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風の影



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【この小説が収録されている参考書籍】
風の影 (上) (集英社文庫)
風の影 (下) (集英社文庫)

風の影の評価: 4.24/5点 レビュー 89件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.24pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全69件 1~20 1/4ページ
No.69:
(5pt)

「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』を書いた謎の作家フリアン・カラックスとは

『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳、集英社文庫、上・下)は、こういうシーンから幕が上がります。1945年、スペインのバルセロナ。靄が立ち籠める夏の早朝、10歳のダニエルは古書店主の父親に連れていかれた、無数の書物が眠る「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』に強く惹きつけられます。その本を書いた謎の作家フリアン・カラックスとはどういう人物なのか、ダニエルの粘り強い探求が始まります。

「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。

冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。

その理由は、3つにまとめることができます。

第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。

第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。

第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
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No.68:
(5pt)

私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説

『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳、集英社文庫、上・下)は、こういうシーンから幕が上がります。1945年、スペインのバルセロナ。靄が立ち籠める夏の早朝、10歳のダニエルは古書店主の父親に連れていかれた、無数の書物が眠る「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』に強く惹きつけられます。その本を書いた謎の作家フリアン・カラックスとはどういう人物なのか、ダニエルの粘り強い探求が始まります。

冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。

その理由は、3つにまとめることができます。

第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。

第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。

第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
風の影 (下) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (下) (集英社文庫)より
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No.67:
(5pt)

圧倒的な物語性のミステリー

昨年末の日経新聞書評欄は、恒例の「今年の私の3冊」だった。
その中で誰かが、この本を推していた。
正確には、この『風の影』を第一部とするシリーズが、第四部で完結したのを推していたのである。
第三部が1冊である以外は、各部上下2冊で計7冊。
読むかどうかと迷ったが、取りあえず第一部を読んだ。

舞台はスペイン内戦をはさむ時期のスペイン・バルセロナ。
古本屋の息子の主人公は、父に連れられて「忘れられた本の墓場」に行き、そこで『風の影』という小説を手に入れる。

その小説の作者とは何者なのか、どうしてその作者の小説は世の中に出回っていないのか。
探るうちに、何物かが、その小説を見つけては燃やして廃棄しているという事実に突き当たる。

まるでファンタジーのような出だしだが、話が進むうちに主人公の世代と、謎の小説家の世代の悲恋が錯綜し、重層的なストーリーが展開していく。
話についていけず、何度か前のページに行きつ戻りつする。
が、そこに描かれている登場人物たちの造形はどれも深みがあり、まるで古典のような重厚さがある。
翻訳者によれば、バルザックやユゴー、ディケンズのようであるという。
ストーリーも二転三転四転し、ミステリーとしても申し分ない。

読み終わって、深い読後感にたゆたう。

読書の醍醐味を味わうことができたのである。

しかも、まだ第一部。

第四部まで1カ月くらいは楽しむことができそうである。

いい作品に巡り合えた。
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
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No.66:
(5pt)

圧倒的な物語性のミステリー

昨年末の日経新聞書評欄は、恒例の「今年の私の3冊」だった。
その中で誰かが、この本を推していた。
正確には、この『風の影』を第一部とするシリーズが、第四部で完結したのを推していたのである。
第三部が1冊である以外は、各部上下2冊で計7冊。
読むかどうかと迷ったが、取りあえず第一部を読んだ。

舞台はスペイン内戦をはさむ時期のスペイン・バルセロナ。
古本屋の息子の主人公は、父に連れられて「忘れられた本の墓場」に行き、そこで『風の影』という小説を手に入れる。

その小説の作者とは何者なのか、どうしてその作者の小説は世の中に出回っていないのか。
探るうちに、何物かが、その小説を見つけては燃やして廃棄しているという事実に突き当たる。

まるでファンタジーのような出だしだが、話が進むうちに主人公の世代と、謎の小説家の世代の悲恋が錯綜し、重層的なストーリーが展開していく。
話についていけず、何度か前のページに行きつ戻りつする。
が、そこに描かれている登場人物たちの造形はどれも深みがあり、まるで古典のような重厚さがある。
翻訳者によれば、バルザックやユゴー、ディケンズのようであるという。
ストーリーも二転三転四転し、ミステリーとしても申し分ない。

読み終わって、深い読後感にたゆたう。

読書の醍醐味を味わうことができたのである。

しかも、まだ第一部。

第四部まで1カ月くらいは楽しむことができそうである。

いい作品に巡り合えた。
風の影 (下) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (下) (集英社文庫)より
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No.65:
(5pt)

