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(短編集)
ミステリーズ
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ミステリーズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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作者がミステリの新しい可能性を探るため挑んだ実験的短編集。作者が旧来のミステリに満足できず、新たな世界に挑んだ意欲は買えるが、さほどの斬新さを感じさせるアイデアはないし、マニア向けの細かい趣向を除くと読者を楽しませるという娯楽小説の原点の意識に欠けると思う。「密室症候群」は作中作の中に作中作があり、かつ"心の密室"を扱うという凝った趣向で、本作では一番の出来。「禍なるかな、いま笑う死者よ」は笑い顔の死人の謎を扱うものだが、物語にして綴る程のアイデアではない。この程度のレベルの作品が多過ぎる。「解決ドミノ倒し」は舞台劇を意識した殺人ドラマで、ドンデン返しの無限地獄で笑わせるが、最後のオチがありきたりでガッカリさせる。「不在のお茶会」はクィーンの「キ印そろいのお茶の会」の題名のもじりで、「<私>とは何か」を追求しているようで、実は「ミステリにおける<読者>の役割」を論じたもの。そして、これが本作全体のテーマになっている。「あなたが目撃者です」も本当は<読者>を登場人物にしたかったのであろう。小説なので、ああいう書き方しか出来なかったが。「解決ドミノ倒し」も犯人は<読者(聴衆)>だと言っているのだ。全体構成に対する作者の再三の注釈は煩い。文学(芸術)作品のように、"私の作品は分かる人だけ分かれば良い"という態度で娯楽小説を書いて貰っては困る。新しいミステリ像の構築と言う目的が先走ってしまい、読者に対するミステリ的驚きを与えるという点で不満が残る作品。 | ||||
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