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倒錯のロンド



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倒錯のロンドの評価: 6.19/10点 レビュー 16件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.19pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

”原作者”と”盗作者”との駆け引きのロンド

精魂込めて書き上げた作品を盗まれた男と盗んだ男の、殺人事件にまで発展する緊迫した狂気に満ちた駆け引きの物語。

終始テンポが良く読みやすく、常に続きが気になる構成で一気読みしました。
割と賛否分かれそうな作品かと思いますが、私は楽しませてもらいました。
主人公に感情移入して、作品を盗まれ悔しく感じたり、逆に反撃に転じた時はスッキリしたり出来たのがその理由ですかね。
……しかし読み返してみると一回目とは全く違う世界が広がりそうな作品です。

いくらなんでもこんな偶然が重なるわけないだろうっていうご都合主義は多々感じましたが、この作品は素直に、現実ではありえないようなことを書くのが創作です、と割り切れるタイプの話でした。

気になった点は”『倒錯のロンド』っていうタイトルがセンスがいい”とか作中で自画自賛しちゃうのは正直どうかと思いました。
他にもあとがき部分含めちょっと作者の自己主張が強い面が多々見え、それが面白い所の一つとも言えるのですが、人によっては拒否反応が出るかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

未完成のミステリ

もうお分かりと思うが、折原一氏も創元推理文庫から作品が出ており、彼の作品の読者になるのは当然の流れであった。しかし刊行はこちらの方が先。本作は折原氏が当時江戸川乱歩賞に応募して惜しくも落選した作品。しかも受賞することで完成するという曰くつきの作品だ。そのアイデアが斬新だったせいもあり、当時の選考員の1人であった島田氏がこのまま埋もれさすには勿体無いということで、刊行されたのが本作である。賞に縁のない“無冠の巨匠”島田に見出されることがなかなか皮肉ではある。
折原氏と云えば、彼の作品の最大の特徴は叙述トリックにあると云えよう。昨今は「この作品は叙述トリックを扱ってます」ということ自体がネタバレだという声も聞くが、私は全くそうは思わない。なぜならば元々本格推理小説というのは作家対読者との頭脳ゲームであったからだ。だからクイーンは堂々と“読者への挑戦状”を自作に挿入していた。つまりこの作品で起こる事件というのは自殺ではなく、あくまで誰かがトリックを使って行った殺人ですよと読者と作者との間に前提条件があるのだ。それと叙述トリックであることを事前に断っていることに何の違いがあろう?叙述トリックが使われた作品ならば、作者が仕掛けた叙述トリックを読み解くことが読者の作者に対する挑戦である。確かに何の情報もない方が驚きは増すのは十分理解できるが、そういう人は何か面白い本はないかと他人の感想を参考にすることを止めなければならない。

閑話休題。
本作は『幻の女』という投稿作品を巡る2人の男の物語だ。主人公は作家になる夢を捨てきれず、アルバイトで糊口を凌ぎ、毎年江戸川乱歩賞に投稿しては落選している山本安雄。片や新進作家として注目を集めている白鳥翔。この2人がこの1つの作品を巡って、盗作騒動を起こす。それに殺人事件も絡んできて、物騒な雰囲気を帯びてくる。がしかしそれは実は・・・というストーリー。

さてミステリ初心者がこれを読むと、作者の仕掛けた企みに首肯しづらいのではないだろうか?これはある程度本を読んだ人でないと、この仕掛けと作者の意図を納得できないと私は思う。どういうことかというとネタバレに近くなってしまうので避けるが、一読後、私が抱いた感想は「なんか・・・ズルい」である。
でも受賞して初めてこの作品は完成するという作者の意図を当時の選考委員も汲み取って、単独ではなくとも同時受賞とさせるくらいの洒落っ気なり、粋なところを見せて欲しかったなとは思った。
作家はデビュー作にその本質があると云われるがこの言葉がこれほど当てはまる作家もないだろう。その後折原氏は数々の叙述ミステリを世に送り出すが、私はまだほとんど読みきれていない。

Tetchy
WHOKS60S
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

小さな倒錯


▼以下、ネタバレ感想

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アントンリブ
J9QWGWDO
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

倒錯のロンドの感想

主人公の行動に読んでてちょっとイライラしたけど、ラストでそれもなるほど~って納得しました。

呑んだくれ
P3S7II56
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

倒錯のロンドの感想

折原一さんといえば叙述トリック。
勿論筋は通っています。よくもまぁこんなプロットを思いついたものだと感心させられます。
なのに、さほど驚け無いのは何故だろう。
上手く説明できないのですが「立体的じゃない」気がするんですよね。
隠蔽されている事実は複数あるのですが、どれも同列で絡み合っていない。
隠蔽された事実を補強するための隠蔽とか、そういう構成になっていない。
また伏線とおぼしき記述もなかったような気がしています。
「複雑なのに不親切」って事だと思うんですが、例えば「十角館」なんかだと、その時点で「あっ!やられた」て気付くじゃないですか。
この作品にはそれがないんですよ。
全てを出し惜しみし過ぎているが故に、種明かしに読者が追従していけない。
読み終えて、何だったんだろうって色々調べて整理して初めて「あ~凄いじゃん」っていう。
個人的に、こういうのってどうなのって思います。
凄い作品だとは思いますが、「十角館」「ハサミ」「殺戮」「慟哭」辺りとは、同列の評価はできないって感じです。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

倒錯のロンドの感想

どんでん返しとしては少し弱い感じです
完全にひっくり返った感じではないと感じました
しかし、展開やストーリーは面白かったですし、普通に楽しめました
折原さんの他の作品が読みたくなりました

LN
XL1SRHRZ

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