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小袖日記
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小袖日記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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ワクワクしながらページをめくり、人の優しさに涙し、読み終えた今 柔らかな光に包まれたような充実感にひたっています。 上司と不倫した末に捨てられた主人公は、自暴自棄で公園に佇んでいたら、突然ガーンと頭に衝撃を受け、気がついたら、なんと皆んながおかめ顔した平安時代にタイムトラベルしてしまいました。 (ここまではよくあるネタですが、ここからがタダモンじゃない) どうやら肉体の主は小袖という女官で、仕えている方は紫式部の正体とされている香子様だったのです。 小袖の頭の中にいる主人公は高校の時に文芸部に所属していたので、源氏物語は訳本ですが一通り読んでいました。 香子様のアシスタントとしてネタ探しに奔走する小袖ちゃんは、噂を聞きつけるたびに「これは末摘花だわ、この話は葵ね」とピンときて、取材に行った話しを香子様にあげ、香子様はそれを元に物語を書いていきます。 小袖ちゃんが平安時代に来てビックリした日常のtriviaネタが満載で、それがまた興味をそそられます。 例えば身分の高い女性は滅多なことでは立ち上がらずに、膝をついたままズリズリ移動するのだそう。部屋の中をズリズリ女たちが行き交うのは、想像しただけで笑えます。 トイレ事情も笑いながら読んじゃいました(雅な平安時代小説には決して出てきません) 源氏物語にからめたミステリー的な要素もあり、それもこの作品に花を添えています。 香子さんが源氏物語を書こうと思い立った動機には、うるっと感動してしまいました。 あー、楽しかった❣️いい作品でした。 | ||||
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十二単を着た悪魔 と同じ、タイムスリップで平安時代に飛ばされた人の話。現代人のオーエルが、平安時代の下働きの女官になった。当時の生活のたいへんさも、書かれているのが興味深い。現代人にとって、どれだけ生活しづらいかが、おぼろげながら理解できる。甘いものも飲み物も我慢。コンビニがあったら・・・・。主人公 小袖と、女主人香子様が、さまざまな問題を解決してゆく。小袖の気持ちに寄り添い、応援したくなる。この調子で、40,50歳まで二人三脚で活躍して欲しかった。若紫の巻で、状況が一変。もう一人の現代からタイムスリップしてきた人との出会い。現代に戻ることに。 | ||||
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語り手のヒロインは若いOL。不倫相手に別れを告げられ、思いつめたところへ落雷。平安時代の女房のひとりと入れ替わってしまいます。 自分よりさらに若いその少女は、紫式部に仕えていて、「源氏物語」のネタ提供者だった。 ひじょうに明快なストーリーと設定のもと、「真説・源氏物語」が彼女の眼から、明らかにされていきます。「夕顔」や「葵」「末摘花」などの女たちはほんとうはどんな存在だったのか。物語の紗幕につつまれていた女君たちの素顔は、意外にしっかりとたくましく、ドライでもあり、「小袖」となった主人公に、みずからを率直に語ってくれます(さいころ勝負に勝てたらね、と条件をつけたりするしたたかさも)。 この真実が、「源氏物語」に描かれた姿よりも「あはれ深い」かどうかは別として、パラレル「源氏物語」として、最後までおもしろく読ませられます。 しかしこの物語で、それ以上に心に残ったのは、現代のOLがとらえた平安時代の空気でした。 目が覚めたとたんに、無数のおかめに囲まれた自分を発見し、水鏡にうつった自分のおかめ顔に絶叫。 この時代の高貴な女房たちは決して立って歩かず、膝で「ずりずりずって」歩いていたとか、髪を洗うのがいかに大変で、あたりには体臭とまじった香のにおいが立ち込めているとか、トイレは小川を邸内にひきこんでいたとか、甘いものが本当に少なかったとか、埋葬はほとんどが風葬だったとか。 