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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全544件 321~340 17/28ページ
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5年ぶりくらいに読みました。 設定が哀しすぎます。 それでも生きていくしかありません。 トミーが良い味を出していますね。 こんな世の中は来るのでしょうか。 卵子の凍結とか、もしかしたら、という予兆はあります。 | ||||
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ヘールシャムの子供たちは、なぜこの運命を受け入れるしかないのだろうか。 自分たちの運命を切り開くことはできないのだろうか。 人間の自分に都合の良いエゴが生んだ子供達。 子供達がどんな運命をたどるのかは、物語半ばでわかってしまったが、多くを考えさせる素晴らしい作品だった。 | ||||
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日本生まれの英国人作家カズオ・イシグロの作品を読むのは初めてだ。抑制の効いた文体で丁寧な語り口、しかし、その作品の内容となると「ごく控えめに言ってもものすごく変わった小説」(英米文学研究者柴田元幸)ということになる。この作品の書評はどこまで書いていいのか迷ってしまうほど、背景や人物が一体どうなっているのかということがが、じわじわ分かってくる作品だ。イシグロによるとそのような「謎」はこの作品の核をなす部分ではなく、たとえば、書物の帯に堂々と書いてくれても結構とは言っているが、一方、それを最後まで知ってしまうと、作品に対する興味は半減することは間違いなかろう。ヘールシャムというところの施設に住む、「提供者」と呼ばれる少年、少女たちがやがて成長して、そのまま「提供者」としてのミッションを遂げていくか、あるいはその「提供者」の世話をする「介護人」になって生を全うしていくかという物語である。ページをめくって行くと比較的早くにその意味が「臓器提供者」であり、彼らは、クローン人間であるという推測に至る。彼らの生活や人間関係において決して劇的な事件は起こらない。ただ、「ポシブル」と呼ばれる「自分の親かも知れない人」を探しに小旅行に行ったり、表題の「わたしを離さないで」という音楽を聞きながら主人公の「私」ことキャサリンが枕を赤ん坊代わりに抱いて物思いに沈んだり、カップルになれば、「提供」の時期を延ばして貰えるのではとの期待で先生に会いに行ったり、切なくなるが、本当に物静かな展開(と呼べるかどうか)があるのみ。作者は、このような静かな生活の流れこそが我々人間にとって非常に重要であるということをこのような少しひねったシチュエーションで言いたかったのではないかと勝手に思っている。読後感もきっと読む人によってさまざまではなかろうか。そんな作品である。 | ||||
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以前、ニュース番組の中で大阪大学の石黒教授が紹介していた本です。 ずっと気になっていたのでやっと購入して読むことができました。 星の数ですが気に入ったから5個というわけではありません。私にとってこの本はとても深すぎで、レビューといっても、どのように表現したらいいのか的確な言葉が浮かびません。 この本には非常に引き込まれ、読み応えがあったといいますか・・・すごい本です。 もしかして、こんなことはとっくに起きてるんじゃないかと思わせられてしまい、人間のエゴの深さは際限がないのかと考えさせられました。 生まれたときから残酷な運命が決まっている人がいたとしたら、それは全てにおいて人間のエゴから出来ることだと思いました。 物語とはいえ、彼らの使命が終わった後の世界では幸せになってほしいと思わずにはいられませんでした。 | ||||
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自分自身久しぶりの読書でした。 初めて読む作家で、世界に入り込めるか不安でしたが、抑制の利いた文章と、細やかかつ嫌味のない心理描写により、止まらず読み進むことができました。 | ||||
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とても、悲しい悲しい物語です。静謐な文章で書かれる魂の軌跡が…明かされる真実が、胸に迫ります。 ネタバレされてから読んだこと、そしてこの名著を図書館で借りてしまったことがなんとも悔やまれます。なんの予備知識もなく、まっさらな状態で読みたかった…。(のちに、キンドルで買いました) 読み終わると、悲しくて涙が出てきますが、その余韻は秋風が胸に吹くように切なく、美しいのです。傑作です。 | ||||
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日本生まれのイギリス人作家カズオ・イシグロの作品。 ものすごく変わった小説です。人間的な切実さが人の 胸を打つ物語です。 | ||||
