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運命の日
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運命の日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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「ミスティック・リバー」のデニス・ルへインの最新作。今作もサム・ライミ(!)によって映画化されるらしい。発刊早々に購入し読み始めたものの、半ばで頓挫してしまっていたのだが、ある雑誌で野崎六助が褒めていたので再び読み直してみた。プロローグは、カブスとのワールド・シリーズでボストンに列車移動中のベーブ・ルースが、片田舎の草野球のある黒人に出会い、その才能に魅せられるというまるで映画「ナチュラル」のような詩情溢れるタッチ。だが、その後物語は、第一次大戦後の社会主義運動の台頭、アナーキストたちによる爆弾闘争、疫病、そして世界恐慌と、アメリカが激動と混沌の濁流に呑み込まれた時代を背景にした骨太の大河小説の様相を呈してくる、筈なのだが、、、。 物語の中心は、優秀なアイリッシュ系警察官と野球に天武の才能を持つ貧困層の黒人のふたり、彼らを軸に、巻頭での3ページにも及ぶ主要登場人物の紹介でも明白なように、様々な人種、階層、職業の人々による複雑多岐なストーリー展開。社会主義、労働組合、急進派とアナーキストの結合、血生臭い空気にじわじわと感染、猛威を振るう疫病への恐怖と不安が煽り、人々の社会への不満、憎悪が増幅する。 にも拘らず、そのような題材を扱いながら、そして様々なエピソード、事件が起こりながら、登場人物たちの感情吐露が心に迫ってこない為か、エモーションもパッションもダイナミズムも希薄なので、"ドラマ"が一向に盛り上がってこない。緻密で重厚感はあるが、誰もが楽しめるようなエンタテインメント性には欠けるので、読む人を選ぶ1冊。 | ||||
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「ミスティック・リバー」のデニス・ルへインの最新作。今作もサム・ライミ(!)によって映画化されるらしい。発刊早々に購入し読み始めたものの、半ばで頓挫してしまっていたのだが、ある雑誌で野崎六助が褒めていたので再び読み直してみた。プロローグは、カブスとのワールド・シリーズでボストンに列車移動中のベーブ・ルースが、片田舎の草野球のある黒人に出会い、その才能に魅せられるというまるで映画「ナチュラル」のような詩情溢れるタッチ。だが、その後物語は、第一次大戦後の社会主義運動の台頭、アナーキストたちによる爆弾闘争、疫病、そして世界恐慌と、アメリカが激動と混沌の濁流に呑み込まれた時代を背景にした骨太の大河小説の様相を呈してくる、筈なのだが、、、。 物語の中心は、優秀なアイリッシュ系警察官と野球に天武の才能を持つ貧困層の黒人のふたり、彼らを軸に、巻頭での3ページにも及ぶ主要登場人物の紹介でも明白なように、様々な人種、階層、職業の人々による複雑多岐なストーリー展開。社会主義、労働組合、急進派とアナーキストの結合、血生臭い空気にじわじわと感染、猛威を振るう疫病への恐怖と不安が煽り、人々の社会への不満、憎悪が増幅する。 にも拘らず、そのような題材を扱いながら、そして様々なエピソード、事件が起こりながら、登場人物たちの感情吐露が心に迫ってこない為か、エモーションもパッションもダイナミズムも希薄なので、"ドラマ"が一向に盛り上がってこない。緻密で重厚感はあるが、誰もが楽しめるようなエンタテインメント性には欠けるので、読む人を選ぶ1冊。 | ||||
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