられ過ぎだな。 たぶんなんの事前情報もなければびっくりしたんだろうけど、精神に異常をきたすだとか、それはないと思う。 とは言ってもエログロ描写はしっかりあるので、苦手な方にはオススメしない。 興味がある方には普通の恐い小説としてオススメします。 にしても最後まだもっとヤバい描写があるのかと思って一気に読んだから、読み終わってあれ終わりかよって思った瞬間、一気読みした疲れがどっと出て、ある意味そっちの方でげんなりした。 | ||||
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実はケッチャム作品を読んだこともなく、どういう内容かも知らずにタイトルだけで選びました 隣の家の少女。なんとも初恋の甘酸っぱい匂いがするじゃないですか。 読後は気分が悪くなりました。図書館の係の人に後味が悪かったですといつもは言わない感想まで言う始末。 がそれからなぜかケッチャムさんの大ファンになりました。 最初に読むにはきつかったのは確かですが。人間とは?残酷で残忍な部分が誰にでも持っていると感じた1冊です | ||||
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"あの日、〈岩〉の上で、わたしはミーガン・ロクリンという人物ーふたつ年上で、妹と、秘密と、長くのばした赤毛をもつ見知らぬ女の子ーの形をした思春期の欲情と出会ったのだ。"1989年発刊の本書は実際の事件からインスピレーションを受けたキング絶賛の裏スタンド・バイ・ミー、最悪へと突き進む鬱小説。 個人的にはいつ買ったのかわからない積読本の中から無造作に手にとったのですが。 さて、そんな本書は41歳になり、社会的には成功しているも過去を今でも引きずっているデヴィッドが【少年時代の事件を回想する】構成になっていて、冒頭こそザリガニを小川ですくっているところで歳上の美少女と出会う。と爽やかな青春小説仕立てで始まるも、章を重ねるごとに不穏さを増していき、虐待、監禁と【ヒーローは決して登場しない】救いのない展開、ついには後味が悪すぎる結末を迎えてしまうわけですが。 まず、本書を読み終えた後に、描かれていることが、実際に1965年にインディアナ州で起きた『シルヴィア・ライケンス事件』をもとにしていることを知り、やっぱりよせばいいのにネットで調べてしまって精神的に追加ダメージというか、人間に対する空恐ろしさを覚えてしまった。 また、感情を寄せるのは難しくもデヴィッド"少年"目線に【寄り添うことを共有(強制)させられる】本書は読みやすくも、だからこそ目前の憧れのヒロインを救えない無力さを【何度もシーンを変えて繰り返し突きつけられる】わけで。パターン化された小説の登場人物、少年像に慣れてしまった読者の一人としては悔しくも?効果的に人間のダークな部分の【リアリティ描写ができている傑作】と認めざるを得なかった。 暗さと向き合う心理小説、凶悪犯罪を下敷きにした小説が好きな人にオススメ。心が弱っている人にはオススメしません。 | ||||
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あらかじめ本書の評判は知っていたが、それでも何とも後味の悪いものだった。 仲間意識、集団心理に引きずられた12歳の少年の愚かな判断や心情には、実際自分が子供の頃どうだったかを思い浮かべると若干でも心当たりがあり、共感できた。ここでは、さらに少年を煽ったのは思春期における性への興味だろう。この点もケッチャムは巧みに描いている。 しかし、それでも経過とともに少女がかわいそうで、次第に読むのがつらくなり不快になり腹が立った。主人公の少年に対して最初は理解できたが、そのうち唯一行動を起こせるのはこの子だけなのに!と。 幾人かのレビュアーが述べているが、32年前の『女子高生コンクリート詰め殺人事件』と類似している(日本のこの事件の方がさらにひどいが)。私はいまだ昨今で最悪の事件と強く思っている。同じ死ぬにしても何故ここまでひどい目にあわなければならなかったのか。真の「鬼畜の所業」だ。…本書でもその気持ちが沸き上がった。 多くのさまざまな評価が寄せられているが、高低の差はその人が小説に何を求めているかによるのだろう。実際私も中盤以降全くおもしろくなかったし、読後もいやな気分を引きずっている。しかし、ここから人は何を学ぶか、考えるか。ケッチャムはそこを訴えたかったのだと思う。実際こんな悪行はしなくても、愚かな集団心理は大人社会においてもいじめや差別、ヘイトとして現実存在している。人間の深層心理の弱点を突き、いつの間にか絡めとられる恐ろしいものだ。私はすでに人生の2/3を過ぎたが、改めて人を尊重することは大切だと感じた(悪人は除外するが)。 異色作家ケッチャムはやはりすごい。2018年に他界しており新作を読むことは叶わないが、機会を見て未読の邦訳本を今後も読もうと思う。 | ||||
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虐待について多く学びました。 この本を読むことによって現代の虐待事件においていかにひどく最低なものかを実感させられます。 現代の虐待事件より酷い物ですが昔だからこそ警察の愚かさを知り現代の警察、児相の迅速な対応がよりよく見えてきます。 心が痛くなる作品ですが1度読んで昔はどのくらい酷かったのか今起きてる虐待事件が昔よりマシになったのかを勉強させられる作品と思います。 人間の心を現れます。 | ||||
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正直に告白すると、本書を読むのを何度か止めようとした。あまりの苦痛と、その先にあるだろう想像を超えた苦痛を妄想して、ただページをめくるという行為が苦しくなったのだ。ジャック・ケッチャムの作品の評判は知っていたので、まったく期待できなかったにもかかわらず、救われる展開を何度も想像した。 書かれてしまった作品を前にして、いまさら読み手がその筋を曲げることはできない。それは現実世界と同じことなのだ。主人公と同じように、自分の無力感を追体験してしまう。こんな陰惨で救いようのない物語のなかにさえ、読み手を没入させてしまうケッチャムの手腕を感嘆するとともに、ただただ呪うことになるだろう。 【苦痛は外から内へ作用することもある。 つまり、なにかを見ることによって苦痛をおぼえることもあるのさ。それこそ、もっとも残酷で、もっとも純粋な苦痛だ。やわらげる薬も、眠りも、ショックも、昏睡もないのだから。 苦痛を目にし、苦痛をとりいれると、人は苦痛になってしまう。】 本書を読み終えた今、主人公デイヴィッドの独白を真似るなら、「なにかを読むことによって苦痛をおぼえることもあるのさ。」ということになるだろうか。 エンターテインメントの極北。 | ||||
