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古書の来歴
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古書の来歴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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異端審問、焚書、迫害、紛争——運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリの白眉。第2回翻訳ミステリー大賞受賞作。 | ||||
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物足りなさが残る「古書の来歴」 ジェラルディン・ブルックス著(森嶋マリ訳)「古書の来歴 (People of the Book)」(RHブックス+;2012/4/10, 文庫版(上・下)初版)は、面白く、一気に読めた。偶像崇拝を否定するユダヤ教だが、15世紀のスペインでムーア人の女性ザーラよって聾唖者のために美しい細密画入りの祈祷書が作られた。その後、絵を買い取った能書家ダヴィドによって祈祷文が書き加えられて完成したSalajevo Haggadahは、スペイン両王の勅令によってユダヤ教徒と共に国外追放され、17世紀のベネチアでの異端審問官による焚書を逃れ、ナチスの焚書も逃れ、ボスニアで紛争も逃れて1996年にサラエボで再発見される旅をオーストラリアの古書鑑定家ハンナ・ヒースが辿る物語。ユダヤ教の過越し祭の聖餐の際の祈祷に使われる家庭用の祈祷書が、宗教の壁を越え、博物館の学芸員らによって守りつがれてきた。 ヨーロッパを主な舞台として時空を駆け巡る小説だと映像が頭の中を流れるように読み進み、様々な知識を手に入れることができる。オーストラリアまで第三極として加えられている点は、それぞれが薄くなって、逆に重奏感を損なっている。 | ||||
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ちょっと予想していた内容とは違ったんだけど、ヒストリカル・ミステリとして十二分に楽しめた。修復の過程でハンナが見つけた謎。蝶の羽、今はない留め金の痕跡、ワインの浸み、塩の結晶、白い毛……古書は500年もの間、どのような旅をしてきたのか? そして、ハガダーとしては珍しい細密画を描かれた理由は?無論、ハンナはそのサンプルから推測と想像しかできない。しかし、我らはその旅を遡ることが出来る。そこに現れるのは、ユダヤ迫害の歴史、命を賭けて本を守ろうとする精神、帰属する場所の発見……戦火・破壊に追われながらも、運と人々の献身によって現代まで生き延びた一冊の書物。それを通じて、500年の時を隔てた二人の女性が自分の居場所を見つけ、邂逅する一瞬は感動的。ここに出てくるサラエボ・ハガダーは実在していて、ネットでその画像を見ながら読むのも楽しい。また『古書修復の愉しみ』『西洋製本図鑑』あたりを副読本とすると何をやっているのかイメージしやすいかも。 | ||||
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