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ナニカアル



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【この小説が収録されている参考書籍】
ナニカアル

ナニカアルの評価: 4.00/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(5pt)

林芙美子ワールドに夢中です。いいね。

史料を読み込み鮮やかに林芙美子の時代を再現していますね。何処までが事実で何処からが創作か境界が感じられません。夢中で読んでいます。あっぱれ‼️
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No.17:
(5pt)

迅速丁寧 美品でした

読むのが楽しみです。 有難うございました
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No.16:
(5pt)

桐野さんの作品を読むと女性のことが怖くなります

作家林芙美子の評伝小説。芙美子についての愛人の噂を元に戦時下の日本を舞台に創作した。芙美子自身がその噂の真実を回想録に残し、没後40年たって見つかる。戦争という檻に閉じ込められた、芙美子と愛人の情熱と破局を描いた。そんな女が身近にいたら、もちろん嫌なのだが、、自分の気持ちの赴くまま男をくわえ込んではばかるところのない芙美子のふてぶてしさが読み所。センチメンタルに流されすぎないところがまた、女性のリアリズムを見るような気がした。
タイトルは、中国に従軍した際の芙美子の詩の一遍から
「刈草の黄なるまた 紅の畠野の花々 疲労と成熟と なにかある… 私はいま生きてゐる」。
従軍作家として強制的に派遣され、陸軍の強烈な監督と監視の下、ストーリーにそったルポや小説を書くように強制されるシーンと、芙美子の反駁は、「表現の自由」をめぐる桐野の小説観を表現しているよう。
その南方の鬱屈とした生活の中、愛人の毎日新聞記者との再会と逢瀬の官能的表現。そして、戦争の時代に女性として生きることの難しさ。家柄も、学歴もなく、私生児という出自を持つ、たたき上げの芙美子への蔑視。女性の声なき声を描いてきた桐野ならでは筆致だった。特に、女性作家差別が愛人の口から出る別れのシーン。インドネシア・バンジェルマンでダイヤモンドの原石を「二人の子どもみたいなもの」と買い求めるかわいらしさ、破局した後に身ごもったことを知ると、知人の娘にそのダイヤを惜しげも無くあげてしまう場面は素っ気ない描き方だけど、別れの悲しさがにじみ出ていた。
作中、芙美子の愛人の斎藤謙太郎は、毎日新聞記者から東大教授に転じた高松棟一郎との由。あとがきによると、戦後に書いた「浮雲」は南方での恋を描き、発表当時から芙美子の体験談?との噂があったという。あとがきを書いた佐久間文子はこの噂も創作のベースになっているのだろうと推測する。
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No.15:
(4pt)

この作家の展開面白い

私が応援している作家より紹介された作品であったが、確かに面白かった。
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No.14:
(5pt)

林芙美子って知らなかった。

ざつと知ってはいたのですが林芙美子の私生活をノゾいた気がします。戦争中って戦後世代にはわからないことが多いですが垣間見た気かします。戦争ってしてはいけないですね。
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No.13:
(5pt)

やっぱ好きな作家ですね

結構長編で戦時中の回顧録がメインだけど
非常に読みやすい筆致でサクサク読めました。
個人的には戦時中の物語をテーマにした
作品は説明口調であるものが多いと感じます。
どうしても時系列や戦況を必要以上に
説明してしまい物語のテーマが薄れ
教養ものになってしまう作品が多い。
しかしこの作品はしっかりと
人間を基準として描いているため読みやすいです。
しかし参考文献の数はなかなか凄いですね。
現実と虚構をうまく融合させる
桐野夏生のテクニックが光る一冊です。
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No.12:
(4pt)

やりたい放題の女の主人公

不倫やらやりたい放題の主人公。
40歳くらいなのにえらい熱い不倫をしたかと思えば
口げんかであっさりと仲をきる。
女性の読者はこのような人生に憧れるのでしょうか、
それとも軽蔑か。
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No.11:
(4pt)

第5位です。

【桐野夏生ベスト5】
1,メタボラ
沖縄人気質も含め、よく書けた。実際に沖縄に何度も足を運んだだろうし、現地の人とかなり会話したのではないか。文句なしのエンターテインメント作品。迷い無く選べた。

