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丸太町ルヴォワール
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丸太町ルヴォワールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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09年11月の単行本(講談社BOX)の文庫化.これに際し,全面改稿が行われているとのことです. ヒネ気味の少年と謎の女性,一対一でのそれに始まる物語は,ほぼ会話のみで構成されており, 好みが分かれそうではあるものの,テンポのよいやり取りは,読み手を引き込む魅力を感じます. これが,二章に入るとさらに度合いが増していき,私的裁判という場での欺し欺されての応酬は, その会話劇はもちろん,見世物にもなっている変わった舞台,バレなければ何でもありなルールと, 法廷,裁判を舞台にした作品とはまた違う,変わったコンゲームのような楽しさが繰り広げられます. ただ,メインとなる裁判の場面では,ある意味閉じられた空間であるため,場面転換には乏しく, さらには,このパート自体が結構な長さであるため,少しずつダレてくるのは否めないところです. また,弁護側に立つ青年の背景が,『過去に何かやらかしたスゴ腕』程度にしか語られないことから, いきなりの大舞台,しかも百戦錬磨の相手に対し,堂々と立ち振る舞う様子にはやや出来過ぎの感も…. ほかにも,エピローグでのどんでん返しは,裏の裏は表で…といった類が波状のごとく押し寄せ, 確かに驚きや巧さはあるものの,もはやどちらが表か裏かわからず,『ゲップ』が出てしまいそう. おかげで,ラストに用意されたステキな場面も,そんな気分で迎えざるを得ないのが何とも残念です. とはいえ,その風情が語られることは少ないながらも,それでもどこか京都のニオイというのか, 私的裁判に代表される荒唐無稽な世界観は,やはり京都だったからこそ描けたもののようにも思え, これほどまでに進んだ世の中でありながら,古き都が抱く神秘的,幻想的な雰囲気を改めて感じます. | ||||
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