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(短編集)

サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ



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【この小説が収録されている参考書籍】
サム・ホーソーンの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)

サム・ホーソーンの事件簿Ⅰの評価: 6.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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(9pt)

サム・ホーソーンの事件簿Ⅰの感想

サム・ホーソーンものの初期の作品12編を集めたものにボーナストラックとして不可能犯罪の名作「長い墜落」が収録された一冊だ。1974年の作品から連続して不可能犯罪の数々を解決したサム・ホーソーン医師自身が、
誰かと酒を飲みながら当事を回想し事件の顛末を語る、そんな設定になっているので一話完結のストーリーではあるが連作ミステリとなっている。全篇不可能犯罪を扱っていて、もちろん現代の科学をもってすれば
成立しない話もあるけれどそんな野暮は言いっこなしで純粋にパズルとしてのミステリを味わうべきである。密室や消失がほとんどで手を変え品を変えていろいろなバリエーションを見せてくれる。プロットを思いついたら
すぐに書きたいタイプのようで短編が多く長編は少ない作家だと解説にあるけれどそうなのかも知れない。少なくとも「どんどん橋落ちた」などよりはよほど楽しめる。例えば新幹線などの車中で読めば退屈など吹き飛んでしまうだろう。
個人的には「ロブスター小屋の謎」、「十六号独房の謎」、「農産物祭りの謎」、「水車小屋の謎」と好きだけれど、一番は特別に収録された「長い墜落」が面白かった。類似したものを読んだ記憶があるけれど、これのアレンジだったのだろう。
部屋の窓ガラスが割られ人が飛び降りた、しかし、下には死体が無い。交通整理していた警官がいて何事も無いと証言する。何処にも部屋に入った人物はいない。でも三時間四十五分後にはビルの下に死体が現れた。
このサム・ホーソーンものではない一編が一番良かったというのも皮肉だけれど、しかし、どの物語もアイデアの良さは光っているので楽しめる一冊というのは間違いない。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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