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(短編集)
輝く断片
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輝く断片の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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表題作の他、「取り替え子」、「ミドリザルとの情事」、「旅する巌」、「君微笑めば」、「ニュースの時間です」、「マエストロを探せ」、「ルウェリンの犯罪」の全8つの短編を収めたアンソロジー。私は作者の作品は初読で、作者はSF作家として名高い由だが、本作でSFの香りがするのは「旅する巌」のみで、後は狂気と正気の境目、人生における人間の見方の皮相性へのアイロニーと言ったものを描いている様に映った。ただし、短編毎に出来不出来の差が大きく、本アンソロジーに対する好みは読者によって相当別れるのではないか。 冒頭の「取り替え子」は、堕天使を登場させた人情物だが、平凡に堕するという他はない。「旅する巌」は、売れないSF作家の現状を苦し紛れにそのまま綴っただけで、これまた頂けない。人類の幸せをテーマにしているかの様な終盤はまさに噴飯物である。「ニュースの時間です」は、狂気と正気の境目を描いた作品の内の一編だが、ストーリーや設定に曲がない、というよりは無理があり過ぎて読むのが辛い。表題作も同様の一編だが、編者が力説する程には迫力を感じなかった。 一方、「ミドリザルとの情事」は、アメリカ人らしい開放的(艶笑的)なジョークなのだが、見方によっては、世の中の偏見に対する抗議とも取れる深い(?)一編。「マエストロを探せ」は、恐らく本アンソロジー中で一番の出来で、ジャズ小説兼サイコ小説といった趣きを持つ一風変わった作品。本短編には惹き付けられた。また、「ルウェリンの犯罪」は、やはり狂気と正気の境目を描いた作品の内の一編だが、チェスタトン的逆説の味わいを持った愉快な仕上がり。「君微笑めば」も、似た味わいのある作品なのだが、オチが早い段階で分かってしまうのが難点か。 どうやら、強引な設定やテーマであっても、とにかく筆力で自分なりに描き切ってしまうというのが作者の作風らしい。それが読者にヒットすれば強い印象を残すし、逆に空振りの危険性も高い難しい作家という印象を受けた。興味を持たれた方はご一読を。 | ||||
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表題作「輝く断片」をはじめ、ページをめくるのが辛くなるような重たい作品が多く、「不思議の一触れ」「海を失った男」と比べるとやや読みにくい気がしました。全体のレベル(翻訳含む)も先の二編と比べて若干劣るかな、と思ったり。とはいえ、佳作ぞろいの作品集であるのは間違いありません。個人的にはヘヴィーな表題作がお気に入りです。 | ||||
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