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第三の男
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【この小説が収録されている参考書籍】
第三の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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有名な映画「第三の男」の原作です。 第二次世界大戦の直後、ソ連、イギリス、アメリカ、フランスの分割統治下のウィーンに、友人に会うためにイギリスから来た男が、当の友人が死んだと聞かされ、その死の謎を解こうとして、調べるうちに、友人が、闇市でペニシリンに砂を混ぜて売り、儲けていたこと、その砂を混ぜたペニシリンのせいで、病気の子供が死ぬという事態に至っている事、更に友人がまだ生きている事を知り、警察に協力して友人を捕まえる……という話です。……友情と正義の板挟みに遭う人間の苦しみ…又はそれとも違うというつもりかも知れないけど、“正義”というものを語るのに、子供をダシにしている感じは否定できません。……いつもは、自分の子供でもよその子供でも、ハナも引っ掛けないくせに、小説やドラマや映画となると、やたらに病気の子供だとか身体の不自由な人が闘病生活でがんばってるだとかいう、メディアや政治家のロジックそのものという感じがします。…映画も見たことないけど、見たいとも思いません。……安っぽい三文小説という感じ。 | ||||
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同じハヤカワの物を読む。内容にダブりはあるが(負けたものがすべて取る)。これはこれで買うよ。体裁が非常に立派だ。 | ||||
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G・グリーンのオリジナルシナリオ。 これはまず映画ありきの原作なので本人も認めているように映像に軍配が上がる。 ラストシーンの違い。チターの伴奏。大下水道と大観覧車。 モノクロ映像のタッチと相俟って大戦後間もないウィーンの独特の世界に浸れます。 | ||||
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グリーンは自身の作品を本格小説ノヴェルと娯楽小説エンターテインメントに分類した作家である。 この作品は映画のために書かれたもので、readabilityが高くあっという間に読了した(映画を見た直後だったのもあり)。 先に読んでおけば映画がより理解できたかもしれないと感じた。 ところどころに置かれた笑える一コマが、なおさらハリー・ライムの「ピーター・パンのような」悪を際立たせている。 それは無垢な子どもの残酷さを思わせる。 彼が「一人前になる」=改心する、ということはない。カトリック信者だが、その解釈はご都合主義。 話し合って解決というのはやはり幻想にすぎないのかと考えこんでしまった。 事件を捜査してきたキャロウェイに「あなたの勝ちです。私の馬鹿野郎ぶりを証明なさったんだから」 と言われたハリーの友人マーティンズが、「勝ったんじゃありません、ぼくの負けでした」と答えたのは、 彼の正義と信頼が親友と思っていたハリーに通用せず、しかも彼を死に追いやってしまったからだろう。 確かにこれはかなり酷な展開だ。 その上に映画版のようなラストでは、「この種の娯楽物には不幸な結末は重すぎる」とグリーンが考えたのも無理はないだろう。 しかし、本人も認めているように、映画のラストの方が断然よかった! (チターの音色にも助けられていると思うが) 映画とセットで最大限に楽しめるエンターテインメントだった。 | ||||
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We have he a fun strait forwarded screen play with a small introduction by Andrew Sinclair. There is some information on Characters, credits, and casts. As with most screen play books the pages are interspersed with pictures from the movie and a smattering of explanatory footnotes. A little information about the movie for those not sure on purchasing this book: Holly Martins (Joseph Cotton) an out of work novelist (Westerns) is offered a job in post war Vienna by his friend Harry Lime (Orson Welles). When Holly arrives he finds he is late for Harry's funeral. The authorities are besmirching Harry's memory. Harry's girl (Alida Valli) after hearing of a mysterious third man at Harry's car accident suggested that Harry's death may not have been an accident. Now it is up to Holly to clear Harry's name. We may be in for a few surprises. | ||||
