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風の影
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風の影の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全89件 41~60 3/5ページ
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週刊文春2006年 海外2位 このミス2007年 海外4位 闘うベストテン2006年 海外2位 全世界で絶賛の嵐であっても、なかなか手にとる機会がなかった本書。スペインものという土地鑑(?)がないゆえに敬遠していたのが事実なんだが・・・ 読まなかったならば大後悔してしまうだろうほどに、感動をくれた傑作。皆が良いというものに賛同してしまうのは、ちと悔しいが、お手上げである。 ビルディングスロマンには、そもそも弱いのだが、ものがたりの重厚なつくりや、キャラクター造形の巧みさがあいまって、感動が押し寄せてきてしまった。特に真相が(ほぼ)明らかとなる「ヌリア・モンフォルト−亡霊の回想」の章はヌリアのせつなくて、温かい心のうちが、胸をうつんだよなぁ。本書を読了した後、カバーイラストを見ると、本書の雰囲気を良くあらわしていることに気づく。子供にもいずれ読んでもらいたい作品である。 《忘れられた本の墓場》シリーズの続編がなかなか翻訳されないんだが、4部作すべてが出版されるまで10年以上かかってしまうかもね。名訳者のご苦労が偲ばれる。 | ||||
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これは…面白い! 早く先が読みたい、でも読んだらいつかこの物語が終わってしまう… 終始そんな気持ちで読みました。 言い回しがいちいち格好いい。 何度も声に出して読んでしまう。 登場人物がいちいち格好いい。 下巻のp289の最後とか大好き…フォルトニー! 読み終わった今は、これからずっと続くであろう、 彼ら3人の生活を想ってニヤニヤしています。 間違いなくお勧めです。読めてよかった! | ||||
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この小説にはありとあらゆる要素が詰まっています。 恋愛、謎、冒険、それがまとまった形として、 ひとつの物語として、完成されています。 読み終わったあと、胸が一杯になりました。 サフォンはすごい作家ですね。 | ||||
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超つまらない小説だった。 忘れられた本の墓場が、主人公の人生とうまくからみあってこないから、 まったく物語として盛り上がりに欠ける。 結果、上下巻通して、つまらない主人公の人生を読まされるだけである。 こんな本がベストセラーになるなど、まちがっている。 まちがっても、人にはこの小説をすすめたりしない。 | ||||
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内戦の傷がまだ癒えないフランコ独裁時代のスペインを描いた作品。 古書を題材としたサスペンスということで、あまり期待はしていなかったが、予想に反してすごく面白かった。 サスペンスというよりは、悲しいラブストーリーだが、話が幾層にも重なり、それぞれが糸のように絡み合い、複雑な人間関係を描きながら、一直線に結末まで持っていく力強さは読ませる。 ただ、それぞれの愛の物語の描写が薄いような気もする。盛り込みすぎなのかもしれない。 この作家のほかの作品も読んでみたい。 | ||||
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ダニエルとフリアン、現在と過去の二つの青春....バルセロナの街に深く刻まれた光と影。面白くて面白くて、寝ないで一気に読み上げました。男も女も、みな魅力的、なのにその愛は一方通行...。読めば、謎は深まる一方、けれど誰かが語るその謎の訳。久しぶりに、せつなくて、泣けて、その愛の深さに驚き韓国ドラマも真っ青です。バルセロナの地図を開いて、「忘れられた本の墓場」やスペインの芸術の巨匠たちのたまり場、四匹の猫(クワトロガッツ)を探索し、スペイン内乱という現代史を学ぶのも、また一興。ダニエルの父の古書店「センペーレと息子書店」、命名もなんと味のある事か。 | ||||
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★5つでは足りないかも。 サスペンスでもあり文学の香りも芳醇。 魅力的な人物達と秀逸なストーリーで 頁を繰る手が止まりませんでした。 影の濃いバルセロナを歩き回りたくなり、 おまけに、 著者の次作を待つ身の辛さも頂けますよ。 | ||||
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文庫本で二巻、800ページくらいあるこの本の最後の10ページくらいまで読み進んできて、僕は涙で目があふれてとても読めないくらいになった。この本を読んでそうならない人がいたら、よっぽど自分は卑劣な人間と思った方がよい。ところで、少し手前味噌だが、この本の読後に「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著という本をもう一冊読むことをお薦めする。二つの本は全く無関係のように見えて、キーワードという点において一致する面がある。17世紀のオランダの画家・フェルメールの解明と、スペインの作家・サフォンにどんな関係があるのかと訝られるかもしれない。例えば”闘牛士”や”フリーメーソン”という両方の本に登場するキーワードは、フェルメールなら「紳士とワインを飲む女」に使われている。”セラフィム(熾天使)”の場合は、色の組み合わせとして「牛乳を注ぐ女」にというわけである。ふたつの本を慎重に読めばキーワードは両方ですぐみつかる。また、「風の影」という題名の本の著者を主人公にした小説のそのまた著者が同じ書名で本を書くという入れ子構造になっている。これはフェルメール論の本「宇宙に開か・・」の表紙の絵の構造そのものである。つまり画中画を問題にしている。 | ||||
