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(短編集)
輝く断片
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輝く断片の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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ゴミ、汚れ | ||||
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シオドア・スタージョンのミステリ寄りの短編を集めた短編集。 個人的な事を言うと、SFは好きで読むのですが、基本的に門外漢なせいかよく判らないで読み終わってしまう物が多く、実を言えば本書も殆どの作品をよく判らないまま読み終えてしまったのですが、この著者の異能ぶりは堪能できました。やはりこの人は他の人にはない特別な才能があったとしか思えない、異色作家だったのだなという感を強くしました。 殆ど判らなかったと書きましたが、一篇だけ凄くよく判った作品がありまして、それが表題作の「輝く断片」で以前雑誌に掲載された時読み、その不快さに驚きましたが、今回20年ぶりに読み返しても20年前と全く変わらない不快感を持ち、その内容の凄さに驚かされました。よくここまで不快な小説が書けるなと感心してしまいます。本書を読む人は他の収録作は後でもいいので、これだけは絶対に読んだ方がいいと思います。☆もこれが収録されているので一つ足しました。 異色作家の才気を確認できる短編集。機会があったら是非。 | ||||
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1941~1959年に書かれた短編を八篇収録している。日本で独自に編集された短編集だ。大森望が選りすぐっただけに、クォリティがめちゃくちゃ高い。 『取り替え子』若夫婦が生意気な「取り替え子」の面倒を見る。SF系ギャグ漫画のような軽快なコントだ。結末は楽しいが、翻訳家泣かせだな。 『ミドリザルとの情事』マッチョ男が大人しい男に説教する。で、なぜこんなオチになるんだ。何を言いたいのかよくわからない。が、妙に印象に残る。 『旅する巌』「スタージョンという作家は、どこから着想を得るのか理解不能だ」と書いていたのは、水鏡子だったかな。本作はその典型だ。 エージェントが傑作短編を書いた作家を訪問する。作家は繊細な作風とは似ても似つかぬ粗暴な男だった。この発端で、なぜこんな展開になるのか。 『ニュースの時間です』狂い方がひどすぎ。ついていけない。 『君微笑めば』趣味で迷宮入り殺人を調べている男のモノローグから始まる。切れ味鋭い江戸川乱歩という感じ。 『マエストロを殺せ』有名バンドのMCが才能抜群のリーダーに殺意を抱く。 唖然とするような意外な動機と予測不可能な展開に魅了される。完成度では本作が一番だろう。 『ルウェリンの犯罪』無気力な男としっかり者の女が同棲している。作者は情けない男を描くのが上手い。共感をおぼえるのは、私も情けない怠け者だからか。前例がないような奇天烈な結末を迎える。 表題作は他の作品ほどの意外性はないが、最もお気に入りの一篇である。 知能の低い清掃係の男が、ギャングに半殺しにされた女を拾った。男は意識のない女を甲斐甲斐しく世話する。ディテールのねっちりした書き込みに引き込まれる。「おれやる、全部やる」。変種の恋愛小説かと思ったが、そんなヌルいものではなかった。強いて言えばサスペンスかな。 収録作の大半は、ジャンル分け不可能だ。SF寄りとミステリ寄りに大別できなくもないが、ジャンルの王道からは完全に外れている。 桁外れの個性が宝石のように輝く異色作家だ。 | ||||
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表題作の他、「取り替え子」、「ミドリザルとの情事」、「旅する巌」、「君微笑めば」、「ニュースの時間です」、「マエストロを探せ」、「ルウェリンの犯罪」の全8つの短編を収めたアンソロジー。私は作者の作品は初読で、作者はSF作家として名高い由だが、本作でSFの香りがするのは「旅する巌」のみで、後は狂気と正気の境目、人生における人間の見方の皮相性へのアイロニーと言ったものを描いている様に映った。ただし、短編毎に出来不出来の差が大きく、本アンソロジーに対する好みは読者によって相当別れるのではないか。 冒頭の「取り替え子」は、堕天使を登場させた人情物だが、平凡に堕するという他はない。「旅する巌」は、売れないSF作家の現状を苦し紛れにそのまま綴っただけで、これまた頂けない。人類の幸せをテーマにしているかの様な終盤はまさに噴飯物である。