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この映画の大ファンで、これまで数え切れないほど繰り返し見てきました。 映画との違いについてしばしば取り上げられるため原作にも興味はありましたが、今回はじめて読むことができました。このため映画の各場面、セリフを思い起こしながらの少し変わった読書体験となりました。 映画と原作の印象を異なるものにする最大の要素は、原作ではキャロウェイが語り手となり、すべての話を進めていくところです。しかし、実際にキャロウェイがロロ(ホリー)と行動を共にするのはごく一部の場面のみです。このため、物語の描写にはかなりの不自然さ、というか、ぎこちなさを伴っています。この点が映画では素晴らしく編集されており、まさに史上最高と言われる映画に仕上がりました。 原作単体で読むと、小説と脚本の中間のような印象の不思議な作品です。ただし、作品が映画製作を目的としていることを考えると、文句なく星5つを差し上げたいと思います。 | ||||
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映画の傑作「第三の男」の紙書籍版。連合国軍による分割占領時代のオースト リア、旧友のHarry Limeから招待を受けた作家のRollo Martins はウィーンを 訪れますが、折しもHarry は交通事故で亡くなったとされ、葬儀に参列。その後 RolloはGalloway 少佐からHarry はペニシリンの闇取引の中心人物と聞かされ、 その真相を探るため自ら調査に乗り出します。 本編は短くテンポは速く展開していきますが、登場者個々の感情表現は巧みで 含みがあります。ただ映画の映像や音楽の印象が余りにも強烈で、読んでいて 文字の奥に映画の場面が現れてくるような錯覚を起こしそうになります。小説 はGalloway 少佐の視点で捉えられ進んでいきますので何か違和感を覚え、 かの有名な ”スイスのハト時計” の台詞のある映画の方が楽しめると思います。 | ||||
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"The Third Man"の映画を先に見て、原作はどうなんだろう?と思って買ってみた本です。 映画の余韻醒めやらぬうちに一気に読みましたが、なるほどあの映画は原作に忠実に作られていたんですね。 本書にも登場する大観覧車が見える、かの有名な「カフェ・モーツァルト」でミット・ザーネ(ウィンナ・コーヒー)でも頂きながら読み直したら、もっと面白いのかなと思いました。 (あのカフェ、周囲の他の店より価格設定高めなんだそうですが) | ||||
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As everyone knows, the film 'The Third Man' is more famous than the original novel. Graham Greene, who was asked to write a film script about post-war Vienna by Alexander Korda, a Hungarian-born British film producer and director, wrote the novel in preparation for creating the film script. He explains that the book was never intended to be more than that. It is neither a novelization of the film nor a stand-alone novel upon which the film was based. The reason I felt like reading this novel was just because I wanted to check if that famous dialogue is included in it; "You know what the fellow said ' in Italy, for thirty years under the Borgias, they had warfare, terror, murder and bloodshed, but they produced Michelangelo, Leonardo da Vinci and the Renaissance. In Switzerland, they had brotherly love, they had five hundred years of democracy and peace ' and what did that produce? The cuckoo clock." The dialogue is not included in the novel. Many people claim that this dialogue was added by Orson Welles. Welles himself seems to have claimed that it was his dialogue. It is possible that it was, but it is just as possible that because Welles was very famous for ascribing everything to his credit whether it is proper or not, he boasted of what he actually had not done. Orson Welles was a genius, but as it is said that genius is too often strangely allied to grave defects, he was a very selfish man. In the shooting, Orson never showed up when and where he was supposed to be. So Carol