■スポンサードリンク


わたしを離さないで



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
わたしを離さないで
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないでの評価: 4.10/5点 レビュー 707件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全544件 161~180 9/28ページ
No.384:
(4pt)

難しかった

凄い内容で驚きました。またこの著者には注目していきます。ゆっくりしか読めませんが・
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.383:
(4pt)

怖い、すごい世界でした。

すごい世界でした。著者の想像力、創造力に圧倒されました。怖い。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.382:
(4pt)

ヒトとヒトとの物語

臓器提供の為施設“ヘールシャム”で育った若者たちの物語。
冒頭から終わりまで主人公キャシーの回想という形で語られ、子供時代から大人時代へと物語が進行します。

決められた訓練と彼らと同じ“提供者”を介護する“介護人”の仕事を経て自らも“提供者”となります。
何度か臓器提供したのち体に限界を迎えた者から“使命を終える”ーつまり死を迎えます。

作中で語られる“友情、性、自分自身、恋に悩む姿”や“限られた生きる時間”は語り手である主人公の性格も手伝い、始まりから最後まで淡々と綴られています。

後半の悲しい場面で悲壮感を無理に出そうとせず淡々と描くところに、作者の登場人物に対する愛を感じます。

登場人物の様々な言動行動の背景には人間だからこその複雑な感情があるところを、
過剰に飾り立てず静かに話が展開するのがかえって物語の残酷さを引き立たせますが、同時に要所要所でハッとさせられる重厚な一冊でした。

ところどころ時系列が飛んで読み手を混乱させる(とくにヘルーシャム時代)ところを除けば、とてもいい本だと思います。

この本が出た当初NHKの書評番組で何回かゲスト達が取り上げていたためこのような本があるのだなあと記憶にはありましたが、
去年10月のイシグロ氏のノーベル賞受賞をきっかけに今回実際に読んでみました。
映画、ドラマ共に見たくなりました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.381:
(5pt)

差別される者たちへの深い洞察と愛情

差別することの不条理と残酷を究極的な形で描いた作品。主人公達に、キャス、トミー、ルースといった通常であれば人種差別を受けることが相対的に少ないであろうアングロサクソン系の名前を与えることによって、普遍性が高まり、読者の感情移入がより容易になっている。隔離され、悲惨な運命が待ち受けることとなる主人公達にも、日々の生活の中で、豊かな芸術性、深い思索、情愛と嫉妬という心のひだがあり、かけがえのない大切な思い出がある。長崎原爆投下の歴史的記憶が作者にこの小説を書かせたのだろうか。日本語翻訳が「ですます調」でなかったほうが良かったかもしれない。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.380:
(4pt)

ノーベル賞

第22で終わっても良いのでは、と思う。
第23章は余韻に浸れるけれども、
作品のテーマは、トミーの叫びに込められているように思うから。
「ルーシー先生が正しいと思う」という叫びに。

カズオ・イシグロを読むのはこれが初めてだったけれど、
読み始めたときは、村上春樹に似ているように感じた、
でも、ラストに近づくにつれて、むしろ大江健三郎に近いのかもと思った。。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.379:
(5pt)

素晴らしい作品でした

心理描写が細かく描かれていて、素晴らしかった。一気に読んでしまいました。読み終えてから、登場人物がいとおしくて、堪らない気持ちになりました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.378:
(5pt)

カズオ・イシグロのすごさを再認。設定も、描写の仕方も、描きだされる物語の視点にも感心。こんなに切ない物語をこのような形で表すなんて!!!

カズオ・イシグロのすごさを再認。
主人公キャシーの人となり、
彼女を取り巻く友人たち、
彼女に関与する大人たちなの登場人物の設定の緻密さに圧倒される。
彼女が回想していく彼女の育った場所や彼女が遭遇した事項の描写の仕方も、丁寧に取り組んだ文章で描写される。些細なことの描写の丁寧さががこの小説をより一層厚みのあるものにしていると思う。
キャシーの独白でほとんどの物語が進んでいくのだが、描きだされる物語の視点にも感心。
主人公は感情を抑え静か語る。
キャシー自身は抑制された感情で物事に対していこうととしているよう鬼思える。
おそらくは、彼女なりの処世術なのだろうが、それが切ない。
全編を通して心を刺激される感じで、じっくりと読みこんだ。
とにかく、切ない小説で、涙がじわっと湧いてくるのを止められなかった。
カズオ・イシグロがノーベル賞なのは当然だと思う。

