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ユリゴコロ
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ユリゴコロの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 121~140 7/8ページ
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主人公が手記を見つけ、読みはじめた瞬間からゾクリと寒くなりました。 実家にこんな恐ろしいノートがあったら嫌ですね。 ぞくぞくしながらも先が気になって一気に読了です。 登場人物たちの行動に理解しがたい部分もあるけれど、 大体は「ああそうか」と思えたし、 ラストは素直に驚かされました。 衝撃の手記で重くなりがちななか、 弟の軽いノリに私もちょっと助けられていたようです。 | ||||
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冒頭から不幸の連鎖が予想される展開で読むほうは覚悟がいる。しかし、沼田まほかるの文章は次の行、次の頁へ進ませる魔力を持っているのだ。 また、その気持ち判るよなぁと云う箇所があったりするので、その度に立ち止まる。 例えば、千絵が失踪し、亮に文字通り肉体的欠落感が生じ腑抜けになる状態の時だ。肉体的な悦びが残像として残れば残るほど、その度合いも大きい。このように話の断片の中に共感を呼ぶというか、文章のうまさ、深さを感じるので、暗鬱な流れでも、途中で投げ出せない。 そして終盤に向い、否が応でも緊張感が高まり、どう収斂するのか期待されて行くのだが、結果的に伏線が随所に散りばめられていたと云うのに、過去と現在が交錯する意想外の展開に見事にやられた。完成度の高さに脱帽の★5つ。 | ||||
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すごく面白かったです!著者と秘密を共有してるようなドキドキ感を味わいました。 でも、え?これで終わりなの?と最終ページの後になにか仕掛けでもあるのでは? とも思いましたが、そんな気持ち悪い読後感が、逆に凄い快感!みたいな本です。 そんな感じですから、 通勤通学で20〜30ページずつ分けて読むより、じっくりと1ページ目から最後まで一気読みをオススメします。 初めてのまほかるさんでしたし、まほかるさんの他の作品も読んでみたいと思いました。 | ||||
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『九月が・・・』は、正直そんなでもなかった。 が、これは良かった。 最後の数ページは鳥肌ものでした。 お薦めします。 | ||||
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帯に「桐野夏生氏推薦」という文字が目に入り購入しました。桐野氏が推薦するだけあって、文中の手記などは心の奥底の他人に伝えようのない 欲や悲哀などの書き口が素晴らしく、桐野氏の「グロテスク」を思わせます。 名前に「ユリコ」「ミチル」などとあるところからも、多分桐野氏を意識しているかと思われます。 ※グロテスクに「ユリコ」「ミツル」という人物がいて、その人物像(ユリコは人形だが)にたいしての書き口などがやはり少し近いものがある。 引き込まれ度は満点ってくらいに一気読みさせて頂きました。 男性と女性ではだいぶ感じ方の変わる作品なのではないでしょうか? ※当方男性です。 読後感は良かったです。 桐野氏を好きな方には是非お勧めしたいです。 勿論他のかたにもですけど。 | ||||
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まほかる氏の作品は、はじめてでした。 正月の3〜4日間で読もうと思っていましたがページをめくる手が止まらずに一気にいきました。 手記中のリアル感に凄い筆者の力量を感じました。 前半に展開の早さとボリュームがある分 ラストはチョット軽いイメージでしたが でもこんな手法もアリかな・・ | ||||
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どう考えても、薄気味悪い話としか思えないあらすじ紹介ですし、 この作者とは僕は相性がいまいちと思った読書経験もあり、 2012ミステリランキングで各社上位のこの本にもあまり 期待していなかった。 出だしももたもたしてるなと思ったり、100ページくらいまでは 世界に引きずり込まれるまでの感じはなかったけど、そこから先は 一気読みでした。 止められないという感じは久しぶりで、原因不明ながら、 ノートと地の文というダブルストーリーや、描かれる家族の姿や それほど怖くないけどサスペンスの力やなんやかやで、 最後はわりとびっくりなどんでん返し的なものもあったり、 家族小説だ!と断言したくなるほどのホロリ感もあり。 いままでのまほかる本がダメな人もいけるんじゃないすか。 僕同様。 | ||||