Reed had to shoot that famous shadow running scene, using Guy Hamilton as Orson's double. After he finally arrived, he refused going in the sewers, saying that he might catch typhoid. You can see that in the sewers scene only the breath Orson exhales is not white, which is the evidence that only Orson's shots were taken in the warm studio. Welles also refused the famous shots of Lime's fingers rising up through the steel vents of the street, so Reed had to use his own hands. It is very ironic that such an ill-mannered actor displayed one of the most memorable performances in the motion picture history. | ||||
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第三の男の企画の最初の最初は、BBCのシャドウイング・ザサードマンによると、グレアム・グリーンが1938年のフランス映画・望郷(ペペルモコ)を見て、強い印象を受けたとか。カスバの迷路に逃げ込んだギャング(ジャン・ギャバン)即ち、西の男がオリエンタルの迷路に逃げ込む話し、これに政治的な色合いをつけたものにしようとしたとか。ですから、キャロル・リードの最初のナレーションにコンスタンチノプールが出て来るわけです。このペペルモコでは、カスバの情人として、イネスが描かれますが、それが決して美人ではなく、一方、パリからきたギャビーに惹かれてモコは破滅するわけです。グレアム・グリーンは小説はコメディ・スリラーとして書いたのですが、アンナ・シュミットについて記述がありますが、イネス的容貌です。ですから、最後の中央墓地では、アンナ・シュミットがロロ・マーチンスを掴まえてしまう喜劇の結末になったと思います。ここは小説の英文では、ロロ・マーチンスがI've lostと言ってからアンナ・シュミ ットを大股で追っていき、それから 並んで歩いていきます。I've lostがなければ意味はまた別。英文も日本文の前後を読まねば意味が正確には把握できません。この小説の終わりの場面を例示すれば、マツコ・デラックスが佐藤浩市の腕を掴んで競馬場につれていくようなものですね。更に言えば、モコはギャビーを使ってカスバの迷路から罠にひっかかり破滅するが、ハリー・ライムはホリー・マーチンスを罠に、地下迷路からおびき寄せられて殺されるという同じパターンを使っていますね。ですから望郷では、男モコ、女イネス、女ギャビーの三角関係、第三の男のでは、男ハリー・ライム、女アンナ・シュミット、男ホリー・マーチンスで性別があわないのですが、グレアム・グリーンの小説では、ハリーとロロが同性愛(英国の寄宿舎で)の関係を暗示してますね。 | ||||
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グレアム・グリーンは大好きですが、この作品は正直微妙です。映画化を前提とした原作という予備知識なしで読むと、肩透かしを食らう可能性ありです。話自体は面白いです。なので、小説だけ単独で読んでも、プロットは楽しめるとは思いますが、文学としての完成度については、少々手際が良すぎるというか、上手に処理しているという印象で、ちょっと疑問符がつく感じです。ただ、この小説を先に読むと映像作品を見たくなることは請け合いです。 | ||||
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「序文」で、グリーン自身が「『第三の男』は読んでもらうためにではなく、見てもらうために書いたものだ、と言っているように、この本は映画のほうが圧倒的に有名で、私も過去何度かTV,DVDで観たものだ。あえて、原作を読んでみた。 原作を読めば、第二次大戦後のウイーンは米英仏ソ4カ国に共同管理されていたこと、ペニシリンの闇取引が横行していたこと、既に西側と東側の冷戦構造が見え隠れしていたこと等々がよくわかり、映画を観るにあたり予備知識としてなかなか興味深い。 映画は原作と若干変わっているのだ。一番の違いは、映画史上最も有名なラスト・シーンといわれている、例のあのシーン。映画ではアン・ハッピー・エンディングで終わっているのだが、グリーンも納得済みの好結果となった。良質のサスペンスは映画も原作も、どちらもいいものだ。 | ||||
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この小説は、映画化を前提に書かれたということもあって、映像化しやすいように書かれています。従って、微妙な心理描写的なものは非常に少なくなっています。それだけに、読みやすいとも言えます。物語の舞台は、敗戦の傷痕が生々しいウィーンの街ですが、その情景が非常に上手く切り取られていて、英・米・仏・ソの4ヶ国による共同統治下という状況や、闇市の蔓延る状況、そして、地下下水道の存在と、この作品に無くてはならない状況設定を形作っています。もちろん、人物の設定も同様です。映画とこの原作では、一部異なるところがあります。もちろん、詳細の描写は小説の方が詳しいのですが、ラストが違います。映画を見て、あのラスト・シーンが焼き付けられているせいか、個人的には、映画の方の終わり方に軍配を上げたいと思います。とは言っても、この小説もなかなか面白い作品でした。 | ||||
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