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正義の弧



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【この小説が収録されている参考書籍】
正義の弧(上) (講談社文庫)
正義の弧(下) (講談社文庫)

正義の弧の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

デビューから33年、さすがに作者もボッシュも老いてきた

コナリーの長編37作目、レネイ・バラード&ハリー・ボッシュ・シリーズの第4作。ロス市警に未解決事件班を復活させたバラードがボッシュを呼び戻し、二つの未解決事件に挑戦する警察ミステリーである。
班の責任者であるバラードは班の復活に尽力してくれた市会議員・パールマンが望んでいる30年前の事件(パールマンの妹が強姦殺害された)を最優先に取り組みたいのだが、ボッシュは自分が関与した一家殺害事件に取り憑かれており、相変わらずの独断専行で捜査を進めようとする。さらにボランティアで構成されたメンバーは統一感がなく、強すぎる癖でバラードを悩ませるのだった。それでも衝突と妥協を繰り返しながボッシュとバラードは新たな視点、証拠、科学捜査力を駆使して議員の妹殺害の容疑者を絞り込んでいく。さらにボッシュは独自の執拗な聞き取り調査で一家殺害の容疑者を特定し、犯人が潜伏するフロリダに単身で乗り込んで行く・・・。
初登場から30年以上が過ぎ、70代になった(はず)ボッシュだが正義を求める怒りの炎は消えることなく、というか肉体的衰えは隠せないものの精神的強靭さは一層高まってきている。よく言えば不滅の刑事魂だが、一歩間違えると独善的でゆとりがない老人が顔を見せている。作者、主人公が年相応に老いてきた証なのだろう。
なかなか意味深なエピローグもあり、ボッシュ・シリーズのファンには必読。正義感と銃で問題解決するアメリカン警察小説のファンにもオススメする。

iisan
927253Y1

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