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とてもおぞましい人間の悪性を細やかに表現した作品 | ||||
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「メグに犬の糞を食わせてから、誰もメグとキスしようとしなくなった」 というくだりがなんというか、ブラックユーモアというには陰惨すぎるし、 こういうのを描ける作者はどういう人なんだろうかと思った。 この後で主人公がメグとキスするシーンがあるが犬の糞は気にならなかった模様。 | ||||
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これはエグい。。。 人間の暗黒面が赤裸々に描かれたホラー小説です。 あまりの筆力に一気に読んでしまいました。 | ||||
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血の凍るような恐ろしい事件が端正な文章で淡々と描写されています。実話をもとにしているのが、なおさら薄ら寒さを増幅させます。内容は賛否両論ありますが、最後までハラハラさせる筆力は流石です。 | ||||
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「痛い」以上の悲しい『スタンド・バイ・ミー』だ。少年時代の一夏の思い出。隣の家に引っ越してきた美しい少女。だが彼女はどこか変で……。 本書をクライマックスまで読めた読者の多くが、主人公の勇気に、その展開に拍手喝采を送っただろう。さすが鬼畜変態作家ジャック・ケッチャム。本作はエグい・グロい・鬱展開、と三拍子揃っている。日常がある出来事をきっかけに豹変していく、という展開はノワールとしても通用しそうだが、どうも違う。ではホラーなのか、と言われれば首を傾げざるを得ない。ケッチャム印とでも言うべき陰惨で、素晴らしい世界観が広がっているのだ。何よりも恐るべきは、ケッチャムの小説の全てが実話を基に書かれている、という事だ。さすがの平山夢明もドン引きである。この小説は面白さと夜眠れない後味の悪さ、その極地に位置する一冊である。 | ||||
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最近、小説をあまり読まなくなった。あまり面白くなくてほとんど最後まで読めないことが多かったが、この小説だけは違いました。 小説だからといって甘く見てはならないと感じた。大体の小説は本を途中で読むのをやめます。惰性で読んでしまい嫌になって投げ出します。これに限っては最後まで話がどうなるのか気になりすぎてページをめくる手が止まりませんでした。隣の姉妹の悲惨さといったら、とてもやりきれない気持ちになります。なかなか味わえない雰囲気をかもしだしており、また読みたいと思った。 この作家が好きになりました。 | ||||
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と思います。「森の惨劇」「老人と犬」はまだ読んでいませんが……。 「隣の」に次いでは、「襲撃者の夜」が私の中では星5つです。ケッチャムらしい、「隣の」「襲撃者」、そして「オフシーズン」(星4つ)が最高! 「隣の」は、まるで「スタンドバイミー」のように幕をあけますし、主人公の葛藤があるところや、クレイジーな友人?と似たような設定もあるけれど、グロが好きな方には是非読んでもらいたいです。エロもまぁあります。 | ||||
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私は、まだ高校生にもなっていません。 私の年齢で、読むべき作品ではないことは承知の上で読みました。 怖いもの見たさと、何か鬱々とした小説が読みたかったので読みました。 正直、私の求めていた鬱々しさではありませんでしたが、読んでいくにつれてどんどん物語に引き込まれていきました。 小説としてはとても良い作品です。 とても良い作品ではあるのですが、人に勧めるべき小説ではありません。 他の方も言っておられますが、人を選びます。 人前でも読むことは避けるべき小説です。 読んでいくにつれて、虐待よりも、もっと惨い内容が濃くなっていきます。 絶対に、読んで良かったと思えるような小説ではありません。 一度読んでしまえば、一生頭の中に残ります。 | ||||
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三人の息子を持つシングルマザーの元に、引き取られた二人の少女。アメリカの田舎町の長閑な風景は、狂気にかられた母親の、目を背けたくなるような暴力によって一変する。 これでもかと畳み込むように、14歳の姉への執拗な虐待が繰り返されるのだ。読み手の顔を歪ませる、おぞましいシーンの連続だが、怒りの感情に囚われて、ページを繰る手を止めることができない。人間の揺れ動く心理が精緻に描かれているからだろうか、監禁虐待という単なるキワモノに終わらない、不思議な力のある物語である。 結末が思う通りにならないのがジャック・ケッチャムだけれど。 | ||||
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使用感は、あるものの、物語を、楽しむうえで、なんの問題もありませんでした。また、よろしくお願いします。 | ||||
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翻訳者の力量のおかげで、臨場感が伝わる。 重い内容だが、文体は「爽やか」という印象を受けた。 また、書評も抜群である。 数年置きに、読み返したくなる作品である。 | ||||
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ここまですっきりしない読後感を味わえる本は他にはないですね。 主人公が、自分の立場から、隣の家に引き取られた少女の生活を語るような話です。 快活で人のいい隣の家の女主人は、少年や息子にもとても優しい人間のはずなのに、なぜか少女にはつらく当たり、やがてそれは暴力へと至ります。 有名な話なので、オチは知っている、という方も多いかもしれませんが、実際に読んだ時の衝撃と後味の悪さは、なかなかないものです。 | ||||
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