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帯がボロボロで届いたのは、出版社が悪いのかアマゾンが悪いのか。拠り所の無い人間の儚さを書いた傑作だと思うが、帯がなあ。そういえば前にも帯が汚い事があったぞ。本てのはカバーだけじゃなくて帯にも命があると思う。 | ||||
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みんな誰しもが持ったことのあるだろう不安定な気持ちをユリゴコロと名付けている、ノスタルジーな冒頭でまず、ぐいぐいと引き込まれました。 ユリゴコロは思春期とも言うのかな、と思いますが…大小深さは違えど、その思春期たるやが陽か闇かみたいなところだと感じました。 たぶん…ちゃんとしっかりしたプロットがあって、巧妙に書かれたんだろうけど…そんなのあたしは一切感じませんでした。 いま小説を読んでいるのか読んでいないのか何なのかぐちゃりとする感覚で、なのに気付いたら綿あめみたいに優しくなります。 ★ひとつ少ないのは…、千恵のくだりがあまりにも取って付けたように無理矢理入れたみたいだから。作者も作中でたまらず、千恵の旦那の悪事を「出来すぎ」みたく書いたんだろうな…そこだけが残念…現実に冷めちゃいました。 とは言え、優しく綿あめみたいな気持ちになれました。 読後すぐにお腹下しちゃって、トイレにこもってしまったのは…あたしのユリゴコロなんでしょうかね… | ||||
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非現実的であっても、正義に目を背けても、 猟奇的で陰惨であっても、利己的であっても、 登場人物に共鳴できなくても、それでもいい。 今作品の描く世界こそ、小説の醍醐味であった。 全体のプロット、段階を踏んだ恐怖とミステリーの 展開の完成度、読者を引き込む筆力、ドス黒い心闇 からは想像できないラスト、今作のイメージをさらに 補完する装丁、告白部分の楷書フォントから伝わってくる 内容とは違う優しさ・・・、すべてが読後感を高める 味わいを持っている。 湊氏・道尾氏・真梨氏テイストな設定を、三氏では踏み込めてない レベルで昇華させたと思う。 邪悪で底なしの絶望と、辟易する場景の中から、ある種 静謐な温かさ・救いを生み出す。 また、トリックに騙されたという意味での2度読みはよくあるが、 今作に至っては、2度読みの意味合いが違った。 ある人物と主人公が取り交わす会話や出来事の場面での、 ひとつひとつのやり取りや科白が、最後に至るまでの 伏線として、丁寧に表現されていることを再認識した。 そして、さらっと書かれた、最後の殺人が行われたであろう 背景を想像するに、一瞬、読むのをやめて、天を仰いだ自分が いた・・・。 人が殺されたのに、加害者の心情が切なく、重く、やりきれない。 読者が、被害者や遺族の心情を気にしなくなるのはなぜか? 彼女は、生まれ持っての異常者のまま生きてきたのか? ようやく手に入れた、「アナタ」と、どこへ行くのか?・・・。 「ユリゴコロ」の行方は? 血縁とは、家族とは、親子とは、命とは、宿命とは、償いとは? 読者への多くの命題をしっかりと提示した今作。 小説としての存在価値を高い次元で創造している今作。 直木賞候補にもならなかったのが不思議だ。 せめて映像化を、茶化すことない演出と配役で実現してほしい。 「彼女がその名を・・・」「猫鳴り」と合わせ、「まほかる三部作」 として、業界を席巻するのは時間の問題であろう。 次回作が一番気になる作家である。 | ||||
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なかなか面白かった。どうしようもなく狂っている人殺しの女が恋に落ちた。その相手は自分の父親だった。 末期ガンの父親の部屋で見つけた手記4冊。読んでいくたびに、人殺しの恋の相手が父親であると確信していく主人公。ということは、この二人の子どもが自分なのか... 主人公の現在と、手記によって綴られる父親の過去が交差してスリリングに展開していく新感覚サスペンス。 | ||||
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某雑誌でおススメしていたので読んで見ました。最近の『実は・・・』と読み手が推理できない新事実を最後にうワーッと並べ立てなんか腑に落ちない本が多い中、読み始めは『失敗かな』と思っていましたが最後まで読んでよかった本でした。今ドラマでやっている『それでも、生きていく』の俳優人でドラマ化してほしかったですね。そんな本です。 | ||||
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「告白」に続き、双葉社が強烈にプッシュしていた本作。インパクトは「告白」が上だが、読後感はこちらがずっと良い。ある殺人者の告白があり、かなり不気味な雰囲気でしたが、最後は不思議な感覚にとらわれる。おもわず拾いものした感じです。過去作品も読んでみたいです | ||||
