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神の棘



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神の棘の評価: 4.59/5点 レビュー 29件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21~29 2/2ページ
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No.9:
(5pt)

アルベルトに赦しを

2巻は、敗色濃厚のイタリア戦線・ローマを中心に、ベルリン封鎖までの時代が描かれます。

1巻でのSDに追われる息苦しい街並みとはうってかわり、2巻前半は生々しい戦場が描かれます。
砲撃と爆撃に翻弄される兵士たちと同じく、首をすくめることしばしばでした。
筆者の描写力に圧倒されます。

戦後にいたり、全ての解が与えられます。
アルベルトとイルゼの生き方の奥底に流れる愛情。
新幹線車内での通読中、不覚にもニ度泣いてしまいました。

アルベルトは、自分を赦せたのかが、心に残ります。マティアスと同じく祈るしかありませんが。

余談ながら、コミカライズしたら、若年層の圧倒的支持を得る予感がします。
神の棘II (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の棘II (新潮文庫)より
4101269726
No.8:
(5pt)

久しぶりに夢中で読みました

第二次世界大戦もので人気の他作品が合わず(すみません。他の著者のです)、
最近、自分の方が年をとって小説・フィクションを楽しめなくなってるのかと
思っていましたが、この作品は久々に夜更かしして二日ほどで読了しました。

何がポイントで熱中できたり、できなかったりするのか境目が曖昧なんですが。

正直なところ、この本もあまり期待せずに読んだんですが、
いい形で裏切られて、マティアスやアルベルトの思想や対立や人間性に引きこまれました。

スパイ小説、戦争小説、宗教とナチズムの対立、ミステリー的な謎解き、人間ドラマと
様々な要素が絡み合い、筆者の強い熱意を感じる作品です。
レビューで文章にできない、「何か」があって言葉に困ります。

この本は装丁や宣伝などで(誤植が多いのは、確かに残念)
別の売り方をしていたら、もっと商業的に大成功していたんじゃないかと思えます。
素晴らしい作品でした。

史実の混ぜ方や人物など、あざとい部分もある筈なんですが、それを吹き飛ばすような読後感。
個人的に、この作家さんには、また男性主人公の歴史物を書いて欲しいと思っています。
神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152091517
No.7:
(5pt)

集大成

こんなに重く濃い作品を読んだのは久しぶりです。
須賀しのぶブランドで、軽い気持ちで読まないほうがいいと思います。
それぐらい重いテーマです。
今までコバルトでは扱い切れなかった戦争、宗教、愛の集大成となっています。
すべて読み終わって、もう一度読み返すことでまた深く味わえます。
人は生活の中で宗教と切っても切り離せません。
信仰していなくても、習慣として根付いています。
神を信じるとはなんなのか、戦争が何をもたらすのか、作者の深い哲学を感じました。
愛によってもたらされる結末を、最後まで読んでようやく知ることができます。
手元にすがるものが何もなくなった時、最後に信じられるのは愛、もしくは神なのかもしれない、と思いました。

神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152091517
No.6:
(5pt)

神と悪との対決か?

面白くて一気に読みました。
この本を読んでいて、皆川博子さんの『総統の子ら』を思い出しました。

この本はナチとカトリックの対立と攻防の様子が興味深く描かれています。
神を代表するマティアスと悪を代表するアルベルトの対立と宿命的な繋がり。
しかし結局はどちらも神の代表にも悪の代表にもなれないのだと思いました。

アルベルトは冷静な自己判断をする人間として描かれていますが、これは行きすぎると
傲慢さと紙一重と言えます。
なぜなら自己判断とは最終的には主観が基準となります。

しかしイルゼの秘密を最後に持ってきた話の流れは上手いと感じました。
久しぶりに面白い本に巡り合いました。
神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152091517
No.5:
(5pt)

すばらしく、面白い作品。

前篇、後篇にわたり内容が練られており、とても深みのある物語だと感じました。かといって取り立てて読みづらくもなくあっという間に読めてしましました。
マティアスとアルベルトそれぞれ、違う立場であるが、一心に生きる情熱と姿勢が伝わってきて、充実感を感じました。
神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152090545
No.4:
(4pt)