「ニュースの時間です」は、狂気と正気の境目を描いた作品の内の一編だが、ストーリーや設定に曲がない、というよりは無理があり過ぎて読むのが辛い。表題作も同様の一編だが、編者が力説する程には迫力を感じなかった。 一方、「ミドリザルとの情事」は、アメリカ人らしい開放的(艶笑的)なジョークなのだが、見方によっては、世の中の偏見に対する抗議とも取れる深い(?)一編。「マエストロを探せ」は、恐らく本アンソロジー中で一番の出来で、ジャズ小説兼サイコ小説といった趣きを持つ一風変わった作品。本短編には惹き付けられた。また、「ルウェリンの犯罪」は、やはり狂気と正気の境目を描いた作品の内の一編だが、チェスタトン的逆説の味わいを持った愉快な仕上がり。「君微笑めば」も、似た味わいのある作品なのだが、オチが早い段階で分かってしまうのが難点か。 どうやら、強引な設定やテーマであっても、とにかく筆力で自分なりに描き切ってしまうというのが作者の作風らしい。それが読者にヒットすれば強い印象を残すし、逆に空振りの危険性も高い難しい作家という印象を受けた。興味を持たれた方はご一読を。 | ||||
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この「奇想コレクション」という叢書が登場したとき、スタージョンを出したいがためのシリーズじゃないのかな、と思いました。 そのくらい「奇想」という言葉--奇妙でも幻想でもない--のにぴったりの作家だと思います。 本書もいかにもスタージョンらしい、不安定で線が細く、でも力強い煌めきをたたえた奇想に満ちています。 表題作に代表される、時に痛ましいくらいのエキセントリックで純粋な人物、痛ましいくらいのストーリーの展開。この「痛ましい」匂いには、単純に大好きと言ってしまっていいのか、判断を留保させるものがあります。1作毎に、作品の質としての善し悪しとは別に、この作家への好悪を試されるような居心地の悪さ。 「好き」よりも「気になる」、むしろ「気にかかる」という表現を使いたい魅力があります。 「輝く断片」というタイトルは、この作家のキャッチフレーズとしてそのまま通用すると思います。 | ||||
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「夢見る宝石」でスタージョンを知り、 「時間のかかる彫刻」でグッときて(こうとしか表現できない)、 そしてこの「輝く断片」で心引きちぎられそうになりました。 平凡に生きている自分のようなただの人間からも、 心の奥底にある暗黒を引き摺り出すスタージョンの発想、筆力、そしてセンチメンタリズムに乾杯。 恐ろしい、美しい、そして泣けます。 | ||||
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「夢見る宝石」でスタージョンを知り、 「時間のかかる彫刻」でグッときて(こうとしか表現できない)、 そしてこの「輝く断片」で心引きちぎられそうになりました。 平凡に生きている自分のようなただの人間からも、 心の奥底にある暗黒を引き摺り出すスタージョンの発想、筆力、そしてセンチメンタリズムに乾杯。 恐ろしい、美しい、そして泣けます。 | ||||
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ハヤカワの「異色作家短編集」は(いいか悪いかは別にして)これから先も文庫化されないでしょうが「奇想コレクション」は、この「輝く断片」で文庫化の第2弾となりました。いつもの大きさのシリーズも買い続けるのでm(__)mこれからも文庫化をお願いしたいですm(__)m | ||||
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ハヤカワの「異色作家短編集」は(いいか悪いかは別にして)これから先も文庫化されないでしょうが「奇想コレクション」は、この「輝く断片」で文庫化の第2弾となりました。いつもの大きさのシリーズも買い続けるのでm(__)mこれからも文庫化をお願いしたいですm(__)m | ||||
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名作『死ね、名演奏家死ね!』が『マエストロを殺せ』などという死ぬほど ありきたりなタイトルになっちゃった〜(>_<)だめじゃん!これじゃ何の想 像力もかき立てられないじゃん〜大失敗だと思う。で、まあ、内容が変わっ たわけじゃないので…などと思うと、ここでもトホホ… 昔版では主人公=『おれ』だったのが、なんとこの本では『おいら』になっち ゃってる!今どき『おいら』なんていう奴いるか?これじゃ70年代フォークの 世界…この小説の魅力は一人称のスレたようなクールな語り口なんだけど 『おいら』ですべて台無し。主人公が吉田拓郎になっちゃた(笑) あとスタージョンの小説って差別用語を使わなければニュアンスが出ないよう なものがかなり多い。そういうテーマを扱ってるから宿命みたいなもんだけど、 昔はよくても今じゃ無理なものも多い。でもそれじゃ肌触りが出ないんだよね。 本質は差別と対局にあるのがスタージョンの小説なのにね。 | ||||