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小説であるが、恐ろしい内容である。介護人を11年しているキャシーの眼から語られていく。それは、ヘームシャムと呼ばれる寄宿舎制の学校である。少年・少女たちの日常が語られる。勉強、仲良しとの遊び、小さいトラブル、子どもたちのどこにでもある風景である。しかし、違うところもある。健康診断が週に1回ある。教師たちは健康に気を配っている。そしてある教師は生徒に言う。「あなた方は特別な生徒です。ですから体を健康に保つことが重要です」、やがて女の子は自分が「子どもが産めないからだ」であることも知っていく。15歳になると、それぞれがグループに分かれて、違う場所に行く。キャシーも数名でグループホームのような生活場所にいく。そこには先輩たちもいた。 このころになると自分たちがどういう存在なのかを、知るようになっている。つまり臓器移植て提供者で、3回までは大体が無事に戻ってくるが、4回目になると死亡する子が多い。無事に乗りきれたら、自由になるという噂もある。グループホームで、ある子の「ポシブル」と呼ばれる「親」を見つけたという話題になる。つまり、その「親」の細胞から自分が作られたのである。探しに行くが間違いであった。こうしたさまざまなエピソードが積み重ねられ、「臓器移植のドナー」として、生み出された子どもたちであることが分かっていく。恐ろしくも、近未来に現実化するかもしれないと思わせる物語である。 著者は5歳のとき父の仕事でイギリスにわたり、定住し作家になった人である。いままでに、王立文学協会賞、ウイットブレッド賞、ブッカー賞(イギリス文学の最高峰)を受賞。 | ||||
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久しぶりに読んだ。最初に読んだときは、まず「しょせんSF」というような気持ちだった。設定のほうに目がいってしまって、早くどういうことなのか知りたいと、どんどんとページをめくっていってしまった。その結果印象の薄い読書となった。 今回は、設定的な謎のことはわかっているので、ヘールシャムやコテージでの人間関係についての心理の揺れ動きなど、じっくりと読むことができた。女性らしい(?)心理描写がきめ細やかで、ちょっとした違和感や小さな気づきを丁寧に救い上げて言葉にしていくその描写に、改めて世界を見直す視点と時間をもらった思いがする。とくに、ぼんやりしていると気づかずに見過ごしてしまうかもしれないこの世界や人生の微妙で複雑で美しい部分に目を向けさせてくれる。人間関係について語り手の深読みが過ぎるように思えるところもあるのだけど、語りから感じられるそういう部分を含む彼女の人間性にもリアリティを感じ、共感を覚えた。 それにしても、ここまでひとりの架空の人格になりきって、ひとつの人生/世界をつむぐことができるというのは驚くべきことだ。そしてこの心理描写にリアリティがあるからこそ、設定も生きてきて、描かれた世界が生々しいものに見えてくる。あの流れの中に立つふたりのイメージや最後の場面のイメージは頭に鮮烈に残ったが、こうした架空のイメージを心に強く刻めることこそ物語を読む喜びだなと感じた。 また、このテーマは一見荒唐無稽だが、この自然界の中で人間がやっていること自体とそれほど遠いことではない。私を含む多くの人は自分たちの安全のために、ある意味ではキャシーたちのような存在に見て見ぬ振りをしているのだ。その事実も改めて目の前に差し出された思いだ。 | ||||
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評価とおり綺麗な商品でしたが、なにか? 評価とおり綺麗な商品でしたが、なにか? | ||||
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テレビでの紹介で興味を持ち読んでみました、色々考えさせられました。 | ||||
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ただひたすら切ない。 この物語の中で一番怖いのは作者があえてはっきりとは書いていない事実。 なぜ彼らは淡々と運命を受け入れるのか? そこに思いをいたらせると・・・・・・・ 近未来の物語であるが、私たちの現実はまさに追いつこうとしている野ではないか。 カズオ イシグロが自分で日本語に訳してくれたらと思いました。 | ||||
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とても切なくてかなしい物語。ある目的を持って人造クローン人間には、心はあるのか? | ||||
