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屍鬼
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屍鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全177件 101~120 6/9ページ
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最初は、やたらめったらいろいろな人たちが出てきて、ちょっとたいくつなんですよ。でも、途中から、ぐんぐん引き込まれます。下巻に入ると、もうどうしようもなく先が気になって、本から離れられなくなりました。生と死、人間の本質、閉塞した社会。この閉塞した社会は、日本の縮図なのかな?屍鬼に襲われて死んだ人が、全員屍鬼として蘇るわけではなく、しかも、蘇るかどうかは遺伝。どうしようもない運命なんですね。蘇りたい人が蘇られず、蘇りたくない人が蘇って、蘇った自分を呪う。蘇って、やたらと生き生きしている奴もいたり(笑私ならどうだろう?蘇りたい?蘇りたくない?とてもとても長いお話で、最初はたいくつですが、是非に読んで欲しい本です。おとり置き決定です。 | ||||
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展開して、主人公一味がゾンビを掃討して大団円、てな話を小野さんが書く訳がなく。挿入される静信の小説はちとまどろっこしいが宗教者としての彼の言は単純な善悪二元論を煙に巻き、物語に深みとペーソスを与えていると思う。人として屍鬼と戦う敏夫ももちろんわかるけどね。敏夫と千鶴が祭りに出かけるシーンが、この小説を象徴しているのではないかなぁ。綺麗で、哀切で、凄惨で。夏野は、ちょっともったいないキャラだと思うので、星4つで。 | ||||
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その火事は事件の始まりではなく終焉だった。★を10個つけても足りないくらいの面白さ。単純に読めば二日貫徹してもおかしくないホラーでありエンターテイメント小説。これだけの作品にはなかなか出会えません。これだけ縦糸横糸を張り巡らせているのにトリッキーではない、極めてシンプルなのです。そしてどんな展開になっていってもけして無駄なあおりはなくむしろギリギリまで引き金を引いているような緊張状態。遅筆だとかいわれても出てくる作品がこれでは文句がいえません。 | ||||
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上巻のテンポと比較して、下巻のテンポはスピードアップし、後半でその臨界点を迎える。まるで白い半紙がじわじわと、血液を吸い上げて紙が赤く染まっていくかのように、村が汚染され、村民が一人、また一人と亡くなっていく。白い半紙がほとんど赤く染まりかけた時、快哉の声を上げたのは汚染者たちなのか、村民なのか?怖い怖いと言うだけで、起こっている現象から目も耳も塞いだ村民たち。起こっている事実から目を背けることが、決して事実の解決にはならず、逃げの姿勢が逆に大惨事の拡大に手を貸すことになるということを、本書ではその恐ろしさを、闇夜の足音のように忍びやかに、そして精密に見事に表現してあります。この作品は本当にお勧めです。ただ長文に慣れていない方は、上巻のスローテンポはちょっと苦しいかもしれません。 | ||||
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まず登場人物の多さに、辟易とまではいかないけど正直疲れます。でもそれ以上の話の面白さに(屍鬼というものに対して今時そんな映画のような、とはちらりと思いましたが)最後まで読み進められずにはいられませんでした。敏夫と千鶴の神社の場面が一番手に汗を握りそれからはもう傾れこんでしまいましたよ。そして私は敏夫よりだったので静信には何度もむっとするところがありました。でも誰しも静信のような感情も気づかないだけで持っているのではないかと考えさせられてしまいます。小野作品で十二国同様に好きな作品です。 | ||||
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人間の本質を問う話だと感じました。生きるということは、必ず何かの犠牲の上に成り立っていて、その真実の前では善も悪もない。というか善にも悪にもなりうるという、どうしようもない事実が閉塞的な小さな村を舞台に展開されていくドラマです。村人全員顔見知りみたいな密接した人間関係だからこそ浮き彫りになる人の罪深さと美しさ。自己防衛を理由として剥がれ落ちてゆく被害者の仮面と、加害者という意識のない新たな殺戮。5冊と長いですが、その間に自分がどちらの側に同調するか、振り子のようにいったりきたりしました。又、文中に主人公が執筆しているカインとアベルの兄弟殺しを題材にした小説が挿入されますが、それが物語のテーマを深く示唆しています。ぜひ読んでみてください。 | ||||