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名作『死ね、名演奏家死ね!』が『マエストロを殺せ』などという死ぬほど ありきたりなタイトルになっちゃった〜(>_<)だめじゃん!これじゃ何の想 像力もかき立てられないじゃん〜大失敗だと思う。で、まあ、内容が変わっ たわけじゃないので…などと思うと、ここでもトホホ… 昔版では主人公=『おれ』だったのが、なんとこの本では『おいら』になっち ゃってる!今どき『おいら』なんていう奴いるか?これじゃ70年代フォークの 世界…この小説の魅力は一人称のスレたようなクールな語り口なんだけど 『おいら』ですべて台無し。主人公が吉田拓郎になっちゃた(笑) あとスタージョンの小説って差別用語を使わなければニュアンスが出ないよう なものがかなり多い。そういうテーマを扱ってるから宿命みたいなもんだけど、 昔はよくても今じゃ無理なものも多い。でもそれじゃ肌触りが出ないんだよね。 本質は差別と対局にあるのがスタージョンの小説なのにね。 | ||||
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アメリカのSF・幻想小説家として知られる著者の、1941年から1957年にかけて書かれた、ミステリー色の濃い8つの作品を選んで集めた短編集。20世紀中ごろに主に短編で活躍した作家だが、最近日本では再発見されて邦訳短編集が続々とリリースされているらしい。 本書は、’05年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門では第3位に、「このミステリーがすごい!」海外編では第4位にランクインしている。 雨の路上で拾った瀕死の少女を自宅へ連れ帰り、18年間無欠勤だった仕事を休んで必死に介抱する孤独な男の物語(「輝く断片」)をはじめ、異色の音楽ミステリー(「マエストロを殺せ」)、先駆的なサイコサスペンス(「君微笑めば」)、さらにニュースを毎日欠かさずチェックする平凡なサラリーマンが妻によって新聞もテレビ、ラジオも奪われた結果、狂気に走る(「ニュースの時間です」)、無垢な男がふとした拍子に犯罪へと奔走していく(「ルウェリンの犯罪」)など、収録されている作品はいずれも、まっとうな意味でのミステリーではなく、特異な発想に基づく異色・奇想小説の雰囲気を持つものばかりである。 短編なのでストーリーの背景や設定・登場人物の人となりの説明などが簡略化されていることと、どの物語もシチュエーションや進行、および結末が独特の奇妙な空気をはらんで急展開するので、私には理解するのがいささか難しく、煙に巻かれたようだった。 ともあれ収録作のいくつかには、社会から阻害されていて、普段はひっそりと目立たない主人公たちが、何かをきっかけに反社会的な方向に暴走してしまう危うい存在として登場する。そんな彼らの戸惑いや怒り、悲哀をスタージョン流の独特な語り口で切実に描いているように感じた。 | ||||
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「取替え子」の超自然的存在が、一番ユニークなキャラクターだった。唯一クスクスと笑える作品。 「輝く断片」「マエストロを殺せ」「ニュースの時間です」の三編はグッと完成度が高い。いずれも美しく、悲しく、残酷なサイコサスペンスである。 「あたりまえさ」「常識」を疑わない人や社会に、鮮やかな一撃をくらわせる作品群である。「ミドリザルとの情事」や「君微笑めば」に出て来るような典型的な自信家アメリカ男性は、スタージョンの大嫌いな一典型だったのだろうか。 | ||||
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「取替え子」の超自然的存在が、一番ユニークなキャラクターだった。唯一クスクスと笑える作品。 「輝く断片」「マエストロを殺せ」「ニュースの時間です」の三編はグッと完成度が高い。いずれも美しく、悲しく、残酷なサイコサスペンスである。 「あたりまえさ」「常識」を疑わない人や社会に、鮮やかな一撃をくらわせる作品群である。「ミドリザルとの情事」や「君微笑めば」に出て来るような典型的な自信家アメリカ男性は、スタージョンの大嫌いな一典型だったのだろうか。 | ||||