嫉妬をしたくなるほど情景描写が上手。

僕自身も小説を書くがこんなに上手には書けない。
まずプロローグの導入文を読んでよくもまあ第二次世界大戦後のそれこそ新しい歴史を作る時代の描写がここまで上手にできるもんだって感嘆しましたね。
甘い文章の割には日本のケータイ小説にありがちだった下品さが一切なく上品だし。
本自体を舞台にした小説だけあってその本の小ネタが読書家としては読みごたえがあるし、そういう教養小説の定番である少年の成長物語だった。
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No.64:
(5pt)

魂の愛‼

仕事をやめて、TVや本でミステリー、ハードボイルドなどを暇つぶしに見ている。評価が高く、ミステリーの文字につられて、この本を読み始めた。上巻は下巻に期待しつつ数日もかかり読んだ。下巻は後半は一気読みしてしまった。第一印象は、なかなか面白かった。その晩はそれで寝てしまった。ところが、明け方近くベッドの中で、なぜか解からないが、突然に、これはダニエル、フリアン、ヌリア、ミケルなどの人たちの「魂の愛」の話だと理解した。
 昔、チャップリンのライムライトを劇場で観たことがあるが、数年前にTVで放送されたのでダビして見直ししていた。チャップリンが最後に「heartとmind」について言っていたが、字幕では「心臓と心」となっていた。訳としては間違いないが、でも「心と魂」ではないかと私は感じた。男女や年齢差による、心の愛ではなく、魂の愛についてチャップリンは語りたかったと思う。老いらくの恋では決してない。
 フランコ独裁下で弾圧を受けたカタルーニャを舞台として、魂の愛を貫き、それぞれ糸となって織りなした人たちの物語である。これは改めて、じっくりと読み直す必要がある。
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4087605094
No.63:
(5pt)

満足です。

説明の通りで満足です。
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No.62:
(5pt)

スペイン内戦

スペイン内戦とバルセロナの地理を知っていれば数倍楽しめるし、それらを知らなくても十分面白い作品。
作者が若くして亡くなってしまったのが残念でたまらない。
これはミステリーなのかダークファンタジーなのか?
いずれにせよ私は彼の未翻訳の作品も手に取りたいと思えた。
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
4087605086
No.61:
(5pt)

物語の力

これほども「物語る」ということの魅力にあふれた作品に出合ったのは久しぶりだった。
 本書は二〇〇一年に出版されると、スペインの現代小説では類のないベストセラーとなり、多くの「サフォン・マニア」を生み出した。日本でも賞を取っているのでご存知の方も多いかもしれない。だがもしかしたらまだこの本と出合っていない幸福な読者の為に、この本について少し書いておこう。 
 舞台は一九四五年のバルセロナ。私たちが思い浮かべるスペイン―太陽と美食とガウディの国―のイメージとは違い、この小説の中の町並みにはまだ内戦の残り香が漂っている。主人公ダニエルは一一歳の少年。幼いころに母をなくし、古書店を営む父と二人きりで暮らしている。そんなある初夏の早朝、父に連れられて「忘れられた本の墓場」を訪れたダニエルは、「風の影」という本と運命的に出会う。そして著者、フリアン・カラックスを調べるうちにその本を取り巻く世界に巻き込まれていく。
傑作を残しつつも世に出ることのなかった悲劇の作家、フリアン・カラックスとは?彼の本を焼いて回っている、死神の名前を持つ顔のない男はいったい何者なのか。そして内戦時代に暗殺者として活躍した残忍なフメロ   刑事はなぜ、ダニエルの前に姿を現したのか。ダニエルは過去のある男、フェルミンの手助けを得ながらその核心に迫るのだが、そこに様々な困難が待ち受けている。
そんなミステリー仕立ての作品だが、ただのエンターティメントには収まらない。そうさせているのがこの本の「近代史」としての側面と「物語」としての側面である。
著者は一九六四年生まれ。にもかかわらず本書は内戦時代のスペインを描くのに一章を費やしている。そればかりではない。登場人物の多くが内戦で傷を負い、人生を狂わせてきた。内戦がなかったらこの物語はなかったかもしれない。登場人物の一人、ヌリアは述懐する。「戦争は、忘れることをえさにして大きくなっていくのですよ(略)戦争に記憶はないし、誰もあえて戦争を理解しようとしない。(略)すると戦争は、顔を変え、名前を変えてもどってきて、後ろに残してきたものをむさぼり食うのです(下三二七頁)しかし、登場人物たちは影のようにその内戦の記憶を引きずっている。そのような視点から本書を読んだ時、歴史そのものがもう一人の主人公であるように思えた。
次に「物語」としての側面を見てみよう。「物語」とは何か。物語とは思うに、ある一人の人間が世界と出会う過程である。読者はその体験を追体験することで新たな世界に出会うことができる。
 この本においては、主人公ダニエルが憧れに近い初恋、親との葛藤、親以外の大人との信頼の確立による精神的自立、同世代との友情、現実的な愛の発見などを経て成長していく様子など「物語」の要素が多分に含まれている。
 二〇一〇年二月一六日の朝日新聞に、「ゲド戦記」を翻訳した清水眞砂子の最終講義の様子が載っていた。清水は「すぐれた子どもの本は『大きくなるって楽しいことだよ。生きてごらん、大丈夫』と背中を押してくれるもの」だと語る。これは児童文学に限らず、すべての「物語」に対して言えることなのではないだろうか。
 この本においては人間のあらゆる側面が描かれている。卑怯な側面、残酷な側面もあれば、優しい側面、高貴な側面も。そして何よりも描かれているのは「人間はいつだって変われるのだ」ということ。そんな希望を与えてくれる作品に出会えたことに感謝したい。
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No.60:
(5pt)

