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天に昇った男
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天に昇った男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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海外のある短編に似てる(というかほぼプロットそのまま)のでそれを読んだことある人は多分途中でああこれは…とわかってしまうかも。 作者の主張は横に置いて、期待せずに軽い読み物として読めばそんなにガッカリ感は無いと思います。主人公と富栄が出会う場面とか美しい描写もあるし。 個人的には死刑制度への思いを小説で表現するのは別に気にならないけど、作者自身がはっきり実際のある事件をモデルにしたと書いていて、真実は他人にはわからないのにこうだと断定するような書き方をしてる方が、創作だとしてもいいの?と思ってしまう。 | ||||
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<ネタばれ注意> まぁあざとい本ですなという印象。 光文社もさすがにこれを推理小説とは謳えず、困った挙句に異色小説なんて銘打っていて、たしかにそのネーミングに嘘はない。しかしより正しくは、読者の感情に訴えて死刑反対論に育て導こうとする狙いの情緒小説となろう。 いくら現代がデジタル社会だと言っても、何がどうでも死刑廃止って極論するのが気持ち悪いのよなぁ。 まったく冤罪の可能性がなく、悪逆で情状酌量の余地ゼロのケースもあるだろうに。 「先進国で死刑を廃止していないのは日本と米国だけ」 だからなに。知らんがな。 個人的には、悪逆なケースにはただ死刑というだけでなく、市中引き回しの上磔獄門でも構わないと思うのだが。 門脇というのは、まぁ善人だし、富栄のように知恵遅れというわけではないが、世渡り下手というか、イジメられっ子体質の男。中途半端に反抗的で、きちんと反論するでもなく、恨みがましく目に不満を表すイメージとでも言えばよいだろうか。彼の言動には時にイーッとさせられてしまう。 話の展開上、門脇が無罪なのは隠す必要もないだろう。 しかし誰かに陥れられたわけではなく、半ば自分の意思で犯人となったのだ。 情緒を揺さぶるブレーキにならないように、被害者は殺されてもOKなように造形されているが、3人が殺されて櫓に吊るされているわけで、門脇はその凶悪事件に対して自供しているのだから、物語としての同情はともかく、死刑になって当然であろう。 それなのに、門脇は「もう今の時代、死刑なんておかしいよ」なんて述懐する。門脇にそれを思わせるのは洗脳工作上失敗では? 著者的には、いつものように警察関係者は下衆揃いで、捜査上の問題が大ありなのだろう。実際にも、冤罪作成マシーンの古畑種元の一連の問題のように、儒教的な問題はある(あるいはかつてはあった)のだが、現代の責任部門が全力を尽くした結果の死刑判決。 本書から得られる教訓は、自分がやってないなら決して罪を認めてはいけないということ。肉体的な拷問はないのだから頑張れということにつきる。 冤罪の可能性が僅かなりとあるケースは別として、そういった審理を尽くしたうえで、法務大臣の机に執行令状があるわけで。 どーのこーのとアホなマスコミやパヨクに貶められようと、法務大臣はきちんと捺印するのが職責だ。 ところで、これは覚悟していたが、やはり死刑反対論だけでなく、著者得意の日本サゲは健在であるw 門脇は満洲(当然本書の表記は満州)で生まれて、幼少時に九州に戻った子供時代以降、星の数ほどの苦しい思い出や腹立たしい経験があるらしい。 まぁ門脇は秋吉英明の分身のようなので、彼個人としては満洲の記憶はないのかもしれないが、あくまでも問題があるのは日本。そういった誘導を含んだ書き方である。小説に取り入れるかどうかはさておき、著者は『流れる星は生きている』を読むべきだろう。 そして、以前は炭鉱の町だったという星里の町については、「大陸から多くの強制連行の労働者が連れてこられ、働かされ、そのあまりの辛さに逃亡を計った者が、みなの前で見せしめに殴られ、殺されて、ボタの陰に埋められた」のだと、痴れっと地の文に滑り込ませている。 頼むから、事実のように書く前に"あちらの証言"以外の証拠を示してくれ。どーせ証拠が出てこないのは、日本人がすべて破棄したのだと喚くだけだろうが、公文書はそう簡単に処分できないのよ。 正直こんなことを書くつもりはなかった。 読む前から臭みがあるのはわかっていたので、巧みな語りを楽しむつもりで読んだのだ。 17年前の陰惨な事件と、恩赦後に星里に向かう門脇とを交互に、双方とも彼の視点で物語る構成。そこが結びつく時になにか読者を驚かせてくれる筈だが、いやまったく驚いた。 死刑執行以降は門脇の死の直前のいわゆる走馬燈。設定不足をいろいろとツッコみながら読んでいたのに、いやそれは門脇の想いだから仕方がない。おかしくないというわけか。いや驚いたけれどがっかりの驚きだ。 しかもそれらが彼の想像だとすれば、富栄の最後の告白もすべて、彼が深層でそう思っていたということで、門脇の下衆な心根の証明になってしまわないか? あるいは、いろんな傍証から、富栄に関しては彼の疑念?が正しかったのかもしれないが、少なくとも当時6歳のいたいけな直樹には謝るべきだろうww | ||||
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一見、ミステリのようですが、そうではありません。 ある死刑囚の半生記です。 読めないこともありませんが、私には、作者が何故この作品を書いたのかが分かりません。 おそらく、死刑に反対する気持ちからのことでしょうが、死刑賛成者の私には、理解できませんでした。 本作の主人公は死刑間際に 「 一人も殺していない 」 と語りますが、 そこまでの展開では冷静で、リアリティを感じません ( 事件がいくらあのような内容だとしてもです ) 。 「 あとがき 」 で作者は 「 秋好事件 」 に触れていますが、 「 一人しか殺していないので、彼の罪状は死刑相当ではない 」 とあり、 何というか、不快感を覚えました。 今の刑法が間違っていると思うのは作者と同様ですが、方向性は180度違います。 私事ですが、以前あるフェアの関係で、本作の作者から死刑に関する手紙をもらったことがあるのですが、 死刑を含む今の刑法が加害者に寛容すぎると思う私には、本作の作者の考えは、賛同できないものでしたね。 | ||||
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ラストのラストにあるドンデンにビックリしました。 ある意味、この人のミステリーで一番驚いたラストかも。 死刑制度反対のメッセージが込められてます。 主役の男のあまりの冴えないぶりが、同情通り越して失笑してしまいます(^O^) | ||||
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