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ここ数年で読んだいわゆる純文学という分野の中では最高の作!! 長いけど、ま、ともかく読んでみてと誰にでもすすめたくなります。 村上春樹ファンで彼の小説はたくさん読んだけど、最近読み終わった後に欲求不満が残るというか、もっとちゃんと終わって欲しいと思うようになったのだけど、サフォンの小説は終わった後十分満足感がありました。といえばわかってもらえるかな? | ||||
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霧のバルセロナの雰囲気が、まるでそこにいるように感じられる。圧倒的なストーリーの面白さ。2つの時代が互いに交錯し、いろんな予想をうれしく裏切るラストシーン。これまで読んだなかで最も面白かったといえる小説の一つである。 | ||||
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もし「ミステリー」という触れ込みがなかったら、多分この作品は読まなかったでしょう。 (単純に、ミステリー好きというだけですが) 出版社の思惑に、まんまと乗せられたわけです。 それでも、上巻で挫折することもなく、最後まで読み通し、読んだことを後悔もしていないので、つまらない小説というわけではありません。 でも、好みの分かれる作品だと思います。 「風の影」というタイトルから、はかなく、かそけく、しかしどこかにさわやかさもある物語を想像していましたが、もっとずっと濃厚で陰鬱な作品でした。 日本とバルセロナでは、風に対するイメージが違うのかもしれません。 (著者のバルセロナ愛はいいですね♪) 登場人物たちの愛のかたちに共感できるかどうかが、好き嫌いの分かれ目になると思います。 そういう意味での☆2つです。 | ||||
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2006年7月に日本版はリリース。既に37カ国で翻訳出版されていて、スペインの現代小説では史上空前のロング・セラーになっている。 作者のカルロス・ルイス・サフォンは1964年バルセロナ生まれ。勤めも全く辞めてしまい、外の世界がオリンピック開催に湧く中、小説を書き始めている。この見事な文体に到達するまで大変な苦労をしたようだが、そういった『影』は余り感じられない。むしろ『喜び』に満ちている気がする。平行線手法の魔術と訳者の表現している小説手法が実に見事で、過去と現在、フリアンとダニエル、ペネロペとベアトリスが見事に交錯する。そして実は100人以上登場する人物たちがどれも生き生きと動き、謎を深める。 面白い本というのはどれも同じなのだがページをめくるのがもったいなくなってしまう、という共通点がある。この本は正にそれにあたる。これはスゴイと読み進むうちに思うからだろう。ある意味この本はミステリーでもありながら恋愛小説でもあり、ファンタジーでもある。是非とも映像化して欲しい作品だ。 | ||||
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1945年、10歳だったダニエルは父に連れられて「忘れられた本の墓場」に やってきた。そこで出会った1冊の本「風の影」に、ダニエルは強く心を揺さぶら れる。謎に満ちた作者フリアン・カラックスについて調べようとした彼は、やがて 深い闇に足を踏み入れることになる・・・。 フリアンの著書を全て世の中から消し去ろうとする男が、「風の影」を執拗に 追い求めていた。「男はなぜそんなことをするのか?」そして、謎に満ちた作者 フリアン。ダニエルが真実に一歩ずつ近づいていく。一枚ずつベールを剥ぐように 見えてくる過去の出来事。そこには人間のさまざまな感情が渦巻いていた。それは、 読み手を圧倒する。人が人を愛する心、人が人を憎む心、この二つは時がどんなに 流れても決して消え去ることはない。読んでいて、前者では感動を、後者では戦慄を 味わうことになった。作品後半では、フリアンの過去とダニエルの現在とが微妙に 重なり合ってくる。ダニエルの未来に待っているのは、フリアンのたどった道なのか? どんな結末が待っているのか?作者は読み手をしっかりとらえ、最後まで離さない。 私も一気に読んでしまった。恋愛とミステリーが絶妙のバランスで融合した、読み 応えのある作品だった。 | ||||
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本屋で平積みになっていたこの作品を、何気なく手にとったら、1ページめから、引き込まれました。他の方のレビューにもありましたが、久々に素晴らしい読後感を得ました。もちろん、感想は読み手それぞれで違うでしょう。でも敢えて多くの人に読んでみて欲しいと思います。゛感動″や゛考えさせられる″といった言葉では表現しえない著者、翻訳者、そして読み手が造り出す感情に出会える気がします。私にとってこういった本に出会えることは、幸せな反面、次いつ出会えるのかと、少し悲しくなります。ともかく、次回作が出るそうなので、楽しみに待ちます。ある著者の作品を待つのも、久々なことで幸せですね。 | ||||