今まで読んだ中では最高の作品です。
友人にお勧めで購入しました。
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4087605086
No.59:
(5pt)

今まで読んだ中では最高だった作品です。
友人のお勧めで購入
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4087605094
No.58:
(5pt)

素直に面白い!

もったりした始まりだと思っていたら、気づけばあっという間に読み終わっていました。せつないロマンスミステリー。お薦めです。
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No.57:
(5pt)

全ての文学、読書愛好家へ

"その本は、ある書棚のいちばん端で、遠慮がちに顔をのぞかせていた。ワインカラーの表紙で、ささやくようなタイトルの金文字が、丸天井の高みからこぼれおちる光のなかで燃えていた。"2001年発刊の本書は《忘れられた本の墓場》シリーズ第1部にして、全世界37ヵ国で500万部突破のベストセラー。

個人的には随分前に買ったまま、積ん読状態になっていたのですが。自宅待機が続く中、ようやく手にとったのですが。。ごめんなさい!?最初に言っときますが【この本とても面白いです!】上下2巻で計約800ページあるのですが。面白すぎて一気に読み終えてしまいました。

さて、そんな本書はスペインはバルセロナを舞台にしてダニエル少年が古書店を営む父親に連れて行かれた『忘れられた本の墓場』で謎の作家フリアン・カラックスの『風の影』という本に出会ったことから、混乱の中にあったスペインの歴史を背景にした愛と憎悪の物語が次々に展開していくわけですが。

まず最初の導入部『この世から失われた全ての本がたどりつくところ』忘れられた本の墓場。そこでの謎に満ちた作家との出会い。に【本好きとしてはまんまとそのミステリアスな設定にぐいぐいと引き寄せられてしまう】わけで。この時点で早くも作中世界に容易く連れ込まれてしまいました。

また、そうした導入部からの少年の成長・青春物語、ミステリー、ホラー、文学オマージュといった盛りだくさんな要素を贅沢に詰め込みながら、また様々な魅力的な人物たちが登場するも決して破綻することなく【全てが多重奏の様に絡まって大団円を迎える】終わり方もとても読後感がよく、素晴らしいと感じました。一級のエンタメ作品ですね。いや本当によく出来ています。

全ての文学、読書好きな皆様へ。またスペインはバルセロナを舞台にした作品を探す人にもオススメ。
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
4087605086
No.56:
(5pt)

全ての文学、読書愛好家へ

"その本は、ある書棚のいちばん端で、遠慮がちに顔をのぞかせていた。ワインカラーの表紙で、ささやくようなタイトルの金文字が、丸天井の高みからこぼれおちる光のなかで燃えていた。"2001年発刊の本書は《忘れられた本の墓場》シリーズ第1部にして、全世界37ヵ国で500万部突破のベストセラー。

個人的には随分前に買ったまま、積ん読状態になっていたのですが。自宅待機が続く中、ようやく手にとったのですが。。ごめんなさい!?最初に言っときますが【この本とても面白いです!】上下2巻で計約800ページあるのですが。面白すぎて一気に読み終えてしまいました。