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2006年版 このミス4位 2005年 文春ミステリーベスト10 3位 おそらく意図的にそうしているのであろうが、本当に論理的にあった展開なのかも定かでないような箇所が数カ所有り、ストーリーの展開が私にとって難解で、読むのがつらい作品だった。 社会的に目立たない、あるいは虐げられた登場人物達が、何かをきっかけに犯罪行為に走るというミステリー仕立ての作品集で、独特の世界を構築しているものの、正直言って、全く面白くなかった。 | ||||
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前回配本の『不思議のひと触れ』同様、SF色の薄い作品を中心に編まれたシオドア・スタージョンの短編集です。私のような非SF読みからするととっつきやすいセレクションです。 残念ながら前半の4作と後半の4作にクオリティの差があるように感じられるため、全体の出来という点からは満点はつけられないところですが、それを補って余りあるのが表題作のすばらしさです。 そこで一人の中年男の姿を通して描かれるのは、人間の孤独と心の奥底にだれもが秘めている狂おしいまでの願いです。男の哀切な想いに激しく心を揺さぶられ、涙するのは私だけではないはずです。 | ||||
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表題作「輝く断片」をはじめ、ページをめくるのが辛くなるような重たい作品が多く、「不思議の一触れ」「海を失った男」と比べるとやや読みにくい気がしました。全体のレベル(翻訳含む)も先の二編と比べて若干劣るかな、と思ったり。とはいえ、佳作ぞろいの作品集であるのは間違いありません。個人的にはヘヴィーな表題作がお気に入りです。 | ||||
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前回の「不思議のひと触れ」ほどの好感触ではなかったが、本書もなかなか良かった。凄いのが表題作の「輝く断片」。これヘタすりゃサイコ物に分類されてしまいそうな作品だが、それがスタージョンの手にかかるとこんなにもズッシリと手応えのあるせつない物語になるとは。これほどの衝撃は、久しぶりだった。敗者の物語を書かせたら、スタージョンの右にでる者はいない。永遠に記憶に残る作品だ。「ルウェリンの犯罪」も、かなり凄まじい作品。ほんとラストまでは、緊迫感はあるがそれほど輝いてる作品だとは思わなかったのだが、結末にいたって驚くべき変貌を遂げてしまう。似た感触なのが「ニュースの時間です」。この作品も衝撃的な結末をむかえて、秀逸。まさに、してやったりという作品だ。逆に「マエストロを殺せ」などは、いささか弱い。傑作と謳われているが、少し冗長に感じる。それでも、ラストは印象的だった。他の四編も同様に、それほどインパクトは強くなかった。「ミドリザルとの情事」が、スタージョンにしてはめずらしく『下ネタ』系なのがおもしろかったくらいかな。 とにかく、読んでよかった。いまだに胸が疼いてる感じだ。 | ||||
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SFマイスターとして名高いシオドア・スタージョン。だが、彼はミステリも書いていた、それも極上のミステリを-。河出書房新社・奇想コレクションのスタージョン第2弾「輝く断片」は、日本ではまだ知名度の低いミステリをメインに据えた短編集。どれもこれも、読み終わればこれ以外にない結末なのに、読み終わるまではジェットコースターに乗っているように行く先が見えないものばかり。その中でも、皆さんに特に読んで頂きたいのは「輝く断片」。いい加減、本もたくさん読んできて、昔ほどの感動を受けなくなった私ですが、「輝く断片」には打ちのめされました。ここで提示された「人生」のヴィジョンは、一生私の頭から離れないだろう。スタージョンファンの私としては、この驚異的な一編が表題作として本になったことだけでも幸せだったりします。スタージョンの実力を、是非皆様に。ゆめゆめ読み逃しなく。 | ||||
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作品のキャラクターがはっきりするようで、ぐにゃぐにゃしている作家さんだと思います。軽いトリックで話を書いたり、雰囲気で押し切るホラー風を書いたり、何かの描写にこだわり尽くした小説を書いてみたりしています。時折、自分と波長が合うと、とても気持ちいいのです。 さーふぁーがよいなみをまつようなかんじで。時代の空気がわかる作家であり、その人の本です。しかも、読み易い。この時代に生きてはいませんでしたが、少しだけわかったような気がします。 | ||||
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