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サイコブレイカー
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サイコブレイカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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ひしひしと忍び寄る恐怖感がたまりません。 映画化を念頭に書いているのか、映像が頭に浮かびやすくて読みやすい作品だと思います。 真冬に、暖房を切って読むことをお勧めします。 | ||||
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デビュー作「治療島」(2006)が非常に面白かった、ドイツ人のサイコ・サスペンス作家の第4作目。始めはダルかったが、後半一気に畳み込む展開で面白かった。 ネタバレを避けますが、精神病院内での殺人鬼との対決がメイン。現代で、その事件のカルテを大学生読む様子と過去のサイコブレーカー事件の様子の描写が2重構成になっています。 結末は、まったくの予想外でした。びっくりです。後日談にて、丁寧に解説が加わっているので、なるほどと腑に落ちます。書籍の中のページにアドレスが書いてある黄色いポストイットが貼ってあって、「何じゃこりゃ、誰かのしおりが残っているのか」と剥がしてしまいましたが、実はそれも仕掛けでした。なんとまあ、そんなこと分かりません。「ラジオ・キラー」(2007)、「前世療法」(2008)が今一つだったので、作家への関心が盛り返しました。一読の価値ありです。 | ||||
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冒頭の数ページでかなり期待値が上がり、そこからのなかだるみ感は否めない。(他の方が指摘しているように翻訳に難アリか?) が、途中での心理トリック的クイズには見事に騙され、再び引きつけられる。 娯楽としてはまぁ及第点。 クロロホルムで気を失わせることは実際には非常に困難な作業のようです。途中でリアリティがゼロになったため、低い評価とさせていただきます。 こういった本や映画などの作品では、もうクロロホルムで眠らせるってーお決まりの展開はやめて欲しい。 犯人も予想通りでした。おわり。 | ||||
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ストーリーはともかく、翻訳が本当に下手。セリフの言い回しや語尾の選び方も、素人が書いたとしても、もうちょっとましだろうというレベル。この赤根って人の翻訳物全般に言える。よく出版できたなあと思う。編集者はもうちょっと上手い人連れてきてくれ。 | ||||
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主人公はTLE(側頭葉系癇癪)という、治療方法の見つからない発作に悩む天才的統計学者。 この病のために職を失い将来への希望も見出せずにいる中、藁をもつかむ思いで服用した実験薬によって彼は特殊な能力を覚醒してしまう。それは、人生の場面場面における選択が起こし得る、あらゆる未来の分岐を瞬時に見てしまうという、いわゆる未来予知ともいえる特殊な能力だった。 私たちの人生もまた、主人公同様に選択と決断の連続でなりたっている。当然、選び進んだ道によって周囲へも影響を及ぼし、良しにつけ悪しきにつけ幾つかの結果をもたらすものだ。 しかし主人公は、結果を知った上で選択することを、じゃんけんの後出しの様で潔しとせず、彼を取り巻く人々の人生に影響を与えてしまうことへの責任を感じ葛藤する。 何れの選択がどの様な結論に結びつくのか予想の範囲を超えない私たち常人の方が、無責任で居られる分、余程幸せなのかもしれない。 作中で能力の理由づけを説明するために、ハイゼンベルクの確率論的宇宙論やダーウィンの進化論、また相対性理論などについて分かりやすく論じられているのが面白い。 | ||||
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『治療島』による衝撃のデビューから3年。本書は、『ラジオ・キラー』『前世療法』に続くドイツのセバスチャン・フィツェックのサイコ・スリラー第4弾である。 女性ばかりを狙い、肉体には外傷を与えずに精神だけを破壊する‘サイコブレイカー’により、3人の犠牲者が出ていた。いずれも昏睡状態に陥り、最初の被害者は死亡してしまっていた。 その魔の手はベルリン郊外の猛吹雪で孤立した精神病院に伸びる。そして女性医師を皮切りに、ひとり、またひとりと職員・患者が姿を消して行く。記憶喪失で入院していた通称カスパルたちと‘サイコブレイカー’の熾烈な攻防戦が続く。 本書を一気読みさせるリーダビリティーは、この戦いのスリルだけではない。“クローズドサークル”といった 本格もののような趣向と、「恐怖の瞬間まで、あとXX時間」といった“タイムリミット・サスペンス”、カスパルの記憶喪失にまつわる謎、そして‘サイコブレイカー’の正体にもトリッキーな工夫が凝らされている。 さらに、このストーリー自体が、大学教授による学生たちに対するある心理学実験のテキストにもなっているという二重構造をなしており、読者もまた、本書では『カルテ』としている作中作のようなこの物語を読むことによってその実験に巻き込まれるという仕様になっている。 本書は、フィツェックがスリラー・エンターテインメントの要素を、贅をつくして惜しげもなく取り入れた、最後の最後の“どんでん返し”に至るまでの二重三重、いやそれ以上の仕掛け満載の、とても一筋縄では行かない作品である。 | ||||