物語は、本当に哀しく、辛く、切ない。
登場人物たち(キャシー・トミー・ルースなどの生徒仲間、エイミー先生、ルーシー先生、「マダム」などの大人たち)もそれぞれの思いが丁寧に描かれるていて引き込まれる。
個人的には、トミーが一番気になる子だった。
こんなにやるせなく、寂しく、痛々しいお話を、書ききったイシグロの深い文学力にも感心する。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.377:
(4pt)

非常に役立ちました。

原書でも読みました。
原書の読解に役立ちました。
宿命を考えるとき、苛立ちと突破できないか哀れを感じます。
面白い小説だと思う。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.376:
(5pt)

読後感

読み終えた後のやるせなさが、なぜか特攻をテーマにした本と一緒だった。本人の意思とは関係なく駆り出されて死んで行った。
いずれも二度と起きてはいけないことである。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.375:
(5pt)

これから起こるであろう未来に警鐘を鳴らす社会派小説

この本の内容を書評に書くのは愚の骨頂である。
これは何について書かれている書なのか読み進めながら発見していくのがこの本の読み方である。
種明かしはこの本をこれから読もうかと考えている方にあまりにも失礼である。

一言だけ、これは年齢性別関係なく皆さんにお勧めしたい書です。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.374:
(4pt)

こんな不思議な本書くとノーベル賞もらえるのかなぁ…。

この本、読むのは二回目です。
沿い所に読んだ時も、何かわかりにくい本だなぁ…と思いつつ読んだ記憶がある。
そして読んだ後に、そのもやもやした物が払拭したかどうかは覚えていない。

で、今回のノーベル文学賞受賞。一番の代表作がこの本だと知って、再度チャレンジ。
二度目なのだが、やはり読みながらずっと違和感がある。

どこかの国の学校と言うか寄宿舎? 何かの理由で隔離された環境での子供たちのやり取りなのだ。
途中で、何となく「移植のための子供」という言葉や「クーロン」という言葉が出てくる。

しかし何となくはっきりしない。
子供たちはちゃんと学校生活送っているし、それこそ恋愛とかセックスの話まで出てくる。

その移植とかクーロンと言う言葉が出て来なければ、なんてことはない普通の学園物…という感じなのだ。
途中から、提供する側とその提供者を介護する側に別れる。これもよくわからない。

最初思ったのが、望まれない妊娠の子供たちを堕胎せずに、そのまま出産させ、
親から引き離して移植用に育てている学校の話なのか…と言う事。
でもそれも違う感じ。結局クーロンと言うのは、親がセックスしてできた子供と言うのではなく、
細胞を何とかいじくって出来てきた人間なのではなかろうか…(人間と呼ぶのか?)と思っ読み進めたら、
何となくわかってきた気がする。

結局SFなのだが、ここまで普通の生活に溶け込んだ表現されると誤解されるのもむべなるかな…という感じ。
こんな不思議な本書くとノーベル賞もらえるのかなぁ…。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.373:
(5pt)

知りませんでした!

カズオ・イシグロさんの名前は「東大で10時間文学授業をする」?定かではありませんが(私も国文学専攻ですので)、このような書籍を読み、その中にイシグロさんの作品を読んだ記憶があります。そしてノーベル文学賞受賞で改めて思い出しました。夫がテレビっ子でよく録画しており、その中に「私を離さないで」とのタイトルがあった…おそらくしょうも無いアダルト系?カズオ・イシグロさんの作と知り初見しました!!衝撃です!こんな素晴らしい作品を知らなかったなんて……日本版のTV・綾瀬はるかさんの作品は、より日本人にしっくりと理解できるのでは?原作も素晴らしいですが、ドラマ化したプロデュースの方々の熱意も感じました。遅ればせながらカズオ・イシグロさんの作品にじっくり向き合っていきたいと考えております。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.372:
(5pt)

読み返す度に自分の死を考える

一回目は映画の理解のため、
二回目は何が言いたかったのか知るために、
三回目は閉じた世界からオープンな世界の違い
死を受け入れていく現実との対応 少しでも長く生きていたいと思う表現にドッキとした
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.371:
(5pt)