新鮮かつ素直に、ヒロインはこの時代の空気に驚き、小気味よく描写していきます。 蜂蜜と牛の乳(当時食用だったのでしょうか?)からアイスクリームを作ってみせたり、「明石」の章では、都と全く違う鄙の空気のきれいさに感動したり、身体ぜんたいで平安時代を語っている部分が、威勢よくフェミニズム論をぶっている部分よりも、自然体で、心にしみてきます。 肝心の光源氏はどう描かれているのかと思いましたが、都で人気の貴公子何人かをまぜあわせた、という設定で、感情移入の重心は女君たちのほう。 (下ぶくれで恰幅のあるのが当時のよい男だったそうですが、そのあたりについてはもう少し知りたかった・・・) 絢爛たる王朝絵巻の背後にある、リアル平安時代を体験できる得難い本です。 | ||||
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語り手のヒロインは若いOL。不倫相手に別れを告げられ、思いつめたところへ落雷。平安時代の女房のひとりと入れ替わってしまいます。 自分よりさらに若いその少女は、紫式部に仕えていて、「源氏物語」のネタ提供者だった。 ひじょうに明快なストーリーと設定のもと、「真説・源氏物語」が彼女の眼から、明らかにされていきます。「夕顔」や「葵」「末摘花」などの女たちはほんとうはどんな存在だったのか。物語の紗幕につつまれていた女君たちの素顔は、意外にしっかりとたくましく、ドライでもあり、「小袖」となった主人公に、みずからを率直に語ってくれます(さいころ勝負に勝てたらね、と条件をつけたりするしたたかさも)。 この真実が、「源氏物語」に描かれた姿よりも「あはれ深い」かどうかは別として、パラレル「源氏物語」として、最後までおもしろく読ませられます。 しかしこの物語で、それ以上に心に残ったのは、現代のOLがとらえた平安時代の空気でした。 目が覚めたとたんに、無数のおかめに囲まれた自分を発見し、水鏡にうつった自分のおかめ顔に絶叫。 この時代の高貴な女房たちは決して立って歩かず、膝で「ずりずりずって」歩いていたとか、髪を洗うのがいかに大変で、あたりには体臭とまじった香のにおいが立ち込めているとか、トイレは小川を邸内にひきこんでいたとか、甘いものが本当に少なかったとか、埋葬はほとんどが風葬だったとか。 新鮮かつ素直に、ヒロインはこの時代の空気に驚き、小気味よく描写していきます。 蜂蜜と牛の乳(当時食用だったのでしょうか?)からアイスクリームを作ってみせたり、「明石」の章では、都と全く違う鄙の空気のきれいさに感動したり、身体ぜんたいで平安時代を語っている部分が、威勢よくフェミニズム論をぶっている部分よりも、自然体で、心にしみてきます。 肝心の光源氏はどう描かれているのかと思いましたが、都で人気の貴公子何人かをまぜあわせた、という設定で、感情移入の重心は女君たちのほう。 (下ぶくれで恰幅のあるのが当時のよい男だったそうですが、そのあたりについてはもう少し知りたかった・・・) 絢爛たる王朝絵巻の背後にある、リアルな(たぶん)平安時代を体験できます。 | ||||
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帯に歴史SFミステリーとありましたが、まさにその通りでした。 (ただし、SF要素は薄めでしたが……) やや軽い口調の一人称で進み、大変読みやすい。 「源氏物語」に登場する女性たちに焦点を当て、主人公の女性観で彼女たちを評しています。 そして光源氏に対する評はかなり辛辣。 後半は切なく、主人公がこの時代の女性を通して、自分の生き方をも考え直すという展開でした。 個人的には「明石」の章の、余韻を残した終わり方がお気に入りです。 | ||||
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非常に分類がしにくい作品である。 あえて分けるなら、「源氏物語を題材にした歴史ミステリー」だろう。 主人公は現代のOL(30歳・不倫してた彼にフラれたばかり)なのだが、 なんの因果か、平安時代(によく似た世界?)の「小袖」という女官と 中身が入れ違ってしまうところから物語は始まる。 この「小袖」、二人組の作家「紫式部」の片割れで、源氏物語を執筆中。 小袖になっちゃった主人公は、ゴシップ記者よろしく、源氏物語のネタ集めに奔走するはめになるのだ。 平安時代は現代だと「ありえねー!」ということがまかり通っていたわけだが、 この作品では、そこに現代的解釈を持ち込んで、謎を解き明かしていく。 かといって、源氏物語の世界観をぶち壊すような不快感は感じられないのだ。 それはきっと、平安時代の文化が正しく描かれていることで、SF特融の突拍子のなさを感じないからだろう。 連続した内容の短編集だが、とにかくテンポよく、気持ちよく、難しくない作品である。 源氏物語の内容を知っていた方が楽しめるので、ぜひ予習をしてから読んでいただきたい。 | ||||