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英文にいくつFの文字が入っているかという心理テストには、まんまとハマった。 物語は、現在(教授が学生の過去の事件のカルテを読ませている)と、その過去の事件が入れ子になっている。きっと最後に大どんでん返しがあるだろうというのはうすうすわかっていても、最後までそれが何なのかはわからない。本の途中のページに付箋が貼ってあったり、前作への伏線が張ってあったりちょっと面倒なことになっている。 主人公は例によって記憶に異常をきたした人物なので、語られるストーリーの真偽はすでに心もとない。非常扉によって外と隔絶された病棟という緊迫した状況のなかで、同じ囚われの身でありながら敵味方のはっきりしないうさんくさい登場人物たちが、読者の読みを間違いなく誤らせる。状況は異常なのに、全編を通したモチーフが、なんと「なぞなぞ」。 最初の「治療島」は震撼したけど、それに比べるとちょっとパンチ力は弱くなってしまうかな。 | ||||
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フィツェックの作品を読んだのはこれが初めてです。 緑色の表紙が印象的で思わず手にとっていました。 パラパラとめくっていると途中に無造作に貼ってある付箋。 ん?と思いつつ、こういう仕掛けが大好きなので迷わず購入しました。 基本的に残虐な描写は苦手なのですが、そこまでグロデスクな表現ではなかったので大丈夫でした。 「必ず二度楽しめる」「仕掛け満載」「必然的に実験に参加してしまう読者」 このようなうたい文句に『ホントかよ・・・』と思いつつも、ハラハラドキドキしながら、 あーでもないこーでもないと思考を巡らせ気がつけばあっと言う間に読み終わっていました。 最後にどんでん返しが待っているとわかっている作品は、 その結末を意識しながら読むので途中で犯人がわかってしまうことが多々ありますが、 この作品に関しては最後までわかりませんでした。 もし途中でわかってしまっても、最後の最後にもう1つ仕掛けが用意されているので、 訳者解説を読み終わるまで楽しめる作品だと思います。 | ||||
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ドイツから世界各国に紹介され高い評価を受けた若きサスペンス・スリラーの旗手フィツェックが2008年に著した絶好調その物の第4弾です。著者は処女作から一作毎に全く異なる趣向に挑戦して常に読者を裏切らない手腕は大した物で、時には掟破りスレスレで強引な部分もありますが、サービス精神満点な姿勢が素晴らしく大いに讃えられるべきだと思います。 物語は女性だけを狙った犯罪者、精神を破壊する者〈サイコブレーカー〉が三人の犠牲者を出している状況の中、新たにクリスマスイブの前夜ベルリン郊外の精神病院で若い美人精神科医の女性ソフィアが同様の昏睡状態で見つかり幕を開ける。数日前から記憶喪失で入院している男カスパル(仮名)は事件の展開と共に記憶が甦るのを感じながら、〈サイコブレーカー〉から病院の人々を守ろうと精力的に動き出す。 本書の物語は、実は過去に起きた事件を記録したカルテで、長い月日の後に大学の心理学教授が学生に読ませる実験という形で進行して行き、その目的も謎のひとつになります。またカルテには「恐怖の瞬間まで あと○時間○分」という著者お得意の予告が書かれ、タイムリミット・サスペンスの演出で刻々と盛り上げます。他の主な趣向は、珍しく恐ろしい医学症例、なぞなぞによる手掛かり、本に挿まれた黄色い付箋の手掛かり、意外な真相、読者をドキリとさせる仕掛けに物語が完結後のクイズ出題と、本当に至れり尽くせりです。反面、犯行が偶然の要素が強く犯人が臨機応変に上手く対応出来てしまう所、救急隊員シャデックが恐ろしく乱暴者でカスパルを虐待する展開、犯人が自らに不利なヒントを残す必然性、救いのない不幸な結末、等は不満の残る部分ですが、抜群の面白さと著者の遊び心に免じて許そうと思います。最後に忠告として、くれぐれもカルテの断定的な記述に惑わされずにあらゆる伏線を読み解き、あなたも驚くべき真相に到達して頂きたいと思います。 | ||||
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