必ず事前知識なしで読んでほしい

本書は事前知識なしで、手探りで、その謎や伏線をたどりながら読み勧めるべき作品である。その結果まさしく稀有な読書体験ができると確信する。
そういう意味では作者の代表作なので主題が有名になりつつあるのが残念。
(~ここからネタばれを含むので未読の方は避けてほしい)
何よりも、キャシーの言う「介護人を終えての静かな生活」の意味を知ったとき、全身の力が失われていくような途方もない虚脱に飲み込まれる。私たちは提供者の運命を知りながらも、ひょっとしたら別の未来があるのでは?と淡い期待を抱きながら読み進めることになるが、それが手放しで打ち消された悲しみは言葉で表すことができない。そしてそれが本当に淡々と語られるからこそ救いのない悲しみがよりくっきりと残される。
その描写は提供者の視点に統一され、いわゆる「一般の人の観点」が本書にほとんど登場しない。このため世界観がぶれずに際立つ特異性を放つ。
SFにも近いモチーフを扱いながらも提供者たちの願いや夢が、万人に共通な甘く切ない幼さをかもし出す点もまたこの作品の特徴でもあるように思う。誰しも子供のころにこんな空想をしたものだと胸が痛めるのではないだろか。
そして私もまた世界の端々にヘールシャムを探してしまうのである。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.370:
(5pt)

和訳本と対比して読みやすく良い本です。

和訳本と対比させながら読みました。思ったより読みやすい内容でよく理解できました。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.369:
(5pt)

人生とはを描き切った作品

こんなに悲しくて、苦しくて、だけどどこか安らかな読後感がありました。
こんなに過酷な運命の下で、それに抗うことなく受け入れていくヘールシャムの生徒達。なんでだろうと思ったけれど、私達もいつか死が訪れることがわかっていて、それを受け入れて今を静かに生きている。結局人生とはそんなものかなと思った。
過酷な運命の下でもヘールシャムの保護の下すごす青春はキラキラと輝いていて、それぞれの関わり合いだとか成長だとか心模様だとか描く技術はさすがと思いました。
私はトミーにすごく心惹かれて、1人運命に一生懸命抗おうとするところも、純粋なところも、それ故の癇癪持ちも、キャスとの最後の場面でのお別れも、とても切なくて愛おしくて、涙が止まりませんでした。名作です。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.368:
(5pt)

静かな筆致がより一層の悲しみを覚える

高度な教育を受け創造性を期待される子供たち。人間以下の存在と嫌われていることに薄々気づきながらも
その身勝手な人間のために、提供者としての運命を全うしようとしている。この様な不条理さに叫びもせず
痛嘆することもなく友人関係を構築しようとする姿は、あまりにも痛々しい。想像を絶する心理状態であろ
う。
 がしかし、作者はあくまでもクールに静かな筆致で物語を紡ぎ続ける。それ故に我々はより一層の怒りと
深い哀惜の念を覚える。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.367:
(5pt)

恋愛小説のようでもあり、ミステリー、SFのようでもあるが・・

作家は男性なのに、なぜこんなに女の子(幼少期から思春期)の心情を微細に描くことができるのか、回想される出来事や会話など、物語への織り込み方も巧みである。
本作は恋愛小説のようであり、ミステリー小説のようでもあり、SF小説のようでもあるが、人間の本質について考えさせられる骨太の作品だった。
ひと通り読み終えて、謎が解け、再度始めの部分を読み返してみたとき、1回目でよくわかっていなかったキャシーの話の意味するところが全て理解でき、かわいそうで切なくなった。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.366:
(5pt)

