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閉じ込められた女



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【この小説が収録されている参考書籍】
閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)

閉じ込められた女の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さらに重く、閉塞感漂う三部作の完結編

「闇という名の娘」、「喪われた少女」に続くアイスランドの女性刑事・フルダシリーズ三部作の完結編。猛吹雪に襲われたクリスマス直前の時期にアイランド高原地帯の孤立した農場で起きた悲劇の事件を巡る、謎解きミステリーである。
1987年のクリスマスを目前にした猛吹雪の日に、集落から遠く離れた農場で暮らすエイーナルとエルラ夫婦の家に一人の男が現れた。こんな天候の日に人が訪れることなどありえないと思ったのだが、狩猟中に迷ったという男の言い分を信じて招き入れ、泊まらせることにした。すると、男の話はあいまいで、夜中に家の中を探っているようだった。不安を感じた夫妻は男を問い詰めようとして、逆に殺されてしまう。同じころ、フルダは若い女性の失踪事件を追っていたのだが成果を上げられず、しかも反抗的な娘・ディンマのために家庭内でも深刻な悩みを抱えていた。ここまでが、第一部。第二部は、その二か月後、エイーナルとエルラの死体が発見され、捜査のためにフルダが派遣される。そこでフルダが見つけた事件の真相は…。
第一部で思い込まされていた事件の構図が第二部で大逆転されるのが、本作の成功の要因。ワイダニットのだいご味が味わえる。本シリーズは第一作から三作へ年代をさかのぼっていくという特異な構成の三部作であり、読む前から本作で悲劇が起こることは分かっているのだが、それでもサスペンスを感じながら読み進められる。
逆年代記のシリーズなので、第三作の本書から読み始めても問題ないが、やはり第一作から読む方が断然面白い。北欧ミステリーのファンなら絶対に大満足できるだろう。

iisan
927253Y1

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