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主人公・亮介の「ユリゴコロ」の続きを読みたいと、はやる気持ちと 自分の気持ちがシンクロして一気に読んでしまいました。 親にもそれぞれの過去があることなど、気に留めたことさえないけれど 知ることが幸せなのか、知らないままが良いのか。 著者の他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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TV Bros.の豊崎さんのレビューを読んで、興味を持ち、「ユリゴコロ」を購入。 沼田さんの本は初でした。 このストーリーの秀逸さは、4冊のノートに描かれた内容とその時間の表し方だと個人的に感じました。 とても面白く、ノートに自白を綴った人間がどんな人なのか、気になって、どんどん読まされます。 ただ、最終部分のもう一捻り二捻りほしかったかもしれません... おそらく、自分の理解不足なのですが...あの最終部がちょっと腑に落ちず... ちょっとエモさに流されてしまったような... しかし、沼田さんは筆力のある、素晴らしい作家さんだと思います。他の著書にも、俄然、興味をもたされる1冊です。 | ||||
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ユリゴコロとは、自分が自分のまま存在していいと認めてくれる空気感のようなものだろうか。 その語源は小説内手記であっさり種明かしされるが、言葉の響きの美しさは失われない。 美しい言葉だが、蓮の花が泥沼の根っこから生え出すように、ユリゴコロの根元には暗黒と血なまぐささがわだかまっている。 家族と血縁の不思議な美しさを描いた作品だった。 登場人物の何人もが、気味の悪い人、壊れた人である。 それなのに、墓場に咲いた曼珠沙華のように、不穏な中にも静かに美しい物語だった。 この作家は、醜いものや邪なものから、美しく清らかなものを紡ぎだす独特の手腕を持っている。 | ||||
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本書の出足は江戸川乱歩の「心理試験」をモチーフにしたのでは?と思っているのもつかの間、夢なのか?現実なのか?コロコロ境なく転がり出す。 フワフワふわふわ浮かんでいる状態のまま終幕へ導き出される。これは一体何なのだろうか? かなり不思議な感覚は捨てがたいです。絶対にお勧め作品です。 | ||||
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手記の謎を探る前半と、いなくなっていた婚約者と主人公の顛末の後半、と分けられて、文章などから印象が変わりますが、もちろん、つながっています。淡々と語られていくので、その前半と後半と変化があるところが、いったん引いていきそうになる興味をまたぐっと引きつけて、最後まで一気に読めて良かったと思います。 前半の手記は、私的にはちょっとグロくて苦手だったんですが、それでも語り手に惹かれるものがあり、読むのをやめられませんでした。 後半は、まあ、わかると言えばわかってしまうのですが、きれいにまとまってくれていて、読み終えたと安心して本を閉じることが出来ました。だから、これはこれで良かったのでは。むしろ、あまり無理に隠そうとしていなかったところに好感が持てたかも。 個人的には、お父さんの話し方がちょっと言葉が荒っぽくて、手記のイメージと合わない気がしました。 でもでも、とにかくもっと読みたいと思わせてくれる作家さんでした。読んでおいて損はありません! | ||||
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読み手の合う合わないはあるでしょうが、これ私には効きました! どちらかと言うと、女性向きですね。 一般的に理解困難な精神を持つこの殺人者に...うそっそんな?!共感できない! けど、どういう事? で、どうなるの? と思いながら 読み進めるうち 夫婦の、母と子の、愛情が切なくて 胸がチクチクと痛くなり 最後 鼻をかみながら読みました。 これを読んでいる途中、 私が子供の頃読んだ漫画で 無垢な女の子が殺人を犯していく話 『聖・ロザリンド』を 思い出しちゃった(^_^;) | ||||
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淡々と読み進んでいる様でいて、実はその秀逸な文章に時々はっとさせられる。沼田さんの作品はいつも終わりに心臓を鷲掴みにされる様な、切なさ、人として切なさを感じられる事の素晴らしさを残してくれるが、今回の作品は特に素晴らしい。私には予想出来なかったラストに思わず涙が出ました。こんな作品を読めた事が幸せですね。スミレの様な可憐な作品ですが、ちゃんと存在は主張しています。素晴らしいです♪ | ||||
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