未だに感想をこれだという言葉で表現することができません

1を読んで、この後全てが覆るような展開になるのか、しかし歴史を知ってる以上アルベルトの進む先に明るい未来が来ないことを分かっているのでやきもきしながら中盤まで読み進み、、、中盤の、終章に向かう前の畳み掛けるような展開は他作品にも通じるところがあるので、作者の癖なのかな?と感じますが、終章との緩急の激しさについ徹夜で読みきってしまいました。そして大泣きです。終章で明らかになる、神の棘というタイトルの意味。これだ、という言葉はありません。それぞれの登場人物の立場から、それは違ったかたちに映るのだと思います。史実にフィクションが混在しているので多少都合よすぎな展開もありますが、そんなことは気にならなくなるくらいの見事なラストです!(個人的には、キル・ゾーンの、ユージィンとヴィクトールの最後の対決を凌駕しました)惜しむらくは装丁と誤植の多さ。。。もっと沢山の方に読んでいただきたいので、文庫本で1冊にまとめてほしいです、ハヤカワさん!
神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152091517
No.3:
(4pt)

須賀しのぶらしいツイスト具合!

じつは上巻と下巻の間に二か月ほど間が空きました。(買ってあったのに!)上下間を通しての話ですが、中盤、ちょっと史実の分量が多すぎて、物語としての飛躍が乏しいです。もう少し自分のものにして、読者をおもしろがらせてほしいなあ。でも我慢して(?)読み進めば、「おお!」という、心地よい「裏切られた感」が確実に味わえます。(例えとしては、「ブラック・ベルベット」シリーズの1巻?)そっか、あの人はこんな状況で、こう思ったから、こうしたのね……。読み終わったあと、確認のためにもう一度読み直したくなりました!正直、そんなに期待はしていませんでしたが、予想外に面白かったです。同分野での皆川博子大先生の意地悪さには負けますが、いい線いってます。ま、表紙は替えた方が売れるでしょうね。(余計なお世話。笑)
神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152091517
No.2:
(3pt)

面白いが誤植が多すぎる

カトリックとの対立というテーマは面白い.
しかし,登場人物はナチスのステレオタイプそのままというのはいかがなものか?
アルベルトはナチスものに出てくるSS将校の像そのもの.
マティアスは「静かな抵抗者」から離れているのは今後の展開を期待させる.
それにしても,第一刷とはいえ,あまりの誤植の多さには辟易.
ここまで誤植が多いと,著者も出版社も,本を作るということをあまりにも安易に考えているのではないか,と疑ってしまう.
本当に校正したの?
神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152090545
No.1:
(5pt)

がんばれマティアス、アルベルトに負けるな。でもアルベルトかっこいい

須賀さんの本は、戦争も含めた歴史の大きな流れの中に、
翻弄されながらも、強く生きぬいていく人々の話が多いと思うのだけれど、
本作は、その集大成的なものではないだろうか。
これまで以上の、鋭く、深く、大胆に物語が進行している気がする。
ナチスについて、教科書の通り一遍の知識しかなかったのだが、
SSのなかにも情報部のSDというのがあって、
それがユダヤ人の排除だけではなくて、共産主義者とか、
なによりキリスト教とも対立していたなんて初めて知った。
主人公のエリート将校アルベルトには、ナチスというだけで忌避できない
不思議な悪の魅力がある。組織の中で、冷酷に、家族や友人を切り捨てて
昇り詰めていくさまに、おもわずシビれてしまう。
対する、もう一人の主人公、アルベルトの幼馴染の修道士マティアスは、
教会の中のはみ出し者なのに、その熱さや正義心が周りの人物や読者に伝染する、
物語全体の良心ともいうべき存在で、思わず応援してしまう。
がんばれマティアス、アルベルトに負けるな。
でもアルベルトかっこいい…みたな。
アルベルトが情報部で、マティアスもナチス抵抗組織の連絡員になるので、
スパイ小説のような味わいがある。
とくに冒頭のエピソードや列車脱出、拷問シーンなど秀逸で、
舞台設定もあって海外のスパイものを読んでいるような気さえした。
それにしても、ここで終わるのか…という極道な場面で2巻に続いている。
あんなところで終わってしまって、アルベルトとマティアスの対決はどうなるんだ。
どうなるんだったらー!
神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)Amazon書評・レビュー:神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152090545

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