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非常に分類がしにくい作品である。 あえて分けるなら、「源氏物語を題材にした歴史ミステリー」だろう。 主人公は現代のOL(30歳・不倫してた彼にフラれたばかり)なのだが、 なんの因果か、平安時代(によく似た世界?)の「小袖」という女官と 中身が入れ違ってしまうところから物語は始まる。 この「小袖」、二人組の作家「紫式部」の片割れで、源氏物語を執筆中。 小袖になっちゃった主人公は、ゴシップ記者よろしく、源氏物語のネタ集めに奔走するはめになるのだ。 平安時代は現代だと「ありえねー!」ということがまかり通っていたわけだが、 この作品では、そこに現代的解釈を持ち込んで、謎を解き明かしていく。 かといって、源氏物語の世界観をぶち壊すような不快感は感じられないのだ。 それはきっと、平安時代の文化が正しく描かれていることで、SF特融の突拍子のなさを感じないからだろう。 連続した内容の短編集だが、とにかくテンポよく、気持ちよく、難しくない作品である。 源氏物語の内容を知っていた方が楽しめるので、ぜひ予習をしてから読んでいただきたい。 | ||||
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おそらく現代人のほとんどが密かに感じているであろう、「光源氏最低!」とか「犯罪だぞあれは」(そんなこと言うと白い目で見られると思うから誰も言わない)というのがぽんぽん出てきて心地よい。ふつうの生活感がにじみ出ているのもよい(町のにおいとか)。何よりも重苦しくなく、格調高くないのがよい。そこらへんの古典入門書よりよっぽど興味を持つ人が多いのでは。古典苦手!という人には特におすすめです。 | ||||
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おそらく現代人のほとんどが密かに感じているであろう、「光源氏最低!」とか「犯罪だぞあれは」(そんなこと言うと白い目で見られると思うから誰も言わない)というのがぽんぽん出てきて心地よい。ふつうの生活感がにじみ出ているのもよい(町のにおいとか)。何よりも重苦しくなく、格調高くないのがよい。そこらへんの古典入門書よりよっぽど興味を持つ人が多いのでは。古典苦手!という人には特におすすめです。 | ||||
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各章の短さや、省略の仕方も源氏物語風です。説明が少ない。 末摘花が面白かったな。私の好きな花散里はここにも登場せず。朧月夜もない。 切なくて泣けます。 | ||||
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各章の短さや、省略の仕方も源氏物語風です。説明が少ない。 末摘花が面白かったな。私の好きな花散里はここにも登場せず。朧月夜もない。 切なくて泣けます。 | ||||
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主人公が、平安時代にタイムスリップする所から物語ははじまる。雷に打たれて気が付くとそこは平安時代で周りは、 おかめ顔ばかり(^^;なんとタイムスリップした折りに当時の女性「小袖」と中味だけ入れ替わってしまったのだ!! そして、その小袖とは源氏物語の執筆者である紫式部のもとで働いており。執筆のお手伝いとして物語の題材を集めて いる今でいう記者の役目をしているのだ。。『源氏物語』の中で出て来る女性達のに関するお話が、なんとも良かった。 一人の男性を思う切ない気持ち…。そうかと思えば、力強いその生き方をする女性あり…。源氏物語の解釈を柴田さん なりにアレンジしていてなかなか良かったです。当時も今も力強く生きる女性の姿そして生き生きとしたその姿勢は、 好感が持てます♪ ぜひ今度は、未来にタイムスリップした小袖自身の観点から作品を描いてもらいたいです♪ | ||||