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屍鬼を読んだ理由の一つに、ホラー小説が読みたいというのがありました。そんな時、書店で屍鬼の存在に目を止めました。この小説は、怖いという噂。今全5冊読み終わって思うのは、これはホラー小説ではないと思いました(僕にとっては)。だから、少しがっかりしました。小野不由美さんの小説だから買おうと思って買えばよかった(小説的にはなかなか面白かったから)。なぜホラー小説とは思わなかったかといいますと、怖いと思った事がほとんど無かったからです。僕は主に深夜帯にこの本を読みましたが、一人暮らしなのを後悔することは、ありませんでした。理由は、現実味が薄いからだと思います。もしからしたら、隣人が屍鬼なのでは・・・。そのようなことを思うことは一度もなく(どうして屍鬼になりえるのか。そこが納得できなかったから)。、唯一ゾクッときたのは、4巻の俊夫さんが村役場出張所に行った場面でしょうか。しかし、小説的にはグングン読ませてくれます。5巻まで全部買っておいてよかった。本当に午前3時に、本屋さんに行きかねない状況でした。(開いてませんが。ん。もし開いていて、僕は午前3時書店に屍鬼を買い求めに行くと、そこには多数の屍鬼が跋扈していた・・・。) | ||||
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全5冊にのぼる長大な作品であるが、コワモテな題名のわりには存外ライトな読後感だ。一口で言えば吸血鬼物で、ホラー、スプラッター系の描写も多いが予想ほどどぎつくはなく、後味も悪いというほどではない。読者を物語りに引っ張り込み、一気に読ませてしまう力はなかなかのものだ。的確なイメージを結ばせる描写力、西洋渡来の吸血鬼テーマと日本ローカルの民俗性との結合、女性登場人物の造形の巧みさなど長所として挙げられる。半面主役陣が屍鬼の実在を認識するプロセスなどはやや唐突だし、現代の話なのにいくら僻村といっても異常事態をマスコミが全く嗅ぎつけないとか、同じようなエピソードが同じような表現で延々と繰り返される冗長さ、男性登場人物の性格がややステレオタイプ、といった短所もある。しかし一番物足りないことは、吸血鬼の造形にオリジナリティが打ち出されていない点だろう。もっと日本化された吸血鬼像を読みたかったね。傲慢な事をいえば、一冊あたりが同じ位の頁数で上中下三冊くらいにまとめればもっと引き締まったかもね。 | ||||
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5巻という長さにもかかわらず、一気に読める作品です。確かに恐怖の正体は分かってみるとややがっかりですが、1巻でやや煩わしく感じる多数の登場人物の描写が、それぞれの人間性にふさわしい結末に導かれていて、また違った楽しみ方が出来るようになっています。ホラーとしてはやや漫画っぽい分かり易さがあり、人物描写については魅力に満ちた奥深さがあある、という感じです。奇抜なホラーを期待して読まなければ、十分楽しめる作品だと思います。 | ||||
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ハードカバー上下巻で、さすがに1日では無理でした。深夜、読むのをやめて、寝ようと思っても、こわいシーンがフラッシュバックしてしまいました。私にとってこわかったのは、簡単にヒトが変わってしまって、それがじわじわと広まっていくところ。 でも後半は、ドミノ倒しの逆回転を見てるようで、哀しかったです。私はこの作品からファンになりました。 | ||||
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文庫版で5分冊にもなっているこの長い小説を発行当時のハードカバー(上巻・下巻)で読んだ。 物語の面白さもさることながら、「屍鬼」たちが凶暴で恐ろしいバンパイアではなく、姿かたちはもとより内面もきわめて人間的な感情を持った普通の存在として描かれているところが単なる「ホラー小説」の域をはるかに超えていた。 文章自体も「吸血鬼もの」とは思えないほど淡々として穏やかな筆運びで、著者は「神」とか「秩序」とか観念的な「何か」を訴えたかったのではないかと思う。 それにしても上巻545ページ、下巻726ページ、合計1271ページ、読み終えるのに11日間、フー、疲れた。 | ||||
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はやまない。 怪異の正体はわかったが、それを村人に信じさせることができずに悩む敏夫。そして、過程を問わないやりかたが静信をさらに悩ませる。 ここにきて、小野不由美は屍鬼の側の事情も考慮して書くようになっていく。ますます目が離せなくなる、屍鬼、四巻。 | ||||