2,東京島
孤島(つまり封鎖空間)にたどり着いた男女の織りなす悲喜劇。尖閣に迫る中国の不気味な動きを強烈に風刺。同時に日本で徹底的な悪事を働く中国人犯罪者に怯える都会人の心理でもある。映画は木村多江主演と知って未見。木村が下手な役者なのでなく、不似合いだから。清川虹子が生きていれば若ければ、彼女以外に無い。

3,柔らかな頬
他の候補者が赤面したであろう、ダントツの直木賞受賞作。
複雑な人間関係、性欲、名誉…諸々の人間模様。犯罪も美しさを伴うのだと読者に思わせる確かな筆力。

4,OUT
彼女をスターダムにのし上げた一作。「だって殺しちゃったんだから仕方ないじゃない」からエスカレートする描写が見事。
映画も原作と少しストーリーを変えてあるが、これはこれで面白い。原田美枝子と室井滋が好演。『学校の怪談』シリーズで子どもを沸かせた平山秀幸が撮った、大人のエンタテイメント。

5,ナニカアル
疑心暗鬼を小説にすれば…。

※私の中の位置づけ。
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No.10:
(5pt)

小説を書くという業

桐野夏生という作家が描きだす、小説を書くという業を背負った生き様に圧倒される。クライマックスに向けて痛快。
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No.9:
(5pt)

意外に

桐野夏生が、林芙美子の私小説を書いたと言うことで、興味たっぷりに、読んでみた。面白い、時代背景の雰囲気も旨く描けている。
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No.8:
(5pt)

芙美子と夏生

林 芙美子さんを読んだ事がないので、「桐野さんの芙美子」しか知りませんが、
とても魅力的で勇気とエネルギ−を持った人ですね・・
勿論、小説ですからということは、承知の上で肩入れします。

あの時代は、大変でしたね・・作家先生もマスコミも・・
その時代の中で、何でも見てやろう、恋もしますよ・・という姿勢は
大したものです。そんな「芙美子」の、生きる力を鮮やかに著しています。

芙美子さんの直系のご遺族は、いらっしゃらないのですね。
晋ちゃんが、亡くなっていたから書けたのでしょうか?
芙美子さんを通して、したたかに生きる女流作家と当時の世相と占領地の様子
軍の怖さや憲兵の姿がよく描かれています。
アメリカが、スパイもどきを仕立てる怖さも知りました。
また、当時の文壇の方々・新聞社の様子が垣間見られて面白いです。

「桐野さんの芙美子」の生き様に浸って欲しい一冊です・・・・
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No.7:
(4pt)

現実と重ね合わせるおもしろさ

林芙美子は毀誉褒貶激しい作家だということは知っていた。私が読んだのは、「風琴と魚の町」「放浪記」「浮雲」だが、詩情のある文章を書く人だと思った。また「浮雲」の女性は殺しても死なないタイプ、というか、生きるエネルギーが有り余っているといった感じであったが、この「ナニカアル」に描かれた林芙美子にも同じ匂いがあった。
作者は林芙美子の手記に擬してこの物語を書いているのだが、いかにも林芙美子が書きそうな文章(詩情あふれる文章)であったのがおもしろかった。戦時中の異常な空気が迫真に迫って描けていて、ボルネオの農園の人々の悲哀、言いたいことも思うとおり書けない現実、そんなものが心に強く残った。また、芙美子の当番兵野口と松本のなんともいえない気味悪さが良く描けている。デング熱にかかった野口が「放浪記」を読んでいるところが、一人の人間の行動としていかにも納得でき、そしておもしろく、思わず笑ってしまった。
芙美子の情事の相手となった架空の人物、謙太郎がいかにも弱そうなインテリで、ここにも「浮雲」の男性の影を思わず重ねてしまった。
私にとって、この小説のおもしろさは、そういった現実世界の林芙美子とこの小説の中の林芙美子を重ね合わせるおもしろさにあったように思う。
世の中には道徳があって、皆それに交通整理され整然と生きているが、素のままに生きればこの主人公の芙美子のようなものかもしれない。それはまた、いつ死が訪れるかもしれない戦争の中にあったからこそではないか、とも感じた。

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No.6:
(5pt)

