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(短編集)
ミステリーズ
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ミステリーズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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とても面白かったです。 | ||||
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このミスの国内部門1位を獲得した作品だが、最近の法月綸太郎氏のノックスマシンの1位獲得のパターンの先駆けと言える、このミス1位なのに内容はミステリーではない作品集。 海外小説の翻訳調でミステリーというのでもなく、サスペンスでもない、どちかというとブラック落ちのショートストーリー集と言った感じの作品。 アメリカの洋画を見ているような雰囲気にさせられる作品だが、ペダンスティク過ぎて話がどう落ちているのかよく分らないものも多少あり、実験色の強いマニア向け作品と言える。 面白さにバラツキのある短編集だが、よく出来ているものも多くあり、読み応えは満点である。 | ||||
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作家とタイトルを見て勝手に本格推理小説かと思い購入しましたが、内容はちょっと違いました。ミステリーには間違いないのですが、いわゆる謎解きモノのではなく、一風変わった趣向の短編集でした。それぞれ趣向を凝らせてありそれなりに楽しめましたが衒学的な部分もあり、特に後半においては意外と読みにくいという印象でした。 | ||||
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◆「密室症候群」 「密室」という観念にとりつかれた男の狂気を、精神分析学的アプローチと、 作中作を重層化させるという入れ子構造の構成で描いたメタフィクション。◆「禍なるかな、いま笑う死者よ――あるいは〈笑いの原理〉」 プロデューサーのアダムズ氏は、売れないコメディアン・コーエンの恨み を買ったことで、彼に拘束され、強制的に芸を見せられることになる。 しかも、笑ってしまうと……。 〈笑い〉とミステリはどちらにも原理があり、意外性が求められるという点、 そして、人間の尊厳を崩し、物の如く扱うという点で共通していると考えた 著者が、笑いと恐怖という一見相反するものの両立に挑んだ作品。 ◆「いいニュース、悪いニュース」 スワッピングを題材とした《奇妙な味》の艶笑譚。 叙述トリックによって導かれる、因果応報な結末に苦笑。◆「音のかたち」 やたら騒々しい音響怪談、というコンセプトの作品。 音楽が《波》であるのと同様に、ハイゼンベルクの不確定性原理によれば、 量子レベルにおいては、粒子の位置は不確定にしか分からないため、人間 も無数の波の集合体ということになる。その人間を構成する粒子と音の波 が共振したとき、至高の時を体験する――、そうなのだが……。◆「解決ドミノ倒し」 推理によって事件に対する「正答」が導かれるや否や、すかさず新しい事実や 登場人物の意外な正体が明かされ、再び白紙に戻されるという《多重解決》の 形式が採られたパロディにしてメタ・ミステリ。 最後のオチもベタですが、キマッています。 ◆「『あなたが目撃者です』」 アメリカの公開捜査番組に基づいて書かれた、二人称小説。◆「『私が犯人だ』」 殺人犯が、自白しているにも関わらず、 なぜか周囲から無視されてしまう……。 ポーの作品がモチーフとなっています。◆「蒐集の鬼」 落語の『猫の茶碗』を下敷きにして描かれるレコード収集家の悲喜劇。◆「《世界劇場》の鼓動」 音楽を題材とした、黙示録的イメージが横溢する掌編。◆「不在のお茶会」 四つ椅子があるテーブルに、植物学者、作家、 精神科医という三人の人物が席に着いている。 残り一つの席には、誰が座るのか? 小説を書くこと、そして読むことの意味を追究したメタフィクション。 | ||||
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単行本(1994年)→講談社ノベルス(1994年)→本書。 単行本版に比べると「<世界劇場>の鼓動」が新たに加えられている(ノベルス版から)。 10本を集めた短編集。1995年の『このミス』国内第一位に輝いたことでも知られる。 前半はキレのある短篇、中頃はミステリという枠組みへのパロディ、後半はミステリという存在への考察となっている。といっても、1、2篇を除いては普通の読者にも楽しめるものだし、ミステリ・ファンにはマニア心をくすぐられる物語となっている。 アイデアの秀逸さが光っている。楽しくて軽い文体で書かれている点も嬉しい。 | ||||
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作者がミステリの新しい可能性を探るため挑んだ実験的短編集。作者が旧来のミステリに満足できず、新たな世界に挑んだ意欲は買えるが、さほどの斬新さを感じさせるアイデアはないし、マニア向けの細かい趣向を除くと読者を楽しませるという娯楽小説の原点の意識に欠けると思う。「密室症候群」は作中作の中に作中作があり、かつ"心の密室"を扱うという凝った趣向で、本作では一番の出来。「禍なるかな、いま笑う死者よ」は笑い顔の死人の謎を扱うものだが、物語にして綴る程のアイデアではない。この程度のレベルの作品が多過ぎる。「解決ドミノ倒し」は舞台劇を意識した殺人ドラマで、ドンデン返しの無限地獄で笑わせるが、最後のオチがありきたりでガッカリさせる。「不在のお茶会」はクィーンの「キ印そろいのお茶の会」の題名のもじりで、「<私>とは何か」を追求しているようで、実は「ミステリにおける<読者>の役割」を論じたもの。そして、これが本作全体のテーマになっている。「あなたが目撃者です」も本当は<読者>を登場人物にしたかったのであろう。小説なので、ああいう書き方しか出来なかったが。「解決ドミノ倒し」も犯人は<読者(聴衆)>だと言っているのだ。全体構成に対する作者の再三の注釈は煩い。文学(芸術)作品のように、"私の作品は分かる人だけ分かれば良い"という態度で娯楽小説を書いて貰っては困る。新しいミステリ像の構築と言う目的が先走ってしまい、読者に対するミステリ的驚きを与えるという点で不満が残る作品。 | ||||
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です。因みに短編集が受賞したのは初との事。 玄人好み、なのでしょうか。何だかそういう評価も聞きますが、決してそんな事はないですよ、と僕は思います。マニア向け作品、などという事もありません。相当凝った作品ではありますが、楽しいです。 テーマは「狂気と逸脱」。でも内にこもる類ではなく、寧ろ躁状態のグルーヴを感じます。「ミステリ」の可能性をここでも山口氏は追及、若しくは探求しているのでしょう。吃驚するオチ満載ですよ。それでいて一貫したテーマは常に流れています。見事な短編集ですよ、これは。 可能性として残された、考え得る「ミステリ」の作法の集合。だから『ミステリーズ』。 | ||||
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