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上巻最後、大勢の中から主要人物が浮き上がり、役者が揃った。 カラックスの身に起こった悲劇が、いよいよ明かされ始めるのか? と、盛り上がって読み始めた下巻だが、あまりの悲惨さにヘコんでしまった。 なぜこんなにも陰惨なのか? 内戦、世界大戦、独裁政治という時代のせい? 先が気になり一気にラストまで読みつつも、最後まで立ち直れず、すっかり物語に置いてけぼりにされてしまいました。 過去の人々にも愛情や友情があった。 けれどもあまりに不幸な人、孤独な人が多すぎる。 もう少し誰か何とかしてやれなかったものか、どこかに希望はなかったのか、胸が痛みました。 一方、ミステリーとして、とても魅せられました。 部分的に語られる過去、見えたかと思えば覆され、死者と生きている人が現れては消え、複雑に絡みあって収拾がつかないと思いきや、破綻なく見事に全容が明かされる。 地の文も会話の読みやすく、とても好みです。 ダニエルと父親、フェルミン、その他の人々の絆は素晴らしく、ハッピーエンドを願ってやみません。 ただ、これは反則では?という箇所もあり。 それにラストがちょっと雑ではないか? など、あれこれ言いたいことのある作品でした。 | ||||
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とてもすてきな物語です。この作品を好きにならない本好きがいるでしょうか。 主人公の少年ダニエルが古い書庫で見つけた謎の小説の作者を探して刑事や亡霊につけまわされながらいろんな人に出会い成長していく、ミステリ要素のある青春物語です。 「忘れられた本の墓場」のあやしく魅力的な雰囲気、謎の過去を持つ陽気な相棒フェルミンを始めとした大人たちがダニエルの成長を見守る温かいまなざし、若くまっすぐな、命をかけた冒険と恋。 なかでも、小話めきますが、養老院への侵入手口と、後日談がほほえましくて好きです。 亡霊に悩まされたり命の危険に晒されながら失踪した作家の過去を紐解き追跡するという暗い長編なのに読後こんなにも爽やかなのは、登場人物の純粋さと、舞台となったバルセロナという街の明るさのせいかもしれません。 | ||||
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久しぶりに素晴らしい小説に出会った気がする。 第二次大戦後の無政府状態から独裁政治へと移行する暗い時代背景の中で、暴力が支配するバルセロナを舞台に、魅力的なキャラクターの登場人物達が、激しい愛憎の中で翻弄される様が描かれる。 タイトルの風の影(The Shadow of the Wind)は、主人公のダニエルが11才の時に、手にした小説のタイトルである。この小説に惹きこまれたダニエルが、作者のフリアン・カラックスについて調べ始めたことを契機に、思いも寄らぬ事件に巻き込まれる。 本書の構造はかなり複雑だ。ダニエルと親友の妹との許されぬ恋と、それに20年ほど先立つフリアン・カラックスとペネロペの許されぬ愛が主題ではある。但し単なる恋愛小説ではなく、特に後者のフリアン・カラックスに関しては、両親との愛憎、友人達との間の深い友情と、それを上回る激しい憎しみと裏切りが交錯する、息詰まるような濃密な関係が描かれる。そして別々に展開していたダニエルとフリアンの世界が、次第に重なり合っていくことになるのだ。 決して気軽に楽しく読める小説ではなく、どちらかといえば重いが、見事に構成されたストーリーと魅力的なキャラクターが揃った本書は、小説を読む醍醐味を味わうことが出来る傑作だ。また日を改めてじっくり読み返してみようと考えている。 | ||||
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主人公「ダニエル」が一冊の本を手に入れたことから物語が始まります。 その本の作者「フリアン」の謎と過去が徐々に明らかになっていきます。 この本は、ミステリー、サスペンス、恋愛等色々な要素が入っており、様々な人生が描かれています。 上巻のテンポが遅すぎて冗長な感は否めませんが、一気に色々な謎が解けていく下巻はテンポ良く読み進めていけますし、丁寧な描写も相まって全体を通して評価すれば優れた作品と言えるでしょう。 上巻は、色で例えるとセピア色で、下巻の後半からカラーになるという感じですかね。 舞台はスペインの内戦後の時代ですが、ある程度この時代の文化的背景が分っている、良く理解しながら読み進める事が出来ると思います。 そういう意味では、訳者のあとがきを先に読んでから、本編を読み始めるのも一興かと思います。 | ||||
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一応ミステリでもあるので、 ネタばらしを避けるため詳しくは紹介しない。 「ローマの休日」等の映画やTV、 画像表現をボロクソに言っている本好きの為の本である。 視覚イメージを惹起する直喩を多用した文が素晴しいので、 皮肉な事に映画化には相応しい作品である。 自分の作品がベストセラーになることをのみ望んでいる 金銭欲と名誉欲の塊は、 本書の(影の)主人公に思い知らされるがよい! そして、風はガルシア=マルケスを読み解くキーワード。 スペイン言語圏が、 セルバンテス、マルケスに継いで、 また一人の天才を生み出した! カルロス・ルイス・サフォンの今後に注目せよ! | ||||
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会話の中で「それって、・・・」「・・・じゃないですか」という箇所が幾つかあります。ひどいではありませんか。明治の初めに、西欧の原文を日本語に訳すために悪戦苦闘した先達の苦労を思い起こしていただきたい。日本語を破壊するような翻訳をしないでください。 | ||||
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