林芙美子は”野性”の魅力を持つ人

前作「IN」は島尾敏雄を未読なせいなのか、どんなに本人に重大事でも他人から見ると「不倫」の一言ですんでしまう、どこかシラケてしまう処があった。
同じく不倫が語られていても、さらに主人公に全く共感できなくても「柔らかな頬」の物語に魅了された一読者としては 桐野夏生が力強さをなくしたように思えて残念だった。
その点、林芙美子は読んだことのない人でも(森光子のおかげで)少しは知識があるだろう。
かく言う私も昔「放浪記」を斜め読みしただけで、よく覚えていない。
作者は林芙美子になりきって文体模写しているらしいのだが、林芙美子ファンにはその辺もたまらない魅力だろう。
しかし私のように林芙美子に知識がなくても、林芙美子の「野性」とでもいうべき魅力はよ〜く伝わる。
ここでの林芙美子はすっかり作家として成功し、温厚な理解者の夫と最愛の母と大きな屋敷に住んでいる。
しかし年下の記者と不倫関係にあり、戦地へ向かう船の中で行きずりの男と関係を持ち、40にして不倫の子を産む決断も深刻な様相を見せない。
さらに同時代の作家たちとの関係も面白い。被害妄想的な敵意を抱いたり、女流作家同士の複雑な感情、反対に心からの共感を持って詫びたり、どうも知的で平和な関係を築くのは苦手のようである。変な言い方をすると”育ちの悪い”魅力全開な人なのである。
林芙美子本人の著作を読みたくなる作品である。
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No.5:
(4pt)

力作だが、ところどころ林芙美子が桐野夏生に感じられるのが残念

『放浪記』で有名な林芙美子の戦中の活動を描く、という野心的な試みの本作。
力量ある作家の桐野夏生氏が、新たな境地を開くかと期待して読んだ。
最初の数十ページ、芙美子が戦地に赴くまではなかなか緊迫した展開で楽しめる。
男性主流の当時の文壇が芙美子を軽侮したこと、特に大物大衆作家の
久米正雄との確執などはリアリティーが感じられる。
だがシンガポール・インドネシアに赴き、現地の日本人と交流したり、
軍部の目を恐れながら毎日新聞特派員との不倫を続けるあたりになると
過去の作品に描かれた男女のもつれとかぶるような描写が目立ち、
林芙美子の真の姿を描くというよりは、
やや作者が彼女に自分を仮託しているように感じてしまった。
戦中の言論統制や軍部の独裁ぶり・いやらしさが巧みに織り込まれ、
戦争の庶民生活への圧迫などもリアルに伝わってくるし、芙美子のたくましさも良く書けている。
芙美子の私生活の秘密だけでなく、日本の体制に疑問を抱く視点を強調すれば
もっと深い作品になったように思う。
作者の筆力が伝わってくる迫力ある作品だけに、残念に思った。
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No.4:
(4pt)

純粋に小説として楽しんだ

作家・林芙美子の第二次世界大戦中の体験を描いた作品。
舞台は昭和18年でまだ日本が戦争に勝っていた時期であるが、主人公の芙美子を始めとする数人の女性作家は、軍の依頼によりシンガポール・インドネシアといった東南アジアの占領地域を訪問することになる。芙美子は行きの船中における船員との行きずりの愛欲や、現地で再会した数年来の愛人の新聞記者・鈴木謙太郎との交情を重ねていく。
恥ずかしながら林芙美子が放浪記の作者ということも今回知ったぐらい、どのような作家であるか予備知識が全くなかったので、40を超えても女として生きる女性作家を描いたフィクションとして読んだが、小説として純粋に楽しめた。メインテーマではないが、言論を統制するこの時代の嫌らしい息の詰まるような状況もよく描かれており、言論の自由のありがたさも久し振りに感じた。
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No.3:
(5pt)