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主人公が、平安時代にタイムスリップする所から物語ははじまる。雷に打たれて気が付くとそこは平安時代で周りは、 おかめ顔ばかり(^^;なんとタイムスリップした折りに当時の女性「小袖」と中味だけ入れ替わってしまったのだ!! そして、その小袖とは源氏物語の執筆者である紫式部のもとで働いており。執筆のお手伝いとして物語の題材を集めて いる今でいう記者の役目をしているのだ。。『源氏物語』の中で出て来る女性達のに関するお話が、なんとも良かった。 一人の男性を思う切ない気持ち…。そうかと思えば、力強いその生き方をする女性あり…。源氏物語の解釈を柴田さん なりにアレンジしていてなかなか良かったです。当時も今も力強く生きる女性の姿そして生き生きとしたその姿勢は、 好感が持てます♪ ぜひ今度は、未来にタイムスリップした小袖自身の観点から作品を描いてもらいたいです♪ | ||||
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失恋した女性が平安時代にタイムトリップ。「源氏物語」を執筆する香子さまのために モデルを探したり取材やインタビューをしたりする「小袖」という女房と入れ替わって しまったらしく、そのお仕事も取りあえずやってみることに。これは夕顔の、 これは葵の上の、そしてこっちが末摘花のモデルね、と、わずかな古典の知識を 思い出しつつ取材をするうちに、末摘花は不細工、とか、六条御息所はシット深い、 とか、そういう情報はフィクションで、実際のモデルの女性たちはもっと生身の 女性として生きていたことを知り、自分の恋愛観についてもいろいろ考えることになる… という、古き良き時代のコバルト文庫風の、古典をモチーフにしたSFエンタテイメント。 柴田さんらしく「末摘花は見たところ不細工じゃないのになぜ後世には凄くブスって 伝わっちゃったのか」とか「父の入道の言いなりで源氏の相手をした明石の君に 意志はなかったのか」とか、突っ込みどころ満載の源氏物語に対してユーモラスな 答を用意している。それぞれの女性の秘密の描写は、ミステリー作家としての柴田さんの センスでなかなかどれも面白い。時間旅行もののお約束「主人公はもといた時代に 無事に戻れるのか?」「戻ったとして、トリップ前より幸せになったり成長してたり するのか?」という点でも爽やかなエンディングになっていると思います。 | ||||
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失恋した女性が平安時代にタイムトリップ。「源氏物語」を執筆する香子さまのために モデルを探したり取材やインタビューをしたりする「小袖」という女房と入れ替わって しまったらしく、そのお仕事も取りあえずやってみることに。これは夕顔の、 これは葵の上の、そしてこっちが末摘花のモデルね、と、わずかな古典の知識を 思い出しつつ取材をするうちに、末摘花は不細工、とか、六条御息所はシット深い、 とか、そういう情報はフィクションで、実際のモデルの女性たちはもっと生身の 女性として生きていたことを知り、自分の恋愛観についてもいろいろ考えることになる… という、古き良き時代のコバルト文庫風の、古典をモチーフにしたSFエンタテイメント。 柴田さんらしく「末摘花は見たところ不細工じゃないのになぜ後世には凄くブスって 伝わっちゃったのか」とか「父の入道の言いなりで源氏の相手をした明石の君に 意志はなかったのか」とか、突っ込みどころ満載の源氏物語に対してユーモラスな 答を用意している。それぞれの女性の秘密の描写は、ミステリー作家としての柴田さんの センスでなかなかどれも面白い。時間旅行もののお約束「主人公はもといた時代に 無事に戻れるのか?」「戻ったとして、トリップ前より幸せになったり成長してたり するのか?」という点でも爽やかなエンディングになっていると思います。 | ||||
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