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神の棘
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神の棘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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ミステリーだということを知らずにⅠを購入して、Ⅱが本屋さんになくて、アマゾンで購入しました 誰がどんな役割で動いているのか全然想像がつかなくて、最後の方で種明かしになって、えーっとビックリしました 第二次世界大戦やナチスの勉強にもなり、最後はしんみりほろりとしたり、読書中は心を揺さぶられっ放しでした | ||||
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良くこれ程リアリティー豊に描けたものだと、感心する傑作です。 | ||||
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ついさっき読み終わり、胸がいっぱいになっているところ。 自分が読書をする人間でよかったとしみじみ思っています。 戦争についてはけっこう意識高くいろいろと作品に触れるようにしてきたつもりですが、その中でもこれは、もっと話題になってたくさんの人に読んでほしい本です。 解説によれば、かなり大幅に改稿して傑作となったのが本書とのこと。これにはじめに出会ったことに感謝しつつ、単行本の方もチェックしてみたいと思いました。 | ||||
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退屈な内容だと思いながら読み進めていました。が、3分の2ぐらい進んだところから一気に引き込まれ始めました。Ⅱ巻へ続き、読み終えたときには色々と考えさせられました。(詳しくはⅡの評に記します) | ||||
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マティウスとアルベルトの関係はA.Jクローニン作の「天国の鍵」のチザム神父とウィリーの関係を思い出させます。 高校時代に「天国の鍵」は何度も読み返し、信仰とは何か、誠実とは何かを考えさせられた作品です。 Ⅰ巻からなだれ込むように読み進めたⅡ巻ですが、読み終わった後に深い感動が湧いて来ました。久しぶりに質の高い作品に出会えました。 | ||||
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長い小説ですが特に下巻は読み終わるのが惜しいと思いつつ、あっという間に読み終えてしまいました。 ネタバレになるので詳しくは書けないのですが、マティアスが修道士なのにただ祈るだけではなく色々やらかしてくれるのが個人的にとても良かったです。 面白いなんて表現は不謹慎な感じさえしますが、ナチスの支配下や戦争といった特殊な状況を生き抜くために生じる人間の矛盾や葛藤が理解できた気がします。 「判断を他人に委ねてしまうこと」と「被害者が加害者に転じてしまうこと」がまるで自分自身の体験のように感じられて、それだけ説得力のある描写ができる作家さんなのだと思いました。 弱者や虐げられた者は無条件に自分を正義だと信じ込んでしまう、と以前何かの本で読んだ記憶がありますが(多分フランス革命に関する作品)、正義の名の下に加害者を被害者に転じさせ、弱者に寄り添うという名目で自分達の主義思想を振りかざす(たとえ自覚がなくとも)人達を見ていると、いつでもどこでもナチスのような思想は生まれてくる可能性があるのだと思いました。 「赦す」ことが大切だとわかっていても、義憤というのはある意味特権のようなもので、赦すという行為はその特権を手放すようなもので難しいと思います。私は死刑反対派でもないし、むしろ時代劇や戦隊ヒーロー物を見て育った世代なので勧善懲悪の思想が根強い方だと思うのですが、簡単に善悪を分けられるほど人間もその人生も単純ではないのだと思い知らされました。日々無駄にSNS等で人を叩いている人もそんな暇があればこの小説を読めばいいのにと思います。ちっぽけな話ですみません。 それにしても日本の作家で、しかも女性でこれだけ骨太な作品を書けるとは・・と偏見丸出しな感想で申し訳ないのですが、こんな私と同様普段日本の作家の本をほとんど読まない方にもお勧めしたいです。 | ||||
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ホロコーストやナチスドイツについて、ユダヤ人や連合国サイドから書かれた作品は多く目にしますが、ナチスSS内部やドイツカトリック教会内部、しかも一兵士・一聖職者目線からのストーリーでこれほど臨場感あふれる作品に初めて出会いました。特に終戦からラストまでは、色々な伏線が一つに繋がり、最後の場面に心をわしづかみにされました。是非一人でも多くの方に読んでいただきたい作品です。 『戦争・人殺しは嫌だ』と思っていても、国家が戦争を始めてしまったら国民は否が応でも巻き込まれます。民主主義は二次大戦の悲劇と高い代償の上に成り立ったものだということを今一度認識し、もっと政治に関心を持つ必要を感じました。 『あの男(ヒトラー)に全権委任を許したのはドイツ国民だ』の文言に背筋が寒くなりました。 | ||||