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明かされていく、村を襲う「もの」の正体。 今までの症状と合致するように根拠をあげながら屍鬼の正体を清信に説明するシーンは秀逸ですね。 全容が暴かれてからの加速度的な話の展開も上手い。真実に気づき始める人々、誰も信じてくれないくやしさ、死ぬとわかっていて何もできないもの、子供の孤独の戦い。 うーん、本当に目が離せない。 | ||||
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盛り上がりを見せる屍鬼、第二巻。 医者と坊主が必死で村に蔓延する異常事態を食い止めようと画策するが、それでも事態は拡がるばかり。 この巻にあって、主人公である清信と敏夫の関係がさらにわかり、また、裏に思う人間関係が露呈されていく。そういった意味で、この巻は登場人物のしっかりした顔見せ、という意味になるのだろうか。 | ||||
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街から隔絶された田舎の村。昔からの風習をいまだに引き摺っている。 小野不由美が送る、超大作。文庫版はベストセラーになっています。 全五巻の最初の一巻ということもあり、必然的に事件の起こる前兆になり、イマイチ迫力に欠け、さらには登場人物がめちゃくちゃ多く読みづらい面があるのも否定できない(っていうか、絶対しょうがない)が、それでもこれから発生する事件の壮大さを感じさせる筆力と、しょっぱなから人死にすぎです、という展開にはやっぱり期待してしまう。 | ||||
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小野不由美のファンタジーを一通り読んでから、もう一度これを読んだら、舞台は山村に、主人公たちは中年になっているが、根本的なテーマは同じだったのか、と思った。つまり、自分の居場所探し。自分と他人との距離。そして、その人なりに、気高く強く、深い愛情を持って生きてきたはずなのに、状況が変わったとたんに一瞬にして崩れる人間の心。自分で思っていた「自分」が壊れていく恐怖、というのが小野不由美は上手い。やっぱりホラーの主眼は怪物でなく「人の心」なのだ。 | ||||
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社会からは隔離されたとある村,閉鎖された空間の中でじわりじわりと人間社会を侵食していく屍鬼.生きるためには人を糧にしなければならない彼らは,決して人間と共存できる存在ではない.事態に気付きそうな者,自分たちに害になりそうな者を巧妙に排除し,規模を広げていった彼らだが,智恵と勇気を持った指導者により団結した村人たちの反撃にあう. 繰り広げられる地獄絵図,屍鬼以上の残虐性を見せる村人達,もはやそこに倫理観は存在しない.対立する二つの勢力.そのどちらにも言い分があり,絶対に譲ることは出来ない.正義は何処にあるのだろうか? | ||||
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キングのパクリだと得意気にほざいているレビュアーがいますが、これはキングの「呪われた町」へのオマージュ作品です。パクリとは全然違うんですよ?理解できます?これがパクリならキングもブラム・ストーカーのパクリじゃんれの。どうも日本には実力も無いのに口だけは達者な身の程知らずが多くて困る。「村は死によって包囲されている」棺桶や卒塔婆の原料となる樅の木に囲まれた村を形容すると同時にこの作品それ自体を一文で言い表したこのフレーズだけで「屍鬼」は既に傑作ですよ。絶対だよ~~。 | ||||
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~自己満足を満たすための長さは、いかにもライトノベルです。観念的で、冗長でもある。人間描写が、浅い!小説としては、完全ではないです。観念的な部分を削って、ストーリーをもっと書き込むこともできたと思うのです。しか~し、面白い。これは、これで良いのです。この作品は、この結果で満足です。これは、作家が、作家自身のある区切りのために~~書いた作品です。渾身の熱作ですもの。とばし読みでも良いから、必読です。・・・でも、解説はちょっと、違うと思うんだけども。キングはキングで、それも承知でそういう作品にしたのだと、思うのだけれども。~ | ||||
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何人かの方が書かれているように、上巻の前半は村の特殊なあり方形状が、延々書かれていてなかなか読むスピードがあがりませんが、上巻の後半部分から一気にテンポが速くなり、下巻後半部分では怒涛の展開、人間VS屍鬼との戦いはまさに圧巻でした。**若干ネタバレ***ハッピーエンドを期待してしまう私にとっては結末は少々ガッカリするものでしたが、それでもこれはお薦め作品です。前半のだらだら続いたように思われた村の描写も読み終わってみれば必要不可欠なものでした。この猛暑の夏にはピッタリ!?の作品です。 | ||||
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