林芙美子に憑依する桐野夏生の妖しい魅力

「IN」における島尾敏雄「死の刺」の文体模写を凄いと思ったが、今回は林芙美子になりきってしまった!桐野夏生、凄すぎる。林芙美子の隠されていた私的な記録、という形で、林芙美子の作品としてのフィクションを書くという発想も、それを書く勇気も、他の作家にはないものだろう。
「IN」でも感じたが、桐野氏にとって小説とは、純粋な芸術作品でありながら、編集者と共同でつくりあげるものだ。プロの女流作家ならではの意識で、飾りのない真実だと思う。だからこそ、裏切られた時の苦しみは、女として作家としての全てを全否定された、地獄の苦しみとなる。今回の作品では戦時下の作家活動という深刻なテーマも絡み、描かれるのは、まさに血を吐くような命がけの恋愛であり、創作なのだが、対する男のほうは、それだけの覚悟があったのだろうか。編集者に見放される芙美子の凄絶な苦しみが作者の痛みと重なって、熱く揺さぶられた。と同時に、他の女流作家をともすれば「甘い」と思ってしまう芙美子の作家としての強さ、したたかさも、桐野氏本人に通じる魅力だ。
 綿密に調べ上げた史実や、風俗の柱をきっちりと構築した上で、自在に羽ばたく創造力、芙美子に憑依する作者の語りの強度に圧倒させられ、一気に読んだ。
 終わりのほうで、編集者・謙太郎とばったり会う場面にはっとさせられた。この、何気ない場面が書かれたことで、あれだけ激しい恋愛の末、子どもまで身ごもったのに、ひとりで産み、育て、小説を書き、死んでゆく芙美子の姿に、女の怖さをまざまざと見たからだ。きっちりと閉じられる物語が、フィクションとは思えず、鳥肌の立つような思いで読み終えた。
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No.2:
(5pt)

頭で読み、本能で感じ、肉体に味あわせる力作

実在の作家の幻の作品か?という設定がどれだけ魅惑的でしかしチャレンジングなものであるか、文学を志す者や小説を愛する者には分かってもらえると思う。私の5つの★の一つは先ずこの点にであり、逆にこの点や林芙美子や作品の描かれた時代背景に興味や知識のない方なら、絶対につけない★とも言える。
私自身、作者が林芙美子の文章を書ききるための労苦やその成果を十二分に受け止める素養があるわけではないが、平たく言えば「昭和の前半の桐野夏生の過激版」が描く世界と勝手に解釈して、本作に一気にのめり込んでいった。
この作品が作者の過去のテーマや内容に似ているとの評は表面的に過ぎる。作者は、己に通底する「ナニカアル」を芙美子に感じたからこそ、この作品を描き切ったと解する方が、この作品を素直に深く味わえるだろう。つまり、冒頭のような頭で読むアプローチが出来ずとも、他の桐野ワールド同様に、本能で感じ、肉体に味あわせることで、改めて頭の中に読むべきナニカが現れるはずだから。
とにかく読み切った後に己の中のナニカアルが感じられたなら、虚実の狭間にこそ本当のナニカがアルであろう本作の、実在の人物や史実を調べていって欲しい。そこにないものに、芙美子は、そして、作者は何を感じたのか?
実に味わいの深い作品だと思う。一読して★を5つにするのではなく、★が5つになるまで読み重ねる作品ということ。
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No.1:
(4pt)

絶賛したいところですが

林芙美子が書いたという設定で、現代作家が文章を書く。そんな無茶な、と思うが、逃げることなく遣り通した桐野さんはすごい。文章には気迫がこもり、ここまで書ける人は他にいないのではないかと唸らされた。
巻末に掲載された資料の冊数もすごい。その情報をみごとに作品に反映させてむりがない。よくここまで消化して、自分のものにしてかけたものだと感心してしまう。日記形式でありながら、大戦中、作家たちがどのように利用されていったかがありありと伝わってきて、その当時に書かれたものではないかと思ってしまう。
ただ、前作「IN」に引きつづき、女性作家と男性編集者のダブル不倫が主軸になっているのは、またか、という印象が否めない。著者には大事なテーマなのかもしれないが、前作同様、ダブル不倫の相手の編集者に男性として、人間としての魅力がなく、そういう男と体で結びついてしまう女の気持ちはわからなくもないが、読んでいてややうんざりさせられた。
また、私はこの時代の作家がわりと好きで、作品中に名前が挙げられた作家の作品を一作か、二作は読んでいる。そうすると、普通なら名前が出ただけでも嬉しくなるはずなのだが、なぜかそれがなかった。林芙美子自身も、文章はともかくとして、中身は桐野夏生のままだったかなという気も。林芙美子の小説を読んでいるときに味わえる、気がついたら、ぐいぐいと惹かれて読み進めてしまったという感覚がなかった。それは生きているというぎりぎりの実感やそんなときにも失わないユーモアのセンスのようなものだろうか。それなくして、ダブル不倫に終始する林芙美子に物足りなくなってしまう。
とはいえ、非常によく書けた小説で、読み進めるのにやや時間はかかったが、読んでよかったと思う。
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