閉じ込められた女



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    初公開日(参考)2021年07月
    分類

    長編小説

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    閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)

    2021年07月06日 閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)

    映像化! 女性警部フルダ・シリーズ完結編 本シリーズの第1作『闇という名の娘』(英題:The Darkness)の映像化が進んでいる。第1作は「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の月別ベストを始め、多くの書評家に取り上げられ、第2作はミステリ作家の阿津川辰海氏など、日本の作家たちにも注目されている。 本国アイスランドや英米で人気を誇る女性警部フルダ・シリーズ、ファン待望の完結編! 真冬のアイスランド高原地帯。猛吹雪が襲う人里離れた農場に、一人の男が訪ねてくる。農場主の夫妻は、あり得ない天候の下での来訪を不審に思うものの、男を招き入れる。男はレオと名乗り、ハンティング中に仲間とはぐれたと言った。 やがて男は、夫婦の隙を見て家の中を探り始めた。 真冬にハンティングに来たという男の言い分がそもそもおかしかった。夫のエイナールが男の荷物を調べると、多額の現金とナイフが見つかる。疑念と怒りを抱いたエイナールはナイフを手にレオと対峙する。 妻のエルラは恐怖にかられて母屋を飛び出し、地下室へと逃げ込んだ。しかし、そこで待っていたのは底知れぬ闇と、永遠に続くかと思われる時間だった。 その頃、レイキャヴィーク警察の女性警部フルダは、若い女性の失踪事件を追っていた。 男優位の警察社会で自分の能力を示す必要があった。 一方、娘のディンマがフルダに心を閉ざしている様子なのが気がかりだった。家族の中で、思わぬ悲劇が進んでいた。 名うての書評家たちから絶賛された第1作『闇という名の娘』から、シリーズを追う毎に時間が遡っていくユニークな構成。最新第3作は、第1作で孤独な死を迎えたフルダの身に何が起こっていたかが、ついに明かされます。 警察小説としてだけでなく、女性刑事の人生を描く人間ドラマとしても読み応えのある本シリーズ。本作が手始めでももちろん可。ぜひご一読ください!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    閉じ込められた女の総合評価:8.25/10点レビュー 4件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
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    (7pt)

    さらに重く、閉塞感漂う三部作の完結編

    「闇という名の娘」、「喪われた少女」に続くアイスランドの女性刑事・フルダシリーズ三部作の完結編。猛吹雪に襲われたクリスマス直前の時期にアイランド高原地帯の孤立した農場で起きた悲劇の事件を巡る、謎解きミステリーである。
    1987年のクリスマスを目前にした猛吹雪の日に、集落から遠く離れた農場で暮らすエイーナルとエルラ夫婦の家に一人の男が現れた。こんな天候の日に人が訪れることなどありえないと思ったのだが、狩猟中に迷ったという男の言い分を信じて招き入れ、泊まらせることにした。すると、男の話はあいまいで、夜中に家の中を探っているようだった。不安を感じた夫妻は男を問い詰めようとして、逆に殺されてしまう。同じころ、フルダは若い女性の失踪事件を追っていたのだが成果を上げられず、しかも反抗的な娘・ディンマのために家庭内でも深刻な悩みを抱えていた。ここまでが、第一部。第二部は、その二か月後、エイーナルとエルラの死体が発見され、捜査のためにフルダが派遣される。そこでフルダが見つけた事件の真相は…。
    第一部で思い込まされていた事件の構図が第二部で大逆転されるのが、本作の成功の要因。ワイダニットのだいご味が味わえる。本シリーズは第一作から三作へ年代をさかのぼっていくという特異な構成の三部作であり、読む前から本作で悲劇が起こることは分かっているのだが、それでもサスペンスを感じながら読み進められる。
    逆年代記のシリーズなので、第三作の本書から読み始めても問題ないが、やはり第一作から読む方が断然面白い。北欧ミステリーのファンなら絶対に大満足できるだろう。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (5pt)

    ヒッチコック的スリラーの完成度

    終わったところから始まる物語。時間を逆行して発表されてきた女刑事フルダのシリーズ三部作、早くもその完結編である。

     これを読んだのは、北海道までをも巻き込んだ猛暑のさなかだったのだが、作品世界は雪に閉じ込められたアイスランドの一軒家である。とりわけ、三人だけの登場人物による恐ろしい駆け引きの第一部は、大雪で閉じ込められ、血も凍る恐い心理小説なのである。まさに猛暑対策にはこの上ない一冊なのだった。

     アイスランドという国、その特色を生かした寂しさと孤独と、辺縁の土地を襲う暴風雪。それらが重なるだけでも、いわゆるヒッチコック的スリラーの完成度が極めて上がる。そこに加え、前二作によるヒロインの運命と、娘についての叙述を読者は知っているという困った事実である。

     本書は、恐ろしく少ない登場人物による300ページ強の小説でありながら、いやな汗をかきそうな第一部の怖さ、そして一気にその世界をひっくり返してしまうかのような第二部への驚愕の展開が、何といっても読みどころである。

     その他にも、フルダが担当することになる行方不明の少女はどこへ消えたのか? という付きまとう謎がある。これは本ストーリーとの関係性はどうなのか? 読者は何もつかまされぬままに、本書の恐怖と不思議に立ち会ってゆくことになる。この恐怖の館の驚くべき仕掛けとは? 物語の主たる装置はどこにあり、どう動いているのか?

