■スポンサードリンク


(短編集)



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
鬼
鬼 (集英社文庫)

の評価: 4.04/5点 レビュー 23件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.04pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21~23 2/2ページ
<<12
No.3:
(5pt)

やり場の無い気分

もやもやとした、やり場の無い気分だ。
どの作品にも、予想もしなかった結末が用意されている。
その結末を知った後にも、すっきりとしない、不完全燃焼の様な読後感が後遺する。

著者の構築する世界には、女性的感性と残酷さが同居し、それでいて、微妙な心理の隙間を垣間見せる。
その世界は、現実の世界を描いているにも拘わらず、どこか幻想的ですらあり、短時間で、その世界に引き込まれる。
そして、読後の余韻には、あまり爽快感を伴わず、やり場の無い気分が、しばらくくすぶり続ける。

本作品集には、この様な傾向の短編ばかりが、収録されている。
表題作、および、以外の作品のどれを取り上げても、短編であるのに、余韻が殊の外長い。

装丁は、ソフトカバーの小さな本だが、カバー絵などにも魅力がある。
八篇の短編は、短時間で読了出来るが、本作品集の真価は、本文よりもむしろ、余韻の方にある。

本書一冊で、少なくとも、八日間以上は過ごす事が出来る。
鬼 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:鬼 (集英社文庫)より
4087466647
No.2:
(5pt)

危うい心の隙間に滲み出てくる黒いもの

どの作品も作者がいうようにホラー風味のミステリーには違いない。誰にでも経験があったかのように感じさせる心の狂気や闇が、純粋な形で日常の中に綿ごみのように潜んでいて何かの拍子にふっと舞い上がる。知らずにおけばまた沈んで心の隅に眠っている。怖いことにその感覚は決して消えて無くなっているものではなくいくつかの条件が揃うと何度でも舞い上がる。どの作品も、目隠しをして得体の知れない物体に触る時のような気分になる。上手い作品群だと思う。
鬼 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:鬼 (集英社文庫)より
4087466647
No.1:
(5pt)

土着の恐怖。

サイコ・サスペンスを思わせる心理描写と、日本土着の湿った恐怖が堪能出来る、今邑彩さんによる短編集。収録されている八作品は、異なった趣を持つ作品もあるものの、著者自身が巻末で述べているように、基本的には「ホラー風味のミステリー」と評されるであろう作品群で構成されている。超自然的な要素はあまり見受けられないものの、人間心理の闇を中心に紡ぎ出される狂気的で不気味な世界観は尋常ではない。海外産の恐怖小説では決して味わうことの出来ない、国内産の恐怖小説独特の恐怖であろう。
鬼 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:鬼 (集英社文庫)より
4087466647

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!