悪意の傷跡

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No.1
(5pt)

ウェクスフォード対DV(家庭内暴力)

ウェクスフォード警部シリーズ第18作。2件の、実害のない誘拐事件の後、今度は3歳の娘が自分のベッドから誘拐された。折りしも、服役していた小児性愛者の老人が刑期を終えてキングズ・マーカムに戻っていた。周辺住民は恐怖に駆られ、老人が警察にかくまわれているという誤報で警察署に詰め掛ける。その騒ぎの中で、何者かが投げた火炎瓶で警官が焼死するという事件まで起きた。問題の老人は行方不明のままだ。2件の誘拐事件の謎も解けず、住民も一触即発の状態、火炎瓶を投げた人物も特定できない。一度に多くの謎を抱えつつ誘拐事件の捜査に当たるウェクスフォードは、誘拐された娘の母親が夫から10年以上にわたって虐待を受けていることを知る。誘拐、家庭内暴力(DV)、奇妙な態度を取る2人の息子・!・・全てが一本の線でつながった正にその時、殺人が!今回は、いつもろくでもない男に惚れてはウェクスフォードを悩ませる次女のシーラではなく、父親とは愛し合いながらもしっくりいかない長女のシルヴィアが、DVに悩む女性たちの電話相談を受けるソーシャルワーカーとして登場。彼女の久々のメイン扱いで、彼女自身の家庭の事情も描かれる。シルヴィアはどうなっちゃったの?と気にかけていた人にも朗報だ。長いし、いつものように登場人物も多いが、人物造形が巧みで、ごっちゃにならず、途中でだれることもなく、謎はきちんと解明される。だが、おさまらないのはDVの恐怖だ。読んでいると本当に、結婚するのが怖くなる女性も多いのではないだろうか。まだまだうまく解決される例が少ないことを、この!物語でも知る。ハッピーエンドといえるのかどうか?哀しい話である。
悪意の傷跡 ウェクスフォード警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 悪意の傷跡 ウェクスフォード警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
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