     近年、登場人物や舞台装置の目まぐるしい展開が多くページ数も費やして説明に終始した小説の多いなか、この作品のシンプルさはどうか? それでも作られてしまう驚愕の展開とストーリーテリングは、何なのか? この作者の作品は、おしなべてそう厚くない長編でありながら、しかし、外れがない。アイスランドという国の人口の少なさと犯罪の希少さ、そこに生きる人間の寂しさのような風土まで含めてミステリーの素材としてしまう作者の力技が素晴らしい。

     本シリーズは三作を時間的に逆順で書かれることにより、読者側はヒロインの未来を知りながら読むことになる。また、未来において語られていた事実をも知っているからこその不思議も感じることになる。だからこそ過去の時系列にヒロインとともに遡行することで、怖さが高まる、という経験を珍しくさせて頂いた。

     おそらく逆に時系列で三作を読んでみても良いのかもしれない。そうしたチャレンジ体験者のレビューについても改めて伺ってみたいものである。
    閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)Amazon書評・レビュー:閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)より
    4094068074
    No.2:
    (3pt)

    フルダ三部作の第三作。

    よく知られているように、この三部作は逆時系列になっていて、本書のフルダが一番若く、四十歳。
    私は第一作は読んでいない。第二作『喪われた少女』はフルダ五十歳の時の事件で、なかなか面白かった。
    本書は
    第一部 クリスマスの雪の農場で起きた事件と、同じ頃にフルダの家に起きた事件がおおむね交互に描かれる。
    第二部 フルダは農場の事件を捜査し、1年前の事件に辿り着く。
    私的感想
    〇シンプルなストーリーで、登場人物も少ない。
    〇本格ミステリー要素は少なく、サスペンス+異常心理ミステリー。サスペンスはなかなかのもので、読んでいる間は面白かった。傑作とも、秀作とも書きづらいが、翻訳される価値は十分あると思う。
    〇或いは、本書の主人公は、アイスランド東部のハイランドの厳寒期の「雪」かもしれない。雪には圧倒されてしまう。
    閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)Amazon書評・レビュー:閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)より
    4094068074
    No.1:
    (5pt)

    どこまでも闇・・・(ネタバレなし)

    「フルダの涙で足元の雪が溶けた。フルダの心の悲鳴に応えるように風が吠え猛っていた。」(本書258頁)
    主人公、フルダ・ヘルマンスドッティル。これほどまでに過酷な人生を背負わされた“探偵”役がかつていただろうか? 「ヒドゥン・アイスランド」と言われるこの三部作全編を通してテーマとなっているのが“闇”。もがけばもがくほど、叫べば叫ぶほど、その圧倒的な闇は支配力を強める。完結編である本作を一気に読み終え、その感覚は頂点に達した。衝撃度なら一作目、トータル的な完成度なら二作目、そして、凍り付くようなサスペンス性の高さなら本作、そんな印象だ。
    職務としての事件、そしてプライベートとしての事件。二つの“事件”が同時進行し、やがてそれらはフルダ自身の心の中で・・・・という展開は秀逸だ。作者の意図する「逆年代記」の順に読んできた方であれば、彼女の身に起こった(起こる)ことを大方知っている。知りながらも、まだ語られていない闇の心臓部へ到達すべく、時間を遡って行く。何とも不思議な感覚だ。初めて読むのに、すでにフルダの哀しき人生の顛末を知っているのだから。
    もし、果てしなき闇への滑走路とも言えるあの日の夜に、この先彼女の身に何が起きるのかを本人に伝えることができたなら、そして、もう一度そこから「年代記」を書き換えられるとしたら・・・。また違った未来が彼女を迎え入れてくれるのではないか? ついそんなことを想像してしまう。
    いや、その闇は、すでにそれ以前から彼女の心を侵食し始めていたのかもしれない。いつからか闇、どこまでも闇・・・。にもかかわらず、著者ラグナル・ヨナソンが紡ぎ出すこの天涯孤独な女性の魂の旋律に、不思議と共鳴してしまうのである。
    閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)Amazon書評・レビュー:閉じ込められた女 (小学館文庫 ヨ 1-6)より
    4094068074



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