「お腹がすいているの?では、アンパンをどうぞ!!」---『大人版・アンパンマン』としての『わたしを離さないで』

ネタばれになるため、内容を詳述することはしない。しかし、蓑笠亭がタイトルとして付した「アンパンマン」の台詞が物語る内容を、既読の方はすぐにお分かりになるだろう。そう。この小説に登場する人物たちは、いわば「アンパンマン」になる事を宿命づけられ、生まれてきた「特殊人間」たちであり、そんな彼等の「心模様」(苦悩)を描いた作品が『わたしを離さないで』なのだ。換言すれば『大人版・アンパンマン』である。
 『アンパンマン』の著者であるやなせたかし氏は、「ヒーローはかっこいい存在などではない。しかしおなかがすいている人がいるならば、自分の体を削ってでも、その人を救おうとする心をもった人だ」という意味の発言をしている。それはやなせ氏自身の体験に基づく哲学であるのだが、『わたしを離さないで』の根底にある哲学も、やなせ哲学に一脈通じるものが在ると蓑笠亭は考える。しかしながら、前者と後者の大きな違いは、何であろうか。
 『アンパンマン』が描く世界は、「アンパンマンVSばいきんまん」という「善と悪」の単純な二項対立ではない。アンパンチでいくら叩かれようが、決して滅びることのない「強者ばいきんまん」。一方、ばいきんまんにはめっぽう強いが、その手下であるカビカビルンルンに簡単に腐食させられる「弱者アンパンマン」。さらにはそんな「善と悪の間」で苦悩するロールパンナ。そう。それぞれの存在は、自然界の象徴であるのだ。
 『わたしを離さないで』は、ミステリーでありSFでもある。特殊施設ヘールシャムで暮らす登場人物たちの素性、そして彼らが生まれながらにして背負わされた「宿命」が、項を追うごとに徐々に明らかにされる。そして、最後に迎える物悲しい結末。実世界では、そのようなことは決してありえないだろう。しかしこの作品を名作たらしめているものは、ラスト近くで行われるエミリ先生の告白、及びその後の数十ページで描かれた、キャスとトミーのその後である。ここですべての伏線は回収され、謎は解かれ、登場人物たちの内面もすべて明らかにされるのだ。
 『アンパンマン』と『わたしを離さないで』という二つの名作を隔てるもの。それは「死」であろう。前者においては、ジャムおじさんに新しい顔を用意してもらえることが大前提であるため、アンパンマンはいくら自らの顔を「提供」しても、決して「死ぬ」ことはない。それゆえ、アンパンマンは安心して自らの顔を飢えた人に食べてもらえるのだ。その理由は、「子供向けのまんが(アニメ)に死を持ち込むことは残酷である」という配慮もあろう。しかし自然界の象徴という視点から『アンパンマン』を読み解くならば、「自然界においては『死』と『再生』は表裏一体だからだ」と解釈することもできる。
 タンパク質やアミノ酸などといった「有機体」から出来上がった身体の「死」は、「他の有機体の一部」となって「再生」する。つまり、「再生」は「死」から生じるのである。そういった意味において、「自然界には死は存在しない」のだ。
 では、有機体ではない「人間の心」は、どうであろうか。通常はその「肉体の死をもって消滅する」と考えられるだろう。しかも「いかなる」人間も必ず「死」を迎える。そういった意味において、『私を話さないで』の登場人物たちである「特殊人間」も、その例外ではない。
 しかし「心の再生」も可能なのではないだろうかと蓑笠亭は考える。周囲の人々の「記憶」「生き方」などといったものに形を変え、人間の心も「再生」すると思うのだ。
 そのように考察すれば、この作品のテーマは、「死という到達点を持つ人生における、心の育成」と言ってよいだろう。つまり「人生の価値は、どれほど再生の価値ある心を育成したか」にある。そしてその「心の育成」は、決して一人ではできないのだ。
 『わたしを離さないで』は、どこまでも物悲しく、切ない物語だ。そしてそんな物語を通して「自然界に存在する人間にとって『心』とは何か、『人生』とは何か、そして『死』とは何か」。そんな問いをカズオ・イシグロ氏は、我々に投げかけているのではないかと蓑笠亭は考えるのである。
 
 

わたしを離さないでAmazon書評・レビュー:わたしを離さないでより
4152087196
No.365:
(5pt)

今まで読んだ中で最高峰の小説。ノーベル賞のことだけはある。

今まで読んだ小説の中でも一番良かったと思えるかもしれない作品です。
それはそうでしょう。なんせノーベル賞なんですから。
何がいいかといえば、小説といえば、読んでいてあまり頭に入らない時もあります。
しかしこの小説は、今までになく本当に読みやすいのです。スラスラ文字が入ってきます。
どのページも読みやすいのです。これだけでも特筆すべきことです。
ストレスなく最後まで読み終えた作品は正直今までなかったように思います。

内容はといえば。今現代の問題を比喩的に問題提起しているように思えました。
一部のものだけに偏ってしまった世界に、断絶されたものが利用されて生きるものたちいう感じでしょうか?
これはシェールシャムだけの問題ではありません。
今現在の世界の中で、我々が知らずに生きていて、しかしこのようなことになっていたということが述べられているような気がしました。
登場人物の悔しさはそれに顕れているような気がします。

なぜこの作者が今ノーベル賞に選ばれたのかということも重要です。
そのことを感じながら読んでいて、自分も悲しいシェールシャムの一員ではないかと思うようになりました。
わたしを離さないでAmazon書評・レビュー:わたしを離さないでより
4152087196

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!