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この作家の作品は、最後に伏線をまとめて回収するところに特徴があるので、序盤から中盤にかけては少し腑に落ちずダラダラとしがち。 ただ、この本は文庫化されたときに序盤を大きく改稿したようで、ある程度バランスよく仕上がっている。 第一次世界大戦後から第二次世界大戦後までのドイツが舞台で、戦争の中で人がどうなってしまうのかというところをリアルに感じられるように描かれている。 それは現在の米中関係、朝鮮半島情勢、日ロの領土問題などにも通じるところがある。 主人公の友にして悪名高いSSの将校として生きたアルベルトの獄中のセリフはどれも心にくるもので、敗戦国になった日本人の心にも響くものになっているが、戦争の悲惨さがこれでもかとあらわされてるので多くの人に読んでほしい。 ネタバレになってしまうのでこの先は注意して欲しい。 最後の晩餐に何を食べたいか、という疑問は多くの人が考えたことがあることだろうが、アルベルトはそこでうまいコーヒーを選択する。 駆けつけたマティアスとともにコーヒーを飲むシーンは、コーヒー好きにとってある意味理想的な最後の晩餐の姿であろう。 美味しいコーヒーと友がいれば、これ以上のものはいらない。 そして、最後の一言が最高に響く。 | ||||
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とても読み応えのある小説でした。 上巻は、激動の時代を進むドイツで、修道士見習いであるマティアスと旧友アルベルトがそれぞれの運命に呼び込まれていくパート。 メインキャラクターの二人は時折接触しつつもほとんどは別離状態にあり、対照的な人生を送っていくので、それぞれの視点・時間軸の話が交互に折り重なっていき、ごちゃごちゃせず、わかりやすかったです。 もともと世界史にはまったく疎かったし、ナチスドイツにも興味を持ったことがありませんでしたので、文中で詳しく語られる歴史的背景をとても新鮮な気持ちで読むことができました。 次から次へいろいろなことが起こってくるので、先が気になり、あっという間に読んでしまいました。 なお、私が読んだKindle版では、段落や文のつながりなど、読んでいて不自然な文章が何か所もありました。 作家さんが若いのかと思いきや、大ベテランの方だったのでおかしいなと思ったのですが、どうも、Kindle版は、書籍版のレイアウトが反映されておらず、だらだらと文章を繋げてしまった部分が多々あるようです。 書籍版を改めて読みたいと思います。 | ||||
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上巻は騒乱の時代でしたが、下巻ではとうとう戦争に突入してしまいます。 上巻でもかなりハードな内容でしたが、下巻は更に目を覆いたくなるような凄惨な光景が描写されます。 凝った構成の小説なので、これから読む方の楽しみを奪ってしまう可能性がありあまり多くは語れませんが、1度読んだあと、すべてのあらすじを知った状態で、更にもう1度読みたくなるようなラストです。 Kindle版はレイアウトが変なので書籍版のほうが良いと上巻のレビューに書きましたが、そうでなくても、紙の本で手元に置いておきたい作品です。 | ||||
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時代は、第二次世界大戦前~終戦後のヨーロッパ(メインはドイツですが、色々な国が描写されています)。 主人公は二人。 一人はナチスに属して、ユダヤ人の虐殺に携わるアルベルト。 一人は修道士として神に仕えるマティアス。 真逆の道を進む二人ですが、少年時代に同じ学校に所属し、親友として数年を過ごしています。 第二次世界大戦が始まる数年前、二人は再会し、そこから物語が始まります。 ストーリーは、登場人物も多く、その人々の心情や立場などが複雑に重なり合って進んでいきます。 複雑ではありますが、不思議とすんなりと頭に入ってきます。 自分はキリスト教に詳しくありません。それでも、とても分かりやすい文章と展開で、「分からん・・・」と匙を投げたくなるような難しい部分はありませんでした。 そのなかで、ずっと「?」と思っていたのは、アルベルトの行動。彼の考えが、いまいち理解・納得できませんでした。 文章は、マティアス視点のものとアルベルト視点のものがあります。でもマティアス視点のものの方が分量が多いように思います。 マティアス視点は、理解しやすい。彼の心情や行動は、分かりやすく善意が前面に出ています。苦しんでいる人々を救いたいという一心で、行動しています。神に対して迷い、キリスト教の組織の上層部に対して不信を抱きながらも、その部分だけは一貫している。 アルベルト視点も、彼の行動・心情を描写しているのですが、個人的に「この人、一体何をしたいの?」と考えてしまいました。戦場でユダヤ人やパルチザンを殺しながらも、上官の「集落の人間を一人残らず殺せ」という命令に逆らって、こっそり逃がしたり。マティアスの危機に颯爽と現れて、何だかんだいって助けたり(後になって振り返ると、アレは助けられたの?と思うような微妙な助け方)。 「Ⅱ」ではアルベルトの裏の行動が徐々に第三者によって(ココ大事です!)明かされ、「そういうことだったの?」と理解できる部分が多くなってきます。最終章では、アメリカに亡命したアルベルトの妻による、彼のこれまでの行動の理由というか原点が語られ、更に理解が深まります。 それでも自分は、何か納得がいかなかった。アルベルトの行動が妻を守り抜くためのものだと理解できても、心のどこかが「?」と疑問とも言えないような疑問を抱えながら読み進めていきました。 終戦後、アルベルトは当然逮捕され、裁判で死刑を言い渡されます。マティアスは、彼が恩赦で死刑を免れることを仲間と祈りましたが、虚しく彼の減刑はなく死刑は確定。アルベルトのために教誨士となったマティアスは獄中の彼と何度か話をしますが、アルベルトは常に露悪的に相対し、毎回追い返されるように牢を出ます。 ただ最後。本当の最期の直前に、アルベルトがマティアスに言った言葉に、「ああ、そうだったのか」と全てが納得できました。 頭脳明晰で行動力もある切れ者・アルベルトの、不器用さと人間臭さが溢れてきて、ここで初めてアルベルトのために涙が流れました。 最初から最後まで、隙のない文章・ダレのない内容で、久々に勢いよく読了しました。 今年は「否定と肯定」という映画も公開されますので、関連の一つとして興味のある方にお勧め致します。 また、何となく人生を送っていることに疑問を感じている人にも。 | ||||