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たんたんと、それでいてち密に描写される3人の幼馴染たちの日常。 トミーとキャシー、そしてルースが育った場所が、 単なる孤児院ではなく、ページをめくるごとにその場所の真実や、 彼らが抱える不安と希望の理由が見えてくる。 本やストーリー自体が素晴らしいというものではないけれど、 卓越された文章力にどんどんページをめくってしまう。 「将来がない」と自覚した彼らが、お互いにしがみつくように生きていく姿。 仲間を幸せにすることで、自分の生きたあかしを残そうとしている姿が “哀しい”というよりも“染みた”。 最後の一人へむけられた同情の視線も、 丁寧にエピソードが重ねられているからこそ納得できる。 トミーがキャシーのためにテープを探すエピソードの意味が、 ページをめくるごとに変わってくる。 マダムが語った「わたしを離さないで」の解釈に驚かされ、そして納得させられた。 | ||||
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この本は切ない、本当に切ない。 彼らは「提供者」という宿命に向かって生きているけど、普通の我々と同じように、愛情、友情、怒り、妬み、性欲、所有欲と、人間のあらゆる感情を抱えて生きている。唯一欠けているもの、それは希望。しかし三人は希望を見つける。たとえ希望の行く手に、自分がいないとしても。 その愛と葛藤をドラマチックに描けばそんなドラマになっただろう。しかしカズオ・イシグロは現代イギリスを代表する文学家、そんな安直な真似はしない。あくまで淡々とした語り口で物語を進めながら、いつしか読者は巻き込まれ、クライマックスの高みへと登っていく。細部まで抑制が利いていて、入念に構成されていて、かつ我々を仰天させてくれる小説、という巻末の解説に、もはや付け足す言辞はない。 そして読み終わって思う。普通に生きられる我々は、希望を持って生きているかと。 | ||||
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結末を言う訳にいかないのが残念です。 皆読んでください。 一気に、カズオ・イシグロさんが大好きになりました。 | ||||
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読後数週間が経ち、「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」という言葉を思い出した。 もし本作品の主人公たちと、現実社会に生きる我々をこの言葉で一括りに出来るとしたら、彼等と僕等との違いは何なのかと考える。 目に見える違いといえば、彼等は子孫を残せない事、必ず誰かに提供する事、決して長生きできない事。 でも、本当の違いはそんな事なのだろうか。 実のところ決定的に違うのは、彼等は必ず誰かの役に立ち死んでゆく、という事ではないだろうか。もし僕等が死に際に一生を振り返った時、実際に誰かの役に立ったなどと、思い起こす事ができるのだろうか。 読了直後から暫くは、作品中の彼等の過酷な運命に対し、哀れみの様な感情を抱いていた。しかし、本当に哀れみを受けなければいけないのは、現実社会に生きる僕等の方ではないかと感じた。 最期の役目を終えて、人知れず息を引き取る彼等の姿を想像してみると、それはとても穏やかな表情だったのではないかと思う。 | ||||
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ここ最近読んだ外国人作家の小説ではピカイチ! 僕の最近の読書は、本当に面白い小説に恵まれています。 この本は映画を先に観てから、一年ほど経過した2013年に読んでいます。 なぜ一年置いたかというと、映画があまりにも面白かったので、その余韻のまま本書を読みたくなかったのがその理由 そして、、、一年置いたかいがありました! 久しぶりに夢中になって読みふけってしまいました。 抑制の効いた文章。精緻に組まれた構成。伏線や謎がラストで収束していく時のカタルシス。 どれをとっても最高の小説です。 もし本書を読みたいと思っている方はぜひ映画も御覧ください! ストーリーへの没入感がさらに増すこと請け合いです。 本物の小説体験を望んでいる方にぜひ読んでいただきたい小説です。 | ||||
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文章の中ではいくらでの表現できるけれども、現実としての再生は・・・・・・ 映画化されているみたい(見てはいない)だけれども、内面をどれだけ描き出せるのか? 言葉の持つ現実感は、リアルを超えることがあると実感させてくれる作品でした。 | ||||
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沖縄にある放送局のインターネットラジオに、映画に関する優良な番組があり、そこに取り上げられ、この作品を知った。 静かなサイエンスフィクション、と。 読んでみると、静かながら読後に腹の深いところから大声を出して泣きたくなるような、特異なものを描きながら普遍なジレンマとして読み手の深いところを揺さぶられる。 ブレードランナーの最後、鳩が空へ羽ばたく光景が思い浮かぶ。 あの鳩が本当に飛び立ったのか、鳩など本当はこの世界にいやしないのではないかと、そんなことを思った。海辺の鉄線に引っかかったビニールゴミのはためく音が、鳩の羽音と重なったからかもしれない。 そんな音はとこにも書いていないけれど。 | ||||
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