さて、そんな本書はスペインはバルセロナを舞台にしてダニエル少年が古書店を営む父親に連れて行かれた『忘れられた本の墓場』で謎の作家フリアン・カラックスの『風の影』という本に出会ったことから、混乱の中にあったスペインの歴史を背景にした愛と憎悪の物語が次々に展開していくわけですが。

まず最初の導入部『この世から失われた全ての本がたどりつくところ』忘れられた本の墓場。そこでの謎に満ちた作家との出会い。に【本好きとしてはまんまとそのミステリアスな設定にぐいぐいと引き寄せられてしまう】わけで。この時点で早くも作中世界に容易く連れ込まれてしまいました。

また、そうした導入部からの少年の成長・青春物語、ミステリー、ホラー、文学オマージュといった盛りだくさんな要素を贅沢に詰め込みながら、また様々な魅力的な人物たちが登場するも決して破綻することなく【全てが多重奏の様に絡まって大団円を迎える】終わり方もとても読後感がよく、素晴らしいと感じました。一級のエンタメ作品ですね。いや本当によく出来ています。

全ての文学、読書好きな皆様へ。またスペインはバルセロナを舞台にした作品を探す人にもオススメ。
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4087605094
No.55:
(4pt)

尊敬するアンドレス・イニエスタも推薦していた本

フットボールレジェンドのイニエスタが「好きな本」として挙げていたので拝読。
爽やかなファンタジーを想像していたが、読んでみたら非常にダークで残酷な物語だった。
上巻はかなり読みにくく、下巻から急に物語が動き、一気に読めます。
個人的には、本書の深いテーマはスペイン内戦とその悲劇だと思う。
スペイン、カタルーニャ、バルセロナ、イニエスタが好きな人は必ず読んだ方がいい本。
繰り返すが、上巻は時間がかかる...
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4087605086
No.54:
(5pt)

心に別の世界を。

小説の醍醐味とは、別の人生を生きることだと思う。別の世界に生き、別の人生を垣間見る。人間は一つの人生しか生きられないけれど、天はその代わりに小説を与えた。それを存分に味わえる作品。
わざと通俗小説っぽいアイテムを出してきたり、すごく、本好きの心を知っている。。
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4087605086
No.53:
(5pt)

「忘れられた本の墓場」という言葉から始まる物語。

スペイン内戦が終わり、フランコ政権下でファシスト体制が敷かれていた頃でしょうか。コレラで母親を亡くした少年ダニエルは、本の墓場で1冊の本「風の影」に出会い魅了されます。作者の謎に満ちた人生を追い、その過程で出会った愛と恐怖の数々。 スペインの明るい空なんてどこにも出てこなかったような気がします。暗い闇の中にさらに暗い影が隠れているようで、楽しみに(下)に行きます、とは書けないほど怖いのですが…。
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
4087605086
No.52:
(5pt)

物語の世界に呑み込まれる不思議な感覚

アマゾンで次に読む本を探してサーフィン。先に読んだガウディに関する本からバルセロナが舞台のミステリー「風の影」に辿り着く。
題名の「風の影」はこの物語の中の本の題名。主人公の人生が、その本の主人公の人生とラップしていき…読んでる僕も不思議な感覚を覚える。上巻読み終わって続きが超気になる
風の影 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (上) (集英社文庫)より
4087605086
No.51:
(5pt)

これまで出会った小説の中でベスト3に入る

圧倒的な物語でした。上巻からどんどん引き込まれて、最後は一気に。登場人物が生き生きと描かれ、描写の素晴らしさはこれまでに出会った小説の中でも最高。
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4087605094
No.50:
(5pt)

大切なものを守ろうとする人々の思いが伝わってくる作品です。

重ねられた物語が、こちから、あちらから、と少しずつ読み解かれていき、最後に壮大な1冊になりました。それまでの緊張感がすごい。内戦と黒い警官と一族の崩壊。そして、行きつく先に破滅が待っているかもしれないのに抑えきれない愛。ずっと暗い描写が続きましたが、怖ろしい罠にかかっても友情や人間らしさを失わなかった人々にやさしい光がさしてきて、その奇跡をかみしめるような気持ちで読み終えました。『戦争は、忘れることをえさにして大きくなっていく。』戦争がテーマの本ではありませんが、内戦の濃い影の中で繰り広げられた物語です。
風の影 (下) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:風の影 (下) (集英社文庫)より
4087605094

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