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歴史を調べてかいてあるのはさすがと思うんだけど、どうしても手塚治虫の『アドルフに告ぐ』が頭から消えなかった。 『夜と霧』みたいな、戦争の生の声がする名作を読んだことがあれば、たぶん話が薄っぺらく感じるかも。 私はドラマティック過ぎて途中から冷めちゃった。 | ||||
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ナチスドイツ政権下において正反対な生き方を選ぶ二人の男の物語。 登場人物は他にもたくさんいるが、主に主人公二人の視点で物語は進行していく。 戦争・国家・人種・宗教・差別といった事柄を真正面から捉え、表現にも妥協がない。 歴史的な事実はそれとして、物語としてもしっかりと伏線がめぐらされ、下巻で回収されていく様は圧巻であるが何よりも主人公二人の徹底した性格付けとそれを描きとおす意志に心が震えた。 こうなればいいのにと願わずにはいられないのだが、作者がそれに媚びず貫き通す様は物語の登場人物に重なりさえする。 この作者の著書を読んだのはこの「神の棘」が初めてなのだが他の小説もぜひ読みたいと思った。 素晴らしい小説に出会えたことに感謝している。 | ||||
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「また、桜の国で」で初めてこの作者の作品を読み、久々に読み応えのある作品に感動して、遡ってこちらも読んだのですが。時代背景やストーリー展開はしっかりしていて面白いのです。 しかしやたらと誤字脱字が多くてちょっとガッカリします。 四時時過ぎ・肝をを冷やした・宮廷突き司祭…などなど。ひどい時は1ページに2箇所も。 出版業界も厳しく校正という作業も削減されているのか、仕事をする気がない校正担当に当たったのか… ストーリーは悪くないんですがね。 | ||||
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長い時間がお互いの立ち位置を変えるがそれに向きあう男の友情の話だった。 | ||||
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日本人作家は、どうしてチマチマした小さな世界しか描けないのだろう……と思っていたら、こんな作家がいたとは! 海外を舞台にした作品だからスケールが大きい、というのではない、骨太で、戦争と宗教の関係についてこれほど真っ向から描いた作品を見たことがないのだ。問題提起のしかた、登場人物の心の動き・・・これほど力強い作品には、そうそう出会えないと思う。 女性の登場人物にあまり魅力がない(女性作家さんなのに…)という難はあるけれど、過酷な時代を、自身の信じるそれぞれの正義のために生きる群像に、胸を打たれる。 | ||||
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完全版として発行された文庫、上下で、かなりのボリュームがありますが、冗長なところはなく、読み応えがあります。 そして、とてもよかった。 宗教と戦争を書いた作品の中でも、感情に流れることなく、心に訴えかける作品でした。 一読の価値があります。 | ||||
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ホロコーストに関わる話ということもあり、興味を持ちました。主人公の二人が本当に人間的に魅力があり、時代背景ともあいまって一気に読みました。 アウシュビッツに行ったことがあるため、障害をもった子どもたちが連れ去られる場面では本当に胸がしつけられました。非常に重厚な小説です。 | ||||
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あまり感想やレビューを書かないタイプなのですが記入したいと思える作品でした。 内容についてはあまり書きませんが2人の主人公の正反対のような生きざまが、すれ違い交差しながら反発し、 最後の最後であるところに行きついた点は読んで鳥肌が立ちました。 神の存在や宗教の限界や人の精神、救いなどのテーマも含まれていて答えの出ないものを抱えながら生きる人の葛藤も人間らしさもある作品ではないかと思います。 | ||||
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二次大戦のドイツを主軸にした物語としては、鷲は舞い降りた、が最高傑作と思っていました… が、本作も、私の中で、最高位に位置する傑作となりました。 1巻は開戦前後。 ドイツがファシズムの狂気に染め上げられていく…マティアスの視線を借りて、全体主義の熱狂と狂気に震える想いがしました。 一度罪を犯したら最後、事実は事実として残る。 神の棘を、全ての登場人物は胸に抱いています。 全ての解は、ニ巻で明かされますが… 2巻は戦中からベルリン封鎖まで。 未読の方には、是非、文庫版をオススメします。 文庫化にあたり、全面的に改訂が行われ、完成度が増しているそうです。 | ||||
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